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c) 試料の入ったピクノメータを試験温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中にその首部まで浸せきする。試験
温度は,通常,15 ℃とする。ただし,蒸気圧が10 kPaを超える試料を測定する場合は,15 ℃以下で,
試料の軽質分が蒸発損失するおそれのない温度とする。恒温水槽中にピクノメータを20分間保持して
試料の温度を安定させるとともに,試料中の気泡を試料表面まで上昇させ,取り除く。20分間の浸せ
き時間経過後も試料の温度が安定しない場合は,安定するまでピクノメータを恒温水槽に浸せきして
おく。ピクノメータ内の試料の液面が変動しなくなったら,試料の温度は安定したとみなす。
試料が石油製品と非石油製品との混合物の場合,試験温度は,最終報告温度と等しくすることが必
要である。ただし,混合物の容量比が混合物の成分ごとの補正係数とともに知られている場合は,こ
の限りではない。
d) ピクノメータ内の試料の温度が安定したら,試料中に気泡のないことを確認した後,あらかじめ試験
温度にした栓をピクノメータに堅く差し込む。このとき,試料中及び栓の下に気泡を生じさせないよ
うに注意する。試料中に気泡が残留している場合は,栓を差し込む前にピクノメータを軽くたたいて
気泡を試料表面まで上昇させ,取り除く。又は気泡が試料表面に上昇するまでピクノメータを十分時
間をとって恒温水槽に浸せきしておく。
e) 栓に付着した余分の試料を拭き取り,栓の細管内の試料のメニスカスを栓の頂部に一致させ,直ちに
栓にキャップ(ワードン)を堅くはめる(ピクノメータがワードン形の場合)。
f) ピクノメータを恒温水槽から取り出し,ワードン形でない場合は,試験温度より僅かに低い温度まで
冷却する。試験温度が,室温よりも高い場合は,ピクノメータ及び内容物を室温まで冷却する。
g) ピクノメータの外面を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ち
の少ない布で拭って乾かし,その見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(mt)。
10.1.2 固体試料及び半固体試料の試験手順
a) 箇条7に従って洗浄及び乾燥した校正済みピクノメータ[ハバード形がよい。図1 c)参照]の見掛け
質量を0.1 mgの桁まではかる(m0)。れき(瀝)青の場合は,ハバード形のピクノメータだけを用い
る。
b) 気泡をため込む可能性を減らすため,できるだけ均一にした小片状の試料をピクノメータのほぼ半ば
まで入れる。又は試料を蒸発損失のないようにできるだけ低い温度で加熱溶融し,気泡を取り込まな
いように注意しながら,加温したピクノメータのほぼ半ばまで入れる。
c) 試料の入ったピクノメータをデシケータ中で室温になるまで放冷した後,見掛け質量を0.1 mgの桁ま
ではかる(mM)。ワックス分を多く含む試料の場合は,試料にワックスの収縮による深いくぼみ又は
空洞ができることがあるので,試料の温度が徐々に下がるようにその放冷方法を工夫するとよい。例
えば,試料の入ったピクノメータをろ紙の上に置き,これにあらかじめ加温したビーカをかぶせて放
冷するなどの方法がある(図4参照)。
1 ビーカ
2 ろ紙
3 デシケータ
4 試料の入ったピクノメータ
図4−高ワックス分試料の放冷方法の例
――――― [JIS K 2249-3 pdf 11] ―――――
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d) 新たに煮沸し,試験温度より僅かに低い温度まで冷却した水を気泡が生じないように注意しながら,
c)のピクノメータに満たす。次いで,試験温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に,ピクノメータをその
首部まで浸せきし,20分間保持して試料の温度を安定させるとともに,気泡をピクノメータ中の水面
まで上昇させ,取り除く[10.1.1 c)参照]。
e) ピクノメータ内の内容物の温度が安定したら,内容物中に気泡がないことを確認した後,あらかじめ
試験温度にした栓をピクノメータに堅く差し込む。このとき,ピクノメータ内の水に気泡を生じさせ
ないように注意する。ピクノメータ内の試料の表面などに付着している気泡を取り除くため,清浄で
細い針金を用いてもよい。
f) 栓に付着した余分の水を拭き取り,栓の細管内の水のメニスカスを栓の標線に一致させる。
g) ピクノメータを恒温水槽から取り出し,試験温度より少し低い温度まで冷却する。試験温度が,室温
よりも高い場合は,ピクノメータ及び内容物を室温まで冷却する。
h) ピクノメータの外面を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿気をもたせた清浄で毛羽立ち
の少ない布で拭って乾かす。
i) h)のピクノメータの見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(mF)。
10.2 目盛ピクノメータI形法の手順
a) 箇条7に従って洗浄及び乾燥した校正済みピクノメータをはかりの近くに置き,室温になるまで放置
した後,その見掛け質量を0.1 mgの桁まではかる(m0)。
b) 8.3と同様の方法で,試験温度と同等の試料をピクノメータの細管の適切な目盛まで満たす。試験温度
は,通常,15 ℃とする。ただし,蒸気圧が50 kPaを超える試料を試験する場合は,15 ℃以下で,試
料の軽質分が蒸発損失するおそれのない温度とする。試料が揮発性の場合又は試験温度が室温より低
い場合は,見掛け質量測定操作中の蒸発又は膨張による損失を防ぐため,ピクノメータに満たす試料
の量は,細管の目盛の下方部分までとする。試料が石油製品と非石油製品との混合物の場合,試験温
度は,最終報告温度と等しくすることが必要である。ただし,混合物の容量比が混合物の成分ごとの
補正係数とともに知られている場合は,この限りではない。
c) 高揮発性試料(20 ℃以下の沸点をもつ成分が含まれているもの)又は試験中に試料の蒸発損失が起こ
るおそれのある試料を測定する場合は,あらかじめ試料及びピクノメータを05 ℃の温度に冷却し
ておく。そのとき,ピクノメータは,細管の両端に適切な乾燥管を接続し,ピクノメータの内部に空
気中の水分が凝縮するのを防ぐ。また,ピクノメータに満たす試料の量は,細管の下端目盛(0目盛)
より少し上までとし,試料の入っていない細管部の長さを100 mm以上にする。これによって,試験
中の試料の蒸発損失を防ぐことができ,イソペンタンのような高揮発性成分が含まれていてもその蒸
発損失は無視できるほど小さい。
d) 試料を入れたピクノメータを試験温度±0.05 ℃に保った恒温水槽中に浸せきし,細管内の試料の液面
が恒温水槽の液面下になるようにして20分間保持する。
e) 目盛の読みが一定になったら両細管の液面を細分目盛の1/2まで読み,その合計値を記録する。
f) 恒温水槽からピクノメータを取り出し,その外側を水,アセトン,トルエンの順にすすぎ,僅かに湿
気をもたせた清浄で毛羽立ちの少ない布で拭き取って乾かし,室温になるまで放置した後,見掛け質
量を0.1 mgの桁まではかる(mt)。
g) 校正線図から試料を入れたピクノメータの目盛読みの合計値に対応する水の見掛け質量を求め,これ
を試験温度における試料と等体積の水との見掛け質量として記録する(Mt)。
――――― [JIS K 2249-3 pdf 12] ―――――
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11 計算方法
11.1 ピクノメータの熱膨張に対する補正
ピクノメータが校正された温度と異なる試験温度での測定値から密度を計算するには,ピクノメータの
生地ガラスの体膨張に関する補正が必要となる。
11.1.1 ほうけい酸ガラス製のピクノメータ
a) ほうけい酸ガラスの体膨張係数は,ガラスの原料によって異なり,主に三つの体膨張係数,10×10−6,
14×10−6及び19×10−6 ℃−1に分類できる。
注記1 現在生産されているほうけい酸ガラス製のピクノメータは,一般に10×10−6 ℃−1の体膨
張係数をもっている。
b) ほうけい酸ガラスを用いた場合,最も適切な測定値を得るためには,次のいずれかの条件を満たす試
験が必要である。
1) 試験温度と校正温度とが一致している。
2) 体膨張係数が既知のピクノメータを用いる。これらの条件が満たせない場合で,精度を適用しない
場合に限り,10×10−6 ℃−1の体膨張係数を用いることができる。
11.1.2 ソーダ石灰ガラス製ピクノメータ
ソーダ石灰ガラス製ピクノメータに対して,体膨張係数は,(25±2)×10−6 ℃−1を採用している。
注記2 この値は,JIS K 2249-2におけるガラス製浮ひょうの体膨張係数であり,JIS K 2249-4に
規定する密度換算表を作成するときに用いている。
11.2 密度換算表
a) 15 ℃以外の温度で測定した密度(測定密度)に対し,密度(15 ℃)を求めるため,JIS K 2249-4で
は,原油,燃料油及び潤滑油に対する換算表をそれぞれ,付表I表1A(原油の温度に対する密度換算
表),付表II表1B(燃料油の温度に対する密度換算表)及び付表III表1D(潤滑油の温度に対する密
度換算表)として規定している。試験試料に対しては,適切な換算表を用いなければならない。
b) IS K 2249-4に示す付表(表2参照)は,原油及び石油製品だけに適用されるものであり,非石油製
品には適用できない。
表2−密度換算表の種類(JIS K 2249-4)
適用する換算表 適用油種 適用
付表I表1A 原油 測定密度を15 ℃における密度に換算する。
付表II表1B 燃料油
付表III表1D 潤滑油
c) 付表I表1A,付表II表1B及び付表III表1Dは,15 ℃で校正されたガラス製ピクノメータで測定し
た密度について用いる。
注記 密度換算表は,用いたガラス(ソーダ石灰ガラス)の膨張(25×10−6 ℃−1)に対する補正を
含んでいる。
d) ほうけい酸ガラス製のピクノメータを用いて得られた測定値に対して密度換算表を用いるときは,ほ
うけい酸ガラスの体膨張係数とこれらの表に用いられたソーダ石灰ガラスの体膨張係数との間の補正
が必要である。
e) ソーダ石灰ガラス製のピクノメータを用いて得られた測定値に対して密度換算表を用いるときは,校
正温度が15 ℃の場合は,補正の必要はない。校正温度が15 ℃以外の場合は,その校正温度から15 ℃
――――― [JIS K 2249-3 pdf 13] ―――――
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までの温度範囲のピクノメータの膨張に対する補正が必要になる。
11.3 密度の計算方法
試料の密度(15 ℃)は,試験温度及び試験に用いたピクノメータの校正温度に応じて,次のいずれかに
よって算出し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.000 1に丸める。
11.3.1 液体試料の密度の計算
a) 試料の試験温度及びピクノメータの校正温度がいずれも15 ℃±0.05 ℃の場合
15
(m15 m0 ) w
d15 C (1)
M15
ここに, d15 : 試料の密度(15 ℃)(g/cm3)
m15 : 15 ℃±0.05 ℃において試料を満たしたピクノメータの見掛
け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照]
m0 : 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参
照]
15 15 ℃における水の密度(g/cm3)(表3参照)
D :
w
M15 : 15 ℃±0.05 ℃(校正温度)における毛細管共栓ピクノメータ
の水当量(g),又は目盛ピクノメータI形の校正線図から求め
た試料と同体積の水の見掛け質量(g)[8.2 f)又は10.2 g)参照]
C : 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)(表4参照)
表3−水の密度
温度 密度 温度 密度 温度 密度 温度 密度
℃ g/cm3 ℃ g/cm3 ℃ g/cm3 ℃ g/cm3
0 0.999 84 15 0.999 10 30 0.995 65 45 0.990 22
1 0.999 90 16 0.998 94 31 0.995 34 50 0.988 05
2 0.999 94 17 0.998 77 32 0.995 02 55 0.985 70
3 0.999 96 18 0.998 59 33 0.994 70 60 0.983 21
4 0.999 97 19 0.998 40 34 0.994 37 65 0.980 57
5 0.999 96 20 0.998 20 35 0.994 03 70 0.977 78
6 0.999 94 21 0.997 99 36 0.993 68 75 0.974 86
7 0.999 90 22 0.997 77 37 0.993 33 80 0.971 80
8 0.999 85 23 0.997 54 38 0.992 96 85 0.968 62
9 0.999 78 24 0.997 29 39 0.992 59 90 0.965 32
10 0.999 70 25 0.997 05 40 0.992 21 95 0.961 89
11 0.999 60 26 0.996 78 100 0.958 35
12 0.999 50 27 0.996 51
13 0.999 38 28 0.996 23
14 0.999 24 29 0.995 94
――――― [JIS K 2249-3 pdf 14] ―――――
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表4−空気の浮力に対する補正値(液体試料)
m15 m0 C a) m15 m0 C a)
M15 g/cm3 M15 g/cm3
0.60 0.000 48 0.80 0.000 24
0.61 0.000 47 0.81 0.000 23
0.62 0.000 46 0.82 0.000 22
0.63 0.000 44 0.83 0.000 20
0.64 0.000 43 0.84 0.000 19
0.65 0.000 42 0.85 0.000 18
0.66 0.000 41 0.86 0.000 17
0.67 0.000 40 0.87 0.000 16
0.68 0.000 38 0.88 0.000 14
0.69 0.000 37 0.89 0.000 13
0.70 0.000 36 0.90 0.000 12
0.71 0.000 35 0.91 0.000 11
0.72 0.000 34 0.92 0.000 10
0.73 0.000 32 0.93 0.000 08
0.74 0.000 31 0.94 0.000 07
0.75 0.000 30 0.95 0.000 06
0.76 0.000 29 0.96 0.000 05
0.77 0.000 28 0.97 0.000 04
0.78 0.000 26 0.98 0.000 02
0.79 0.000 25 0.99 0.000 01
注a) 空気の浮力に対する補正値(C)を表より精密に求める必要がある場合は,次の
式によって算出する。
m15 m0
C da 1
M15
273.15P
da .0001 293
273.15t Ps
ここに, C : 空気の浮力に対する補正値(g/cm3)
da : ピクノメータの見掛け質量測定時の空気の密度(g/cm3)
m15,m0及びM15 : 式(1)に同じ。
t : ピクノメータの見掛け質量測定時の室温(℃)
P : ピクノメータの見掛け質量測定時の大気圧(kPa)
Ps : 標準大気圧(101.32 kPa)
b) 試料の試験温度が15 ℃±0.05 ℃で,ピクノメータの校正温度が15 ℃±0.05 ℃以外の温度の場合
m15 m0 Dwt
d15 +C G1
Mt
1
G1
1 p tc 15
ここに, d15 : 試料の密度(15 ℃)(g/cm3)
m15 : 15 ℃±0.05 ℃において試料を満たしたピクノメータの見掛
け質量(g)[10.1.1 g)又は10.2 f)参照]
m0 : 空のピクノメータの見掛け質量(g)[10.1.1 a)又は10.2 a)参
照]
D :
t
w
ピクノメータの校正温度(≠15 ℃)における水の密度(g/cm3)
(表3参照)
Mt : 校正温度(≠15 ℃)における毛細管共栓ピクノメータの水当
――――― [JIS K 2249-3 pdf 15] ―――――
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JIS K 2249-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3838:2004(MOD)
JIS K 2249-3:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2249-3:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK2249-4:2011
- 原油及び石油製品―密度の求め方―第4部:密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2254:2018
- 石油製品―蒸留性状の求め方
- JISK2258-1:2009
- 原油及び石油製品―蒸気圧の求め方―第1部:リード法
- JISK2258-2:2009
- 原油及び石油製品―蒸気圧の求め方―第2部:3回膨張法
- JISK2283:2000
- 原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8103:2013
- ジエチルエーテル(試薬)
- JISK8252:2010
- ペルオキソ二硫酸アンモニウム(試薬)
- JISK8593:2015
- 石油エーテル(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方