この規格ページの目次
- 3. 定義
- 4. 試験溶液
- 4.1 塩溶液
- 4.2 pHの調整
- 4.3 試験溶液のろ過
- 5. 装置
- 5.1 試験槽
- 5.2 試験槽加熱装置
- 5.3 塩溶液を噴霧する方法
- 5.4 乾燥空気の供給
- 5.5 噴霧液採取装置
- 5.6 試験片保持器
- 5.7 制御装置
- 6. 試料のサンプリング
- 7. 試験板
- 7.1 材質及び寸法
- 7.2 試験板の調整及び塗装
- 7.3 乾燥及び状態調節
- 7.4 塗膜の厚さ
- 7.5 切り込みきずの付け方
- 8. 試験片の暴露方法
- 8.1 試験片の設置位置及び角度
- 8.2 試験片の置き方
- 9. 操作条件
- 10. 手順
- 11. 試験片の評価
- 12. 精度
- 13. 試験報告
- JIS K 5600-7-9:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS K 5600-7-9:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS K 5600-7-9:2006の関連規格と引用規格一覧
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K 5600-7-9 : 2006
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8622 炭酸水素ナトリウム(試薬)
JIS K 8960 硫酸アンモニウム(試薬)
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 5500による。
4. 試験溶液
4.1 塩溶液
塩溶液は,附属書C(サイクルA),附属書D(サイクルB),附属書E(サイクルC)及び
附属書1(サイクルD)の規定に従い,JIS K 0557に規定する少なくとも種別A1以上の水にJIS K 8150
に規定する塩化ナトリウム又はこれと同等以上のもの(1),及び附属書E(サイクルC)においては更にJIS
K 8960に規定する硫酸アンモニウムを溶かして試験用の溶液を作製する。
注(1) 同等以上のものを表1に示す。
表 1 塩化ナトリウムの純度 単位g/kg
不純物 不純物の最大濃度 計算方法
全固形物 5.0 乾燥塩類の質量比として計算
よう化物 1.0 乾燥塩類の質量比として計算
銅 0.01 発光分光分析又は同様な精度をもった他の方法
ニッケル 0.01 発光分光分析又は同様な精度をもった他の方法
4.2 pHの調整
溶液のpHが要求される領域(附属書CE及び附属書1参照)外であれば,塩類,水
又はその両方の中の望ましくない不純物の原因を調べる。pHの測定は25 ℃での電気的測定に基づくべき
だが,日常の確認では,0.3の位まで読み取りが可能なpH試験紙を用いてpHを調べてもよい。必要なpH
の調整は,JIS K 8180に規定する塩酸,JIS K 8622に規定する炭酸水素ナトリウム又はJIS K 8576に規定
する水酸化ナトリウムを用いて行う。
備考 噴霧時にpHが変化する可能性があるので,あらかじめその対策を行うことによってpHの変化
を避けることができる。
4.3 試験溶液のろ過
噴霧装置の噴霧口をふさぐ可能性のある固形物を除去するために,試験槽の補給
槽に入れる前に溶液をろ過する。
5. 装置
5.1 試験槽
試験槽は,噴霧溶液による腐食に耐える材質で作られ,凝縮された液滴が試験片の上に落
ちない構造のカバーを備えたもの。試験槽は,噴霧の分布を一定にするために0.4 m3以上の容量とする。
試験槽の大きさ及び形は,噴霧液採取装置(5.5)に集められる溶液の量が,附属書CE及び附属書1に
規定する限度内となるもの。主として配慮すべき要因は,附属書Bに示している。異なる溶液を用いて噴
霧試験が行われた場合又は他の目的に使用された場合には,使用前に装置を完全に清浄にしなければなら
ない。
備考 2 m3以上の容量の試験槽では,その設計及び構造に注意深い配慮がなされなければ,操作が困
難となる。
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5.2 試験槽加熱装置
加熱装置は,規定の温度で試験槽及び試験片を維持でき,規定の昇温速度(附属
書CE及び附属書1参照)を達成できるもの。温度の調節は,試験槽の壁から少なくとも100 mm以上
離して置かれたサーモスタットによる。
5.3 塩溶液を噴霧する方法
装置は,圧力調節された清浄な圧縮空気の供給装置及び噴霧溶液用補給タ
ンクを備え,塩溶液に耐える材質で作られた一つ以上の噴霧器によって構成する。各噴霧器に供給する圧
縮空気は,微量の油及び固形物を除去するためにフィルタを通過させたもので,噴霧器のノズルの先端で
適切な圧力で,噴霧液採取量及び採取された噴霧液の濃度が規定の限度(附属書CE及び附属書1参照)
内に維持できるように調節されたもの。噴霧器材質は,例えば,ガラス,プラスチックなどの不活性なも
のとする。
備考 噴霧調節板は,噴霧が直接試験片に当たるのを避けるために用いる。試験槽内の噴霧を均一な
分布状態とするため調節板を使用する。
5.4 乾燥空気の供給
乾燥空気は,微量の油及び固形物を除去するためにフィルタを通過させる。サイ
クルA及びサイクルDにおいては,それぞれ附属書C及び附属書1に規定する時間後に,また,サイク
ルB及びサイクルCにおいては,乾燥条件開始後45分間に,試験板上に水滴がなくなるまで十分な乾燥
空気を供給する。
備考 試験槽は,実験室外への排気装置を通常備える。
5.5 噴霧液採取装置
採取装置は,化学的不活性な材質によって作られたもので少なくとも二つ備え,
一つは噴霧器の近傍,他の一つは噴霧器から離れた試験槽内に設置する。この装置は,噴霧液だけを採取
し,試験片又は噴霧器から流れ落ちる液滴を採取しないように配置しなければならない。複数の噴霧器が
用いられる場合は,採取装置の数は,少なくとも噴霧器の数の2倍とする。
備考 採取装置は,ガラスロートをメスシリンダに取り付けたものが適切である。直径100 mmのロ
ートは,約80 cm2の採取面積となる。
5.6 試験片保持器
試験片保持器は,ガラス,プラスチック又は適切に塗装した木材のような不活性な
非金属材質のものとする。規定の方法で保持できない場合は,試験片はつり下げてもよい。この場合,つ
り下げ用材質は合成繊維,木綿糸又は他の不活性な絶縁性材質のものとする。すべての試験片保持器は,
同一水準に保ち,試験片保持器及び試験片の下に置かれた他の試験片の上に液が滴下しない位置に配置す
る。
5.7 制御装置
制御装置は,附属書CE及び附属書1に規定する時間及び温度に関し,塩水噴霧・乾
燥・湿潤のサイクル制御ができるもの。
6. 試料のサンプリング
試料は,JIS K 5600-1-2に規定するサンプリング法によって,試験用製品(又
は多層塗膜系の場合では各製品)の代表的試料をサンプリングする。試験用各試料は,JIS K 5600-1-3に
規定する方法によって検分及び調整する。
7. 試験板
7.1 材質及び寸法
試験板は,他に規定又は協定がない場合には,JIS K 5600-1-4によってJIS G 3141
に規定する磨き鋼板とし,寸法は100×70×0.3 mm以上のもの。
備考 通常用いる試験板の寸法は,150×70×0.8 mmである。
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7.2 試験板の調整及び塗装
各試験板は,他に規定又は協定がない場合には,JIS K 5600-1-4に従って調
整し,その後試験をする製品又は塗装系で規定する方法によって塗装する。試験板の裏面及び端部は,試
験用製品自身でシール塗装する。製品と異なるもので塗装する場合は,試験用製品より腐食耐久性のよい
ものでなければならない。
7.3 乾燥及び状態調節
製品に規定された条件下で規定時間,各塗装試験片の乾燥(又は焼付け),養生
などを行う。その後,他に規定がない場合には,空気が自由に循環し,直射光を避ける場所で,少なくと
も16時間JIS K 5600-1-6に規定する標準状態で試験片を養生する。その後,試験操作は,できるだけ早く
実施しなければならない。
7.4 塗膜の厚さ
乾燥塗膜の厚さは,JIS K 5600-1-7に規定する非破壊操作の一つによって,μm単位ま
で測定する。
7.5 切り込みきずの付け方
切り込みきずの付け方は,次による(図1参照)。
塗膜を貫いて素地に達する真っすぐな切り込みきずを付ける。切り込みきずを付けるときは,単刃の切
り込み具を用い,かつ,新しい刃先を使う。切り込みきずは,素地上で0.51.0 mm幅をもち,塗膜表面
に向かって扇形に広がった断面をしたものでなければならない。切り込みきずの周辺に生じる破片は,取
り除く。
きずの付け方には,次の3種類がある。
a) 切り込みきずは,長方形の試験片の半分の面に,試験片端部から約10 mm内側に対角状に交差する切
り込みきずを付ける。
b) 二つの平行な切り込みきずを試験片の長辺に沿って付ける。
c) アルミニウム板については,相互に垂直で交差しない二つの切り込みきずを付ける方法がある。一つ
は,コイルの巻き取りに平行で,もう一方は,それと垂直方向に,切り込みきずを付ける。受渡当事
者間の協定がない場合には,b),c)の場合,すべての切り込みきずは,試験片の端部及び互いの切り
込みきずから少なくとも20 mm以上離れていなければならない。
備考 結果の再現性を確保するために,切り込みきずの付け方には注意が必要である。
単位 mm
図 1 切り込みきずの断面図
8. 試験片の暴露方法
8.1 試験片の設置位置及び角度
試験片は,噴霧器からの噴霧の流路を妨げない位置に置く。試験片は,
垂直に対し,20±5度の角度で上に向けて置く。異形の塗装部品を暴露する必要がある場合には,できる
限り実際に使用する角度を保つことが重要である。暴露試験部品の形状が噴霧液採取にとって妨害となる
場合には,他の試験片と異形試験部品とは同時に試験はできない。塗膜劣化の程度は,部品の置かれた方
向によって異なるので,結果を考察するときには,このことに十分配慮しなければならない。
備考 各試験片が試験槽の中で暴露されている角度は,重要である。
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8.2 試験片の置き方
試験片は,相互に又は試験槽壁と接触しないように配置し,試験面は,噴霧液が
自然に落下してくるときにだけ当たるようにする。
備考 試験片は,劣化過程で試験槽内の位置によって影響を受けないようにするために,一定の基準
で試験片の位置を変えることを推奨する。
9. 操作条件
操作条件は,次による。
a) 塩水噴霧する条件だけで少なくとも24時間以上運転し,塩水噴霧液採取量を測定する。各採取装置
(5.5)の溶液採取平均量が,80 cm2の水平の採取面積当たり,附属書CE及び附属書1に規定する
範囲にあることを確認する。これによって乾燥サイクル中に水分が採取装置から蒸発することによる
問題を避け,噴霧液採取量の値を正確に得ることができる。
採取された溶液は,附属書CE及び附属書1に示す塩濃度でなければならない。
b) 他に規定がない場合は,試験機を必要なサイクル(附属書CE及び附属書1参照)で運転し,規定
時間サイクルを繰り返す。
c) 噴霧された試験溶液は,再使用してはならない。
10. 手順
2枚の試験片によって測定を行い,手順は,次による。
a) 9.の操作条件で試験機を作動させ,平衡状態となるまで待つ。
b) 試験槽(5.1)に,8.の規定によって試験片を並べる。
備考 各塗料製品に規定された見本品を各一連の試験片の間に入れ,槽内の異なる部分に複数枚配置
することを推奨する。
c) 試験槽を閉めて,噴霧器から塩溶液の噴霧を開始する。あらかじめ決められた期間中,連続してサイ
クル運転する。検査,再配置,試験片の取り出し,噴霧器の検査,補給槽の溶液検査及び補充及び必
要な記録をするための短い中断以外は,連続運転する。
11. 試験片の評価
試験方法の評価は,次による。
a) 試験片の周期的検査は,できるだけ早く行い,表面を損傷しないように注意する。24時間に30分以
上試験機を止めない。乾燥工程中に試験片を検査する。何らかの理由でこれが不可能な場合は,試験
片を乾燥させずに試験機を止め,できるだけ早く試験機を再稼働する。
b) サイクル腐食試験終了後,試験槽から試験片を取り出し,塩溶液の残さ(渣)を表面から取り除くた
め,清浄な水で洗浄する。直ちに,試験片の表面をJIS K 5600-8-1-5によって劣化の等級を評価す
る。
c) IS K 5600-1-6に規定する標準の雰囲気に規定された期間,試験片を保管して試験片表面の劣化を検
査する。
d) 素材まで劣化の状況を評価する必要があるときは,他に規定[附属書Aの2. g)参照]がない場合には,
非腐食性塗膜除去剤によって塗膜を取り除く。
12. 精度
精度の概念は,評価が主観的性質のため,この規格には適用できない。この規格の利用者は,
塗膜劣化の評価が主観的性質のために,精度は多くの要因によって左右されることがある。これら要因は,
評価方法(JIS K 5600-8-1-5参照),試験板の前処理,塗膜の厚さ,試験片の乾燥と調整及び切り込みき
ずの状況などである。
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13. 試験報告
試験報告には,次の事項を記載する。ただし,受渡当事者間の協定によって,記載する事
項を選択することができる。
a) 試験した製品を確認するのに必要なすべての事項
b) この規格番号(JIS K 5600-7-9)
c) 使用したサイクル
d) 附属書A中の引用した補足情報の項目
e) 引用した国際規格,国家規格,製品規格又は他の文書
f) 試験の期間
g) 使用した切り込みきずを付ける器材
h) 各切り込みきずの長さ,縦横の寸法及び位置
i) 試験槽内で試験片の位置を変えたかどうか
j) 要求事項についての試験結果
k) 規定された試験手順との相違事項
l) 試験年月日
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JIS K 5600-7-9:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11997-1:1998(MOD)
JIS K 5600-7-9:2006の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 5600-7-9:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK5500:2000
- 塗料用語
- JISK5600-1-2:2002
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
- JISK5600-1-3:2015
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第3節:試験用試料の検分及び調製
- JISK5600-1-4:2004
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第4節:試験用標準試験板
- JISK5600-1-6:1999
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第6節:養生並びに試験の温度及び湿度
- JISK5600-1-7:2014
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第7節:膜厚
- JISK5600-8-1:2014
- 塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―欠陥の量,大きさ及び外観の変化に関する表示―第1節:一般原則及び等級
- JISK5600-8-2:2008
- 塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―第2節:膨れの等級
- JISK5600-8-3:2008
- 塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―第3節:さびの等級
- JISK5600-8-4:1999
- 塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―第4節:割れの等級
- JISK5600-8-5:1999
- 塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―第5節:はがれの等級
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8622:2007
- 炭酸水素ナトリウム(試薬)
- JISK8960:2008
- 硫酸アンモニウム(試薬)