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6酸素入口及び排出口
図 1 改良形燃研式ボンベ形熱量計(一例) 図 2 ボンベ(一例)
1) ボンベ 図2に示すステンレス鋼製(SUS 304)の耐圧容器又はこれと同等以上の機械的性質をも
つ耐圧容器。容量は300 ml±15 mlとし,試験中漏れがなく,容器の内面は,試料の燃焼によって
生成する酸に腐食されないもの。
備考 ボンベは,室温で19.6 MPaの水圧試験に5分間耐えるものでなければならない。
2) 内筒 内径135 mm±5 mm,深さ262 mm±5 mmで,内外面にクロム又はニッケルめっきを施した
もの。
3) 中間筒 内径178 mm±5 mm,深さ300 mm±5 mmのもの。
4) 外槽 内径300 mm,深さ360 mmのもの。
5) 加温水槽 水2 Lを30分間以内で20 ℃から100 ℃に加熱できるもので,注水弁は90 ℃以上の熱
水500 mlを30秒間以内で外槽に注水できるもの。
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6) 温度計 温度計は,次による。
6.1) ベックマン温度計 56 ℃の温度差を測定でき,かつ,目量0.01 ℃で,計量法の検定に合格し
たものに適切な拡大鏡を取り付けたもの。内筒用のものは,更に検定済みのベックマン温度計と
比較して補正するか,ゲーリュサック法又は同等の精度の方法によって補正を行って使用する。
参考 ゲーリュサック法によるベックマン温度計の補正方法を,附属書1(参考)に示す。
6.2) ガラス温度計 水温及び室温の測定並びに,ベックマン温度計の基点温度の決定に使用するもの
で,目盛範囲050 ℃,目量0.1 ℃のもの又はJIS B 7410に規定する温度計番号48(CAL)のも
の。
7) 点火用電気回路 試料の点火用回路は1030 Vとし,点火の有無を確認するために,電流計又はパ
イロットランプを直列に入れたもの。
b) 試料皿 図3に規定する形状・寸法のもの(底部内径約22 mm,上部外径約27 mm,高さ約13 mm)
で,不透明石英ガラス製,白金製又はステンレス鋼製 (1) のもの。
注(1) 新しいステンレス鋼製の試料皿を用いる場合は,あらかじめ数回空焼きして質量の変化がない
ことを確認する。
備考 JIS K 2839に規定する図71のものがこれに相当する。
単位 mm
図 3 試験皿
c) カプセル ゼラチン製カプセル。ゼラチン製カプセルの総発熱量は,約10個分のカプセルを試料皿に
納まるように押しつぶすか又は裁断し,5.7に準じて測定する。
参考 ゼラチンカプセルは“日本薬局方 医薬品各条のカプセル”に規定する“カプセル番号000”の
ものを使用するとよい。
d) ポリエチレン製袋 縦約30 mm,横約20 mmのもの。総発熱量は,約0.5 gの袋を試料皿に納まるよ
うに押しつぶすか又は裁断し,5.7に準じて測定する。
参考 長さ約20 mm,幅約5 mmの注入口が付いた袋を用いてもよい。
e) 点火線 径約0.1 mm,長さ約100 mmの純ニッケル又は純鉄線。
f) 酸素圧入用連結管 酸素をボンベ内に圧入する金属製連結管で,減圧弁及びボンベ内の圧力計(最大
目盛5.9 MPa以上,細分目盛0.2 MPa以下)を備えたもの。
g) 錠剤成形器 安息香酸を点火線とともに直径10 mm±1 mmの錠剤に成形できるもの。
h) はかり
1) 化学はかり 感量0.1 mg以下,ひょう量100 g以上の化学はかり。
2) 卓上台ばかり又は上皿ばかり 感量1 g以下,ひょう量4 kg以上の卓上台ばかり又は上皿ばかり。
i) シリンジ 容量約5 mlで,目盛付きのもの。
5.3 標準物質
標準物質は,独立行政法人 製品評価技術基盤機構によって認定された機関が供給する熱
量標定用安息香酸又は国際熱量標準安息香酸を用いる。
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備考 安息香酸は,点火線とともに錠剤にして用いるが,錠剤にする前に7080 ℃の乾燥器で2時
間以上加熱してデシケータ中で放冷するか,又はシリカゲルなどを入れたデシケータ中で48
時間以上乾燥して用いる。既に錠剤に成形されているものを使用する場合も同様の乾燥操作を
行う。
参考1. 安息香酸の総発熱量認定値は,26 500 J/g程度である。熱当量の算出に際しては表示してある
認定値を用いる。
2. 熱量標定用安息香酸を供給する認定機関として,財団法人 日本品質保証機構がある。
5.4 試薬
試薬は,次による。
a) 1/28 mol/L炭酸ナトリウム標準液 JIS K 8005に規定する炭酸ナトリウムを600 ℃で約60分間加熱
し,デシケータ中で放冷する。Na2CO3 100 %に対し,その3.785 gをとり,水に溶かし全量フラスコ
で1 000 mlにしたもの。
備考 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムから調製した1/14 mol/Lの濃度のものでもよい。
b) 指示薬 次に規定するメチルオレンジ溶液又はメチルレッド溶液。
1) メチルオレンジ溶液 JIS K 8893に規定するメチルオレンジ0.10 gを水に溶かし全量を100 mlにし
たもの。
2) メチルレッド溶液 JIS K 8896に規定するメチルレッド0.10 gをJIS K 8102に規定するエタノール
(95)に溶かし,全量を100 mlにしたもの。
c) 酸素 JIS K 1101に規定するもの。
d) 流動パラフィン JIS K 9003に規定するもの。総発熱量は5.7によって測定する。
5.5 試料採取及び調製方法
試験用試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の
調製による,又はそれに準じる方法によって採取及び調製する。
5.6 試料の準備
試料の準備は,試料の揮発性で異なり,表3による。
表 3 試料の準備
試料 油種(例)
不揮発性試料 灯油,航空燃料油(JetA,JetA-1,JP-5),軽油,
重油
揮発性試料 ナフサ,ガソリン,航空燃料油(航空ガソリン,
JP-4),原油
備考1. 揮発分の少ない原油の場合は,不揮発性試料に準じて取り扱うこ
とができる。
2. JP-4はJIS K 2209の3号(JetB)である。
参考 航空燃料油は,航空輸送業界において国際的に,次のような呼称
が通用している。
a) 航空ガソリン : 100/130,100 LL,115/145
b) 航空タービン燃料油
1) 灯油形 : Jet A,Jet A-1,Avtur,JP-8
2) 高引火点形 : JP-5,Avcat
3) 広範囲沸点形 : JP-4,Jet B,Avtag
a) 不揮発性試料の場合 総発熱量が約27 000 Jになるように試料の適量 (2) (3) を試料皿に0.1 mgのけた
まではかり採り,これを図2に示すボンベの内ぶたに取り付けてある電極上に置く。次に,0.1 mgの
けたまではかった点火線 (4) を試料皿 (5) 中の試料の表面に触れさせるように取り付け,その両端を
点火用電極に接続した後,ボンベの内ぶた及び外ぶたを完全に密閉する。
注(2) 試料のおおよその総発熱量が分かっているときは,次の式によって試料の適量を算出する。
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27 000
M
HgE
ここに, M : 試料の質量(g)
HgE : 試料のおおよその総発熱量(J/g)
(3) 硫黄分が0.1質量%を超える試料については,あらかじめJIS K 2541を用いて硫黄分を求めて
おく。
(4) 白金製の試料皿の場合は,点火線による損傷があるので,純鉄線を用いたほうがよい。
(5) 白金製及びステンレス鋼製の試料皿には,赤熱済みの絶縁物を敷いたほうがよい。
b) 揮発性試料の場合 次の1)3) のいずれかの方法によってはかり採る。
1) ポリエチレン製袋を用いる場合 流動パラフィン0.10.2 gを試料皿に0.1 mgのけたまではかり採
り,質量既知の点火線を流動パラフィンに浸るように取り付け,その両端を点火用電極に接続する。
あらかじめ0.1 mgのけたまで質量をはかったポリエチレン製袋に,シリンジを用いて,総発熱量が
約27 000 Jになるように適量の試料 (2) を入れた後,注入口を密封する (6)。次に,この試料の入っ
た袋をあらかじめ0.1 mgのけたまで質量をはかったポリエチレン製袋に挿入して二重に密封した
後,0.1 mgのけたまで質量をはかる。その後,袋を試料皿に入れ,ボンベの内ぶた及び外ぶたを完
全に密閉する。
注(6) ポリエチレン製袋中に空気が残存すると試料が飛散し,不完全燃焼することがあるので,袋
中の空気はできるだけ排出して密封するとよい。
参考 ポリエチレン製袋の密封には,プラスチック密封器など適切な密封器を使用する。
2) ゼラチン製カプセルを用いる場合 あらかじめ0.1 mgのけたまで質量をはかったカプセルを適切な
架台で試料皿の上に立て,試料 (7) をシリンジなどを用いて入れ,カプセルのふたをして試料の質
量を0.1 mgのけたまではかる。次に,質量既知の点火線をカプセルの上部に巻き付け,その両端を
点火用電極に接続した後,ボンベの内ぶた及び外ぶたを完全に密閉する。
注(7) 揮発性試料の場合は,試料が急激に燃焼し誤差の原因となることがあるので,ボンベ内の総
発熱量が25 000 J以下になるように試料を少なめにしたほうがよい。
5.7 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 酸素の圧入 酸素の圧入に先立ち,酸素圧入用連結管,減圧弁及びボンベが正常であることを確かめ
る。次に,試料が試料皿から吹きこぼれないようにゆっくりと酸素を2.52.9 MPa (8) になるまでボ
ンベ内に圧入する (9)。この際,ボンベ内の空気を酸素で追い出してはならない。次いで容器の漏れを
調べて,その気密を確かめる。
注(8) 揮発性試料の場合は,2.02.5 MPaとする。
(9) ボンベに酸素を入れ過ぎないように十分に注意しなければならない。もし,3.4 MPa以上入れた
場合は,ボンベが破裂する危険があるので,酸素圧入用連結管を外して酸素を放出する。この
場合は,試料をはかり直して,初めの質量と違うときはそれを捨てて試験を5.6からやり直す。
備考 常にボンベは,静かに取り扱う必要がある。もし,衝撃を与えたり,倒したり,落としたりし
たときは,酸素の圧入又は点火を行ってはならない。このような場合は,試験を5.6からやり
直す。
b) 熱量計の準備 熱量計の準備は,次による。
1) 加温水槽の準備 加温水槽に水を満たし,スイッチを入れて90 ℃以上に加熱しておく。
2) ベックマン温度計の基点調節 ベックマン温度計の基点を室温より23 ℃低い温度に調節する。
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3) 内筒の準備 ベックマン温度計の指示値が1 ℃付近になるように調節した水2.02.2 kgを1 gのけ
たまで内筒にはかり採る。
4) 中間筒の準備 中間筒の定位置に3) の内筒を挿入し,その中に酸素を圧入したボンベを定位置に
置く。次いで,点火用導線を接続し,中間筒のふたをして,ちょうねじで密閉する。
5) 外槽の準備 4) の中間筒を外槽の定位置に置き,外槽に水を満たしふたをする。次いで,ベックマ
ン温度計及び内筒用かき混ぜ機を取り付け,点火用導線を接続する。内筒用かき混ぜ機の回転数を
毎分約800回転に調節した後,加温水槽から注水弁を開いて外槽中に熱水を注入し,外槽水と内筒
水の温度差を0.1 ℃以内に保つようにかき混ぜる。
c) 試料の点火及び温度の測定 試料の点火及び温度の測定は,次による。
1) 1分間ごとに内筒用ベックマン温度計を軽くたたいて温度を0.001 ℃のけたまで読み取り,連続3
回同一の温度を得たら,それを燃焼前の温度として記録する。
2) 点火スイッチを入れ試料に点火する。試料に点火したかどうかは点火用電気回路の電流計の振れか
又はパイロットランプの点灯によって確認する。
3) 試料の燃焼によって内筒用及び外槽用温度計の読みが上昇するのに伴い,点火後1分間は内筒水と
外筒水との温度差が0.3 ℃以内にあるように,熱水を加えることによって外槽水の温度を調節する。
4) その後は,外槽水と内筒水との温度差を0.1 ℃以内に保つように調節する。1分間ごとに内筒用ベ
ックマン温度計を軽くたたいて温度を0.001 ℃のけたまで読み,連続3回同一の温度を得たら,そ
れを燃焼後の温度として記録する。
d) 燃焼後の処理 燃焼後の処理は,次による。
1) ボンベを取り出し,静かに一定速度で1分間以上かけてボンベ内の圧力を下げる。常圧になったら
ボンベのふたを開いて内部の燃焼状態を調べ,未燃焼試料又はすすが付着しているときは,ボンベ
を清浄にして試験を5.6からやり直す。
2) ボンベの内面,電極,試料皿などを350 ml以下の水で十分に洗い,洗液をビーカに集め,指示薬を
加え1/28 mol/L炭酸ナトリウム標準液で滴定する。
3) 未燃焼の点火線の質量を0.1 mgのけたまではかり,初めの質量との差を求める。
5.8 熱量計の熱当量の測定
安息香酸1.01.2 gを質量既知の点火線とともに錠剤にして質量をはかり,
5.7と全く同様に操作し,次の式によって熱当量を算出する。
なお,この測定は,5回以上繰り返して行い,33 J/℃以内で一致した5回の値の平均値をJIS Z 8401に
よって丸めの幅を1に丸めて,熱当量の値とする。
C S e1 e2
B w
t
ここに, B : 熱当量(J/℃)
C : 安息香酸の総発熱量(認定値)(J/g)
S : 安息香酸の質量(g)
e1 : 硝酸生成熱の補正値(J)
5.7 d) 2) で滴定に要した1/28 mol/L炭酸ナトリウム標準液のml数
に4.2を乗じた数
e2 : 点火線の熱補正値(J)
純鉄線の場合は,6 740 J/gに5.7 d) 3) で求めた値(g)を乗じた値
ニッケル線の場合は,3 240 J/gに5.7 d) 3) で求めた値(g)を乗じ
た値
t : 内筒水の温度上昇(℃)
――――― [JIS K 2279 pdf 10] ―――――
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JIS K 2279:2003の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3648:1994(MOD)
- ISO 8217:1996(MOD)
JIS K 2279:2003の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2279:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK2209:1991
- 航空タービン燃料油
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2254:2018
- 石油製品―蒸留性状の求め方
- JISK2256:2013
- 石油製品―アニリン点及び混合アニリン点の求め方
- JISK2272:1998
- 原油及び石油製品―灰分及び硫酸灰分試験方法
- JISK2275:1996
- 原油及び石油製品―水分試験方法
- JISK2536:1996
- 石油製品 ― 成分試験方法
- JISK2541:1996
- 原油及び石油製品―硫黄分試験方法
- JISK2839:1990
- 石油類試験用ガラス器具
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8893:2020
- メチルオレンジ(試薬)
- JISK8896:2012
- メチルレッド(試薬)
- JISK9003:2014
- 流動パラフィン(試薬)
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方