JIS K 2249-3:2011 原油及び石油製品―密度の求め方―第3部:ピクノメータ法 | ページ 2

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ータの種類を図1に示す。ほうけい酸ガラス製のピクノメータについては,生地ガラスの体膨張係数が既
知のものを用いる。
1 栓 1 栓 1 栓
2 ピクノメータ 2 ピクノメータ 2 ピクノメータ
3 キャップ 3 標線
4 あふれ液貯留部(すり鉢状)
a) ワードン形
b) ゲイ・リュサック形 c) ハバード形
図1−毛細管共栓ピクノメータの種類
a) ワードン形ピクノメータ ワードン形ピクノメータは,JIS R 3503に規定する付図61のもの又はこれ
と同等の形状及び寸法をもつ容量25 mLのもので,材質は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラス
とする。毛細管共栓ピクノメータの中で揮発性試料の測定には,ワードン形が適している。すり合わ
せのガラス製キャップ(ワードン形)は,熱膨張及び蒸発損失を大幅に減少させるので,この形のピ
クノメータは,試験温度が室内の温度よりも低いときに用いることができる[図1 a)参照]。
b) ゲイ・リュサック形ピクノメータ ゲイ・リュサック形ピクノメータは,JIS R 3503に規定する付図
59のもので,材質は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラスとする。高粘度試料を除く非揮発性の
液体試料に適している[図1 b)参照]。
c) ハバード形ピクノメータ ハバード形ピクノメータは,JIS R 3503に規定する付図62のもので,材質
は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラスとする。広口形のピクノメータであり,高粘度試料及び
固体試料の測定に適している[図1 c)参照]。
注記 試験温度が室温よりも低い場合には,図1 c)に示すような頭部をすり鉢状のあふれ液貯留部
にした栓を用いるとピクノメータのひょう量操作時,膨張によってあふれ出てくるピクノメ
ータ中の水の損失を防ぐことができる。
d) 図1 b)及び図1 c)に示すピクノメータの形は,ワードンすなわち膨張室をもたないので,試験温度が
室温より大きく下回る場合は,細管から熱膨張によって試料の損失を招くため,用いることができな
い。
5.2 目盛ピクノメータI形 目盛ピクノメータI形は,容量が110 mLで表1に示す仕様及び図2に示
す形状のものを用いる。材質は,ソーダ石灰ガラス又はほうけい酸ガラスで,質量は,30 gを超えてはな
らない。ほうけい酸ガラス製のピクノメータについては,生地ガラスの体膨張係数が既知のものを用いる。

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表1−目盛ピクノメータI形の仕様
項目 呼び容量,mL
1 2 5 10
実際の容量と呼び容量との差,mL ±0.2 ±0.3 ±0.5 ±1
最大質量,g 30
A 全体の高さ,mm 175±5
B 目盛の上の高さ,mm 40以上
C 球部から目盛までの高さ,mm 5以上
D アームの中心間の距離,mm 28±2
F 細管の外形,mm 6
G 細管の内径,mm 1±0.1
H 球の底部から目盛までの長さ,mm 40
J 球の外形,mm 11 14 20 25
注記 目盛ピクノメータI形は,リプキンピクノメータともいう。
単位 mm
図2−目盛ピクノメータI形

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単位 mm
1 M6ねじ
2 クリップ
3 受け箱
4 ちょうナット
5 座金
6 六角ナット
図3−目盛ピクノメータ保持器の例
5.3 恒温水槽 恒温水槽は,浴温を15 ℃及び任意の試験温度±0.05 ℃に調節することができるもので,
ピクノメータの全長以上の深さをもつもの。
5.4 温度計 温度計は,JIS B 7410に規定する温度計番号1624(VIS)及び44(SG)のものであらか
じめJIS B 7410 附属書(補正試験方法)に従って各試験温度における目盛の誤差を求め,補正しておく。
5.5 ピクノメータ保持器 ピクノメータ保持器は,ピクノメータを恒温水槽中で垂直に保持できるもの
で水槽中で腐食しない材質のものを用いる。目盛ピクノメータI形に用いる保持器の例を図3に示す。ピ
クノメータ保持器は,水槽の端から端までさし渡すことのできる非腐食性の四角形の金属棒を用いれば簡
単に水槽に保持できる。ピクノメータ保持器の6 mmの棒を十分に通すことのできる一連の孔を約45 mm
おきに金属棒にあける。保持器の棒は,六角ナットと座金付きちょうナットとの間で金属棒に締め付けて,
この孔に固定する。
5.6 はかり はかりは,0.1 mgまでひょう量できるもの。

6 試薬

a) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。
b) アセトン JIS K 8034に規定するもの。
c) 石油エーテル JIS K 8593に規定するもの。
d) トルエン JIS K 8680に規定するもの。
e) ジエチルエーテル JIS K 8103に規定するもの。
f) イソペンタン 市販の最上級品のもの。

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g) ピクノメータの洗浄剤 JIS K 8951に規定する硫酸1 LにJIS K 8252に規定するペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム8 gを溶かしたもの又はこれと同等の性能をもつ洗浄剤。
警告 ペルオキソ二硫酸アンモニウムは,強酸化剤である。その取扱いには十分注意しなければな
らない。

7 ピクノメータの準備

  ピクノメータ,栓及びキャップを石油エーテル,トルエンなどの適切な溶剤で洗浄した後,清浄な乾燥
空気を吹きつけるか,又は減圧乾燥器を用いて乾燥し,水分及び溶剤を完全に除去する。ただし,新しい
ピクノメータを用いるとき,ピクノメータを校正し直すとき,又はピクノメータの内壁や栓の細管から液
体(水及び試料)が完全に除去できないときは,次の方法で洗浄を行う。
ピクノメータ,栓及びキャップをピクノメータの洗浄剤で十分に洗浄した後,水ですすぐ。次いで,ア
セトンなどの水溶性で揮発性の溶剤を用いてすすぎ,乾燥する。このとき,湿分及び溶剤を完全に除去す
るため,清浄な乾燥空気(必要ならば,ろ過した空気)を通しながら乾燥する。

8 ピクノメータの校正

8.1   ピクノメータのひょう量
箇条7によって洗浄及び乾燥したピクノメータをはかりの近くに置き,室温になるまで放置する。静電
気を放電させ,その見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる。これをm0(g)とする。
低湿度(60 %以下)の大気中で,ピクノメータを乾布でこすって乾かすと静電気が起こり,ピクノメー
タが1 mg以上も軽くなることがある。この静電気は,30分経過しても完全に消えないことがある。ピク
ノメータに静電気が起きているかどうかは,アルミニウムはく検電器などを用いると確認できる。
全てのひょう量は,5 ℃以内の温度範囲で行い,空気の密度の変化をできるだけ小さくする。また,ピ
クノメータに発生した静電気を消すには,ピクノメータの外面をアセトン,イソペンタン(又はジエチル
エーテル)の順で十分にすすぐか,又はアセトン浴及びイソペンタン浴(又はジエチルエーテル浴)のそ
れぞれに10秒以上浸せきした後,自然乾燥するとよい。
8.2 毛細管共栓ピクノメータ
a) 新たに煮沸し,校正温度より僅かに低い温度まで冷却した水をピクノメータに満たす。次いで,栓を
気泡が入らないように注意しながらピクノメータに堅く差し込む。校正温度は,通常,15 ℃とする。
b) ピクノメータを校正温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に,その首部まで浸せきし,ピクノメータ内の
水の温度と恒温水槽の温度とを平衡させるため,1時間以上保持する。
c) ピクノメータ内の水の温度が恒温水槽の温度と平衡になったら,栓に付着した余分の水を拭い取り,
栓の細管内の水のメニスカスを栓の頂部又は標線に一致させる。この操作では,布の毛細管現象が栓
から液体を引き込むので注意が必要である。ピクノメータがワードン形の場合,直ちに,キャップ(ワ
ードン)を栓にかぶせて堅くはめる。
d) ピクノメータを恒温水槽から引き上げる。ピクノメータがワードン形でない場合は,ピクノメータ及
び内容物を恒温水槽の温度よりも少し低い温度に冷却する。
e) ピクノメータの外面を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ち
の少ない布で拭き取って乾燥させ,その見掛け質量を0.1 mgの桁までひょう量する(mWt)。
f) 校正温度におけるピクノメータの水当量を次の式によって算出する。ピクノメータの水当量は,定期
的に測定し直さなければならない。

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Mt mWt m0
ここに, Mt : 校正温度(t ℃)におけるピクノメータの水当量(g)
mWt : 校正温度において水を満たしたピクノメータの見掛け質量
(g)
m0 : 空のピクノメータの見掛け質量(g)
8.3 目盛ピクノメータI形
a) ピクノメータを立てたまま,かぎ状の一端を新たに煮沸し,校正温度より僅かに低い温度まで冷却し
た水中に入れ,毛細管現象とサイホン作用とによって水を球上方の細管の下端目盛近くまで満たす。
校正温度は,通常,15 ℃とする。次いで,校正温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に入れ,細管の水
面が恒温水槽の液面下になるようにして,細管中の水面が一定になるまで(約20分間)静置する。
b) 両細管の水面を細分目盛の1/2まで読み,その合計値を記録する。恒温水槽からピクノメータを取り
出し,その外側を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ちの少
ない布で拭って乾かす。ピクノメータをはかりの近くに置き,室温になるまで放置した後,その見掛
け質量を0.1 mgの桁まではかり,これをmWtとする。見掛け質量の差(mWt−m0)をピクノメータの
目盛読みの合計値に対応する水の見掛け質量(Mt)とする。
c) 細管中の水を徐々に加えて,細管目盛の中央部及び上端部について同様の操作を行う。
d) 両細管の目盛読みの合計値に対する水の見掛け質量をグラフ上に記録し,直線で結んで校正線図を作
成する。3点が一直線上にない場合には,更に幾つか追加測定をして直線を引き,求めた点が全て直
線から細分目盛で2目盛を超える隔たりがなければ,この直線を校正線とする。測定点が直線から細
分目盛で2目盛を超える隔たりがあり,その後の校正でも修正できない場合は,このピクノメータを
用いてはならない。ピクノメータの校正線図は,定期的に作り直さなければならない。
8.4 他の基準温度
15 ℃以外の温度で密度を測定するときは,ピクノメータを測定温度で校正する。
8.5 再校正
ピクノメータを経験的に得られた適切な間隔で定期的に校正する。新しいピクノメータは,1年後に再
校正するのが望ましい。また,その後は,観測された変化の度合いに応じて校正する。

9 試料の採取方法及び調製方法

  試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に
よって採取及び調製する。

10 試験の手順

10.1 毛細管共栓ピクノメータ法の手順
10.1.1 液体試料の試験手順
a) 試験する試料に応じて適切な形状及び寸法のピクノメータを選ぶ。通常,25 mL及び50 mLの大きさ
のものを用いる。
箇条7に従って洗浄及び乾燥した校正済みピクノメータの見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(m0)。
b) 試料を気泡が入らないように注意してピクノメータに満たす。試験温度が室温よりも高い場合,試料
の量は,試料の熱膨張による増量を見込んだ量とする。また,高粘度試料の場合は,必要に応じて試
料及びピクノメータをあらかじめ適切な温度に加温する。

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JIS K 2249-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3838:2004(MOD)

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JIS K 2249-3:2011の関連規格と引用規格一覧