JIS K 4101:1993 有機中間物一般試験方法 | ページ 4

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図11 融点測定装置の一例
(2) 加熱容器 硬質1級ガラス製のもの。形状及び寸法の一例を図10に示す。
(3) 加熱液 水,シリコーン油など。シリコーン油は,耐熱温度が測定温度以上のもので,25℃における
動粘度が50100mm2/sのもの。
(4) ふた 四ふっ化エチレン樹脂製,ゴム製又はコルク製のいずれかのもの。
(5) 温度計 日本薬局方(第12改正)に規定する浸線付温度計(棒状)1号6号。ただし,予想融点が
70℃以下のときは,JIS B 7410に規定するSOP5759を用いてもよい。
(6) 毛管 内径0.81.2mm,肉厚0.20.3mm,長さ約150mmで,一端を閉じた硬質ガラス製のもの。
(7) 加熱器 加熱液を予想融点より15℃低い温度から5℃高い温度まで加熱することができ,かつ,加熱
液の温度上昇速度を毎分約3℃及び約1℃に調節可能なもの。

5.1.3 試料の前処理

 あらかじめ,個々の製品規格の試験方法中に記載する方法によって,試料を乾燥す
る。

5.1.4 操作

 操作は,次のとおり行う。

――――― [JIS K 4101 pdf 16] ―――――

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(1) 乾燥した試料を毛管に充てんし,閉じた一端を下にして,ガラス板又は陶板上に立てた長さ約70cm
のガラス管の内部に落とし,はずませて固く詰め,試料の層を約3mmとする。
(2) 加熱液を加熱し,予想した融点より約10℃低い温度まで徐々に上昇させる。
(3) 温度計の浸没線を加熱液の液面に合わせる。
(4) 試料を入れた毛管を図10又は図11に示すとおり固定する。
(5) 加熱液の温度が1分間に約3℃上昇するように加熱し,予想した融点より約5℃低い温度となった後,
1分間に約1℃上昇するように加熱を続ける。
(6) 試料が毛管内で溶融して固体を認めなくなったとき,温度計の最小目盛の101まで読み取り,融点の測
定値とする。
(7) (1)(6)の操作を3回以上行い,測定値の平均値を小数点以下第1位に丸めて融点とする。

5.2 光透過量の測定による方法

5.2.1 要旨

 この方法は,試料の温度による状態変化を光の透過量によって電気的に検出し,同時にその
温度を読み取って融点を求める方法である。光透過量の測定による融点測定は,JIS K 0064の3.2(光透過
量の測定による方法)によるほか,次のとおりとする。
備考 溶融状態において,光を透過しない製品には適用できない。

5.2.2 装置及び器具

 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 融点自動検出測定装置 装置の一例を図12に示す。装置は,必要に応じて融点既知の物質を用いて予
備試験を行い,その測定結果が5.1と差がないことを確認する。

――――― [JIS K 4101 pdf 17] ―――――

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図12 融点自動検出測定装置の一例
参考 測定原理 金属ブロック(炉)に差し込まれた毛管は,あらかじめセットさ
れた昇温速度で加熱される。光源からの光は,光路を通って試料に達する。
試料の溶融過程で光透過率は増加し,光検出器で検出され,更に電位に変換
出力される。出力はデータ処理された後,記録計に出力され融点曲線が記録
される。
(2) 毛管 内径0.81.2mm,肉厚0.20.3mmで,一端を閉じた硬質ガラス製のもの。長さは,装置によ
って異なるが,装着したときの露出部分の長さが1020mmのもの。

5.2.3 試料の前処理

 試料の前処理は,5.1.3による。

5.2.4 操作

 操作は,次のとおり行う。
(1) 5.1.4(1)によって,試料の充てんを行う。
(2) 試料の昇温速度が1分間に約1℃となるように操作条件を設定して融点を測定する。
(3) (1)及び(2)の操作を3回以上行い,測定値の平均値を小数点以下第1位に丸めて融点とする。

5.3 “とけ始め”及び“とけ終わり”の判定方法

 個々の製品規格に,融点として,とけ始めの温度及
びとけ終わりの温度を規定するとき,“とけ始め”及び“とけ終わり”は,次によって判定する。
(1) 目視による方法の場合 図13の湿潤点 [(a) ] をとけ始めとし,溶融終点 [(e) ] をとけ終わりとする。

――――― [JIS K 4101 pdf 18] ―――――

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図13 融点付近における試料の変化の一例
(a) 湿潤点 試料が毛管内壁に接する面に細かい液滴が一様に生じるとき(とけ始め)。
(b) 収縮点 試料が収縮し,毛管内壁との間に明らかにすきまが生じるとき。
(c) 崩壊点 収縮した試料が下方に崩壊して,液化が始まるとき。
(d) 液化点 崩壊した試料がいくらか固体のままで液中に残っているが,液面の上部が完全なメニスカ
スを形成するとき。
(e) 溶融終点 液中に残っている固体の試料が完全に液化するとき(とけ終わり)。
(2) 光透過量の測定による方法の場合 光透過量測定装置によって記録された溶融曲線の光透過量が増加
し始める点をとけ始めとし,光透過量が一定になる点をとけ終わりとする。
試料の溶融過程の記録の一例を図14に示す。

――――― [JIS K 4101 pdf 19] ―――――

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図14 溶融過程の記録の一例

6. 凝固点測定方法

6.1 要旨

 この方法は,試料容器に入れた試料を冷却水,寒剤又はシリコーン油などの熱媒体によって
間接的に冷却し,目視によって凝固点を求める方法である。目視による凝固点測定は,JIS K 0065による
ほか,次のとおりとする。

6.2 装置及び器具

 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 凝固点測定装置 (2)以下の器具を用いて組み立てたもの。一例を図15に示す。
(2) 空気外とう ガラス製で,図15に示す形状及び寸法のもの。肉厚は23mmとし,内外面にシリコ
ーン油を塗る。
(3) 試料容器 硬質ガラス製で,図15に示す形状及び寸法のもの。肉厚は1.21.5mmとし,図15に示
す位置に標線を入れる。空気外とう中に差し込み,コルク栓で固定する。
備考 試料容器が曇って温度計の目盛が読み取れないときは,容器壁の必要な部分にシリコーン油な
どを薄く塗ってもよい。ただし,シリコーン油などが試料中に混入しないように注意する。
(4) 浴槽 ガラス製又は透明なプラスチック製の容器で,図15に示す形状及び寸法のもの。
(5) かき混ぜ棒 ガラス製又はステンレス鋼製で,下端を外径約18mmの輪状にしたもの。
(6) 温度計 JIS B 7410に規定するSOP56SOP59。ただし,予想凝固点が70℃以上のものを測定すると
きは,JIS B 7410に規定するAP40を用いてもよい。
また,予想凝固点が100℃以上のものを測定するときは,日本薬局方(第12改正)に規定する浸線
付温度計(棒状)36号を用いる。

――――― [JIS K 4101 pdf 20] ―――――

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JIS K 4101:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 4101:1993の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7410:1997
石油類試験用ガラス製温度計
JISB7411:1997
一般用ガラス製棒状温度計
JISB7413:1977
浸没線付ガラス製水銀棒状温度計
JISB7525:1997
密度浮ひょう
JISC3105:1994
硬銅より線
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0061:2001
化学製品の密度及び比重測定方法
JISK0064:1992
化学製品の融点及び溶融範囲測定方法
JISK0065:1992
化学製品の凝固点測定方法
JISK0066:1992
化学製品の蒸留試験方法
JISK0067:1992
化学製品の減量及び残分試験方法
JISK0068:2001
化学製品の水分測定方法
JISK0071:1993
化学製品の色及び硫酸着色試験方法
JISK0113:2005
電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JISK0114:2012
ガスクロマトグラフィー通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0124:2011
高速液体クロマトグラフィー通則
JISK2249:1995
原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JISK2839:1990
石油類試験用ガラス器具
JISK4134:1995
4-アミノ-5-ヒドロキシ-2,7-ナフタレンジスルホン酸モノナトリウム塩(H酸モノナトリウム塩)
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8013:2016
亜鉛粉末(試薬)
JISK8019:2010
亜硝酸ナトリウム(試薬)
JISK8051:2010
3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8101:2006
エタノール(99.5)(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8105:2013
エチレングリコール(試薬)
JISK8129:2016
塩化コバルト(II)六水和物(試薬)
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISK8163:1994
ヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8228:2020
過塩素酸マグネシウム(試薬)
JISK8308:2011
クレゾールレッド(試薬)
JISK8322:2020
クロロホルム(試薬)
JISK8342:2007
酸化りん(V)(試薬)
JISK8352:2011
コンゴーレッド(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8392:1994
サリチル酸(試薬)
JISK8428:1961
酸化バリウム(試薬)
JISK8506:2017
臭化カリウム(試薬)
JISK8530:2007
臭素酸カリウム(試薬)
JISK8540:2016
(+)-酒石酸ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8577:2007
水酸化バリウム八水和物(試薬)
JISK8586:2011
スルファニル酸(試薬)
JISK8588:2011
アミド硫酸アンモニウム(試薬)
JISK8603:2011
ソーダ石灰(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8637:2006
チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JISK8659:2014
でんぷん(溶性)(試薬)
JISK8708:1996
p-ニトロアニリン(試薬)
JISK8777:2017
ピリジン(試薬)
JISK8799:2020
フェノールフタレイン(試薬)
JISK8837:2013
プロピレングリコール(試薬)
JISK8842:2012
ブロモチモールブルー(試薬)
JISK8844:2012
ブロモフェノールブルー(試薬)
JISK8873:2014
ホルムアミド(試薬)
JISK8876:2018
マグネシウム粉末(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)
JISK8893:2020
メチルオレンジ(試薬)
JISK8895:2013
2-メトキシエタノール(試薬)
JISK8913:2006
よう化カリウム(試薬)
JISK8920:2008
よう素(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISM8100:1992
粉塊混合物―サンプリング方法通則
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ1703:1976
ポリエチレンびん
JISZ8202:1985
量記号,単位記号及び化学記号
JISZ8203:1964
単位記号
JISZ8203:2000
国際単位系(SI)及びその使い方
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態
JISZ8716:1991
表面色の比較に用いる常用光源蛍光ランプD65―形式及び性能
JISZ8720:2012
測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源