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3.18
吸収セル(absorption cell)
溶液,溶媒などによる光の吸収を測定するために,それらを入れる容器。
3.19
試料セル(sample cell)
試料を入れる吸収セル。
3.20
対照セル(reference cell)
溶媒又は対照溶液を入れる吸収セル。
3.21
光度計(photometer)
光の強度を測定する装置。
3.22
光源(light source)
光分析機器において,光波(光量子)を発生·放射させる部分。
3.23
分解(resolution)
相近接した2本のスペクトル線を分離できる分光器の能力。
3.24
分散(dispersion)
種々の波長成分を含む光を,プリズム及び/又は回折格子を用いて波長成分ごとの光に分けること。
3.25
迷光(stray light)
モノクロメーターで分散され,取り出された光の中で,設定波長の光以外の光。
3.26
分析種(analyte)
測定試料又は試料溶液中の被試験成分。
3.27
計量トレーサビリティ(metrological traceability)
個々の校正が測定不確かさに寄与する,文書化された切れ目のない校正の連鎖を通じて,測定結果を計
量参照に関連付けることができる測定結果の性質。
4 装置
4.1 一般事項
一般に,吸光光度法に用いる光度計には,波長選択部にモノクロメーターを用いる分光光度計と光学フ
ィルターを用いる光電光度計とがある。
4.2 装置の構成
4.2.1 一般
一般に,光度計は,光源部,波長選択部,試料部,測光部,信号処理部,データ処理部,操作部及び表
示·記録·出力部で構成する。
――――― [JIS K 0115 pdf 6] ―――――
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波長選択部を通った光が試料へ入射する前波長選択方式,及び光源からの光が試料を通り波長選択部に
入射する後波長選択方式がある。前波長選択方式及び後波長選択方式の光度計の構成例を,図1及び図2
にそれぞれ示す。
検出方法には,単一波長における光を検出するもの,及び複数の波長における光を同時に検出するもの
がある。
測光方式には,複光束方式及び単光束方式がある。
波長選択部
光源部 試料部 検出器 増幅器 信号処理部
(モノクロメーター
又は
測光部
光学フィルター)
データ処理部
操作部
表示·記録·出力部
図1−光度計の構成例(波長選択した光を試料に照射)
波長選択部
検出器 増幅器 信号処理部
(モノクロメーター
光源部 試料部 又は
測光部
光学フィルター)
データ処理部
操作部
表示·記録·出力部
図2−光度計の構成例(試料に照射後の光を波長選択)
4.2.2 分光光度計の装置構成
4.2.2.1 光源部
光源部は,次による。
a) 光源用放射体 光源用放射体は,次のいずれかによる。
1) タングステンランプ 320 nm以上の長波長域で用いる。点灯を続けるとフィラメントが蒸発して次
第に細くなり,蒸発したタングステンが球の内面に付着して黒化し,光が遮断され,放射が徐々に
減少し最終的に使用できなくなる。
2) ハロゲンランプ 320 nm以上の長波長域で用いる。ガス入り電球に微量のハロゲンを添加して封入
すると,電球内の低温部ではタングステンと化合して透明になり,高温部では,分解してタングス
テンを生成する。このため,黒化を防ぎ,また,電球を小さくすることができる。さらに,寿命ま
での間の放射の減少率が低いという特長がある。
3) 重水素放電管 160 nm400 nmの波長域で用いる。重水素を0.3 kPa0.5 kPa程度に充した放電
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管。
4) キセノンランプ 300 nm800 nmの波長域で用いる。主としてアーク放電によるキセノンガスの励
起によって発光する放電ランプ。
5) 発光ダイオード(light emitting diode,LED) 白色LED及び単色LED。白色LEDは,波長帯域幅
をもつ光源として用いる。波長の異なる数種類の単色LEDを組み合わせて光源として用いることも
ある。
6) その他の光源 レーザー励起光源,有機EL(organic electro-luminescence,OEL,organic light emitting
diode,OLED)などの波長帯域幅をもつ光源。
なお,分光光度計において,重水素放電管又はキセノンランプが光源用放射体の場合,輝線は,
波長校正に用いてもよい。
b) 点灯用電源 光源を点灯させ,その光源放射を一定又は一定周期に保つ機能をもつ。
c) 集光系 集光ミラー,集光レンズなどで構成する。
d) 導光系 リレーレンズ,リレーミラー,導光板,導波路,光ファイバーなどで構成する。
4.2.2.2 波長選択部
一般に,分光光度計においては,一つ以上のモノクロメーターと複数の光学フィルターとを組み合わせ
て構成する。モノクロメーターは,光源から放射される連続光の中から特定の波長の光だけを取り出す部
分で,光の分散にはプリズム又は回折格子の光分散素子が使用される。また,広範囲の波長域をカバーす
る装置では,複数の光分散素子を備えるものもある。迷光を減少させる目的でモノクロメーターを2個直
列に配置したダブルモノクロメーター,2波長を測光する目的でモノクロメーターを2個並列に配置した
二波長分光光度計などがある。
4.2.2.3 試料部
試料部は,次による。
a) 一般 複光束方式の場合には,測定試料及び対照試料を,単光束方式の場合には,そのいずれかを光
路中に固定する機能をもち,吸収セル,吸収セルホルダーなどで構成する。複光束方式では,光路を
分けるビームスプリッターなどを配置する場合がある。
b) 吸収セル 気体,液体などの測定試料の光路長を一定に保つためのもので,測定波長範囲内で高い透
過性をもち,測定試料に侵されない材質からなるもの。吸収セルには,角形セル,円筒セル,ミクロ
セル,フローセルなどがある。角形セルは,キュベットともいう。通常,光路長10 mmの角形セルを
用いる。吸光度が小さい試料では,光路長が大きい長光路セルが有効である。気体試料などの揮発性
の試料では,栓付きのセルを用いる。試料量が少ないときには,ミクロセルを用いるが,セルの有効
な光路幅が実際の光束幅よりも小さい場合には,セルの前方に余剰の光束を遮断するマスクを入れる。
試料を流しながら濃度変化を測定する分析機器などには,フローセルを用いる。
c) 吸収セルホルダー 光路中に置かれた吸収セルを固定するもので,測定試料の光路長を一定に保つ構
造をもつ。複数の吸収セルが設置でき,それらを切り換える機構をもつものもある。
4.2.2.4 測光部
測光部は,次による。
a) 構成 検出器及び増幅器で構成する。複光束方式では,光路を切り換える機構をもつものがある。
b) 検出器 入射光の光強度をその強度に比例した電気信号に変換する光電変換器で,光電管,光電子増
倍管,フォトダイオード,光電池,光伝導セルなどがある。分光光度計では,複数の波長における光
を同時に検出する検出器としてアレイ形検出器,二次元撮像素子などを備えるものもある。また,広
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範囲の波長域をカバーする分光光度計では,感度波長帯域の異なる複数の検出器を備えるものもある。
これらの検出器の詳細について,次に示す。
1) 光電管 光を受けて電子を放出する陰極と電子を受ける陽極とをガラス管内に封入した二極管。受
光量に比例した光電流が得られ,光電面の種類及び窓材によって波長感度特性が異なる。
2) 光電子増倍管 光電管の陰極と陽極との間に電子を増幅させる働きをもつダイノードを付け,光電
面(陰極)から放出された光電子を数百万倍に増幅するもの。ダイノードに印加する電圧を制御す
ることによって大幅に増幅率を可変でき,微弱な光も検知できる。
注記 光電面の不均一性によって波長感度特性が変化する,及び光電面から出た光電子のダイノ
ードへの入射効率が光電面の位置によって変化することから,屈折率の高い試料,偏光性
の試料の測定には注意が必要である。
3) フォトダイオード 光が当たると起電力を発生する光電効果を利用した検出器。シリコン半導体を
用いたシリコンフォトダイオードが広く普及している。
4) 光電池 セレン又は酸化銅(II)のような金属被膜で半導体を被覆したフォトダイオード。
5) 光伝導セル 光が当たると抵抗値が変化する現象を利用した光検知器。硫化カドミウム,硫化鉛な
どを用い,近赤外域で感度が高い点が特長である。
6) アレイ形検出器 フォトダイオード又は電荷結合素子(charge coupled device,CCD)を波長分散方
向にアレイ状に配置した検出器。
7) 二次元撮像素子 フォトダイオード又はCCDを二次元に配置した検出器。
c) 増幅器 検出器からの電気信号を,以降の信号処理部において処理しやすい大きさに増幅するもの。
電流出力を電圧に変換するもの,変化量を増幅するロックインアンプなどもある。
4.2.2.5 信号処理部
信号処理の方法には,アナログ処理とデジタル変換後に数値演算などを行うデジタル処理とがある。測
光部で得られた信号は,アナログ信号処理によって必要な信号を分離し,アナログ信号からデータ処理部
で処理可能なデジタル信号に変換する。測光部からの信号には,検出器由来の暗電流などによる増幅器の
オフセット電流が含まれる。光を完全に遮断したときに,信号がゼロになるように合わせる機能(オフセ
ット調整機能)をもつ。また,対照セルを通過した信号が100 %になるように合わせる機能(ゲイン調整
機能)をもつ場合もある。信号処理には,ノイズ低減処理,平滑化処理なども含む。
4.2.2.6 データ処理部
データ処理部は,次による。
a) 構成 データ処理部では,データ変換などを行う。分光光度計においては,スペクトル解析などを含
む。
b) データ変換 透過パーセント,反射パーセント,吸光度変換,濃度変換,クベルカ−ムンク変換,微
分変換などがある。その他の機能として検量線作成,統計演算などの処理がある。
c) スペクトル解析 スペクトル四則計算,平滑化処理,微分処理,ベースライン補正,検量線作成,ピ
ーク波長検出,スペクトルデータ検索などの機能がある。その他,多変量解析,統計処理などの演算
機能をもつものもある。
4.2.2.7 操作部
光度計を操作し,データ処理部で行う処理の種類,表示·記録·出力部で扱うデータの種類などを決定
する。
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4.2.2.8 表示·記録·出力部
表示·記録·出力部は,ディスプレイなどの表示器,データを記録及び保存する記録媒体,データを帳
票などに印刷するプリンターなどで構成する。測定波長1),透過パーセント,反射パーセント,吸光度,
濃度などのデータを表示器で表示し,必要に応じて記録媒体に保存し,プリンターなどに帳票出力する。
分光光度計では,波長1)と透過パーセント,反射パーセント,吸光度などとの関係図(分光データ)など
を表示器で表示し,必要に応じて記録媒体に保存,プリンターに帳票出力する。また,外部出力機能をも
つものもある。
注1) 波長(nm)の代わりに,波数(cm−1),エネルギー(eV),周波数(Hz)などを用いてもよい。
4.2.3 光電光度計の装置構成
4.2.3.1 光源部
光源部は,次による。
a) 光源用放射体 光電光度計の光源用放射体は,4.2.2.1 a)によるほか,次による。
1) 単色LED 単色LEDは,特定波長域の光源として用いる。
2) その他の単波長光源 レーザーなどの単波長光源を用いる。
b) 点灯用電源 光電光度計の点灯用電源は,4.2.2.1 b)による。
c) 集光系 光電光度計の集光系は,4.2.2.1 c)による。
d) 導光系 光電光度計の導光系は,4.2.2.1 d)による。
4.2.3.2 波長選択部
光電光度計の波長選択部は,色ガラスフィルター,ゼラチンフィルター,干渉フィルターなどの光学フ
ィルター又はこれらを組み合わせて構成する。
なお,単色LED,レーザーなどの単色性の光源を用いるものでは,波長選択部を省くこともある。
4.2.3.3 試料部
光電光度計の試料部は,4.2.2.3による。
4.2.3.4 測光部
光電光度計の測光部は,4.2.2.4による。
一般に,光電光度計の検出器は,単一のものを用いるが,複数の検出器を備えるものもある。
4.2.3.5 信号処理部
光電光度計の信号処理部は,4.2.2.5による。
4.2.3.6 データ処理部
光電光度計のデータ処理部は,4.2.2.6 b)のデータ変換による。
4.2.3.7 操作部
光電光度計の操作部は,4.2.2.7による。
4.2.3.8 表示·記録·出力部
光電光度計の表示·記録·出力部は,4.2.2.8による。ただし,光電光度計では,分光データは取り扱わ
ない。
4.3 装置の性能表示
4.3.1 分光光度計の性能表示
分光光度計の性能表示は,次による。装置の性能試験は,装置を取扱説明書などに示された時間通電し
た後,十分に安定した状態で行う。
a) 測光正確さ 標準物質の透過パーセント又は吸光度を測定し,その測定値と認証値との差で表す。
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JIS K 0115:2020の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0115:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0212:2016
- 分析化学用語(光学部門)
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計