5
H 1361 : 1997
(下層)を取り除く。有機相に塩酸 (2+1) 10mlを加え,振り混ぜる。静置して2層に分離した後,
水相(下層)を取り除く。
c) 有機相に水15mlを加え,約30秒間振り混ぜる。静置して2層に分離した後,水相(下層)を三角フ
ラスコ (500ml) に移し入れる。
d) 有機相に水15mlを加え,約30秒間振り混ぜる。静置して2層に分離した後,水相(下層)をc)の水
相が入っている三角フラスコに移し入れて合わせる。
注(3) 有機相と水相との分離が十分でない場合は,塩化鉄 (III) 溶液[5.2g) ]1mlを加える。
5.4.3 呈色 呈色は,次のいずれかによる。
a) 試料中の鉄含有率が0.15% (m/m) 未満の場合
1) 5.4.2d)で得た水相のpHを,水酸化ナトリウム溶液[5.2c) ]を用いて2.03.0に調節した後,直ちに塩
酸 (1+9) を正しく5ml加え,加熱して煮沸する。常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラ
スコに水を用いて移し入れる。
2) ゼラチン溶液5ml及びヘマティン溶液[5.2k) ]30mlを加え,水で標線まで薄める。よく振り混ぜた後,
水浴中で約30℃(4)に約30分間保持して呈色させる。
注(4) 2040℃で呈色が可能である。
b) 試料中の鉄含有率が0.15% (m/m) 以上の場合
1) 5.4.2d)で得た水相に,硝酸 (1+100) 200ml,硝酸マンガン溶液7ml及び過マンガン酸カリウム溶液
7mlを加え,加熱して数分間煮沸した後,約30分間静置する。
2) 沈殿をろ紙(5種C)を用いてこし分け,沈殿とろ紙を温水で数回洗浄した後,沈殿を少量の温水
を用いてビーカー (300ml) に移し入れる。ろ紙上に残った沈殿は温塩酸 (1+3) 20ml及び少量の過
酸化水素 (1+9) を用いて溶解し,溶液を沈殿が入っているビーカーに入れ,沈殿を溶解する。
3) 溶液を穏やかに加熱して液量が約10mlになるまで濃縮する。
4) 水20mlを加え,室温まで冷却した後,水酸化ナトリウム溶液[5.2c) ]を滴加し,マンガンの沈殿を生
成させる。過酸化水素 (1+9) 2,3滴を加え,塩酸 (1+9) を溶液が透明になるまで少量ずつ加えた
後(5),更に過剰の塩酸 (1+9) を正しく5ml(6)加え,沸騰するまで加熱する。
5) 常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れる。
6) )2)の操作を行う。
注(5) このときの溶液のpHは2.03.0である。
(6) 呈色時,溶液100ml中に塩酸が0.5mlとなるように加える。
5.4.4 吸光度の測定 5.4.3のa)2)又はb)6)で得た溶液を常温まで冷却した後,溶液の一部を光度計の吸
収セル (10mm) に取り,水を対照液として,波長570nm付近の吸光度を測定する。
5.5 空試験 試薬だけを用いて,5.4.15.4.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。
5.6 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) アルミニウム[5.2d) ]を,5.4.1a)ではかり取った試料と質量が10mgのけたまで同じになるように数個は
かり取り,それぞれをビーカー (300ml) に移し入れる。
b) 標準すず溶液[5.2m) ]010.0ml(すずとして00.2mg)を段階的に加える。
c) 5.4.1b)5.4.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度と標準すず溶液とし
て加えたすず量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
5.7 計算 5.4.4及び5.5で得た吸光度と5.6で作成した検量線とからすず量を求め,試料中のすず含有率
を,次の式によって算出する。
――――― [JIS H 1361 pdf 6] ―――――
6
H 1361 : 1997
A1 A2
Sn 100
m
ここに, Sn : 試料中のすず含有率 [% (m/m) ]
A1 : 試料溶液中のすず検出量 (g)
A2 : 空試験液中のすず検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
6. 原子吸光法
6.1 要旨 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー
ム又は酸化二窒素・アセチレンフレームの中に噴霧し,その吸光度を測定する。
6.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1, 1+9)
b) 硝酸
c) 硝酸 (1+1)
d) ふっ化水素酸
e) 混酸(塩酸3,硝酸1,水4) 使用の都度,調製する。
f) アルミニウム 5.2d)による。
g) 標準すず溶液A (1.0mgSn/ml) すず[99.9% (m/m) 以上]0.500gをはかり取り,ビーカー (200ml) に
移し入れ,時計皿で覆い,塩酸15ml及び硝酸5mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷
却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フ
ラスコに塩酸 (1+1) 100mlを用いて移し入れ,塩酸 (1+1) で標線まで薄めて標準すず溶液Aとする。
h) 標準すず溶液B (100 最一 準すず溶液A[g) ]を使用の都度,塩酸 (1+9) で正しく10倍に薄め
て標準すず溶液Bとする。
6.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,試料中のすず含有率に応じ,表2に従って,1mgのけた
まではかる。
表2 試料はかり取り量
すず含有率 試料はかり取り量
% (m/m) g
0.02以上 1.0未満 1.00
1.0以上 6.0以下 0.50
6.4 操作
6.4.1 試料溶液の調整 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,混酸[6.2e) ]40mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の
下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く(7)。
c) 溶液をろ紙(5種C)を用いてろ過した後,水でろ紙と残さを洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー
(200ml) に合わせ主液として保存する。残さはろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,加熱し
て乾燥した後,強熱してろ紙を灰化する。放冷した後,硝酸5ml及びふっ化水素酸5mlを少量ずつ加
え,加熱して乾固する。塩酸 (1+1) 2mlを加え,塩類を溶解し,溶液を主液に合わせる。
d) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める(8)。
――――― [JIS H 1361 pdf 7] ―――――
7
H 1361 : 1997
e) この溶液から正しく25mlを100mlの全量フラスコに分取し,塩酸 (1+9) で標線まで薄める。
注(7) 不溶解残さが認められない場合には,次のc)の操作は行わない。
(8) 試料中のすず含有率が0.02% (m/m) 以上1.0% (m/m) 未満の場合には,次のe)の操作は行わな
い。
6.4.2 吸光度の測定 6.4.1のd)又はe)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度
計の空気・アセチレンフレーム又は酸化二窒素・アセチレンフレームの中に噴霧し,波長224.6nm又は
286.3nmにおける吸光度を測定する。
6.5 空試験 6.6の操作において得られる標準すず溶液を添加しない溶液の吸光度を,空試験の吸光度と
する。
6.6 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) アルミニウム[6.2f) ]を,6.4.1a)ではかり取った試料と質量が10mgのけたまで同じになるように数個は
かり取り,それぞれをビーカー (200ml) に移し入れる。
b) 6.4.1のb)及びc)(9)の手順に従って操作した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れる
(10)。
c) 水で標線まで薄めた後,各溶液を正しく25mlずつ分取し,それぞれ100mlの全量フラスコに移し入
れる。
d) 標準すず溶液A[6.2g) ]及び標準すず溶液B[6.2h) ]の各種液量(すずとして010mg)を段階的に加え,
塩酸 (1+9)(11)で標線まで薄める。
e) 各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム又は酸化
二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長224.6nm又は286.3nmにおける吸光度を試料と並行し
て測定し,得た吸光度とすず量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検
量線とする。
注(9) 注(7)を適用する場合には,6.4.1c)の操作は行わない。
(10) 注(8)を適用する場合には,次のc)の操作は行わない。
(11) 注(8)を適用する場合には,塩酸 (1+9) の代わりに水を用いる。
6.7 計算 計算は,次のいずれかによる。
a) 6.4.1e)の操作を行わなかった場合 6.4.2及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した検量線とから,それ
ぞれすず量を求め,試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。
A1 ( A2 A3 )
Sn 100
m
ここに, Sn : 試料中のすず含有率 [% (m/m) ]
A1 : 試料溶液中のすず検出量 (g)
A2 : 空試験液中のすず検出量 (g)
A3 : 6.6a)ではかり取ったアルミニウム[6.2f) ]中に含まれるすず量
(g)
m : 試料はかり取り量 (g)
b) 6.4.1e)の操作を行った場合 6.4.2及び6.5で得た吸光度と6.6で作成した検量線とからすず量を求め,
試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。
100
(A1 A2 ) A3
Sn 25 100
m
――――― [JIS H 1361 pdf 8] ―――――
8
H 1361 : 1997
ここに, Sn : 試料中のすず含有率 [% (m/m) ]
A1 : 分取した試料溶液中のすず検出量 (g)
A2 : 分取した空試験液中のすず検出量 (g)
A3 : 6.6a)ではかり取ったアルミニウム[6.2f) ]中に含まれるすず量
(g)
m : 試料はかり取り量 (g)
JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 畦 上 尚 株式会社日軽分析センター
藤 沼 弘 東洋大学工学部
村 上 徹 朗 工学院大学
俣 野 宣 久 川崎製線株式会社
大河内 春 乃 科学技術庁金属材料技術研究所
後 藤 敬 一 通商産業省基礎産業局
天 野 徹 工業技術院標準部
久留須 一 彦 古河電気工業株式会社
井 川 洋 志 昭和電工株式会社
小 島 盛 昭 株式会社フジクラ
水 砂 博 文 住友電気工業株式会社
山 田 哲 夫 株式会社神戸製鋼所
松 原 道 夫 セイコー電子工業株式会社
船 渡 好 人 株式会社島津製作所
中 田 滋 古河電気工業株式会社
佐 藤 豊 東洋アルミニウム株式会社
北 村 照 夫 昭和アルミニウム株式会社
荻 嶋 淳 三菱アルミニウム株式会社
川 口 修 スカイアルミニウム株式会社
西 尾 正 浩 住友軽金属工業株式会社
坂 巻 博 日本軽金属株式会社
蠏 庄 作 社団法人軽金属協会
(事務局) 井 波 隆 夫 社団法人軽金属協会
JIS H 1361:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
JIS H 1361:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH1351:1972
- アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具