JIS K 5601-1-2:2008 塗料成分試験方法―第1部:通則―第2節:加熱残分 | ページ 2

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K 5601-1-2 : 2008
b) 試料のひょう量 皿に,試料(箇条7参照)を1 mgのけたまではかりとり(m1),均一に広げる。高粘
度(100 s−1のせん断速度で500 mPa・s以上の粘度,又はJIS K 5600-2-2に合致する6 mmフローカッ
プでフロー時間が74 s以上)の,又は皮膜を形成する製品の場合,試料の材料に応じた適切な溶剤2 ml
を加えた後,皿に針金(例えば,塗装していない,曲がったペーパークリップ)を使って均一に広げ
る。
なお,針金を使用する場合,皿のひょう量を行うときに,針金を入れてはかる。
塗料,ワニス及び他の通常の用途(例えば,研磨剤,摩擦用ライニング,鋳物用バインダ,鋳型流
し込み材など)に用いる縮合樹脂は,多量の試料量を必要とする。その理由は,それらの用途に使わ
れる縮合樹脂のモノマーの反応が,架橋中に進むように厚い層でテストする必要があるためである。
比較テストの場合,皿の試料層の厚さは一定でなければならない。そのため,4.1又は4.2に規定した
皿を用いる。
注記 加熱残分の測定では,皿に試料が短時間で均一に広げられるかどうかで,大きく影響を受け
る。高粘度の場合などに,広げ方が悪いと見かけの加熱残分は高くなる。測定精度を上げる
ために,塗料,ワニス及びバインダを試験するときに,適切な高揮発性溶剤2 mlを加えるこ
とを推奨する。
サンプリングした試料は,測定直前まで皿にカバーしておくことが望ましい。
揮発性の高い製品の場合には,完全に混合した試料を,栓付き瓶,ひょう量ピペット又は10 ml針
なしシリンジの中にとる。ここから試料 (1±0.1) を,1 mgのけたまではかりとり,皿の底に均一に
広げる。
溶剤を加えた場合,試料を入れた皿は10分15分間室温で静置する。
ポリマーディスパージョン,ゴムラテックスのような水系システムの場合,加熱時にはねる現象は,
温度に影響される皮張り,乾燥器中の空気の流れ,相対湿度などによる。このような場合,皿の内容
物の層の厚さを,できるだけ薄く保って,はねないようにしなければならない。
c) 乾燥 質量を測定して,溶剤を加えた後,規定の温度,又は受渡当事者間で協定した温度(箇条7参
照)に保持した乾燥器へ入れる。
規定の時間,又は受渡当事者間で協定した時間,乾燥器に皿を静置する。
d) 乾燥後のひょう量 規定,又は受渡当事者間で協定した加熱時間が終了後,皿をデシケータに移す。
室温まで冷却するか,又はほこりのない雰囲気の場所に置き冷却する。
皿及び残さ(渣)(m2) を1 mgのけたまではかる。
注記 デシケータを使わない場合,測定精度はデシケータを使わないことによって影響を受ける可
能性がある。

7 試験条件

  この規格に規定した方法を個別の製品に適用するために,箇条6の項目に加えて,より詳細な条件を必
要とする。
詳細な条件として次の条件を規定する。
a) 試験温度(表1及び表2参照)
b) 加熱時間(表1及び表2参照)
c) 試料量(表1及び表2参照)

――――― [JIS K 5601-1-2 pdf 6] ―――――

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表1−塗料,ワニス,バインダ及び液状フェノール樹脂の試験条件
加熱時間 温度 試料量 製品種類の例
分 ℃ g
20 200 1±0.1a) 粉末樹脂
60 80 1±0.1a) ニトロセルロース,ニトロセルロースラッカー,ポリイソシアネート樹脂b)
セルロース誘導体,セルロースペイント及びラッカー,自然乾燥塗料,ポリ
60 105 1±0.1a)
イソシアネート樹脂b)
60 125 1±0.1a) 合成樹脂[ポリイソシアネート樹脂b)を含む。]焼付塗料,アクリル樹脂
60 150 1±0.1a) 焼付けプライマー,アクリル樹脂
30 180 1±0.1a) 電着塗料
60 135c) 3±0.5 液状フェノール樹脂
注a) 受渡当事者間での合意によって,試料量は1 gでなくてもよい。この場合,(2±0.2) を超えてはならない。160 ℃
200 ℃の沸点の溶剤を含む樹脂の場合,乾燥器温度は160 ℃が望ましい。ただし,沸点の高い溶剤がある場
合,その条件は受渡当事者間の合意で選ぶことができる。
b) 試験条件は,試験するポリイソシアネート樹脂のタイプによる。
c) 別の温度を用いてもよい。推奨する温度は,120 ℃又は150 ℃。
表2−ポリマーディスパージョンの試験条件
加熱時間 温度 試料量 方法a)
分 ℃ g
120 80 1±0.2b) A
60 105 1±0.2b) B
60 125 1±0.2b) C
30 140 1±0.2b) D
注a) 試験条件は,試験するポリマーディスパージョン又はラテックスのタイプによる。これ
らは受渡当事者間での合意によって選ぶことができる。
b) 受渡当事者間の合意によって,試料量は1 g以上にすることができる。ただし,2.5 gを
超えてはならない。
試料量0.2 g0.4 gで(0.1 mgのけたまで)測定することもある。この場合,この表に
掲げた条件下で同じ結果を得ることが確立されているならば,加熱時間は規定より縮め
ることができる(試験するディスパージョンのタイプによる。)。

8 結果の表し方

  加熱残分NV(質量分率)は,次の式によって算出する。
m2 m0
NV 100 %
m1 m0
ここに, NV : 加熱残分 (%)
m0 : 空の皿の質量 (g)
m1 : 試料及び皿の質量 (g)
m2 : 残さ(渣)及び皿の質量 (g)
塗料,ワニス及びバインダの場合,二つの結果(繰返し測定)の差が,質量分率2 %(平均値に対する
比率)より大きいときは,箇条6に示す方法を繰り返す。
ポリマーディスパージョンの場合,二つの結果(繰返し測定)の差が質量分率0.5 %以上(例えば,質
量分率53.7 %及び質量分率53.1 %)のときは,箇条6の手順を繰り返す。
二つの結果(繰返し測定)の平均値を計算し,質量分率0.1 %のけたまで報告する。

9 精度

――――― [JIS K 5601-1-2 pdf 7] ―――――

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9.1 繰返し精度 (r)

  標準化した試験方法を用いて,同一試験室の同一試験者によって,短時間の間隔で,同一試料について,
別々に得られた二つの試験結果の差は,95 %の確率で,塗料,ワニス及びバインダの場合,繰返し精度 (r)
は質量分率2 %(二つの試験結果の平均に対する比率)以内,ポリマーディスパージョンの場合,質量分
率0.6 %(二つの試験結果の平均に対する比率)以内である。

9.2 再現精度 (R)

  標準化した試験方法を用いて,異なった試験室の異なった試験者によって,同一試料について,別々に
得られた二つの試験結果の平均値間の差の絶対値は,95 %の確率で,塗料,ワニス及びバインダでは質量
分率4 %(二つの試験結果の平均に対する比率)以内,ポリマーディスパージョンは質量分率1 %(二つ
の試験結果の平均に対する比率)以内である。

10 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を含んでいなければならない。
a) 規格番号
b) 試験した製品の種類及びその詳細
c) 使用した皿のタイプ
d) 使用した乾燥器のタイプ
e) 試験温度及び加熱時間
f) 溶剤を加えた場合,使用した溶剤の種類
g) 箇条8に示す試験結果
h) 規定の方法と異なる場合は,その内容
i) 試験年月日

――――― [JIS K 5601-1-2 pdf 8] ―――――

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K 5601-1-2 : 2008
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 5601-1-2:2008 塗料成分試験方法−第1部 : 通則−第2節 : 加熱残分 ISO 3251:2003 Paints, varnishes and plastics−Determination of non-volatile-matter
content
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇
国際規格 条ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号及 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
び名称 の評価
3用語及び 加熱残分 − 3 3.1加熱残分 追加 不揮発残さ(渣)を追加し日本語では紛らわしいため,加熱
定義 た。 残分の定義と異なることを明示
した。
6測定の手 6 内容はJISに同じ 変更 箇条の中を,手順の推移に対応国際規格は,箇条6に細分箇
順 従い,4細分化した。 条を設けていないが,日本語訳に
すると分かりにくいため,手順の
推移ごとに細別を作成した。次回
ISO規格改正時に提案する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 3251:2003 : MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··················国際規格を修正している。
K5 601-
1-2 : 2008
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JIS K 5601-1-2:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3251:2003(MOD)

JIS K 5601-1-2:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 5601-1-2:2008の関連規格と引用規格一覧