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附属書B
(規定)
脱亜鉛腐食試験方法(電気化学的方法)
B.1 要旨
準備した電極用試料を,二酸化炭素を含む混合ガス及び炭酸水素イオンによって,pHを調製した塩化物
試験液中で定電流アノード分極を行い,形成された侵食深さを調べる。
B.2 試験液の調製
試験液の調製は,次による。
B.2.1 水 脱塩水(イオン交換樹脂によって精製した水又は蒸留水)とする。
B.2.2 試験液 JIS K 8622に規定する炭酸水素ナトリウム0.40 g及びJIS K 8150に規定する塩化ナトリウ
ム29.22 gを水に溶かして,1 000 mLとする。
B.3 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
B.3.1 腐食試験槽 ガス注入口,試料電極口及び白金電極口の付いたガラス製又は樹脂製の蓋を備えた,
確実に密封できる円筒状ガラス容器(図B.1参照)。
B.3.2 恒温水槽 60 ℃±2 ℃に温度制御可能なもの。
B.3.3 光学顕微鏡 最小目盛が10 μm以下の測定目盛を備えたもの。
B.3.4 温度計 最小読取り精度が0.5 ℃以下のもの。
B.3.5 金属用研磨装置 バフ研磨まで可能なもの。
B.3.6 定電流発生装置 3.00 mAまでの直流電流通電できるもの。
B.3.7 pHメーター 最小読取り精度が0.1以下のもの。
B.3.8 白金電極 30 mm×30 mm×0.1 mm(厚さ)以上の白金板で,リード線及び保護管付きのもの。
B.3.9 混合ガス CO2 : O2 : N2を体積比10±0.5 : 20±1.0 : 70±1.5に混合したガス。
B.3.10 槽電圧測定用レコーダ 電流印加時における正常な試験状態を確認できるもの。
図B.1−定電流アノード分極試験装置
――――― [JIS H 3250 pdf 26] ―――――
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H 3250 : 2021
B.4 試験片
B.4.1 試験片の採取
試験片の採取は,次による。
a) 試験片は,長さ方向に10 mm15 mmの長さに切断する。
b) 試験面は,長さ方向に直角な断面とする。この断面は,棒の表面近傍部分を含むように切断加工する。
B.4.2 試験片の調製
試験片の調製は,次による。
a) 試験面は,JIS R 6253に規定するP240P320の耐水研磨紙又は相当品で研磨後,アルコール,アセ
トンなどで脱脂洗浄する。
b) 試験面が暴露できるように樹脂に埋め込む。この場合,樹脂はエポキシ系が望ましいが,フェノール
系又は不飽和ポリエステル系でもよい。樹脂の切削性及び樹脂と試験片との密着性を考慮する必要性
があるため,樹脂は熱硬化性タイプが望ましい。
c) 樹脂側面から試験片に届くように直径5 mm7 mmの穴をあけ,塩化ビニル樹脂被覆銅線とアクリル
系樹脂保護管とを取り付ける(図B.2参照)。試験片と銅線とは,導電性樹脂で接着固定し,保護管と
樹脂とは速乾性樹脂で接着固定する(以下,接着固定された試料を電極用試料という。)。
d) 電極用試料の試験面は,JIS R 6253に規定するP240P1 200の耐水研磨紙又は相当品で,順次,研磨
した後,水(脱塩水)で十分に洗浄する。水による洗浄は,超音波洗浄が望ましい。
e) 試験片の露出する面積は,マスキングを施し70 mm2200 mm2とする。
図B.2−電極用試料
B.5 試験方法
試験方法は,次による。
a) 恒温水槽の温度を60 ℃±2 ℃に調整する。
b) 試験液500 mL1 000 mLを入れた腐食試験槽を恒温水槽内に設置する。
c) 腐食試験槽中の試験液に混合ガスを30分60分間注入し,飽和する。この場合,飽和の基準は,試
験液のpHを測定し,このpHが6.57.0とする。また,試験期間中,混合ガスは,飽和状態を維持す
るために連続注入する。
d) 腐食試験槽中に白金電極及び電極用試料を固定し,定電流発生装置に連結する。この場合,両電極面
――――― [JIS H 3250 pdf 27] ―――――
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H 3250 : 2021
は,槽底部に対して垂直かつ平行とし,極間距離は20 mm±5 mmとする。
e) 電極用試料の試験面を安定化するために,10分15分間放置してから,所定の電流密度で電流印加す
る。電流密度は1.0 mA/cm2±0.05 mA/cm2とし,印加時間は24時間±15分とする。
f) 試験終了後の電極用試料は,腐食試験槽から速やかに取り出し,水,アルコールなどを用いて洗浄·
乾燥する。
B.6 顕微鏡観察
B.6.1 観察用試料の調製
観察用試料の調製は,次による。
a) 試験終了後に樹脂から試験片を取り出し,腐食面断面の顕微鏡観察が可能になるように樹脂に埋め込
み,顕微鏡観察用試料とする。この場合,試験片は,樹脂底部に対して棒の長さ方向と平行で,かつ,
その試験面が垂直になるように樹脂に埋め込む。
b) 樹脂に埋め込んだ試料は,試験面が含まれるように切断し,顕微鏡観察のための腐食面断面を出す。
ただし,樹脂への埋め込みの前に試験面が含まれるように切断してもよい。次に,試験面をJIS R 6253
に規定する耐水研磨紙又は相当品で順次研磨し,最終仕上げはバフ研磨とする。バフ研磨後のエッチ
ングは,行わない。
B.6.2 侵食深さの測定
侵食深さの測定は,次による。
a) 侵食深さの測定は,光学顕微鏡を使用して行う。倍率は,200倍程度とする。
b) 光学顕微鏡では,腐食面断面を全面にわたって観察した後,侵食深さの最大値を示すとみられる視野
を1か所又は2か所選ぶ。侵食深さは,光学顕微鏡で直接測定するか,又は写真撮影をしてからこれ
らの写真を基に測定する。
c) 最大侵食深さは,腐食面断面の全面の中で最も深い部位の測定値とする。ただし,エッジ効果が明ら
かなとき,例えば,樹脂と試験片との間の境界線に沿ってより深い侵食があるときは,エッジ効果を
除くために境界から十分離れて最大の侵食深さを測定する。エッジ効果が著しい場合には,再試験を
行う。
――――― [JIS H 3250 pdf 28] ―――――
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H 3250 : 2021
附属書C
(参考)
棒の代表寸法
棒の代表寸法を,表C.1及び表C.2に参考として示す。代表寸法とは,市場に広く流通している寸法を
いう。
表C.1−快削黄銅棒の代表寸法
単位 mm
A a) 形状 A a) 形状 A a) 形状
丸形 正六角形 正方形 丸形 正六角形 正方形 丸形 正六角形 正方形
3.0 ○ − − 16 ○ − − 35 ○ ○ ○
3.5 ○ − − 17 ○ ○ ○ 36 ○ ○ ○
4.0 ○ ○ − 18 ○ − − 38 ○ − −
4.5 ○ ○ − 19 ○ ○ ○ 40 ○ ○ ○
5.0 ○ ○ ○ 20 ○ ○ ○ 41 − ○ ○
5.5 ○ ○ ○ 21 ○ ○ − 42 ○ − −
6 ○ ○ ○ 22 ○ ○ ○ 45 ○ ○ −
7 ○ ○ ○ 23 ○ ○ − 46 − ○ −
8 ○ ○ ○ 24 ○ ○ ○ 48 ○ − −
9 ○ ○ ○ 25 ○ ○ ○ 50 ○ ○ −
10 ○ ○ ○ 26 ○ ○ − 60 ○ − −
11 ○ ○ − 27 ○ ○ ○ 70 ○ − −
12 ○ ○ ○ 28 ○ − − 80 ○ − −
13 ○ ○ ○ 29 ○ ○ − 90 ○ − −
14 ○ ○ − 30 ○ ○ ○ 100 ○ − −
15 ○ ○ ○ 32 ○ ○ ○
この表は,C 3601 B,C 3602 B,C 3603 B,C 3604 B及びC 3605 Bに適用する。
注a) は,丸形のときは径,正方形及び正六角形のときは対辺距離を示す。
表C.2−フレアナット用引抜棒の代表寸法
単位 mm
対辺距離 形状
正六角形
17 ○
22 ○
24 ○
26 ○
27 ○
29 ○
36 ○
この表は,C 3604 BDN-SR及
びC 3771 BDN-SRに適用する。
――――― [JIS H 3250 pdf 29] ―――――
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附属書D
(規定)
銅及び銅合金の棒の固体発光分光分析方法
D.1 要旨
この附属書は,スパーク放電によって固体金属試料を気化励起させ,発生する原子スペクトル線の発光
強度を測定することで定量分析する銅及び銅合金の棒の固体発光分光分析方法について規定する。
固体発光分光分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012及びJIS K 0116による。
D.2 対象合金及び定量範囲
固体発光分光分析での分析対象とする合金の種類の記号,定量成分及び定量範囲は,表D.1による。
ただし,特に要求のある場合は,定量範囲は,受渡当事者間の協定によって決定してもよい。
表D.1−分析対象合金(種類の記号),定量成分及び定量範囲
単位 %
種類の記号 定量成分 定量範囲
C 1201 B りん 0.004以上 0.8以下
C 1220 B りん 0.004以上 0.8以下
C 6801 B カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
C 6802 B カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
C 6803 B カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
C 6804 B カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
C 6810 B カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
C 6820 B カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
けい素 0.002以上 5以下
C 6931 B
カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
けい素 0.002以上 5以下
C 6932 B
カドミウム 0.000 5以上 0.01以下
D.3 検量線用試料
検量線用試料は,分析対象とする種類の記号及び化学組成が類似したものを用意し,一系列のものとし
て使用する。検量線用試料中の定量成分含有量の決定は,JIS H 1058,JIS H 1061及びJIS H 1069による。
標準試料として,分析の目的に合致する認証標準物質(CRM)又はこれに準じた標準物質を使用してもよ
い。
D.4 測定条件の設定及び測定
固体発光分光分析の測定条件は,JIS K 0116の5.5(測定条件の設定)及び5.6.1(分析線の選定)によ
る。使用する装置によって決められた設定条件を選択し,検量線用試料及び分析試料に清浄に研磨した電
極を接触させてスパーク放電させ,発光強度を測定する。分析線の例を表D.2に示す。
――――― [JIS H 3250 pdf 30] ―――――
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JIS H 3250:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS H 3250:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH0321:1973
- 非鉄金属材料の検査通則
- JISH0500:1998
- 伸銅品用語
- JISH0505:1975
- 非鉄金属材料の体積抵抗率及び導電率測定方法
- JISH1012:2001
- 銅及び銅合金の分析方法通則
- JISH1051:2013
- 銅及び銅合金中の銅定量方法
- JISH1052:2010
- 銅及び銅合金中のすず定量方法
- JISH1053:2009
- 銅及び銅合金中の鉛定量方法
- JISH1054:2002
- 銅及び銅合金中の鉄定量方法
- JISH1055:2003
- 銅及び銅合金中のマンガン定量方法
- JISH1056:2003
- 銅及び銅合金中のニッケル定量方法
- JISH1057:1999
- 銅及び銅合金中のアルミニウム定量方法
- JISH1058:2013
- 銅及び銅合金中のりん定量方法
- JISH1059:2015
- 銅及び銅合金中のひ素定量方法
- JISH1061:2006
- 銅及び銅合金中のけい素定量方法
- JISH1065:2006
- 銅及び銅合金中のセレン定量方法
- JISH1068:2005
- 銅及び銅合金中のビスマス定量方法
- JISH1069:2006
- 銅及び銅合金中のカドミウム定量方法
- JISH1072:1999
- 銅及び銅合金中のアンチモン定量方法
- JISH1292:2018
- 銅合金の蛍光X線分析方法
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8622:2007
- 炭酸水素ナトリウム(試薬)
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ2243-1:2018
- ブリネル硬さ試験―第1部:試験方法
- JISZ2243-2:2018
- ブリネル硬さ試験―第2部:硬さ値表
- JISZ2244-1:2020
- ビッカース硬さ試験―第1部:試験方法
- JISZ2244-2:2020
- ビッカース硬さ試験―第2部:硬さ値表
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方