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なったときの試料の液柱高さ。この規格においては,流出時間測定開始時と流出時間測定終了時の液
柱高さの平均値。
備考 液柱高さとは,測定中の試料液面の上部と下部の間の鉛直距離。
f) 粘度指数 (viscosity index)石油製品の動粘度が温度によって変化するときの,変化の度合。粘度指
数が大きくなると,温度による動粘度の変化が小さくなる。
4. 試験方法の種類
試験方法の種類は,表2による。
表2 試験方法の種類
試験方法の名称 箇条番号 対応国際
規格番号
動粘度試験方法 5. 3104
粘度指数算出方法 6. 2909
JISと対応する国際規格との対比表 附属書1(規定) −
動粘度及び混合比の推定方法 附属書2(規定)
附属書3(参考)
附属書1以外の方法で混合比を推定する −
方法
混合油の動粘度の推定方法 附属書4(参考) −
附属書5(規定)
二次式による粘度指数の算出に必要なL −
及びHの求め方
5. 動粘度試験方法
5.1 試験の原理
一定容量の液体が,厳密に管理された温度条件下において,校正済み粘度計の毛管内
を自然流下するのに要した流出時間を測定する。動粘度は,流出時間に粘度計の粘度計定数を乗じて求め
る。
ガラス製毛管式粘度計による動粘度の計算方法は,ハーゲン・ポアズイユの法則を応用したもので,粘
度計の特性項目を用いて,次式で表すことができる。
gD4Ht E
= 10 6 − 2
128VL t
ここに, 滿 動粘度 (mm2/s)
g : 重力加速度 (m/s2)
D : 毛管の直径 (m)
H : 平均有効液柱高さ (m)
t : 体積Vの液体が流下に要した時間 (s)
V : 時間tに流下した液体の体積(測時球の体積にほぼ等しい) (m3)
L : 毛管の長さ (m)
E : 運動エネルギーの補正係数 (mm2・s)
なお,式中の2tEは,運動エネルギー補正項であるが,流出時間がそれぞれの粘度計に規定された最小流
出時間以上の場合には,測定精度上,無視できるような小さい値になる。
4
gD H
10 6
また, 128VL は粘度計ごとに一定値となる(1)ので,これを粘度計定数 (C) とすると,動粘度は,次式
で表すことができる。
滿 Ct
ここに, 滿 動粘度 (mm2/s)
C : 粘度計定数 (mm2/s2)
――――― [JIS K 2283 pdf 6] ―――――
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t : 流下に要した時間 (s)
注(1) 表5に示す粘度計の名称番号6,7,9の3種類の粘度計については,試料の温度がはかり採り時と
試験時で異なる場合,試料の体積が変化することにより,平均有効液柱高さHも変化する。こ
のような場合には,流出時間の補正が必要である。
5.2 試薬
試薬は次による。
a) 粘度計校正用標準液 JIS Z 8809又はISO 3105に規定するもので,その種類と動粘度の概略値を表3
及び表4に示す(以下,標準液という。)。
なお,個々の標準液の動粘度決定値は,標準液に添付の成績保証書に記載されている。
参考 ASTM D 445に規定する標準液はISO 3105の標準液と同等である。
表3 粘度計校正用標準液 (JIS Z 8809)
種類 動粘度概略値mm2/s
20℃ 25℃ 30℃ 40℃
JS 2.5 2.5 − 2.1 1.8
JS 5 5.0 − 3.9 3.2
JS 10 10 − 7.4 5.7
JS 20 20 − 14 10
JS 50 50 − 32 21
JS 100 100 − 59 38
JS 200 200 − 110 66
JS 500 500 − 260 150
JS 1 000 1 000 − 500 270
JS 2 000 2 000 − 940 480
JS14 000 14 000 − 5 500 2 400
JS52 000 52 000 − 20 000 8 500
JS160 000 160 000 100 000 − −
表4 粘度計校正用標準液 (ISO 3105)
種類 動粘度概略値mm2/s
−40℃ 20℃ 25℃ 40℃ 50℃ 100℃
3 80 4.6 4.0 2.9 − 1.2
6 − 11 8.9 5.7 − 1.8
20 − 44 34 18 − 3.9
60 − 170 120 54 − 7.2
200 − 640 450 180 − 17
600 − 2 400 1 600 520 280 32
2 000 − 8 700 5 600 1 700 − 75
8 000 − 37 000 23 000 6 700 − −
30 000 − − 81 000 23 000 11 000 −
b) 精製鉱油 ニュートン液体であって,その動粘度が校正した粘度計と校正される粘度計の双方の測定
範囲内にある,透明で固形粒子を含まない鉱油を用いる。
c) 洗浄溶剤 試料を溶解する揮発性の溶剤を用いる(2)。
注(2) 溶剤は,JIS P 3801に規定する定性分析用2種のろ紙でろ過をして用いる。
備考 ナフサなどの揮発性溶剤を用いる。残さ燃料油試料の場合には,アスファルテン性物質に対し
て溶解力の大きい芳香族溶剤で,JIS K 2435に規定するようなトルエン又はキシレンを用いる。
d) 乾燥溶剤 揮発性で,洗浄溶剤及び水と混和する溶剤を用いる。
備考 JIS K 8034に規定するアセトンが適切である。
――――― [JIS K 2283 pdf 7] ―――――
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e) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。
f) 空気 清浄な乾燥空気を用いる。
5.3 試験器
試験器は次による。
備考 この規格に準じた自動試験器を用いてもよい。ただし,自動試験器で得られた試験結果に疑義
が生じた場合には,この試験方法で得られた結果による。
参考 自動試験器は,運動エネルギーの補正などを適正に行っている場合は最小流出時間未満で使用
してもよい。
a) ガラス製毛管式粘度計(以下,粘度計という。) 粘度計の名称番号,名称及び特徴を表5に示す。粘
度計の形状及び寸法を図4図8及び図10図16に,動粘度測定範囲を表9表17及び表19表21
に示す。
備考 粘度計は,JIS K 2839に規定する図190図201のものが相当する。
表5 粘度計の種類と特徴
形式 名称 名称 形状 測定 特徴
番号 寸法 範囲
懸垂液 1 ウベローデ粘度計 図4 表9 (1) 透明な試料の測定に適している。
面形 (2) 5の粘度計は,専用の恒温槽が必要であ
2 キャノン−ウベローデ粘度計 図5 表10 る[図1(C)参照]。
(3) 5の粘度計は,露点以下の試験温度での
3 キャノン−ウベローデセミミ 図6 表11 測定には不向きである。
クロ粘度計 (4) 1,2,3及び4の粘度計は,1回の試料
4 BS/IP小形懸垂液面粘度計 図7 表12 はかり採りで,複数の測定値が得られ
る。
5 アトランティック粘度計 図8 表13 (5) 5.の粘度計は,1回の試料はかり採りで1
個の測定値しか得られない。
改良オ 6 キャノン−フェンスケ粘度計 図10 表14 (1) 透明な試料の測定に適している。
ストワ (2) 6及び7の粘度計は,校正方法がA法の
ルド形 7 キャノン−マニングセミミク 図11 表15 場合には,流出時間の補正が必要である
ロ粘度計 [5.1注(1)参照]。
8 ツァイトフックス粘度計 図12 表16 (3) 1回の試料はかり採りで,複数の測定値
が得られる。
逆流形 9 キャノン−フェンスケ不透明 図13 表17 (1) 透明及び不透明な試料の測定に使用で
液用粘度計 きる。
10 ツァイトフックスクロスアー 図14 表19 (2) 露点以下の試験温度での測定には不向
ム粘度計 きである。
11 ランツ−ツァイトフックス粘 図15 表20 (3) 9の粘度計は,校正方法がA法の場合に
度計 は,流出時間の補正が必要である[5.1
12 BS/IP逆流U字管粘度計 図16 表21 注(1)参照]。
(4) 9の粘度計は,1回の試料はかり採りで2
個の測定値が得られる。
(5) 10,11及び12の粘度計は,1回の試料は
かり採りで1個の測定値しか得られな
い。
参考 国内で一般的に使われている粘度計は,ウベローデ粘度計,キャノン−フェンスケ粘度計及びキャノン−フ
ェンスケ不透明液用粘度計である。
備考 表5の他に,次の粘度計を使用してもよい。
懸垂液面形 : BS/IP/SL粘度計,BS/IP/SL (S) 粘度計,フィッツシモンズ粘度計
改良オストワルド形 : BS/U字管粘度計,BS/U/M小形粘度計,SIL粘度計,ピンケビッチ粘度計
――――― [JIS K 2283 pdf 8] ―――――
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b) 恒温槽 恒温槽は,次による。
1) 恒温槽の一例を図1に示す。恒温槽の構造は,粘度計を十分に浸すことができ,恒温槽内壁及び液
面からの距離が測定時において試料のどの部分からも20mm以上あり,粘度計及び温度計を外部か
ら透視できるもの。
2) 試験温度が15100℃の場合の恒温性能は,粘度計の浸没長さの範囲で,各粘度計の間及び温度計
の挿入位置の各場所の温度差を0.01℃以下で保持でき,かつ流出時間測定中の温度変動が0.01℃以
下のもの。
それ以外の試験温度における恒温性能は,各場所の温度差及び流出時間測定中の温度変動が
0.03℃以下のもの。
c) 粘度計ホルダ 装置の一例を図2に示す。粘度計を鉛直(3)に保持できるもので,下部メニスカスと上
部メニスカスが鉛直になる粘度計では,鉛直がすべての方向から1度以内になるようにする。キャノ
ン−フェンスケ粘度計のように,下部メニスカスと上部メニスカスが鉛直でない粘度計では,すべて
の方向から0.3度以内になるようにする。
注(3) 粘度計の鉛直を確かめるには,おもりをつるして鉛直線を求め,約90度の2方向から,粘度計と
鉛直線を比較するとよい。
d) 温度計及び校正 温度計及び校正は,次による。
1) 温度計はJIS B 7410に規定する,表6に示すもの。
2) 温度計の校正は,標準温度計(4)と比較してJIS B 7410の附属書(補正試験方法)によって0.01℃単
位まで行う。校正した温度計は,定期的に校正する。
注(4) 標準温度計の代わりに,0.01℃単位で校正された目量が0.1℃以下の二重管ガラス製水銀温度計
を用いてもよい。
参考 定期的な校正は,JIS Z 8705の氷点試験方法によって行う。
表6 動粘度用温度計
温度計番号 目盛範囲 ℃ 目量 ℃ 浸没
14 −51.5−33.5 0.1 全浸没
15 −19.2−16.4 0.05
16 18.521.5 0.05
17 23.527.5 0.05
18 28.531.5 0.05
19 36.539.5 0.05
20 48.551.5 0.05
21 53.555.5 0.05
22 73.576.5 0.05
23 78.581.5 0.05
24 97.5101.5 0.05
88 38.541.5 0.05
98 −21.4−18.6 0.05
99 148.6151.4 0.05
e) 時計 時間を0.1秒のけたまで読みとることができ,200900秒の試験において,器差が±0.07%以
内のもの。
備考 電源周波数の精度が0.05%以内の場合は,電源周波数を用いた時計を用いてよい。
参考 時計の校正には,電話の時報を利用するとよい。
――――― [JIS K 2283 pdf 9] ―――――
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f) 防湿器 露点以下の温度で試験を行う場合に用いるガラス製防湿器で,内部に乾燥剤(例えば,粒状
のシリカゲルなど)を緩く詰め(5),その両端に脱脂綿などを置いて乾燥剤を保持し,粘度計の管開口
部にゴム管などで接続できるもの。
キャノン−フェンスケ粘度計又はウベローデ粘度計用としては,JIS K 2839に規定する図98のもの
がある。その使用例を図3に示す。
なお,キャノン−フェンスケ粘度計用は流出時間測定の際,一方コックを開放する。
注(5) 乾燥剤の詰め方によっては,試料が自然流下しないことがある。
このため,露点以上の試験温度において,防湿器の有無の二つの方法で試験を行って,二つ
の方法の試験値に差がないことを確認することにより,乾燥剤の最適な詰め方を決める。
図1 恒温槽(一例)
――――― [JIS K 2283 pdf 10] ―――――
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JIS K 2283:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2909:1981(MOD)
- ISO 3104:1994(MOD)
JIS K 2283:2000の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2283:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7410:1997
- 石油類試験用ガラス製温度計
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK2207:1996
- 石油アスファルト
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2435:1992
- ベンゼン・トルエン・キシレン
- JISK2601:1998
- 原油試験方法
- JISK2839:1990
- 石油類試験用ガラス器具
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
- JISZ8705:1992
- ガラス製温度計による温度測定方法
- JISZ8801:1994
- 試験用ふるい
- JISZ8809:2011
- 粘度計校正用標準液