JIS K 0214:2013 分析化学用語(クロマトグラフィー部門) | ページ 9

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番号 用語 読み 定義 対応英語(参考)
458 分離数 ぶんりすう separation number;
メチレン基数の差が1である2種類のアルカンが示
Trennzahl;
すクロマトグラムにおいて,2本のピーク間に収容
できる次の式で表すピーク数。 TZ;
tR(Z)
tR(Z 1) SN
TZ
W0.5h(Z)
W0.5h(Z 1)
ここに,tR(Z)及びtR(Z+1) : 2種類のアルカンの
保持時間
W0.5h(Z)及びW0.5h(Z+1) : それぞれのピ
ークの半値幅
z : アルカンの炭素数
459 分離度 ぶんりど resolution
クロマトグラム上で近接している二つのピークが
どの程度分離しているかを示す尺度。分離度Rは次
の式によって定義する。
tR1 )
(2tR 2
R
W1 W2
ここに,tR1,tR2 : ピーク1及びピーク2の保
持時間(tR2≧tR1)
W1,W2 : ピーク1及びピーク2の
ピーク幅
又は
tR1 )
.118(tR 2
R
W5.0h1W5.0h2
ここに,tR1,tR2 : ピーク1及びピーク2の保
持時間(tR2≧tR1)
W0.5h1,W0.5h2 : ピーク1及びピーク2の幅
460 分離モード ぶんりもーど separation mode
用いる固定相と移動相とで物質の分離を支配する
作用様式。
461 平均質量 へいきんしつり average mass
各元素における全同位体の天然存在比を加味した
ょう 原子量を用いて計算したイオン又は分子の精密質
量。
注記 質量分析では,モノアイソトピックピークの
分離が困難な場合には,測定したm/z値を平
均質量と比較することが多い。
462 平均分子量 へいきんぶんし average molecular
分子量の異なる分子の集合体である合成高分子又
りょう は合成オリゴマーの分子量の平均値。 mass
463 平衡定数 へいこうていす equilibrium constant
化学反応の平衡状態を物質の存在比で表した数値。
う 一般にKで表す。
へいこうじょう
すう
464 ベースライン べーすらいん base line
クロマトグラムにおいて,試料成分がなく移動相だ
けが検出器を通過している部分。基線(番号139)
ともいう。
465 ペーパークロマ ぺーぱーくろま paper
ろ紙(又はろ紙に含浸させた液体)を固定相とし,
トグラフィー とぐらふぃー移動相を上昇又は下降展開させる液体クロマトグ chromatography
ラフィー。
466 ヘッドスペース へっどすぺーす head space method;
固体・液体試料を密栓した一定容器に入れ,一定温
法, ほう, HS
度において一定時間加温し,気相部分の一定量を採
HS えいちえす 取し分析装置に導入する方法。 (for gas
(ガスクロマト chromatography)
グラフィーの)

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番号 用語 読み 定義 対応英語(参考)
467 ヘリウムイオン へりうむいおん helium ionization
放射線源又は放電を用いてヘリウムを電子的な励
化検出器 かけんしゅつ detector
起状態としてカラムから溶出した成分と衝突させ,
き ペニングイオン化によって生成したイオンを検出
するGC用検出器。
468 包括的二次元ク ほうかつてきに comprehensive
二次元クロマトグラフィーにおいて,最初のカラム
ロマトグラフ じげんくろま two-dimensional
(一次元目のクロマトグラフィー)からの溶出物を
ィー とぐらふぃー 適時分画し,第2のカラム(二次元目のクロマトグchromatography
ラフィー)に導入する分離手法。コンプリヘンシブ
二次元クロマトグラフィーともいう。
注記 カラムの選択性の差を利用した高い分離能
によって多くのピーク情報を得ることがで
きる。2本のカラムの保持時間とピーク強度
の情報が一度に得られる。GC×GC,LC×
GC,LC×LCなどがある。
469 放射性同位元素 ほうしゃせいど radioisotope
放射性の同位元素を特異的に検出するクロマトグ
検出器 ういげんそけ ラフィー用検出器。 detector
んしゅつき
470 ホールドアップ ほーるどあっぷ holdup time
試料導入時からカラムに保持されない成分のピー
タイム たいむ クの頂点が現れるまでの時間。デッドタイム(番号
350)の別称。ただし,ホールドアップタイムを用
いるのが望ましい。
471 ホールドアップ ほーるどあっぷ holdup volume
カラムに保持されない成分に対する保持容量。カラ
ボリューム ぼりゅーむ ム中の遊び空間体積(空隙容量),試料導入部,検
出器の実効体積などが関係する。
472 保持係数 ほじけいすう retention factor
各成分の空間補正保持時間をホールドアップタイ
ムで除した値。kで表し,次の式によって定義する。
k=(t'R−t0)/t0
ここに,t'R : 対象成分の保持時間
t0 : 保持されないで移動相と同じ速
度でカラムを通過する成分の保
持時間。
注記 各成分の固定相中の滞在時間(空間補正保持
時間)と移動相中の滞在時間(ホールドアッ
プタイム)との比。
473 保持時間 ほじじかん retention time
カラムに試料を導入後,対象成分のピークの頂点が
現れるまでの時間。
474 保持指標 ほじしひょう retention index
ガスクロマトグラフィーにおいて,成分を同定する
ための指標の一つで,次の式によって定義される数
値。
log Xilog Xz
I 100 z100
log Xz
log Xz 1
ここに,Xi : 対象成分の空間補正保持時間
Xz : Xiより空間補正保持時間が小さ
く,かつ最もXiに近い直鎖アル
カンの空間補正保持時間
z : 空間補正保持時間Xzの直鎖アル
カンの炭素数
Xz+1 : z+1の炭素数の直鎖アルカン
の空間補正保持時間
なお,直線昇温分析の場合,上式のlogXはXと
なる。Kovats Index(KI)と呼ぶこともある。

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番号 用語 読み 定義 対応英語(参考)
475 保持値 ほじち retention data
保持容量,保持時間,圧力補正保持容量,空間補正
保持容量,純補正保持容量,比保持容量,保持比,
相対保持時間,補正保持時間,空間補正保持時間,
保持係数,Rf値などの総称。
476 保持比 ほじひ relative retention
ある物質の保持値を表示するため,同一条件の下
で,次の式で得る数値。
V' R1VN1 Vg1 k1 VR1
r12
V' R2VN2 Vg2 k2 VR2
ここに,VR' : 空間補正保持容量
VN : 純補正保持容量
Vg : 比保持容量
VR : 保持容量
k : 保持係数
なお,添字1及び添字2は,それぞれ特定物質及
び基準とする比較用物質を表す。
477 保持容量 ほじようりょう retention volume
ある条件の下で特定の物質をカラムから溶出させ
るのに必要な移動相の体積。
次の式によって表す。
VR=tRF
ここに,tR : 保持時間
F : そのときのカラム温度における
出口での移動相の流量
478 ポストカラム誘 ぽすとからむゆ postcolumn
カラムから溶出した後に反応試薬などを作用させ,
導体化 うどうたいか検出能を向上させるために分析種を他の化学種に derivatization
誘導する操作。
479 補正保持容量 ほせいほじよう corrected retention
カラムにおける圧力降下を補正した保持容量。保持
りょう 容量VRに圧力勾配補正因子jを乗じたVR0=jVRで volume
定義する。圧力補正保持容量ともいう。
480 ポリメリック固 ぽりめりっくこ polymeric stationary
2又は3官能性有機シランによってシリカゲル表面
定相 ていそう phase
をシリル化する際,有機シラン同士の反応を伴って
合成された固定相。
481 ボルタンメトリ ぼるたんめとり voltammetric
微小電極を用いた電解において,作用電極の電位と
ック検出器 っくけんしゅ 電流との関係を測定する高速液体クロマトグラフ detector
つき 用検出器。
482 マイクロ高速液 まいくろこうそ移動相最適流量が数 ベルのカラムを用いる高
microhigh
体クロマトグ くえきたいく performance liquid
速液体クロマトグラフィー。ミクロ高速液体クロマ
ラフィー ろまとぐらふ トグラフィーともいう。 chromatography
ぃー
483 マイクロ固相抽 まいくろこそうa) 固相マイクロ抽出(番号200)の別称。 a) olid phase
出 ちゅうしゅつb) 試料量又は溶出液がマイクロリットル量の固 micro
相抽出操作の総称。 extraction;
SPME
b) icro solid
phase
extraction;
micro SPE
484 マイクロシリン まいくろしりん microsyringe
液体又は気体の試料を,定量的にクロマトグラフに
ジ じ 導入するための小形シリンジ(注射器)。

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番号 用語 読み 定義 対応英語(参考)
485 マイクロボアカ まいくろぼあか内径1 mm2 mmのカラムに2 microbore column
ラム, らむ, を詰めた液体クロマトグラフィー用カラム。
ミクロボアカラ みくろぼあから


486 膜厚 まくあつ film thickness
キャピラリーカラムで管内壁にコーティングした
(キャピラリー 固定相液体の厚さ。
カラムの) 注記 PLOTカラム(番号445)では,固定化され
た固定相の微粒子層の厚さを指す。
487 膜透析形 まくとうせきが membranes dialysis
イオン交換膜によって隔てられた二つの流路の一
(サプレッサー た type
方に溶出液を通過させ,除去すべき溶離液中のイオ
方式の) ンを他方の再生液側の流路に電気的又は化学的に
透析して除去する方式。
488 マスクロマトグ ますくろまとぐ mass
全イオンモニタリング実行時,保存したスペクトル
ラフィー らふぃー データから特定のm/z値のイオンに由来する電流値chromatography
の時間変化をクロマトグラムとして取り出す手法。
489 マスクロマトグ ますくろまとぐ mass chromatogram
マスクロマトグラフィーによって得られるクロマ
ラム らむ トグラム。
490 マトリックス まとりっくす 分析種以外の試料の構成物。 matrix
491 マトリックス効 まとりっくすこa) Cの場合 : 試料溶液中の共存成分がGC注入 matrix effect
果 うか 口のライナー又はカラム内の活性点などに吸
着することによって,標準試料溶液注入時と比
較して分析種の回収率が変化し,分析結果に影
響を及ぼす現象。
b) C/MSの場合 : 試料溶液の分析種の感度が,マ
トリックスの影響によって標準溶液と比較し
て増大したり減少したりする現象。
注記 試料溶液の分析種以外の共存成分の影響に
よる。
492 マルチカラムク まるちからむく multi column
複数のカラム構成からなるクロマトグラフィー。
ロマトグラフ ろまとぐらふ chromatography
ィー ぃー
493 マルチチャンネ まるちちゃんね multichannel
a) 紫外可視検出の場合は,非連続な複数の波長を
ル検出器 るけんしゅつ 測定する検出器。 detector
き b) 電気化学検出の場合は,直列につないだ複数の
異なる電位の電極によって同時計測可能な検
出器。
494 ミクロカラム みくろからむ microcolumn
カラム内径が1 mm未満の液体クロマトグラフィー
用カラム。
495 ミセルクロマト みせるくろまと micellar
逆相系固定相を用い,移動相に臨界ミセル濃度以上
グラフィー ぐらふぃー chromatography
の界面活性剤を加えて,目的物を可溶化して分離す
る手法。
496 ミセル動電クロ みせるどうでん micellar
溶融シリカキャピラリー内に界面活性剤のミセル
マトグラフィ くろまとぐら electrokinetic
を形成させ,キャピラリーの両端に電位をかけて行
ー ふぃー chromatography;
うキャピラリー電気泳動の一種。ミセルを擬似的な
MEKC
固定相として,キャピラリー内に発生する電気浸透
流を移動相とみなすことから,クロマトグラフィー
と称する。

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番号 用語 読み 定義 対応英語(参考)
497 密度プログラミ みつどぷろぐら density
超臨界流体クロマトグラフィーに用いられる方法
ング みんぐ で,GCにおける昇温分析及びHPLCでのグラジエ programming
ント溶離に相当する移動相流体の密度を時間とと
もに変化させる溶出方法。
498 無孔性充剤 むこうせいじゅ移動相が浸透する細孔のない充剤。 nonporous packing
うてんざい material
499 メイクアップソ めいくあっぷそ make up solvent
超臨界流体クロマトグラフィー(番号333)におい
ルベント るべんと て,検出器,フラクションコレクターなどへ試料成
分を移動させるために流路に加える溶媒。
500 面積百分率法 めんせきひゃく area percentage
クロマトグラムから得られた各成分のピーク面積
ぶんりつほう比を百分率によって表す方法。 method
501 モディファイア もでぃふぁいあ modifier;
超臨界流体クロマトグラフィーにおいて,分離又は
ー ー entrainer;
保持の改善を目的として,主流体に加える有機溶媒
などの添加剤。 cosolvent
502 モノアイソトピ ものあいそとぴ monoisotopic mass
各元素において天然存在比が最大の同位体の質量
ック質量 っくしつりょ を用いて計算したイオン及び分子の精密質量。

503 モノメリック固 ものめりっくこ monometric
有機シランによってシリカゲル表面をシリル化す
定相 ていそう stationary phase
る際,有機シラン同士の反応を伴わず合成された固
定相。
504 モノリスカラム ものりすからむ monolithic column
固定相が多孔性のシリカゲル又はポリマーを基材
とした連続の骨格構造をもつカラム。ロッド形のも
の,フューズドシリカなどのキャピラリー管内で合
成したものなどがある。
505 モレキュラーイ もれきゅらーい molecular imprinting
分離目的の化合物又はその擬似的な化合物を鋳型
ンプリンティ んぷりんてぃ packing material
として高分子ゲルを合成し,その後,鋳型分子を取
ング充剤 んぐじゅうて り除いたゲルから調製した液体クロマトグラフィ
んざい
ー用の充剤又は選択的固相抽出剤。
506 UHPLC ゆーえいちぴー ultra high
超高速液体クロマトグラフィー(番号329)又は超
えるしー 高速液体クロマトグラフの略称。 performance liquid
chromatography;
ultra high
performance liquid
chromatograph;
UHPLC
507 誘導体化 ゆうどうたいか derivatization
抽出・分離・検出を容易にする目的で,分析種を他
の化学種に誘導する操作。
508 溶出液 ようしゅつえき eluate;
移動相(溶離液)によって展開したときのカラムか
ら流出する液体。 effluent
509 溶媒強度 ようばいきょう solvent strength
基準溶媒を定め,基準物質の特定の固定相からの溶
ど 出に関わる時間を相対的に示した特性。 parameter
510 溶媒効果 ようばいこうか solvent effect
キャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフ
ィーにおいて,分析種がカラム先端部に凝縮した溶
媒に強く保持され,ピーク幅が狭くなる現象。
511 溶離液 ようりえき eluent;
カラムに保持されている試料成分を展開及び溶出
させるための液体。 eluant
512 溶離液槽 ようりえきそう溶離液を貯留する槽。 eluent reservoir;
eluant reservoir

――――― [JIS K 0214 pdf 45] ―――――

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JIS K 0214:2013の国際規格 ICS 分類一覧