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附属書A
(規定)
再生重油の塩素分試験方法(燃焼式微量電量滴定法)
A.1 試験の原理
試料の一定量を加熱した燃焼管に導入し,酸素及び不活性ガス気流中で燃焼させる。燃焼生成した塩化
水素を電解液に吸収させて塩化物イオンとし,電量的に発生させた銀イオンで滴定し,このときに消費し
た電気量から塩素分を求める。この附属書では,再生重油はトルエンによって5倍以上に希釈し,塩素分
質量分率300 ppm以下の希釈溶液として試験する。
注記 試料中に多量の金属分(亜鉛,カルシウムなど)が含まれている場合には,負の誤差を生じる
ことがあり,試料中に臭素,よう素が含まれている場合には,正の誤差を与えることがある。
警告 この試験では,危険な試薬,操作及び装置を使うことがあるが,安全な使用法を全てにわたっ
て規定しているわけではないので,試験に先立って,適切な安全上及び健康上の禁止事項をき
めておかなければならない。
A.2 試薬及び材料
試薬及び材料は,次による。
a) 酸素 JIS K 1101に規定する酸素。
b) 不活性ガス 純度が体積分率99.99 %以上のへリウム又はJIS K 1105に規定するアルゴン。
c) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。
d) トルエン JIS K 8680に規定するトルエン。
e) ジニトロクロロベンゼン 試薬特級のジニトロクロロベンゼン。
f) 無水酢酸ナトリウム 試薬特級の無水酢酸ナトリウム。
g) 酢酸 JIS K 8355に規定する酢酸。
h) 硫酸 JIS K 8951に規定する硫酸。
i) 硝酸カリウム JIS K 8548に規定する硝酸カリウム。
j) 塩化カリウム JIS K 8121に規定する塩化カリウム。
k) 電解液 試薬特級の無水酢酸ナトリウムの所定量を,JIS K 8355に規定する酢酸の所定量に溶かした
後,水を加えて1 000 mLとしたもの。各試薬の量は使用する試験器によって異なるが,一例を示すと,
無水酢酸ナトリウム1.35 gをはかりとり,酢酸850 mLに溶かした後,水を加えて1 000 mLとする。
この溶液は密閉して冷暗所に保存する。使用期限は,6か月とし,6か月未満であっても,回収率が低
下した場合には,新しく調製する。
l) 対極液 JIS K 8548に規定する硝酸カリウム50 gをはかりとり,水200 mLに溶かした後,更に水を
加えて500 mLとする。この溶液は密閉して冷暗所に保存する。使用期限は6か月とする。
m) 参照電極内部液 JIS K 8121に規定する塩化カリウム7.46 gをはかりとり,約60 mLの水に溶かした
後,更に水を加えて100 mLとする。この溶液は,密閉して冷暗所に保存する。使用期限は6か月と
し,6か月未満であっても,電極の指示が不安定な場合には,新しく調製する。
n) 参照電極外部液 JIS K 8548に規定する硝酸カリウム10.1 gをはかりとり,約60 mLの水に溶かした
後,更に水を加えて100 mLとする。この溶液は,密閉して冷暗所に保存する。使用期限は6か月と
――――― [JIS K 2170 pdf 6] ―――――
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し,6か月未満であっても,電位の指示が不安定な場合には,新しく調製する。
o) 塩素標準液(2 500 最一 JIS R 3505に規定する全量フラスコ100 mLに,試薬特級のジニトロク
ロロベンゼン1.43 gを1 mgの桁まではかりとり,JIS K 8680に規定するトルエン約60 mLに溶かし
た後,更にトルエンを加えて100 mLとする。この塩素標準液の塩素標準値は,次の式によって算出
し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を1に丸める。
35.45 M
A 106
202.55 100
ここに, A : 塩素標準液の塩素分( 最一
M : ジニトロクロロベンゼンはかりとり量(g)
この溶液は密閉して冷暗所に保存する。使用期限は3か月とし,3か月未満であっても,回収係数
が異常な場合には,新しく調製する。
p) 塩素標準液(250 最一 JIS R 3505に規定する全量フラスコ100 mLに塩素標準液(2 500 最一
を全量ピペットで10 mLはかりとり,JIS K 8680に規定するトルエンを加えて100 mLとする。この
塩素標準液の塩素標準値はA/10であり,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。この溶
液は密閉して冷暗所に保存する。使用期限は1か月とし,1か月未満であっても,回収係数が異常な
場合には,新しく調製する。
q) 塩素標準液(100 最一 JIS R 3505に規定する全量フラスコ100 mLに塩素標準液(250 最一
を全量ピペットで40 mLはかりとり,JIS K 8680に規定するトルエンを加えて100 mLとする。この
塩素標準液の塩素標準値はA/25であり,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。この溶
液は,密閉して冷暗所に保存する。使用期限は1か月とし,1か月未満であっても,回収係数が異常
な場合には新しく調製する。
r) 塩素標準液(25 最一 JIS R 3505に規定する全量フラスコ100 mLに塩素標準液(250 最一
全量ピペットで10 mLはかりとり,JIS K 8680に規定するトルエンを加えて100 mLとする。この塩
素標準液の塩素標準値はA/100であり,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅を0.1に丸める。
A.3 器具及び装置
器具及び装置は,次による。試験器は次のa) i) からなり,燃焼管の配置によって横形と縦形とがある。
構成図の例を,図A.1に示す。
――――― [JIS K 2170 pdf 7] ―――――
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1 滴定セル 6 マグネチックスターラ 11 ガス流量調節器
2 参照電極 7 脱水浴 12 試料ボート
3 検出電極 8 燃焼管
4 発生電極 9 ヒータ
5 電解液槽 10 酸素ガス及び不活性ガス
図A.1−燃焼式微量電量滴定法試験器の例
a) 燃焼炉 燃焼管の入口部及び出口部を個別に8001 000 ℃の範囲で加熱調節できるもの。
b) 燃焼管 石英製で,試料を酸素及び不活性ガス気流中で燃焼させることができるもの。
c) ガス流量調節器 燃焼管に酸素ガス及び不活性ガスを規定量供給できるもの。
d) 試料ボート 石英製のもの。
e) マイクロシリンジ 容量25 は50
f) 脱水浴 JIS K 8951に規定する硫酸をガラス製のガス吸収瓶に入れたもの。
g) 滴定セル 検出電極,参照電極及び一対の発生電極を内蔵したマグネチックスターラ付きのガラス製
電解液槽によって構成されたもの。検出電極と参照電極とは,塩化物イオンの導入によって生じる酸
化還元電位の変化を検出できるもの。一対の発生電極は,この酸化還元電位変化量に相当する銀イオ
ンを発生できるもの。
h) 微量電量計 検出電極と参照電極との間にあらかじめ設定した電位差と,滴定中の両電極間の電位差
とを連続的に比較し,差がある場合,これを補償するのに必要な銀イオンを発生するための電流を発
生電極に供給できるもの。
i) 塩素表示器 発生電極に供給された電気量を積算して塩素量に換算して標示又は記録できるもの。
――――― [JIS K 2170 pdf 8] ―――――
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A.4 試験器の準備
試験器の準備は,次による。
a) 試験に先立ち燃焼管及びガス導入管を次によって確認する。
1) 燃焼管 燃焼管,試料ボート及び石英ウールは,石英の劣化及び汚れを点検し,清浄でない場合は,
清掃するか,清浄なものに取り替える。
2) ガス導入管 ガス導入管に汚れ及び劣化のないことを点検し,汚れ又は劣化が認められる場合は,
清浄なものと取り替える。
b) 燃焼管に,酸素ガス及び不活性ガスラインが接続されていることを確認する。
c) 横形試験器の場合は,試料ボートを挿入する。
d) 電解液で滴定セル内を洗浄した後,再び電解液を各電極が十分浸る程度に入れる。
e) 検出電極,参照電極及び発生電極のそれぞれの端子が,微量電量計の回路に接続されていることを確
認する。
f) 脱水浴に硫酸を10 mL入れて燃焼管の出口に接続し,滴定セルのガス導入管を接続する。
g) 燃焼炉のヒータ電源を入れる。
h) 酸素及び不活性ガスの流量,燃焼炉の温度,微量電量計などを測定条件に設定する。測定条件の例を,
表A.1に示す。準備の詳細は,試験器の取扱説明書による。
表A.1−測定条件の例
項目 横形試験器 縦形試験器
酸素流量 mL/分 150 300
不活性ガス流量 mL/分 200 150
燃焼炉温度 入口部 ℃ 900 900
出口部 ℃ 1 000 1 000
微量電量計 終点電位 mV 300 300
感度 mV 1 100
A.5 回収係数の測定
回収係数の測定は,希釈試料の塩素分概略値に応じて,次による。
a) 希釈試料の塩素分概略値に対応した塩素標準液を表A.2から選び,表A.2に示す量をマイクロシリン
ジによってはかりとる。
なお,希釈試料の調製は,A.6 b) による。
表A.2−塩素標準液及びはかりとり
希釈試料の塩素分概略値 塩素標準液 はかりとり量
質量分率(ppm) 最 一
横形試験器 縦形試験器
30未満 25 520 1040
30150未満 100 520 1040
150300以下 250 510 1020
b) マイクロシリンジにはかりとった塩素標準液の燃焼管への注入方法は,次による。
1) 横形試験器の場合 マイクロシリンジによって試料注入口から試料ボートに試料を注入する。次い
――――― [JIS K 2170 pdf 9] ―――――
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で試料ボートを燃焼管入口部手前まで移動し,そのまま2060秒間保持した後,燃焼管入口部へ送
入する。試料ボートを燃焼管入口部で保持しないで送入すると,瞬時に試料が気化し,爆発的に燃
焼するとともに,不完全燃焼して正確な測定値が得られない。
注記 試料ボートを自動で送入できる自動ボート調節器がある。
2) 縦形試験器の場合 マイクロシリンジの針先を試料注入口を通して燃焼管入口部まで差し込み,試
料を注入する。
注記 試料を一定速度で注入できる定速注入器がある。
c) 測定終了後,塩素表示器に示された値を読み取り,次の式によって回収係数を算出し,JIS Z 8401の
規定によって丸めの幅を0.01に丸める。
B
F
V C
ここに, F : 平均回収係数
B : 塩素量読取値(ng)
V : 塩素標準液の注入量(
C : 塩素標準液の塩素分( 最一
d) 回収係数を繰り返し測定し,その回収係数が0.801.20の範囲内の連続した3回の値を平均して平均
回収係数とし,試料の塩素分の算出に用いる。
なお,回収係数の平均値が0.801.20の範囲に入らない場合には,塩素標準液を再調製して再測定
する。再測定の結果,回収係数の平均値が0.801.20の範囲に入らない場合には,電解液,参照電極
内部液を再調製して交換し,再々測定する。再々測定の結果,回収係数の平均値が0.801.20の範囲
に入らない場合には,試験器及び操作方法を点検する。
注記 試料の測定時における平均回収係数の確認は,一連の試験ごとに行うとよい。
A.6 塩素分の測定
塩素分の測定は,次による。
a) 試料の採取方法 JIS K 2251に規定する二次試料調製方法又はそれに準じた方法によって採取する。
b) 試料の測定 試料は,塩素分概略値に応じてJIS K 8680に規定するトルエンでA.2 o) r) の操作に準
じた方法によって希釈し,希釈試料溶液を調製する。試料は5倍以上に希釈し,塩素分概略値が300
質量分率(ppm)以下になるように希釈する。この希釈試料溶液を表A.2に示したはかりとり量に従
ってマイクロシリンジにはかりとる。マイクロシリンジにはかりとった希釈試料溶液をA.5 b) の操作
に従って燃焼管に注入した後,塩素表示器に示された値を読み取る。この操作を,同一試料で2回繰
り返す。
注記 試料中に金属分が多く含まれている場合には,金属分が燃焼残さ(渣)物として試料ボート又
は燃焼管に詰められている石英ウールに付着する。この燃焼残さ(渣)物に塩素分が捕捉され
て誤差を与えることがある。
A.7 塩素分の計算
塩素分の計算及び表し方は,次による。
a) .6 b) の読取値から,次の式によって塩素分を2回分それぞれ算出する。
B G
S
V H F
――――― [JIS K 2170 pdf 10] ―――――
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JIS K 2170:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2170:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK1105:2017
- アルゴン
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2265-3:2007
- 引火点の求め方―第3部:ペンスキーマルテンス密閉法
- JISK2269:1987
- 原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
- JISK2272:1998
- 原油及び石油製品―灰分及び硫酸灰分試験方法
- JISK2275:1996
- 原油及び石油製品―水分試験方法
- JISK2279:2003
- 原油及び石油製品―発熱量試験方法及び計算による推定方法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK2541-5:2003
- 原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第5部:ボンベ式質量法
- JISK8121:2007
- 塩化カリウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8548:2007
- 硝酸カリウム(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方