JIS K 3211:1990 規格概要
この規格 K3211は、界面活性剤工業において用いられる用語及びその定義について規定。
JISK3211 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K3211
- 規格名称
- 界面活性剤用語
- 規格名称英語訳
- Technical terms for surface active agents
- 制定年月日
- 1964年2月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 862:1984(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.71, 71.100.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1964-02-01 制定日, 1968-07-01 確認日, 1971-07-01 確認日, 1974-11-01 確認日, 1978-01-01 確認日, 1983-03-01 確認日, 1988-03-01 確認日, 1990-03-01 改正日, 1997-02-20 確認日, 2002-06-20 確認日, 2007-05-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 3211:1990 PDF [17]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 3211 : 1990
界面活性剤用語
Technical terms for surface active agents
1. 適用範囲 この規格は,界面活性剤工業において用いられる主な用語及びその定義について規定する。
対応国際規格 :
ISO 862 Surface active agents−Vocabulary
2. 用語の分類 用語の分類は,次の2分類とする。
(1) 一般基本用語(用語番号 : 10011170)
(2) 応用製品用語(用語番号 : 20012151)
3. 用語,定義,参考 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考 対応英語の中で太字で示したものは,ISO 862-1984 (Surface active agents−Vocabulary) 規定の用
語を示す。
(1) 一般基本用語
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1001 アニオン界面活性剤 anionic surface active
水中でイオン化し,界面活性を示す部分が陰イ
オンである界面活性剤。 agent
1002 アルキルフェノール ベンゼン核の水素原子の1個を水酸基,残りのalkylphenol
水素原子の1個以上をアルキル基で置換した化
合物。主として炭素数8又は9のアルキル基1
個で置換したものはノニオン界面活性剤の原料
として用いられる。
1003 アルキルベンゼン ベンゼン核の水素原子の1個以上をアルキル基alkylbenzene,
alkylbenzen
で置換した炭化水素類の総称。主として炭素数
12のアルキル基1個で置換したものはアニオン
界面活性剤の原料として用いられる。
1004 アルファオレフィン 末端の炭素−炭素結合が二重結合である炭化水懿 olefin
素。炭素数が1020の混合物はスルホン化,中
和してアニオン界面活性剤として用いられる。
1005 泡 気泡と泡まつの両方の意味に使われる総称。 foam ,
froth ,
bubble
1006 泡立ち foaming
泡ができること,また,それが持続する状態。
1007 泡立ち試験 起泡力試験と同じ。 foaming test
1008 陰イオン界面活性剤 アニオン界面活性剤と同じ。 anionic surface active
agent
1009 エーロゾル aerosol
気体中に,液体又は固体の微粒子が分散,浮遊
――――― [JIS K 3211 pdf 1] ―――――
2
K 3211 : 1990
番号 用語 定義 対応英語(参考)
した系。エアロゾルともいう。
1010 液晶 liquid crystal
流動性はあるが,光学的等方性がなく,複屈折
を示し,結晶のような性質をもつ状態又はその
ような状態を示す物質。
1011 エステル化 esterification
エステルを生成する反応の総称。通常は酸とア
ルコールとの脱水反応。
1012 エタノール可溶分 ethanol soluble matter
合成洗剤を規定の方法でエタノールに溶解した
とき,溶解する物質又はその量を百分率で表し
たもの(JIS K 3362参照)。
1013 エタノール不溶分 石けんを規定の方法で95%のエタノールに溶解ethanol insoluble matter
したとき,溶解せずに残る物質又はその量を百
分率で表したもの(JIS K 3304参照)。
1014 エチレンオキシド で表される化合物。エチレンの酸化
ethylene oxide
で得られ,ノニオン界面活性剤の原
料として用いられる。
1015 HLB HLB (hydrophile-lipophile
界面活性剤の親水性と親油性(疎水性)の程度
(えっちえるびー) balance)
を表す尺度。親水性の強いものほど値は大きい。
親水性親油性比と同じ。
1016 エトキシル化 ethoxylation,
活性水素をもつ化合物にエチレンオキシドを反
応させ,−(C2H4O) Hを導入する反応。 oxyethylation
1017 エプトン法 Epton method
アニオン界面活性剤の定量分析法の一つ。カチ
オン界面活性剤とコンプレックスを生成する性
質を利用した測定法。
1018 エマルション emulsion
互いに溶解しない二液体の一方が微粒子となっ
て他方の液体に分散した系。
1019 LB膜 LB membrane
単分子膜を固体表面上に何層も重ね合わせたも
(えるびーまく) の。創案者ラングミュア,ブロジェットの名前
に由来する。累積膜ともいう。
1020 塩析 graining out,
ある物質の水溶液に無機塩類などを加えて,先
salting out
に溶けていた物質を析出させること。石けんの
製造に応用されている。
1021 O/W型 水中油型と同じ。 oil-in-water type
(おーだぶりゅーがた)
1022 界面活性 surface activity
界面に吸着が起こって界面張力を低下させるな
ど界面の性質を著しく変える性質。
1023 界面活性剤 surface active agent,
分子中に適当な親水基と親油基をもち,液体に
溶けて低濃度で界面活性を示す物質。 surfactant
1024 界面現象 surface phenomenon,
表面や界面の性質が顕著に現れるために起こる
interfacial phenomenon
現象。毛管現象,ぬれ,起泡などがその代表的
な例である。
1025 界面自由エネルギー surface free energy
液体や固体の界面が内部に比べ過剰にもってい
る自由エネルギー。
1026 界面張力 単位面積当たりの界面自由エネルギー。 interfacial tension
1027 カチオン界面活性剤 cationic surface active
水中でイオン化し,界面活性を示す部分が陽イ
オンである界面活性剤。 agent
1028 可溶化 solubilization
溶媒に難溶な物質が,界面活性剤のミセル中に
溶解することによって溶媒に溶けたようになる
現象。
1029 カルボキシメチルセルロ carboxymethylcellulose
セルロースとグリコール酸とのエーテルのナト
ース リウム塩。アルカリセルロースとモノクロロ酢(CMC)
――――― [JIS K 3211 pdf 2] ―――――
3
K 3211 : 1990
番号 用語 定義 対応英語(参考)
酸ナトリウムとの反応で得られる。
1030 カルボン酸塩 カルボキシル基 (−COOH) をもつ有機化合物 carboxylate
の塩の総称。
1031 気泡 bubble
液体や固体の内部に取り込まれた気体の巨視的
大きさをもつ相。
1032 起泡力 foaming power
溶液にかくはんなどの外力を加え比較的安定な
泡を作らせる能力。界面活性剤の代表的な性能
の一つ。
1033 起泡力試験 foaming test
溶液の起泡力を,かくはんしたり気体を吹き込
んだりして測定する方法。ロスマイルス試験法
はその代表的な例。
1034 逆ミセル reversed micelle
有機溶媒中で水中とは逆に,親水基を内側に疎
水基を外(溶媒)側に向けて集合した界面活性
剤分子の集合体。
1035 吸着 adsorption
気相,液相中のある物質が,その相と異なる相
(固相,液相)との界面において相内部の濃度
と異なる現象。
1036 吸着質 固体や液体の表面や界面に吸着する物質。 adsorbate
1037 吸着層 adsorption layer
物質が表面や界面に吸着することによって形成
される層。
1038 吸着等温式 adsorption isotherm
一定温度の下で,固体や液体の表面や界面に吸
着している物質の量とその物質の濃度(気体の formula
場合は圧力)との関係を示す式。
1039 吸着等温線 adsorption isotherm
一定温度の下で,固体や液体の表面や界面に吸
着している物質の量とその物質の濃度(気体の
場合は圧力)との関係を示す曲線。
1040 吸着膜 adsorption film
物質が表面や界面に吸着することによって形成
される膜。
1041 境界濁滑 境界層の厚さが数分子数十分子層と薄くな boundary lubrication
り,油の粘度などの流体力学的法則が適用でき
なくなった領域の潤滑。
1042 凝集 flocculaion,
コロイド状粒子などが媒体中で互いに付着し合
い,大きな粒子に変化する現象。 aggregation
1043 凝集エネルギー cohesive energy
分子間に引力が働くために,分子をばらばらの
状態から集合させたときに発生する安定化エネ
ルギー。
1044 極性基 分子に大きな双極子モーメントを与える原子 polar group
団。アミノ基,カルボキシル基,水酸基などが
その代表的な例。
1045 キレート化剤 chelating agent
キレート結合によって金属イオンを封鎖する薬
剤。
1046 金属イオン封鎖剤 水溶液中で金属イオンと可溶性の錯塩を形成 sequestering agent
し,金属の活性を抑制する作用をもつ薬剤。
1047 曇り点 cloud temperature,
ノニオン界面活性剤水溶液の温度を上昇させた
cloud point
とき,白濁し始める温度。通常は,白濁し相分
離が起こる。曇点ともいう。
1048 クラフト点 Krafft temperature,
界面活性剤の水への溶解度を温度を変えて測定
したとき,溶解度が急に大きくなる温度。 Krafft point
1049 グリセリン CH2OH・CHOH・CH2OHで表される代表的な三 glycerol,
glycerin,
価アルコール。天然油脂の加水分解又は合成に
――――― [JIS K 3211 pdf 3] ―――――
4
K 3211 : 1990
番号 用語 定義 対応英語(参考)
よって得られる。 glycerine
1050 蛍光増白剤 fluorescent brightener
近紫外部の光を吸収し,紫青又は青の蛍光を発
し,繊維を白く感じさせる染料。繊維製品のほ
か,紙,パルプの増白にも用いられ,洗剤にも
配合される。
1051 ゲル gel
コロイド粒子が連なったり,高分子鎖が架橋し
たりして網目構造をつくり運動性を失った状態
又はその状態を示す物質。
1052 ゲル化 gelatintion
溶液やゾルが,温度,pH,塩濃度などの条件の
変化によってゲルになる現象。
1053 けん化 saponification
油脂又はエステルがアルカリによって加水分解
し,石けんを生成する反応。脂肪酸のアルカリ
による中和反応も含まれる。
1054 けん化価 試料の油脂1gを完全にけん化するのに必要な saponification value
水酸化カリウムのミリグラム数。
1055 懸濁 suspension
液体中に固体の微粒子が分散する現象又は分散
している系。後者の場合は懸濁液と同じ。
1056 懸濁液 suspension
液体中に固体の微粒子が分散したもので,粒子
の大きさが比較的大きいものをいう。
1057 懸濁質 suspensoid
懸濁液中に分散している粒子又はその粒子を構
成している物質。
1058 コアセルベーション coacervation
高分子や界面活性剤の溶液が条件の変化によっ
て液/液相分離を起こす現象。二つの相は同成
分を異なる割合で含み平衡を保つ。
1059 硬化油 不飽和脂肪酸成分を含む油脂に水素を添加し hardened oil,
hydrogenated oil
て,不飽和部の一部又は全部を飽和させて得ら
れる固形油脂。
1060 高級アルコール 炭素数8以上の脂肪族一価アルコールの総称。higher alcohol
天然油脂を原料とするものと石油化学製品を原
料とするものとがある。
1061 硬水 hard water
カルシウム,マグネシウムなどの塩類が比較的
多量に含まれている水で,一般には酸化カルシ
ウムとして100mg/l以上を含む水をいう。
1062 合成アルコール synthetic alcohol
石油化学製品を原料として得られる高級アルコ
ールの総称。天然油脂を原料とする高級アルコ
ールに対比して,合成高級アルコールを単に合
成アルコールと称する。
1063 高分子界面活性剤 比較的高分子量の界面活性剤。 high molecular weight
surface active agent,
polysoap
1064 コロイド溶液 colloidal solution
コロイド粒子が媒体中に分散したもの。巨大分
子やミセル程度の大きさの粒子を含む真の溶液
の場合と,より大きな粒子を含む熱力学的に不
安定な分散液の場合とがある。
1065 コロイド粒子 粗大な粒子と分子の大きさの中間に位置し,colloidal particle
1 度の大きさをもつ粒子の総称。
1066 再汚染 soil redeposition
布などの基質から一度除去された汚れが再び付
着して汚染すること。
1067 サスペンション 懸濁と同じ。 suspension
1068 酸価 油脂1g中の遊離脂肪酸を中和するのに必要な acid value
――――― [JIS K 3211 pdf 4] ―――――
5
K 3211 : 1990
番号 用語 定義 対応英語(参考)
水酸化カリウムのミリグラム数。
1069 酸化エチレン エチレンオキシドと同じ。 ethylene oxide
1070 酸化プロピレン プロピレンオキシドと同じ。 propylene oxide
1071 CMC カルボキシメチルセルロースと同じ。 carboxymethylcellulose
(しーえむしー) (CMC)
1072 cmc 臨界ミセル濃度と同じ。 critical micelle
(しーえむしー) concentration (cmc)
1073 COD chemical oxygen demand
排水や環境中の水域の水の汚染指標の一つで,
(しーおーでぃー) 水中に含まれる被酸化性物質,主として有機物(COD)
によって消費される酸化剤の量を対応する酸素
の量 (mg/l) で表したもの。化学的酸素要求量と
もいう。
1074 湿潤 ぬれと同じ。 wetting
1075 湿潤性 wetting tendency,
ぬれやすさの程度。接触角がその目安となる。
wettability
1076 脂肪 油脂のうち常温で固体のもの。 fat
また,常温で液体の脂肪油を含めた油脂と同義
語として用いられることもある。
1077 脂肪アルコール fatty alcohol
天然油脂又はろうを原料として得られる高級ア
ルコール。
1078 脂肪酸 カルボキシル基を1個もつ鎖式カルボン酸の総fatty acid
称。狭義には天然油脂を構成する長鎖のモノカ
ルボン酸をいう。
1079 縮合りん酸塩 condensed phosphate,
りんを2個以上含むりん酸塩化合物で,りん酸
polyphosphate
の脱水縮合反応によって得られる。トリポリり
ん酸ナトリウムはその代表例。
1080 純石けん分 石けん試料中の石けん分(脂肪酸中和物)含量。 pure soap content
1081 植物油 vegetable oil
植物の種子,果実,核,はい芽などを原料とし
て得られる油脂。
1082 親水基 hydrophilic group
界面活性剤などの分子中で,水によくなじむ官
能基。
1083 親水性 水に親和性を示す性質。 hydrophily,
hydrophilic property
1084 親水性親油性比 HLBと同じ。 hydrophile-lipophile
balance (HLB)
1085 真性コロイド たん白質や合成高分子のように,分子1個が既eucolloid
にコロイド次元の大きさをもつ物質の溶液又は
その分子。分子コロイドともいう。
1086 浸透 penetration
液体が紙や繊維などの固体組織内部に入り込む
現象。
1087 親油基 lipophilic group
界面活性剤などの分子中の油によくなじむ官能
基。通常は炭化水素基。
1088 親油性 油に親和性を示す性質。 lipophilicity,
lipophilic property
1089 水酸基価 ヒドロキシル価と同じ。 hydroxyl value
1090 水中油型 oil-in-water type,
分散媒(連続相)が水で,分散相が油であるエ
マルションの型。O/W型とも表す。 O/W type
1091 スルホン化 sulfonation
アルキルベンゼン,オレフィンなどの有機化合
物にスルホン酸基 (−SO3H) を導入する反応。
1092 スルホン化油 sulfonated oil
脂肪油をスルホン化し中和したもので,アニオ
――――― [JIS K 3211 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS K 3211:1990の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 862:1984(MOD)
JIS K 3211:1990の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.71 : 化学技術(用語集)