58
K 2254 : 2018
表C.1−図C.1の番号と化合物との対照表
図C.1中の番号 沸点(℃) 化合物
2 80 ベンゼン
3 84 チオフェン
5 111 トルエン
6 116 ピリジン
8 136 2,5-ジメチルチオフェン
9 139 1,4-キシレン
10 143 ジプロピルスルフィド
12 152 クメン
13 159 trans-ヘキサヒドロインデン
14 171 デカ-1-エン
15 173 sec-ブチルベンゼン
17 178 2,3-ジヒドロインデン
18 183 ブチルベンゼン
19 186 trans-デカリン
20 194 cis-デカリン
21 195 ジプロピルジスルフィド
23 213 ドデカ-1-エン
25 218 ナフタレン
26 221 2,3-ベンゾチオフェン
27 227 ジアミルスルフィド
28 234 1,3,5-トリ-イソプロピルベンゼン
30 241 2-メチルナフタレン
31 245 1-メチルナフタレン
34 254 インドール
35 279 アセナフテン
38 298 デシルベンゼン
39 314 オクタデカ-1-エン
41 339 フェナントレン
42 342 アントラセン
44 346 アクリジン
45 395 ピレン
47 424 トリフェニレン
49 438 ナフタセン
50 447 クリセン
異なる液相濃度のカラム,又は異なるカラム槽の昇温速度による測定でも,n-パラフィン混合物の沸点
変換線の傾きは,本質的に等しくなる。
幾つかの化合物について,真の沸点とガスクロマトグラフ法で求めた沸点との差を表C.2に示す。表C.2
には,標準大気圧101.325 kPaでの沸点とともに,1.333 kPaでの沸点とガスクロマトグラフ法で求めた沸
点との差を示す。1.333 kPaでの沸点との差が,101.325 kPaでの沸点との差と比べて小さいことが分かる。
これは,ガスクロマトグラフ法で求めた蒸留性状は,減圧法で求めた蒸留性状に近いことを示す。多環化
合物の蒸気圧と温度との関係を示す曲線は,n-パラフィンのそれと同じ傾き及び湾曲をもたないため,多
環化合物のガスクロマトグラフ法で求めた沸点は,n-パラフィンの常圧下の沸点による沸点変換線を用い
ることによって,明らかに差を生じる。
――――― [JIS K 2254 pdf 61] ―――――
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K 2254 : 2018
表C.2−ガスクロマトグラフ法によって求めた沸点と真の沸点との差
化合物 101.325 kPaでの ガスクロマトグラフ法によって求めた沸点と
真の沸点(℃) 真の沸点との差(℃)
101.325 kPa 1.333 kPa
ベンゼン 80 +4 −2
チオフェン 86 +4 +1
トルエン 111 +2 −1
1,4-キシレン 139 0 +2
ドデカ-1-エン 213 0 0
ナフタレン 218 −12 −4
2,3-ベンゾチオフェン 221 −13 0
2-メチルナフタレン 241 −12 −2
1-メチルナフタレン 245 −12 −5
ジベンゾチオフェン 332 −32 −6
フェナントレン 339 −35 −8
アントラセン 342 −36 −8
ピレン 395 −48 −16
クリセンa) 447 −60 −
注a) クリセンの1.333 kPaでの沸点の値は存在しない。
C.2 ガスクロマトグラフ法で求めた沸点と真の沸点との差は,ガスクロマトグラフ法とTBP蒸留試験と
比較して意味のあるものではない。なぜならば,TBP蒸留試験の手順によって,塔頂の温度がおおよそ
260 ℃のとき試料の分解を防ぐために,減圧するからである。したがって,TBP蒸留試験は,ガスクロマ
トグラフ法と同様に誤差を生じる。表C.3に3種類の高沸点石油留分試料のTBP蒸留の値とガスクロマト
グラフ法で求めた値とを示す。TBP蒸留試験は,理論段数100段のスピニングバンド・カラムを用いて,
0.133 kPaで測定した結果である。
注記 TBPは,True boiling pointの略。
表C.3−重質軽油の蒸留性状
留出量 直留軽油 高硫黄Coker軽油 Decanted軽油
(質量分率%) TBP(℃) GCa)(℃) TBP(℃) GCa)(℃) TBP(℃) GCa)(℃)
初留点 230 215 223 209 190 176
10 269 263 274 259 318 302
20 304 294 296 284 341 338
30 328 321 316 312 357 357
40 343 348 336 344 377 375
50 367 373 356 364 390 391
60 394 398 377 386 410 409
70 417 424 399 410 425 425
80 447 451 427 434 445 449
90 − 448 462 467 − 469
95 − 511 482 494 − 492
100 − 541 − − − 541
注a) この規格のガスクロマトグラフ法によって求めた沸点
C.3 Decanted軽油には,高濃度に多環芳香族化合物が含まれている。また,高硫黄Coker軽油には,環
――――― [JIS K 2254 pdf 62] ―――――
60
K 2254 : 2018
状の硫黄化合物及び複雑な構造のオレフィン化合物が含まれていると考えられる。
参考文献
[1] 化学便覧 基礎編I 改訂5版 日本化学会編 丸善出版
[2] 公益社団法人石油学会 石油製品討論会要旨集,(2015),ガスクロマトグラフ法による灯油および軽
油の常圧蒸留性状の測定 −常圧蒸留法相当値への変換式の最適化
[3] 公益社団法人石油学会 石油製品討論会要旨集,(2016),ガスクロマトグラフ法による灯油および軽
油の常圧蒸留性状の測定 −室間再現精度の評価およびセタン指数への応用
[4] 平成19年経済産業省告示第78号“軽油中の脂肪酸メチルエステル又はトリグリセリドの濃度の測定
方”
――――― [JIS K 2254 pdf 63] ―――――
61
K 2254 : 2018
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 2254:2018 石油製品−蒸留性状の求め方 ISO 3405:2011,Petroleum products−Determination of distillation characteristics at
atmospheric pressure
ISO 3924:2016,Petroleum products−Determination of boiling range distribution−Gas
chromatography method
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 ISO 3405 1 追加 JISは,減圧法を追加した。 国内の運用実態に合わせて追加し
ISO 3924 た。
3 用語及び ISO 3405 3 追加 JISは,留出量,留出温度,沸点変利用者の利便性を考慮して,規格
定義 ISO 3924 換線などの定義を追加した。 に用いる用語を追加した。また,
自動試験器を混乱なく運用できる
また,留出量の定義にガスクロマト
グラフ法の場合を追加した。 ように,明確に定義付けした。
4 試験方法 表1 追加 試験器試験方法の種類及び適用区 利用者の利便性を考慮して追加し
の種類及び 分を示す表を追加した。 た。
適用区分 ISO 3924 1 適用範囲で,FAMEの 変更 FAMEの含有量が質量分率10 %を 国内の運用実態に合わせて変更し
含有量が質量分率 超える軽油及び常圧下の終点が た。
10 %を超える軽油及 538 ℃を超える製品にも,精度は規
び常圧下の終点が 定しないが適用できるとした。
538 ℃を超える製品
には適用できないと
規定。
追加 GC換算法を参考ではなく規定の試 国内の運用実態に合わせて規定化
験方法として適用区分に追加する した。
K2
とともに,灯油及び軽油の適用条件
254
及び試験結果に疑義が生じた場合
: 2
の対応について追加した。
01
1
8
5
――――― [JIS K 2254 pdf 64] ―――――
62
K 2254 : 2018
K2
1
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
5
2
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
54 : 2
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
0
及び題名 番号 の評価
18
5.2 試験器 5.2.2.1 蒸留フラスISO 3405 5.2 耐熱性 変更 JISは,ガラスの材質を規定した。 使用実態に合わせて具体的に材質
及び器具 コ を指定した。
5.2.2.2 凝縮管 5.3.3 凝縮管 追加 JISは,凝縮管の入口と出口の高低使用実態に合わせて具体的に寸法
差を追加した。 を規定した。
5.2.2.3 冷却浴 5.3.4 冷却浴 変更 JISは,手動試験器用の冷却浴につ手動試験器の冷却浴が製作できる
いての具体的な規定に変更した。 ように,具体的な規定に変更した。
5.2.2.4 風よけ 5.4 ガスバーナ用高さ 変更 JISは,旧規格に合わせて,風よけ使用実態に合わせて変更した。
400 mm の高さを変更し,内面に耐熱性断熱
電気加熱器用高さ 板を張るとした。
440 mm
5.4 試験器 5.4.1 標準試料によ 8 8.1 追従センサの点検追加 JISは,標準試料A及びBによる点 国内の運用実態に合わせて追加し
の点検 る確認 8.2 電子式温度計測シ 検を追加した。 た。
5.4.2 自動試験器の ステムの点検 変更 JISは,標準試料A及びBの点検の 国内の運用実態に合わせて,標準
点検 結果,許容範囲を外れた場合に限 試料A及びBを主体とする流れに
り,点検を実施するとした。 変更した。
5.4.2.2 追従センサ 8.1 mL表記 変更 JISは,留出量の単位を体積分率% 留出量の報告単位である体積分
の点検 に変更した。 率%に合わせた。
体積分率%表記
5.4.2.3 b) 露出部効 8.2.2 1類 : トルエン 追加 JISは,確認試料としてベンジルア国内の運用実態に合わせて追加し
果の確認 108.5109.7 ℃ ルコールを追加した。 た。
表6を規定 4類 : ヘキサデカン 変更 JISは,トルエン及びヘキサデカン照合試験結果及び運用実態を考慮
277.0280.0 ℃ の体積分率50 %留出温度の許容差 して変更した。
を変更した。
5.6 試験の 9 手動試験 変更 JISは,手動試験の手順と自動試験手動及び自動の試験の手順がほと
手順 10 自動試験 の手順とを一つの箇条にまとめた。
んど共通しているため,簡略化の
ためにまとめた。実質的な差異は
ない。
5.7 計算方 11 追加 JISは,数値をJIS Z 8401によって数値の丸め方を明確にするために
法 丸めることを規定した。 追加した。
――――― [JIS K 2254 pdf 65] ―――――
次のページ PDF 66
JIS K 2254:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3405:2011(MOD)
- ISO 3924:2016(MOD)
JIS K 2254:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2254:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISC1604:2013
- 測温抵抗体
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK2249-1:2011
- 原油及び石油製品―密度の求め方―第1部:振動法
- JISK2249-4:2011
- 原油及び石油製品―密度の求め方―第4部:密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2258-1:2009
- 原油及び石油製品―蒸気圧の求め方―第1部:リード法
- JISK2258-2:2009
- 原油及び石油製品―蒸気圧の求め方―第2部:3回膨張法
- JISK8732:2011
- 二硫化炭素(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方