JIS K 2280-1:2018 石油製品―オクタン価,セタン価及びセタン指数の求め方―第1部:リサーチ法オクタン価 | ページ 3

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8.2 エンジン回転数
エンジン回転数の設定は,次による。
a) エンジン回転数は,毎分(600±6)の回転に設定する。
b) オクタン価測定時のエンジン回転数の最大変動値は,毎分6以内とする。
c) ファイヤリング時のエンジン回転数は,モータリング時に比べて毎分3を超えてはならない。
8.3 バルブ開閉時期
ピストンが上死点(t.d.c)にあるとき,フライホイール・ポインタがフライホイールの0°になるように
調整する。
試験用エンジンは,クランク軸が2回転の間に,吸気・圧縮・燃焼・排気の4行程を行い,一連の燃焼
サイクルを完結する。吸気バルブは,吸気行程中の上死点後(a.t.d.c.)10.0°±2.5°で開き,圧縮行程中
の下死点後(a.b.d.c.)34°±2.5°で閉じなければならない。
排気バルブは,燃焼行程中の下死点前(b.b.d.c.)40°±2.5°で開き,吸気行程中の上死点後(a.t.d.c.)
15°±2.5°で閉じなければならない。
8.4 バルブリフト
吸気カムローブ及び排気カムローブ(カムの突出部)の輪郭線は,形は違っているが,基礎円からカム
ローブの頂部まで6.2486.350 mmの輪郭線高さがある。このため,バルブリフトは,6.045 mm±0.050 mm
にならなければならない。
注記 バルブリフトを測定する手順は,ASTM D2699-12のAnnex A2(Apparatus Assembly and Setting
Instructions)に記載されている。
8.5 吸気バルブのシュラウド(覆い)
180°シュラウドは,流入する燃料−空気の混合気の方向を決め,燃焼室の乱流を高める。バルブステム
のピンは,バルブガイドのスロットとかみ合い,バルブが回転するのを防ぐ。シリンダにバルブを組み付
けるとき,ステムピンの方向は,シュラウドが燃焼室の点火プラグ側を向くようにバルブを取り付ける。
8.6 試験用エンジンの回転方向
試験用エンジンの回転方向は,試験用エンジンを前面から見たとき,クランク軸が時計方向に回転する
ように設定する。
8.7 気化器ベンチュリ
気化器ベンチュリは,大気圧に関係なく,14.3 mmのベンチュリを用いる。
8.8 バルブクリアランス
バルブクリアランスの設定は,次による。
a) 組み立てた試験用エンジンが,運転前の冷機状態のとき,バルブステム(弁軸)とバルブロッカー半
球とのクリアランスを測定し,おおよそ次の値に設定すれば,通常用いる範囲内の“エンジン運転中
の温間のクリアランス”になる。
吸気バルブ 0.10 mm
排気バルブ 0.36 mm
これらのクリアランス調整によって,吸気バルブ及び排気バルブは,試験用エンジンの暖機運転時
に適切なバルブの開閉時期を保つことができる。バルブロッカーの調節ねじによって長さを調節でき
るバルブプッシュロッドの取付けは,最終的なクリアランスの調整ができるように十分な間隔を確保
する。
b) エンジン運転中(暖機運転中)の吸気バルブ及び排気バルブのクリアランスは,オクタン価100の正

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標準燃料を用いて標準ノック強度状態で運転し,0.200 mm±0.025 mmに設定する。
8.9 潤滑油の圧力
潤滑油の圧力は,172207 kPaに設定する。
8.10 潤滑油の温度
潤滑油の温度は,57 ℃±8 ℃に設定する。
8.11 シリンダジャケット冷却液の温度
シリンダジャケット冷却液の温度は,100 ℃±1.5 ℃に設定する。ただし,試験中の温度の変動は,±0.5 ℃
とする。
8.12 吸入空気温度
吸入空気温度は,次による。
a) 標準大気圧101.3 kPaでオクタン価を測定する場合,吸入空気温度は,52 ℃±1 ℃に設定する。他の大
気圧の場合は,表2の代表的な大気圧に対する標準吸入空気温度に設定する。試験用エンジンが使用
適正条件にあることを確認するため,トルエン系点検燃料(TSF)を用いて吸入空気温度を調整する
場合は,表2に示す代表的な大気圧に対する吸入空気温度の±22 ℃の範囲内で調整できる。ここで調
整した吸入空気温度を,基本的なダイヤル指示計示度又はデジタルカウンタ示度の設定,標準ノック
強度の設定及びオクタン価の測定に用いる。
設定した吸入空気温度は,±1 ℃以内に維持しなければならない。
表2−代表的な大気圧に対する標準吸入空気温度
代表的な大気圧 標準吸入空気温度
kPa ℃
104.6 59.4
101.3 52.0
98.2 43.9
94.8 36.1
91.4 27.8
88.0 19.4
86.3以下 15.6
b) 吸入空気温度は,JIS B 7410に規定する温度計番号66(FRA)1) のもの又はこれと同等以上の性能を
もつ温度測定システムを用いて測定する。
注1) IS B 7410に規定する温度計番号66(FRA)は,ASTM E1に規定する温度計番号83又は83F
に相当する。
8.13 吸入空気湿度
吸入空気湿度は,乾燥空気1 kgに対して,0.003 560.007 12 kgの水分とし,氷塔などによって調整す
る。
8.14 シリンダジャケット冷却液の高さ
エンジン運転中のシリンダジャケット冷却液の高さは,冷却液のコンデンサにある“LEVEL HOT”の印
の±10 mm以内になければならない。
注記 組み立てた試験用エンジンが,運転前の冷機状態のときに,添加剤を添加した冷却液を加えて,
コンデンサのサイトグラス下部に,ちょうど見えるレベルになれば,エンジン運転中の“LEVEL

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HOT”を保つことができる。
8.15 エンジンクランク室の潤滑油の量
エンジン運転中のエンジンクランク室の潤滑油の量は,サイトグラスのほぼ中間になければならない。
注記 試験用エンジンが運転前の冷機状態のとき,クランク室のサイトグラスの上部近くまで潤滑油
を補充することによって運転中の潤滑油が適切な量になる。
8.16 クランク室の内圧
クランク室の内圧は,大気圧よりも水柱圧で25150 mm低くなければならない。ただし,負圧度は,
水柱圧で255 mmを超えてはならない。測定方法は,脈動を極力少なくするため,緩衝オリフィスを通し
て,クランク室の開口部に圧力計を接続して測定する。
8.17 排気圧力
排気サージタンクの排気圧力は,水柱圧で255 mmを超えてはならない。測定方法は,脈動をできるだ
け少なくするため,緩衝オリフィスを通して,排気サージタンク又は排気管の開口部に圧力計を接続して
測定する。
8.18 排気及びクランク室通気管システムの共鳴
排気及びクランク室の通気管システムは,内部容積をもち,かつ,ガスによる共鳴を起こさないような
長さにする。
注記 共鳴が起きるかどうか判断するための手順は,ASTM D2699-12のAppendix X3(Operating
Techniques−Adjustment of Variables)に記載されている。
8.19 ベルトの張力
フライホイールを電動機に接続するベルトは,最初の慣らし運転の後に張り調整をしなければならない。
ベルトの張り具合は,試験用エンジンを止めて,フライホイールと電動機プーリとの中央で,2.25 kgのお
もりを一方のベルトからつり下げ,ベルトのたわみを約12.5 mmに調節する。
8.20 ロッカアームキャリヤサポートの基本設定
バルブトレインが露出している場合は,各ロッカアームキャリヤサポートは,そのフォークの下側とシ
リンダの機械仕上げした表面との間隔が約31 mmになるようにシリンダに取り付ける。
バルブトレインが封入されている場合は,各ロッカーアームキャリヤサポートは,バルブ・トレーの機
械仕上げした表面とフォークの下側との間隔が約19 mmになるようにシリンダに取り付ける。
8.21 ロッカアームキャリヤの基本設定
ロッカアームキャリヤは,シリンダとクランプとの隙間を約16 mmに設定したとき,水平になっていな
ければならない。
8.22 ロッカアーム及びプッシュロッド長さの基本設定
エンジンクランク軸及びフライホイールを圧縮行程の上死点(t.d.c.)に調節し,ロッカアームキャリヤ
を適切な高さにする。ロッカアームの調整ねじを中間に設定し,かつ,ロッカアームが水平になるように
プッシュロッドの長さを調整する。
8.23 点火時期の基本設定
点火時期の基本設定は,シリンダの高さに関係なく,圧縮工程の上死点前(b.t.d.c.)13°とする。
8.24 点火時期コントロールアームの基本設定
試験用エンジンに付いている場合は,コントロールアーム上の留めねじを緩めて,点火時期コントロー
ルアームを取り外す。

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8.25 ロータベーンと点火タイマトランスデューサとの隙間の基本設定
ロータベーンと点火タイマトランスデューサとの隙間の基本設定は,0.080.13 mmとする。また,点
火断続器を用いる場合の隙間は,0.51 mm±0.13 mmとする。
8.26 点火プラグの隙間
点火プラグの隙間は,0.51 mm±0.13 mmとする。
8.27 基準シリンダ高さの設定
オクタン価100の正標準燃料を用い,標準ノック強度状態で試験用エンジンを十分に暖機運転をした後,
試験用エンジンを止める。点火が切れ,燃料が燃焼室に入らないことを確認する。校正済みの圧縮圧力計
をシリンダのデトネーションピックアップの孔に取り付け,試験用エンジンをモータリング状態で運転す
る。図2に示す代表的な大気圧に対して,基準圧縮圧力を生じるように,シリンダの高さを調節する。シ
リンダ高さを示す指示計を次のように設定する。
デジタルカウンタ示度(大気圧補正をしない場合) : 930
ダイヤル指示計示度 : 0.352
注記 この規格に適用するシリンダ高さを決める詳細な手順は,ASTM D2699-12のAnnex A2
(Apparatus Assembly and Setting Instructions)に記載されている。

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ここに,
X1 : 大気圧(×3.386 4 kPa) Y1 : 圧縮圧力(×6.894 8 kPa)
X2 : 大気圧(×0.133 322 kPa) Y2 : 圧縮圧力 kPa
図2−シリンダ高さの設定のための実際の圧縮圧力
8.28 空燃比
全ての試料及び正標準燃料について,空燃比(燃料に対する空気の混合割合)は,最高ノック強度にな
るように調整する。気化器のサイトグラスレベルをノック強度の尺度として用いる場合,サイトグラスの
燃料のレベルは,0.71.7目盛に調整する。この条件は,気化器の水平ジェットの選び方によって異なる。
空燃比を変える機構は,次による。
a) 固定式水平ジェット可変燃料レベルシステム 燃料レベルの調整は燃料タンクを段階的に上げ下げ
して行う。適切な孔の寸法をもつ水平ジェットを選ぶことで,試料燃料が最大ノックとなる燃料レベ
ルが確立する。
b) フォーリングレベルシステム 燃料は,最大ノック強度に必要なレベルよりも高いレベルまで満たし
た燃料タンクから,固定した孔又は調整可能な水平ジェットを通して供給される。エンジンがファイ
ヤリングのとき,燃料レベルは燃料が消費されるにつれて降下する。燃料レベルは,燃料タンク及び
サイトグラスの断面積によって決まり,一定の選択された速度で自動的に変化する。最大ノック強度
時の燃料レベルを記録する。燃料タンクは,リッチからリーンに一定の割合で空燃比を変えることが
できる機能が必要となる。燃料タンクの断面積は,燃料の降下速度を決定する。気化器垂直ジェット

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JIS K 2280-1:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5164:2014(MOD)

JIS K 2280-1:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 2280-1:2018の関連規格と引用規格一覧