JIS K 6251:2017 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方 | ページ 2

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注記1 ゴム工業界において,この定義は,“モジュラス”という用語を用いて広く認識されている。
しかし,他の業界で用いている,あらかじめ与えられた伸びでの応力−伸び曲線の傾きを意
味する“モジュラス”とは異なる。
注記2 一般的には,100 %又は300 %伸びにおける応力が使われる。
注記3 “所定伸び”は,それぞれ試験目的に合わせて設定する伸びを表す。
3.8
降伏点引張応力(tensile stress at yield),Sy
試験片が切断する前に,引張力が増加しないで伸びが増加する最初の点の引張応力。
注記 屈曲点[図1 b)参照]又は最大点[図1 c)参照]に対応する。
3.9
降伏点伸び(elongation at yield),Ey
試験片が切断する前に,引張力が増加しないで伸びが増加する最初の点の伸び。
注記1 降伏点伸びは,試験前の試験長さに対する比率(%)で表す。
注記2 図1 b)及び図1 c)を参照する。
a) b)
E 伸び
Eb 切断時伸び
Ey 降伏点伸び
S 引張応力
Sy 降伏点引張応力
T 引張強さ
Tb 切断時引張強さ
Y 降伏点
c)
図1−引張試験における用語の説明図

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3.10
標線間距離(test length of a dumb-bell)
ダンベル状試験片の平行部分の,伸び測定の基準となる長さ(図2参照)。
注記 対応国際規格を直訳すると“ダンベル状試験片の試験長さ”となるが,一般的には標線によっ
て長さを示すことが多いため,この規格では“標線間距離”とした。

4 原理

  ダンベル状試験片又はリング状試験片を,一定速度で移動できるつかみ具又はプーリをもつ引張試験機
で引っ張る。試験片を規定した速さで引っ張るときの,引張力及び伸びを測定する。

5 一般事項

  応力−ひずみ特性は,ダンベル状試験片とリング状試験片との応力−ひずみ特性において,同じ結果を
示さない場合がある。これは,主に,リング状試験片では,応力がリング断面内で均一ではないためであ
る。また,ダンベル状試験片の平行部分が,列理(グレーン)に対して平行方向であるか,直角方向であ
るかによって,測定値が異なる場合があるためである。
ダンベル状試験片とリング状試験片とを選択するときの主な注意点は,次による。
a) 引張強さ 引張強さを求めるには,ダンベル状試験片が望ましい。リング状試験片は,ダンベル状試
験片より低い値を示す場合がある。
b) 切断時伸び ダンベル状試験片を,列理(グレーン)に対して直角方向に採取したとき,リング状試
験片の切断時伸びとダンベル状試験片の切断時伸びとは,ほぼ同じ値を示す場合がある。
列理(グレーン)の影響を調査する場合には,ダンベル状試験片が望ましく,リング状試験片は,
適切ではない。
c) 所定応力における伸び及び所定伸びにおける引張応力 用いる試験片は,ダンベル状3号形,ダンベ
ル状5号形又はダンベル状6号形が望ましい。
リング状試験片とダンベル状試験片とは,次の場合にはほぼ同じ値を示すことがある。
− リング状試験片の伸びが,初期周長の中央値に対する比率として計算される場合。
− ダンベル状試験片の伸びが,列理(グレーン)に対して直角方向に採取したときと平行方向に
採取したときとの平均値とした場合。
リング状試験片は,試験片の取扱いが容易なことから自動測定に適し,かつ,所定伸びにおける引
張応力を求めるのに適している。

6 試験片

6.1 試験片の選択

  この試験に用いる試験片には,ダンベル状1号形,ダンベル状2号形,ダンベル状3号形,ダンベル状
5号形,ダンベル状6号形,ダンベル状7号形及びダンベル状8号形からなる7種類のダンベル状試験片
並びにリング状A号形及びリング状B号形からなる2種類のリング状試験片がある。
通常の試験ではダンベル状3号形試験片又はダンベル状5号形試験片を用いることが望ましい。
ダンベル状1号形試験片は,伸びの小さい試料に,ダンベル状2号形試験片は,引張強さの小さい試料
に,ダンベル状6号形試験片は,幅が狭い試料に用いる。
ダンベル状7号形,ダンベル状8号形試験片及びリング状B号形試験片の小形試験片は,大形の試験片

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を採取するには十分な材料がない場合にだけ用いる。小形試験片は,大形の試験片より大きい引張強さ及
び切断時伸びを示す傾向がある。
同一の試料であっても,用いる試験片形状によって異なる結果になることが多いため,異なる試料を相
互に比較する場合は,同じ形状の試験片を用いなければならない。試験片の研磨又は厚さ調整によって試
験片を準備する場合は,試験結果に影響を及ぼす可能性がある。
注記 ダンベル形状及び試験室間試験プログラムデータの解析は,附属書Bを参照する。

6.2 ダンベル状試験片

  ダンベル状試験片の形状を,図2に示す。
1 標線
2 標線間距離(表1参照)
3 平行部分
図2−ダンベル状試験片の形状
ダンベル状試験片の形状及び寸法は,図3及び表1による。初期の標線間距離は,表1に示すとおりと
し,試験片の平行部分の長さを超えてはならない。
ダンベル状試験片は,適切な打抜き刃形(表3参照)によって作るものとする。
製品から切り出して作製した標準外の試験片に対する平行部分の最大厚さは,ダンベル状1号形,ダン
ベル状2号形,ダンベル状3号形及びダンベル状5号形は3.0 mm,ダンベル状6号形及びダンベル状8号
形は2.5 mm,ダンベル状7号形は2.0 mmとする。

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単位 mm
図3−ダンベル状試験片の形状及び呼び寸法
表1−ダンベル状試験片の形状及び寸法
単位 mm
形状 平行部分の厚さ 初期の標線間距離 対応国際規格
(目標値) での名称
ダンベル状1号形 2.0±0.2 40±0.5 −
ダンベル状2号形 2.0±0.2 20±0.5 −
ダンベル状3号形 2.0±0.2 20±0.5 Type 1A
ダンベル状5号形 2.0±0.2 25±0.5 Type 1
ダンベル状6号形 2.0±0.2 20±0.5 Type 2
ダンベル状7号形 1.0±0.1 10±0.5 Type 4
ダンベル状8号形 2.0±0.2 10±0.5 Type 3

――――― [JIS K 6251 pdf 9] ―――――

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6.3 リング状試験片

  リング状試験片の形状及び寸法は,図4及び表2による。
リング状A号形試験片は,内径(44.6±0.2)mmとする。厚さの中央値及び幅の中央値は,(4.0±0.2)
mmとする。一つのリング状試験片の幅は,中央値から0.2 mm以上外れる部位がないものとする。いずれ
の一つのリング状試験片の厚さも,その中央値から2 %以上外れる部位があってはならない。
リング状B号形試験片は,内径(8.0±0.1)mmとする。厚さの中央値及び幅の中央値は,(1.0±0.1)
mmとする。一つのリング状試験片の幅は,中央値から0.1 mm以上外れる部位がないものとする。
注記 リング状試験片の厚さは,いずれも打ち抜く前の試料の厚さである。
単位 mm
図4−リング状試験片の形状及び呼び寸法
表2−リング状試験片の形状及び寸法
単位 mm
形状 外径 内径 幅 厚さ 試験片内周の1/2 対応国際規格
での名称
リング状A号形 52.6 44.6±0.2 4.0±0.2 4.0±0.2 70.0 Type A
リング状B号形 10.0 8.0±0.1 1.0±0.1 1.0±0.1 12.6 Type B

7 試験装置

7.1 打抜き刃

  全ての打抜き刃は,JIS K 6250の8.3(試験片打抜き刃)に従うものとする。試験片を採取するための打
抜き刃は,図5,図6,表3及び表4で規定する寸法を満たすものとする。
図5−試験片打抜き刃の形状

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JIS K 6251:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 37:2011(MOD)

JIS K 6251:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6251:2017の関連規格と引用規格一覧