JIS K 0170-9:2019 流れ分析法による水質試験方法―第9部:シアン化合物 | ページ 5

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なお,懸濁物によって流路内細管が詰まるおそれがある場合は,ホモジナイズをして懸濁物を細かく砕
き均一にした試料を用いる。また,測定値が検量線の範囲を超過した場合は,試料を希釈する。

6.5 濃度の計算

  濃度の計算は,6.4.1.4又は6.4.2.5で作成した検量線を用いる。検量線は,外挿して用いてはならない。

7 シアン化物の測定

7.1 原理

  フローインジェクション分析(以下,FIAという。)では,細管中を連続的に流れているりん酸塩緩衝液
中に,前処理した試料を注入し,クロラミンT及び4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液を反応させる
ことによって生成する青色の化合物の吸光度を測定してシアン化物イオンを定量するか,又は試料の流れ
を,EDTAを含むpH3.8のこはく酸−くえん酸緩衝液(pH3.8)の流れと混合し,ガス拡散によってシアン
化水素として分離後,クロラミンT及び4-ピリジンカルボン酸・ジメチルバルビツル酸と反応させること
によってシアン化物イオンを定量してシアン化物とする。
連続流れ分析(以下,CFAという。)では,空気によって分節されたりん酸塩緩衝液の連続的な流れの
中に,前処理した試料を混合して,クロラミンT及び4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液を反応させ
ることによって生成する青色の化合物の吸光度を測定してシアン化物イオンを定量するか,又は空気分節
されたくえん酸緩衝液(pH3.8)の流れに,試料の流れを混合し,発生するシアン化水素を蒸留又はガス拡
散により分離後,クロラミンT及び4-ピリジンカルボン酸・ジメチルバルビツール酸溶液と反応させるこ
とによってシアン化物イオンを定量してシアン化物とする。
定量範囲 : 7.3.2及び7.3.4を用いる場合 CN− : 0.011 mg/L
7.3.5及び7.3.6を用いる場合 CN− : 0.010.1 mg/L
7.3.3を用いる場合 CN− : 0.020.2 mg/L
注記 装置及び測定条件によって異なるが,繰返し性は,相対標準偏差(%)で表し10 %以下である。

7.2 妨害物質

  6.2による。

7.3 測定方法の種類並びに試薬及び装置

7.3.1  測定方法の種類
測定方法の種類は,表2による。ただし,4-ピリジンカルボン酸・ピラゾロン発色FIA法,及び4-ピリ
ジンカルボン酸・ピラゾロン発色CFA法は,JIS K 0102の38.1.1.1(通気法)又はJIS K 0102の38.1.1.2
(加熱蒸留法)で前処理した試料に適用する。

――――― [JIS K 0170-9 pdf 21] ―――――

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表2−測定方法の種類
箇条
測定方法の 試薬及び
濃度の 結果の 試験
種類 試薬溶液 装置 測定操作
計算 表記 報告書
の調製
4-ピリジンカ
ルボン酸・ピ
7.3.2.1 7.3.2.2
ラゾロン発色
FIA法
ガス拡散(pH
7.4.1
3.8)−4-ピリ
ジンカルボン
7.3.3.1 7.3.3.2
酸・ジメチル
バルビツール
酸発色FIA法
4-ピリジンカ
ルボン酸・ピ
7.3.4.1 7.3.4.2
ラゾロン発色
7.5 8 9
CFA法
蒸留(pH3.8)
−4-ピリジン
カルボン酸・
7.3.5.1 7.3.5.2
ジメチルバル
7.4.2
ビツール酸発
色CFA法
ガス拡散(pH
3.8)−4-ピリ
ジンカルボン
7.3.6.1 7.3.6.2
酸・ジメチル
バルビツール
酸発色CFA法
7.3.2 4-ピリジンカルボン酸・ピラゾロン発色FIA法
7.3.2.1 試薬及び試薬溶液の調製
7.3.2.1.1 試薬
6.3.2.1.1による。
7.3.2.1.2 試薬溶液の調製
6.3.2.1.2による。
7.3.2.2 装置
6.3.2.2による。
7.3.3 ガス拡散(pH3.8)−4-ピリジンカルボン酸・ジメチルバルビツール酸発色FIA法
7.3.3.1 試薬及び試薬溶液の調製
7.3.3.1.1 試薬
6.3.3.1.1による。
7.3.3.1.2 試薬溶液の調製
6.3.3.1.2による。

――――― [JIS K 0170-9 pdf 22] ―――――

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7.3.3.2 装置
装置の基本構成は,次による(図7参照)。
なお,別の条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いてもよい。
a) 送液部 6.3.2.2 a) による。
b) 試料導入部 6.3.2.2 b) による。
c) 紫外線分解器 6.3.3.2 c) による。ただし,ランプの電源をオフにする。
d) 分解リアクター 6.3.3.2 d) による。温度は40 ℃とする。
e) ガス拡散セル 6.3.3.2 e) による。
f) 反応部 6.3.3.2 f) による。
g) 検出部 6.3.3.2 g) による。
h) 記録部 6.3.2.2 e) による。
S : 試料
B : 紫外線分解用緩衝液(pH3.8)
C1 : ガス拡散用緩衝液(pH3.8)
C2 : ガス拡散吸収液
R1 : 発色用緩衝液
R2 : クロラミンT溶液
R3 : 発色溶液(pH5.2)
1 : ポンプ
2 : 紫外線分解器(電源オフ,310400 nm,812 W,内径0.8 mm,長さ500 cm)
3 : 分解リアクター(40 ℃,内径0.8 mm,長さ360 cm)
4 : 試料導入器(試料注入量400 μL)
5 : ガス拡散セル
6 : 反応コイル1(内径0.5 mm,長さ50 cm)
7 : 反応コイル2(内径0.8 mm,長さ50 cm)
8 : 恒温槽(65 ℃)
9 : 反応コイル3(内径0.8 mm,長さ300 cm)
10 : 検出器(光路長1 cm,波長590610 nm)
11 : 廃液
図7−ガス拡散(pH3.8)−4-ピリジンカルボン酸・ジメチルバルビツール酸発色FIA法のシステム例

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7.3.4 4-ピリジンカルボン酸・ピラゾロン発色CFA法
7.3.4.1 試薬及び試薬溶液の調製
7.3.4.1.1 試薬
6.3.4.1.1による。
7.3.4.1.2 試薬溶液の調製
6.3.4.1.2による。
7.3.4.2 装置
6.3.4.2による。
7.3.5 蒸留(pH3.8)−4-ピリジンカルボン酸・ジメチルバルビツール酸発色CFA法
7.3.5.1 試薬及び試薬溶液の調製
7.3.5.1.1 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸 6.3.3.1.1 a) による。
b) 水酸化ナトリウム 6.3.2.1.1 h) による。
c) ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル 6.3.4.1.1 c) による。
d) 硫酸亜鉛七水和物 JIS K 8953に規定するもの。
e) フタル酸水素カリウム 6.3.5.1.1 e) による。
f) -トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物 6.3.2.1.1 c) による。
g) 1,3-ジメチルバルビツール酸 6.3.3.1.1 h) による。
h) 4-ピリジンカルボン酸 6.3.3.1.1 i) による。
i) シアン化カリウム 6.3.2.1.1 g) による。
7.3.5.1.2 試薬溶液の調製
試薬溶液の調製は,次による。
a) 塩酸(1 mol/L) 6.3.3.1.2 a) による。
b) 水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L) 6.3.2.1.2 d) による。
c) 水酸化ナトリウム溶液(0.01 mol/L) 6.3.2.1.2 e) による。
d) ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル-エタノール溶液 6.3.4.1.2 d) による。
e) 蒸留用緩衝液(pH3.8) 6.3.5.1.2 f) による。
f) 硫酸亜鉛溶液 硫酸亜鉛七水和物10 gを水750 mLで溶かし,水を加えて1 000 mLとする。
g) 発色用緩衝液(pH5.2) 6.3.5.1.2 g) による。
h) クロラミンT溶液 6.3.5.1.2 h) による。
i) 発色溶液(pH5.2) 6.3.3.1.2 i) による。
j) シアン化物イオン標準液(CN− : 100 mg/L) 6.3.2.1.2 f) による。
k) シアン化物イオン標準液(CN− : 10 mg/L) 6.3.2.1.2 g) による。
l) シアン化物イオン標準液(CN− : 1 mg/L) 6.3.2.1.2 h) による。
7.3.5.2 装置
装置の基本構成は,次による(図8参照)。
なお,別の条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いてもよい。
a) 送液部 6.3.2.2 a) による。
b) 試料導入部 6.3.2.2 b) による。

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c) 紫外線分解器 6.3.5.2 c) による。ただし,ランプの電源はオフにする。
d) 蒸留器 6.3.5.2 d) による。
e) 反応部 6.3.4.2 c) による。
f) 検出部 6.3.2.2 d) による。
g) 記録部 6.3.2.2 e) による。
R1 : 蒸留用緩衝液(pH3.8)
R2 : 硫酸亜鉛溶液
R3 : 発色用緩衝液(pH5.2)
R4 : クロラミンT溶液
R5 : 発色溶液(pH5.2)
S : 試料又は水
1 : ポンプ
2 : セグメントガス(空気)
3 : 反応コイル(内径1.5 mm,長さ50 cm)
4 : 紫外線分解器(ランプの電源はOFF)
5 : 反応コイル(石英製又はPTFE製で容量4 mL)
6 : 恒温槽(30 ℃)
7 : 反応コイル(内径1.5 mm,長さ50 cm)
8 : 蒸留器(温度125 ℃,内径1.5 mm,長さ80 cm)
9 : 留出液
10 : 恒温槽(37 ℃)
11 : 反応コイル(内径2 mm,長さ100 cm)
12 : 検出器(吸収セル 光路長1 cm,波長590610 nm)
13 : 廃液
図8−蒸留(pH3.8)−4-ピリジンカルボン酸・ジメチルバルビツール酸発色CFA法のシステム例

――――― [JIS K 0170-9 pdf 25] ―――――

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JIS K 0170-9:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14403-1:2012(MOD)
  • ISO 14403-2:2012(MOD)

JIS K 0170-9:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0170-9:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0094:1994
工業用水・工場排水の試料採取方法
JISK0101:1998
工業用水試験方法
JISK0102:2016
工場排水試験方法
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0126:2019
流れ分析通則
JISK0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
JISK0215:2016
分析化学用語(分析機器部門)
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8107:2017
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8283:2006
くえん酸一水和物(試薬)
JISK8295:2020
グリセリン(試薬)
JISK8318:1995
p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(試薬)
JISK8443:2007
シアン化カリウム(試薬)
JISK8500:2007
N,N-ジメチルホルムアミド(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8801:2007
ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(試薬)
JISK8809:2020
フタル酸水素カリウム(試薬)
JISK8953:2008
硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JISK9001:2008
チオシアン酸カリウム(試薬)
JISK9005:2006
りん酸(試薬)
JISK9007:2008
りん酸二水素カリウム(試薬)
JISK9020:2012
りん酸水素二ナトリウム(試薬)
JISK9020:2021
りん酸水素二ナトリウム(試薬)
JISK9548:1994
3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR3505:1994
ガラス製体積計