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JIS H 8711:2000 規格概要
この規格 H8711は、アルミニウム合金の応力腐食割れ抵抗性の試験方法を定める。
JISH8711 規格全文情報
- 規格番号
- JIS H8711
- 規格名称
- アルミニウム合金の応力腐食割れ試験方法
- 規格名称英語訳
- Test methods for stress corrosion cracking on aluminium alloys
- 制定年月日
- 1977年4月1日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 9591:1992(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 77.060, 77.120.10
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 非鉄 2021
- 改訂:履歴
- 1977-04-01 制定日, 1980-06-01 確認日, 1986-02-01 確認日, 1990-03-01 改正日, 1995-01-01 確認日, 2000-06-20 改正日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS H 8711:2000 PDF [92]
H 8711 : 2000 (ISO 9591 : 1992)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS H 8711 : 1990は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との整合を図ることに重点を置き,対応国際規格の規定内容
をすべて採用し,また,旧JISの内容を変更した。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
附属書A(規定) 結晶粒の方向性試験
附属書1(参考) 金属及び合金の腐食−応力腐食割れ試験−第1部 : 試験手順の一般的解説
附属書2(参考) 金属及び合金の腐食−応力腐食割れ試験−第2部 : 板曲げ試験片の作製と試験
附属書3(参考) 金属及び合金の腐食−応力腐食割れ試験−第3部 : U字曲げ試験片の作製と試験
附属書4(参考) 金属及び合金の腐食−応力腐食割れ試験−第4部 : 単軸引張試験片の作製と試験
附属書5(参考) 金属及び合金の腐食−応力腐食割れ試験−第5部 : C−リング試験片の作製と試験
附属書5A(規定) C−リング試験片の応力計算式
附属書6(参考) 金属及び合金の腐食−応力腐食割れ試験第−6部 : 予き裂入り試験片の作製と試
験
附属書6A(規定) 応力腐食試験用ノッチ入り試験片の使用
附属書7(参考) 金属及び合金の腐食−応力腐食割れ試験−第7部 : 低ひずみ速度試験
附属書7A(参考) ひずみ速度
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS H 8711 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
H 8711 : 2000
(ISO 9591 : 1992)
アルミニウム合金の応力腐食割れ試験方法
Test methods for stress corrosion cracking on aluminium alloys
序文 この規格は,1992年に発行されたISO 9591, Corrosion of aluminium alloys−Determination of resistance
to stress corrosion crackingを元に作成した日本工業規格(日本産業規格)であり,附属書(参考)17を除いて,技術的内容
及び規格票の様式を変更することなく作成している。
附属書(参考)17には,ISO 9591が引用規格としているISO 7539-17を翻訳して記載した。これら
の引用規格は,この規格の内容を補足するものであり,この規格の利用の便と理解を助けるものである。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1 この規格は,アルミニウム合金の応力腐食割れ抵抗性の試験方法を定めたものである。
1.2 この規格は,試験片の採取方法,試験片の形状,荷重負荷方法,腐食環境条件,及び測定結果の解
釈方法について定めている。
1.3 この規格は,アルミニウム合金の化学組成,製造方法及び熱処理方法の関連で,応力腐食割れ抵抗
性を調べることを目的としている。
1.4 この規格は,アルミニウム展伸材及び鋳物の製品,半製品,部品及び溶接加工品について適用する。
1.5 自然環境の大部分及び人工環境の多くは塩化物を含むので,この規格は,海洋環境下又は,破壊機
構を変化させないような塩化物を含む環境下で使用される製品の性能を比較するために用いることができ
る。ただし,この試験の結果は品質の絶対的な評価と考えないほうがよい。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は,発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけが,
この規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は,発行年)
を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
ISO 7539-1 : 1987, Corrosion of metals and alloys−Stress corrosion testing−Part 1 : General guidance on
testing procedure. (金属及び合金の腐食 : 応力腐食割れ試験,第1部 : 試験手順の一般的解説)
ISO 7539-2 : 1989, Corrosion of metals and alloys−Stress corrosion testing−Part 2 : Preparation and use of
bent-beam specimens. (金属及び合金の腐食 : 応力腐食割れ試験,第2部 : 板曲げ試験片の作製と
試験)
ISO 7539-3 : 1989, Corrosion of metals and alloys−Stress corrosion testing−Part 3 : Preparation and use of
U-bend specimens. (金属及び合金の腐食 : 応力腐食割れ試験,第3部 : U字曲げ試験片の作製と
試験)
ISO 7539-4 : 1989, Corrosion of metals and alloys−Stress corrosion testing−Part 4 : Preparation and use of
――――― [JIS H 8711 pdf 2] ―――――
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H 8711 : 2000 (ISO 9591 : 1992)
uniaxially loaded tension specimens. (金属及び合金の腐食 : 応力腐食割れ試験,第4部 : 単軸引張
試験片の作製と試験)
ISO 7539-5 : 1989, Corrosion of metals and alloys−Stress corrosion testing−Part 5 : Preparation and use of
C-ring specimens. (金属及び合金の腐食 : 応力腐食割れ試験,第5部 : C−リング試験片の作製と
試験)
ISO 7539-6 : 1989, Corrosion of metals and alloys−Stress corrosion testing−Part 6 : Preparation and use of
precraked specimens. (金属及び合金の腐食 : 応力腐食割れ試験,第6部 : 予き裂入り試験片の作
製と試験)
ISO 7539-7 : 1989, Corrosion of metals and alloys−Stress corrosion testing−Part 7 : Slow strain rate testing.
(金属及び合金の腐食 : 応力腐食割れ試験,第7部 : 低ひずみ速度試験)
参考 JIS Z 0103(防せい防食用語)及びJIS H 0201(アルミニウム表面処理用語)にも,関連事項
が規定されている。
3. 定義 ISO 7539-1(この規格の“附属書1”を参照)で与えられる定義が,この規格のために適用さ
れる。
参考 JIS Z 0103及びJIS H 0201にも,関連用語が規定されている。
4. 試験方法の種類
4.1 この規格では二つの荷重負荷方式を規定する。すなわち,“定ひずみ方式”と“定荷重方式”である。
4.2 この規格は,試験液への浸せき方法として次の二つの方法を規定している。
a) 交互浸せき法。
b) 連続浸せき法(ただし,連続浸せき法の使用は受渡当事者間の協定による)。
4.3 合金の応力腐食割れに対する評価基準は,以下による。
a) 下限界応力,すなわち,一定の試験期間内に割れが発生しない最大応力。
b) 破断時間,すなわち,定ひずみ条件下にある試験片に,肉眼又は30倍以下の倍率での観察で,
識別可能な割れが初めて認められる時間。
4.4 荷重負荷方式,応力値,腐食環境及び評価基準の選択は,受渡当事者間の協定による。これらは,
試験報告書に明記されることが望ましい。
5. 試験装置と試験片
5.1 負荷装置 ヨーク,ねじ,ばね,てこなどのジグ,及び特殊な負荷装置によって,試験片に引張応
力を負荷する。
5.2 試験装置の構成材料 試験装置の試験液と接触する部位には,腐食によって試験液を汚染し,その
腐食性を変化させるような材料を使用してはならない。
5.2.1 不活性なプラスチック又はガラスを使用することが望ましい。
5.2.2 試験液と接触する金属部材には,耐食合金を使用することができるが,5.2を満たす適切な耐食性
皮膜で保護すべきである。
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H 8711 : 2000 (ISO 9591 : 1992)
5.3 試験片ホルダー 試験片ホルダーは,試験片を他の試験片及び装置内の露出金属部材から電気的に
絶縁するように設計されることが望ましい。負荷ボルトや負荷ジグを用いる場合のように,もし絶縁が不
可能な場合には,試験片と接触する露出金属部材は適切な皮膜によって腐食液から絶縁されるべきである。
その際,保護皮膜は腐食抑制イオン,腐食促進イオン,保護油を透過するものであってはならない。また,
試験片の保護皮膜のない部分に蒸気などの残留物を残すものであってはならない。特に,クロム酸塩を含
む皮膜は避けるべきである。保護皮膜を施した後,すべての試験片は脱脂することが望ましい。
5.4 交互浸せきのための装置
5.4.1 周期的な浸せきのために用いる装置は,以下の条件を満たせばよい。
a) 試験液への浸せき及び取り出しの速度があらかじめ決められた速度である。
b) 及び,適当な不活性材料で装置が作られている。
− 通常用いる交互浸せきの方法には,次のようなものがある。
a) 可動ラックに取り付けた試験片が,試験液の入った固定されたタンク中に周期的に浸せきされる。
b) 10分間ごとに60度回転する回転ホイールに取り付けた試験片が,固定されたタンクの試験液中を通
るようにする。
c) 大気中の静止トレーに試験片を取り付け,試験液を貯蔵タンクからトレーに空気圧,非金属製ポンプ
又はドレンによって周期的に出し入れする。
5.4.2 試験片の試験液への浸せきと取り出し速度は,震動しない範囲でできる限り速いことが望ましい。
標準化のためには,試験液中の浸せき時から,又は大気暴露時から,2分間以内の任意の時間を採用しな
ければならない。
6. 試料採取方法
6.1 この規格は,一般に,厚い材料については3方向,薄い材料については2方向の試験片採取方向を
規定している。試料採取方向を図1に示す。図1a)の表記において,最初の方向は応力負荷方向,二番目
の方向は割れの伝ぱ(播)方向を意味する。
6.2 特に指定されない限り,厚い材料においては試験は厚さ方向 (S),薄い材料では幅方向 (T) に行う
ことが望ましい。断面が円形及び正方形に近い圧延材又は押出材においては,試験片は加工方向に直角(半
径方向)にとることが望ましい。
鍛造材のように材料の方向が不明確な場合,応力腐食割れ感受性が最も高い方向(厚さ方向又は幅方向)
に試験片をとるために,結晶粒の方向性をマクロエッチ又は金属組織観察によって調べることが推奨され
る(附属書A参照)。
6.3 試験に供する試験片の数は,受渡当事者間の協定によって決める。ただし,単一応力で試験する場
合は,隣接して採取した4個以上の試験片について試験を行わなければならない。また,応力を変えて試
験する場合は,それぞれの応力ごとに3個以上の試験片とする。
7. 試験片
7.1 種類と大きさ ISO 7539-2からISO 7539-5で定義されている試験片を使用することができる(この
規格の“附属書25”を参照)。
7.1.1 厚板や鍛造材などのような厚肉材からは,単軸引張試験片,C−リング試験片又は曲げ試験片を採
取することができる。
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H 8711 : 2000 (ISO 9591 : 1992)
7.1.2 薄板のような薄肉材からは,単軸引張試験片,板曲げ試験片又はU字曲げ試験片を採取すること
ができる。
7.1.3 溶接部材から試験片を採取する場合,応力負荷方向が溶接方向と垂直になるようにして,溶接部が
試験片中央部にくるようにする。
7.1.4 合金間及び調質間の比較のための試験の場合,同一種類で同一寸法の試験片について試験を行うこ
とが望ましい。試験片は,可能ならば最終機械加工の前に熱処理を行う。それが不可能な場合は,表面酸
化膜の除去についての対策を講じなければならない(7.2.4参照)。
7.2 表面性状
7.2.1 機械的又は金属組織的な原因による表面欠陥のある試験片は,除外すべきである。
7.2.2 試験片の表面性状は以下の事項に従うことが望ましい。
a) 受け入れたままの機械加工を加えない表面状態
b) 機械加工を加えた表面状態 : 製品製造時の表面状態を再現する必要のある場合を除いて,中心線平均
粗さ (Ra) が1 下であることが推奨される。
c) 溶接部材試験片の表面性状は,受渡当事者間の協定に基づいて決める。
7.2.3 機械加工条件は,試験片の金属組織に影響を及ぼさず,残留応力の発生を最少にするように設定さ
れることが望ましい。
7.2.4 試験片は,有機溶剤(例えば,石油エーテル又はアセトン)によって脱脂する。受渡当事者間の協
定によって,他の表面処理,例えば,酸洗又はエッチングなどを施してもよい。しかし,このような科学
的処理は,合金及び調質によっては割れの発生を導く可能性があることに注意する。そのような場合,化
学的処理はしないほうがよい。
7.3 試験片の識別 試験片は適切な方法(ISO 7539-1 : この規格の“附属書1”を参照)によって識別す
る。識別マークは腐食に耐えるものであること。
7.4 試験片に関する注意 脱脂又は酸洗の後,試験前に試験片の試験部には触れないように注意する。
8. 試験環境 試験環境は,実際の使用環境によく対応することが望ましい。受渡当事者間での協定がな
い限り,次に挙げる試験環境が推奨される。
8.1 試験液に用いる薬品は,分析級の科学試薬とする。
参考 分析級とは,JISに規定された試薬をいう。
8.2 試験液には蒸留水又はイオン交換水を用いる。最小の抵抗率は10 攀
8.3 交互浸せきの場合,塩化ナトリウム溶 (3.5±0.1mass%) の液を用いる。このとき,新たに調整した
試験液のpHは6.47.2になるように,もし,必要ならpHの調節を行わなければならない(8.5参照)。
8.4 連続浸せきの場合,塩化ナトリウム (2.0±0.1mass%) とクロム酸ナトリウム (Na2CrO4) (0.5±
0.05mass%) の混合溶液を用いる。この試験液のpHは3.0±0.2の範囲に入るように塩酸によって調整する。
pHは試験中定期的に確認し,必要ならば調整を行う(8.5参照)。
8.5 試験液のpHの調整には,塩酸又は水酸化ナトリウムの希釈液だけを用いる。
8.6 試験室内の温度と湿度は,交互浸せき試験においては次の浸せきまでの時間内に,試験片が乾燥す
ることを保証する条件に制御する。室内の相対湿度は,40%と75%の間に制御維持する。試験結果の再現
性を保証するためには,室内温度は25±3℃に保つことが推奨される。
――――― [JIS H 8711 pdf 5] ―――――
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JIS H 8711:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9591:1992(MOD)
JIS H 8711:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金