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Q 7.1bh2
ここに, Q : 流量 (m3/s)
b : あふれ口の幅 (m)
h : あふれ口をあふれる水の水頭 (m)
図8.19 あふれ口
備考8. 開水路による測定 排水路を利用する場合に用いる。
(1) 構成材料及び断面の形状が一定で少なくとも10mはまっすぐな水路の場合
(a) 直線水路のこう配と水流の横断面を測定し,次に,物差しなどで,水路幅間の水位を測定
する。次の式によって流量を換算する。平均流速は,シェジーの流速公式による。
Q=V・A
ここに, Q : 流量 (m3/s)
A : 水流断面積 (m2)
V : 平均流速 (m/s)
V=C iR (シェジーの流速公式)
C : 流速係数
i : 溝底のこう配
R : 径深(水流断面積Aに湿潤長さSの逆数を乗じたもの)(m)
径深Rは,次の式によって求める。
A
R= として図8.20から
S
図8.20 水路
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表8.5 バザンの粗度定数
水路の性質 最
0.06
1. モルタルの上塗り,かんなをかけた板張り,その他丁寧な施工で,かつ,十分
維持できている非常に滑らかな壁面
2. 丁寧に施工した板張り,切石施工又はれんが施工などの滑らかな壁面 0.16
3. コンクリート造りの水路 0.30
4. 普通の粒石積,粒コンクリート造りなどの粗雑な壁面 0.46
5. 正規な断面で張石してあるもの 0.85
6. 断面の比較的整った普通の河川 1.30
(2) 構成材料,断面の形状,こう配などが一様でない開水路の場合
(a) 水路はできるかぎり直線的で,水面が波立っていないところを選ぶ。
(b) 流れの10mを測定区間とし,2mごとに水流の横断面積を測定し,その平均値を水流の平
均断面積とする。
(c) 流速の測定は,おがくず又はそれに類した,水面を浮かんで流れる細かいもので,10m区
間を流れるのに要する時間をストップウォッチで測定する。この実測流速は,表面最大流
速となる。
(d) 次の式によって水路の流量を算出する。ただし,概算しかできない。
V=0.75Ve
ここに, V : 総平均流速 (m/s)
Ve : 表面最大流速 (m/s)
Q=V・A
ここに, Q : 流量 (m3/s)
V : 総平均流速 (m/s)
A : 測定区間の水流の平均断面積 (m2)
9. 工業用水の試料採取
工業用水として使用される水には,河川水,湖沼水,地下水,海水,上水道水
及び工業用水道水などがある。
工業用水の試料の採取は,工業用水の取水地点での採取方法及び工業用水を工場又は事業所などに受け
入れる受水地点での採取,工場及び事業場内での採取に区分する。
9.1 取水地点での採取
工業用水として用いられる原水は,一般に河川水,湖沼水,地下水,海水など
の天然水のほかに,下水の高度処理水などがある。試料採取は取水地点で行うが,これらの水の水質は気
象,地理,地質などの自然環境並びに水利用,下水,工場排水などの混入による人為的環境の影響によっ
て様々に変化するので,目的によっては,これらによる水質の変化を予知できるように,取水地点以外の
採取地点,採取時間及び採取頻度を選定する必要がある。取水が行われている場合には,取水地点の水を
連続的に採取できる採水装置などを設置し,同時に流量を測定しておくことが望ましい。
9.1.1 河川水の試料採取 工業用水として取水している河川水の水質は,その流域の地理的,地質的条件
によって異なり,さらに,降雨などの気象条件及び各種用水の取水,生活排水,工場排水の流入,河川工
事などの人為的条件によっても著しく変化する。
また,河川は多くの小河川が合流して形成されるから,これら小河川流域での条件の変化によっても変
動する。
感潮水域では,潮の干満によって河川の流下状態,海水の混入状態が変化し,河川の表層水と下層水の
水質は全く異なる場合がある。このような河川の水質に影響する条件は非常に多いので,試料採取には十
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分な注意が必要である。
(1) 採取地点 試料の採取地点は,工場・事業所が河川水の取水を行っている地点で同一水深とする。そ
のほかに,取水している河川水の水質の変動を事前に予知できる地点をあらかじめ選定しておく。
河川から直接採取する場合は,河川に流入する支流や排水が十分に混合している地点を採取場所に
選定する。
試料の採取は一般に流心部で行うが,川幅が広い場合や流れが一定でない場合には,左右両岸でも
採取し,水質を比較することが望ましい。
(2) 採取時期及び採取頻度 工場,事業所が通常の状態で操業し,取水しているときに採取する。採取時
期,採取頻度は試験目的によって決める。採取日は,一般に比較的晴天が続き水質が安定した日とす
るが,増水時における流出汚濁負荷量は極めて大きいので,目的によっては降雨時又は降雨後の採取
も必要である。
感潮河川水は,潮の干満が激しくない干潮時に採取するが,潮の干満による水質変化も大きいので,
調査目的によってはその影響を配慮して採取時期を決める。
採取頻度は通常1日3,4回でよいが,水質変動が大きい場所では採取頻度を多くし,水質が安定し
ている場合は,採取頻度を少なくしてよい。
(3) 採取方法 採取は,次のとおり行う。
(a) 取水配管のある場合 取水が行われている場合は,4.3又は4.2による。
(b) 取水配管のない場合 河川では川岸と流れの中心部とでは流速も異なり,水質も特に懸濁物の量が
異なるので,一般に河川中央部の流れの均一なところで採取する。
徒渉による採取 徒渉できる水深の浅い河川で直接採取する場合は,河川に入り,4.1.1又は4.1.2
によって試料を採取する。
船上からの採取 人為的に汚染のないように船首を上流に向け,船首で表層水を採取する場合は,
4.1.1又は4.1.2によって,各深度の水を採取する場合には,4.1.3又は4.1.4によって試料を採取する。
橋からの採取 特に人為的な汚染のないように注意しながら下流側で,橋脚による乱流を避けた位
置で,表層水を採取する場合は,4.1.1又は4.1.2による。各深度の水を採取する場合は,4.1.3又は
4.1.4によって試料を採取する。
採水装置による採取 4.2によって試料を採取する。
(4) 流量の測定 流量は水質と不可分の関係があり,汚染負荷量の算出に必要である。通常は試料採取時
と同時に測定する必要があり,8.1のうちから適当な方法を選んで測定する。河川の流量は,通常は
8.4によって測定する。河川によっては常時測定が行われており,その値を用いることもできる。
9.1.2 湖沼水の試料採取 わが国の湖沼水は,一般に初冬,早春に循環するが,夏季,冬季には成層が発
達して深度によって水質が明確に異なることが多い。
また,湖沼周辺の地形,地質,気象条件,湖沼自身の形態,形状及び大きさなどが水質に影響する。さ
らに,湖沼への河川の流入,流出,生活排水及び工場排水の流入,湖沼中の生物活動などが水質に影響す
る。したがって,湖沼の沿岸部,中心部,深さ,方向などで,それぞれ水質が異なるので,試料採取には
これらのことを十分に配慮する。
試験の目的によっては,水質の変動が予知できるように,取水地点以外の採取地点,採取時期及び採取
頻度を選定する必要がある。
(1) 採取地点 試料の採取地点は,工場及び事業所の取水地点とする。そのほかに,取水している湖沼水
の水質の変動を予知できる地点をあらかじめ選定しておく。
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(2) 採取時期及び採取頻度 通常の状態で取水しているときに試料を採取する。試験目的によって採取時
期及び採取頻度を決めるが,湖沼では循環期と成層期があるので注意する。
(3) 採取方法 採取は,次のとおり行う。
(a) 取水配管のある場合 取水が行われている場合は,4.3又は4.2によって試料を採取する。
(b) 取水配管のない場合 比較的晴天が続き,水質の安定した日を選び,船を利用する場合は,船首を
風上に向けて人為的に汚染のないように船首で行う。表層水を採取する場合は,4.1.1又は4.1.2に
よって試料を採取する。各深度の水を採取する場合は,4.1.3又は4.1.4によって試料を採取する。
湖沼では循環期と成層期があり,循環期には表層から,成層期には各層から試料を採取する。
(c) 採水装置による採取 4.2によって試料を採取する。
9.1.3 地下水の試料採取 地下水は,河川水,湖沼水などが地下に浸透した伏流水,地表近くを流れる自
由地下水及び深い地層中にある被圧地下水に分けられる。
伏流水は河川水に比較し,有機物,アンモニウムイオン,りん化合物などの濃度が一般に低い。自由地
下水(通称,浅井戸水という。)は,地表面に近いため降雨及び生物活動などの影響を受けやすく,水質も
変化しやすい。
被圧地下水(通称,深井戸水という。)は地質的影響を強く受けるが,水質は安定しており,一般に水質
変動も少ない。
更に大気との接触がなく,微生物活動などで溶存酸素が消費されるため,還元性状態(嫌気性状態)に
なっている例が多い。したがって,空気と接触することによって,水質に変化が生じるので,試料採取時
に空気との接触を避けるように十分な注意が必要である。
(1) 採取地点 試料の採取地点は,工場及び事業所の揚水ポンプ出口(1)又は砂分離装置出口とする。
注(1) 揚水ポンプ出口配管に試料採取弁をあらかじめ取り付けておくか,揚水ポンプの空気抜き弁か
ら採取してもよい。
(2) 採取時期及び採取頻度 通常の運転状態で揚水しているときに採取する(2)(3)。試験目的によって採取
頻度を決めるが,水質の変動(4)が予想される場合には,その都度採取頻度を決める。
注(2) 過剰揚水や過少揚水時,又は休止井戸では,必ずしも通常運転状態で揚水した場合の水質と一
致しない場合がある。
休止井戸では,通常の運転状態で少なくとも数時間揚水してから採取する。
(3) 被圧地下水は,地下の滞水層の地質によって水質が異なるが,揚水量の大幅な変動によっても
水質が変化することがあるので注意する。
(4) 伏流水及び自由地下水は,河川水,湖沼水の影響を受けやすいので採取時期及び採取頻度に注
意する。
(3) 採取方法 採取は,次のとおり行う。
(a) 試料採取弁などがある場合 取水が行われている場合は,4.3又は4.2によって試料を採取する。
(b) 揚水ポンプ出口又は砂分離装置出口から採取する場合 取水が行われている場合は,4.1.1及び4.1.2
によって試料を採取する。
(c) 井戸から直接採取する場合 井戸に採水器が入れられる場合は,4.1.3又は4.1.4によって試料を採
取する。
9.1.4 海水の試料採取 工場及び事業所で取水している海水の水質は,河川水,下水及び工場排水の混入,
潮の干満,潮流,海流及び地形によって影響を受けやすい。試料採取時に日時,天候,前日の天候,潮の
状態などを記録しておく。
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(1) 採取地点 取水ポンプでの揚水直後の水を採取するか,取水配管口のある同一水深の海水を直接採取
する。そのほかに,取水している海水の水質の変動を事前に予知できる採取地点と,その深度をあら
かじめ選定しておく。
(2) 採取時期及び採取頻度 工場,事業所が操業状態にあって,同一条件で取水されている時期に採取す
る。採取時期,採取頻度は,試験目的及び潮の干満,天候,風向などを考慮して決定する。
(3) 採取方法 採取は,次のとおり行う。
(a) 取水配管のある場合 取水が行われている場合は,4.3又は4.2によって試料を採取する。
(b) 取水配管のない場合(船上などからの採取) 船などを使用して採取する場合は,人為的汚染のな
いように船首を風上に向け,船首で4.1.1,4.1.2又は4.1.3によって試料を採取する(5)。
注(5) 使用した採取器は,試料採取が終了したら水道水などでよく洗浄して風乾する。
9.2 受水地点での採取
取水地点で取水した水,又は工業用水道水,上水道水などを工場及び事業所内
に受け入れて使用する場合には,工場及び事業所構内の流量計出口直後を受水地点とし,この付近から採
取する。
取水地点と受水地点が極めて近い場合には,取水地点の水質を受水地点の水質とみなすことができるが,
取水地点と受水地点が離れている場合には,送水中に水質の変動がみられる。
(1) 採取地点 工場及び事業所の流量計出口配管(6),受水槽の落ち口を採取地点とする。
注(6) 流量計出口配管から採取する場合には,試料採取弁をあらかじめ取り付けておく。
(2) 採取時期及び採取頻度 通常の流量で取水が行われているときに採取する(7)。採取頻度は,試験目的
によって決める(8)。
注(7) 一定の流量で取水が行われている場合には,配管中の沈殿物,析出物などの混入はほぼ一定と
なるが,流量の急激な変動,休止状態からの取水開始直後の水は,配管から沈殿物,析出物な
どが押し出されるため,これらの量がかなり変動するので注意する。
(8) 取水している水源が,例えば,海水,河川水,湖沼水,地下水などの場合には,それぞれの水
源に適した採取時期及び採取頻度を選定するのがよい。
(3) 採取方法 採取は,次のとおり行う。
(a) 試料採取弁などがある場合 取水が行われている場合は,4.3又は4.2によって試料を採取する。
(b) 受水槽から採取する場合 受水槽の落ち口又は受水槽から採取する場合には,4.1.14.1.3によって
試料を採取する。
9.3 工場及び事業所内での採取
工場及び事業所では供給された水を貯留し,各生産工程に供給してい
る。各生産工程では使用目的に応じ,除濁,除鉄,軟化処理,イオン交換水製造,薬剤添加などの水処理
が行われている。生産工程内の工業用水の試験では,水処理の状況及び水の使用状況に合わせた試料採取
が必要である。
(1) 採取地点 各生産工程の装置,配管類(9)及び水処理設備への流入・流出点などが採水地点になるが,
試験目的に応じて選定する。
注(9) 装置,配管(管路)などには,いずれも試料採取弁をあらかじめ取り付けておく。
(2) 採取時期及び採取頻度 工場,事業所が通常の運転状態にあるときに採取する。採取頻度は,例えば,
循環冷却水であれば夏季の蒸発水量の多い時期,洗浄水及び処理水であれば供給水の水質変動の時期,
イオン交換処理では再生時期など使用条件に応じて決めるとよい。
(3) 採取方法 採取は,次のとおり行う。
(a) 試料採取弁などがある場合 装置,配管,管路などが稼動状態にある場合には,4.3又は4.2によっ
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JIS K 0094:1994の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.30 : 下水
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.25 : 工業用水
JIS K 0094:1994の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7551:1999
- フロート形面積流量計
- JISB7553:1993
- パーシャルフリューム式流量計
- JISB7554:1997
- 電磁流量計
- JISB8224:2016
- ボイラの給水及びボイラ水―試験方法
- JISB8302:2002
- ポンプ吐出し量測定方法
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0101:1998
- 工業用水試験方法
- JISK0102:2016
- 工場排水試験方法
- JISK0550:1994
- 超純水中の細菌数試験方法
- JISK0551:1994
- 超純水中の有機体炭素(TOC)試験方法
- JISK0552:1994
- 超純水の電気伝導率試験方法
- JISK0553:2002
- 超純水中の金属元素試験方法
- JISK0554:1995
- 超純水中の微粒子測定方法
- JISK0555:1995
- 超純水中のシリカ試験方法
- JISK0556:1995
- 超純水中の陰イオン試験方法
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8322:2020
- クロロホルム(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8953:2008
- 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK9005:2006
- りん酸(試薬)
- JISK9502:2020
- L(+)-アスコルビン酸(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ1703:1976
- ポリエチレンびん
- JISZ8761:1992
- フロート形面積流量計による流量測定方法
- JISZ8762:1995
- 絞り機構による流量測定方法
- JISZ8766:2002
- 渦流量計―流量測定方法