JIS K 0122:1997 規格概要
この規格 K0122は、イオン電極を用いて無機物又は有機物のイオン濃度を定量する一般的事項について規定。pH測定方法には適用しない。
JISK0122 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0122
- 規格名称
- イオン電極測定方法通則
- 規格名称英語訳
- General rules for ion selective electrode method
- 制定年月日
- 1981年4月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 71.040.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 化学分析 2021, 環境測定 I-1 2021, 環境測定 I-2 2021, 環境測定 II 2021, 環境測定 II 2021
- 改訂:履歴
- 1981-04-01 制定日, 1986-07-01 確認日, 1991-06-01 確認日, 1997-09-20 改正日, 2002-09-20 確認日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0122:1997 PDF [24]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0122-1997
イオン電極測定方法通則
General rules for ion selective electrode method
1. 適用範囲 この規格は,イオン電極を用いて無機物又は有機物のイオン濃度を定量する一般的事項に
ついて規定する。ただし,pH測定方法には適用しない。
備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. この規格の中で用いるdm3はlに,cm3はmlに等しい。
2. 共通事項 共通事項は,JIS K 0050による。
3. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,以下のほか,JIS K 0211,JIS K 0213,JIS K 0215
に規定するものとする。
なお,括弧内の対応英語は参考のために示す。
溶液中の特定イオンの活量に応答し,電位を発生する電極。イ
(1) イオン電極 (ion selective electrode)
オン選択性電極ともいう。
ある化学種の化学ポテンシャルに関連して与えられる一種の熱力学的質量モル濃度。
(2) 活量 (activity)
ある化学種の活量と濃度の比で,化学種の理想的な挙動からのずれを
(3) 活量係数 (activity coefficient)
表す尺度。
(4) イオン強度 (ionic strength) 溶液中のイオン種Mのモル濃度をCM,イオン価をZMとするとき,
1 2
ZMCM
2 で与えられる値,又は質量モル濃度を用いて同様に定義される値。
(5) 応答電位 (response potential) 比較電極を対極としたときにイオン電極で測定される電位 (mV) 。
2種の標準液の濃度比が1けた異なる場合に測定される電位差(mV/10
(6) 応答こう配 (response slope)
倍濃度変化)。
(7) 応答時間 (response time)応答電位が安定した一定指示値に達するまでの時間。
測定対象イオンの共存イオンによる影響の度合を実験的に求めた
(8) 選択係数 (selectivity coefficient)
値。
(9) 膜電極 (membrane electrode) 各種の選択性膜とその内部に設置された電極で構成される電極系。
備考 膜電極は選択性膜の内側に内部基準電極と電解質溶液とを設けて構成されることが多い。
Na2O-Al2O3-SiO2系,又はLi2O-Al2O3-SiO2系ガラス膜など
(10) ガラス膜電極 (glass membrane electrode)
を感応膜としたイオン電極。
難溶性金属塩を主成分とする粉末を加圧成型した膜又
(11) 固体膜電極 (solid-state membrane electrode)
は難溶性金属塩の単結晶を感応膜としたイオン電極。
(12) 液体膜電極 (liquid membrane electrode)液状イオン交換体などを脂溶性有機溶媒に溶かし高分子
物質に含浸させて感応膜としたイオン電極。
――――― [JIS K 0122 pdf 1] ―――――
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K 0122-1997
pH電極又はイオン電極と比較電
(13) 隔膜形電極(ガス透過膜電極) (gas-selective membrane electrode)
極を組み合わせ,内部液と共にガス透過膜で覆った特定のガス成分測定用の電極。
標準水素電極に対して電位が既知であって,電位が安
(14) 比較電極(参照電極) (reference electrode)
定している電極。イオン電極の電位を測定又は制御するために対極として用いられる。
(15) イオン濃度計 (ion meter)イオン電極を用いて溶液中のイオン種の濃度を測定する装置。
溶液中のイオン強度を一定に保つ目的で加え
(16) イオン強度調整溶液 (ionic strength control solution)
られる高濃度の電解質溶液。
4. 測定原理 イオン電極にはイオンに応答する感応膜があり,この感応膜部が試料溶液中の特定イオン
と接すると,そのイオン活量に応じた膜電位を生じる。試料溶液中に浸せきした比較電極をイオン電極の
対極として高入力抵抗の直流電位差計に接続し,両電極間の電位差を測定することによってこの膜電位が
測定されるが,このとき電位差計によって測定される相対電位を応答電位という。
応答電位Eと試料溶液中の測定対象イオン活量aとの間には式(1)の関係があり,これをネルンスト式と
いう。
.2303RT
E E0 log a (1)
ZF
ここで,EOは25℃での標準電極電位,Rは気体定数,Tは絶対温度,Zはイオンの価数,Fはファラデ
ー定数,logは常用対数である。式(1)中の2.303RT/ZFをネルンスト定数と呼び,イオン活量が10倍変化
した場合のこの定数値を理論応答こう配という。例えば,25℃での理論応答こう配は1価のイオンで
59.16mV,2価のイオンで29.58mVである。イオン活量aとイオン濃度Cの間には,活量係数を 地晟
(2)に示す関係があるが,一般に全イオン濃度が10-3 (mol/dm3) 以下の低濃度溶液においては,活量と濃度
はほぼ等しい( 刀 と考えてよい。
a C (2)
イオン電極を用いた測定では,式(1)は実際に測定される応答こう配S及び濃度Cを用いて式(3)のように
表す。
E E0 S log C (3)
通常イオン電極を利用する測定においては,濃度の異なる複数の既知濃度溶液によってあらかじめイオ
ン濃度Cと応答電位Eとの関係を式(3)によって求めておくことで,試料溶液中のイオン濃度Cを応答電
位Eから決定することができる。
5. 装置 電圧増幅器と表示部を備えた高入力抵抗の直流電位差計,イオン濃度計などによって水溶液中
のイオン濃度をイオン電極とその対極に比較電極を用いて測定する。
5.1 装置の概要 測定装置は,電位差計又はイオン濃度計,イオン電極,比較電極,試料容器,かくは
ん器などからなる。その基本構成の一例を図1(バッチ形)と図2(フロー形)に示す。
――――― [JIS K 0122 pdf 2] ―――――
図1 イオン電極を用いるバッチ形測定装置の構成の一例
――――― [JIS K 0122 pdf 3] ―――――
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K 0122-1997
図2 イオン電極を用いるフロー形測定装置の構成の一例
5.2 測定装置
(1) 形式
(a) 電位差計 イオン電極の応答電位を測定するための高入力抵抗(1012 坎 上)の直流電位差計。応答
電位は作図又はデータ処理によってイオン濃度に変換する必要がある。
例えば,ディジタルpH-mV計,拡大目盛付きpH-mV計などがある。
(b) イオン濃度計(イオンメータ) イオン電極の応答電位を測定して,濃度目盛に変換する機能をも
つ装置。
例えば,アナログ式又はディジタル式イオン濃度計(mg/dm3,mol/dm3目盛付)などがある。
(2) 用途
(a) 実験室用又は携帯用 ナトリウムイオン,ふっ化物イオン,シアン化物イオンなどを測定する専用
のイオン濃度計がある。
(b) イオンモニタ用 シアン化物イオンモニタ,塩化物イオンモニタ,ふっ化物イオンモニタ,ナトリ
ウムイオンモニタなどの専用モニタ又は水質自動監視装置に組み込まれている各種イオンモニタな
どがある。
(c) 臨床検査用 血液などの検体検査用として自動分析装置などに組み込まれている。
血液中のナトリウムイオン,カリウムイオン,塩化物イオン,カルシウムイオン,リチウムイオ
ンなどの測定可能な自動分析装置がある。
――――― [JIS K 0122 pdf 4] ―――――
(d) フローインジェクション分析装置用 フローインジェクション分析法 (FIA) の検出器として用い
て,イオン濃度定量を行う。
(e) 排ガスモニタ用 排ガス中の成分測定に用いる。塩化水素ガスモニタなどがある。
5.3 イオン電極の種類 イオン選択性があり,イオン濃度に応じた電位を生じる膜をもった電極で,そ
の感応膜の種類によってガラス膜電極,固体膜電極,液体膜電極,隔膜形電極に分類する。主なイオン電
極の種類の例を表1に,構造の例を図3に示す。
5.4 比較電極の種類 電極の形状によって単一液絡形,二重液絡形などがあり,内部には銀−塩化銀電
極又はカロメル[水銀−塩化水銀 (1) 電極]などが使われる。液絡部の形状によってスリーブ形,セラミ
ック形などがある。主な比較電極の構造例を図4に示す。
――――― [JIS K 0122 pdf 5] ―――――
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JIS K 0122:1997の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0122:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0094:1994
- 工業用水・工場排水の試料採取方法
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0213:2014
- 分析化学用語(電気化学部門)
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則
- JISZ8802:2011
- pH測定方法
- JISZ8805:2011
- pH測定用ガラス電極