JIS K 6252-1:2015 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引裂強さの求め方―第1部:トラウザ形,アングル形及びクレセント形試験片を用いる方法 | ページ 2

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単位 mm
図2−アングル形試験片用打抜き型の形状及び寸法
単位 mm
図3−クレセント形試験片用打抜き型の形状及び寸法

5.2 切込み装置

  試験片に切込みを入れるための切込み装置の刃は,欠けのないかみそり刃又は鋭利な刃先の刃物を用い
る。切込みありアングル形試験片及びクレセント形試験片の切込み装置は,次による。
a) 刃が移動する切込み装置では,試験片をしっかり固定する必要がある。刃は,試験片に対し直角に保
持し,切込みを入れるのに適切な位置に配置する。刃の取付け部は,左右に動かないようにし,刃を
試験片に対し直角に保持しながら,切込み位置に切込みを入れるのに適したものでなければならない。
b) 刃を固定し,試験片が移動する切込み装置では,切込み長さを細かく調整できなければならない。
c) 刃の取付け部及び試験片保持部の位置は,予備試験片を用いて切込みを入れ,顕微鏡で切込み長さを
測定して,調整する。切込み装置の刃は,切込み前に水又は石けん(鹸)水でぬらしてから用いる。
注記 引裂試験片の切込みに適した装置の詳細を記載した文献を,参考文献[5]に示す。
7.4によって規定する切込み長さは,例えば,光学投影装置などの適切な装置を用いて測定する。測定に
は,照明付き移動台を備えた倍率10倍以上の顕微鏡が便利である。接眼レンズは,台及び試験片の移動量
が,記録できるように格子線又は十字線を備えるものがよい。台の移動量は,台のマイクロメータから読
み取る。
別の方法としては,読取顕微鏡を用いてもよい。

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切込み長さの寸法測定装置は,±0.05 mmの測定精度をもつ装置を用いる。

5.3 引張試験機

  試験に用いる引張試験機は,JIS K 6272の4.(試験機の等級分類)に規定する力計測系の等級が1級以
上の精度をもつものを用いる。
トラウザ形試験片を試験する場合,自動記録計を備えた引張試験機を用いる。

5.4 つかみ具

  つかみ具は,引き裂く力が増大するに従って試験片を自動的に締め付け,試験片の幅方向に均一に力が
かかる機能をもつものを用いる。また,つかみ具は,試験片に締付け力が均等に,かつ,引張軸線上に収
まるように装置へ取り付ける。アングル形試験片及びクレセント形試験片を測定する場合,試験片をつか
み具に差し込む長さは,試験片両端の平行部分の範囲内で,試験片を十分に締め付けられる長さとする。
トラウザ形試験片のつかみ具への取付け状態を,図4に示す。
1 つかみ具
2 試験片
図4−トラウザ形試験片のつかみ具への取付け状態

6 試験装置の校正

  試験装置の校正は,附属書Bによる。

7 試験片

7.1 試料の準備

  試料は,金型成形か,又は製品からの切出し若しくはバフ掛けによって均一の厚さのシート状に作製す
る。シートの厚さは,(2.0±0.2) mが望ましいが,製品から試料を作製する場合の厚さは,この限りでは
ない。試験片は,図1図3に示す打抜き型を用いて,このシートから打ち抜いて作製する。
試料を作製し,試験片を打ち抜くまでの間の状態調節は,JIS K 6250の9.(試験片の状態調節)による。
状態調節中は,できるだけ光が当たらないようにする。

――――― [JIS K 6252-1 pdf 7] ―――――

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7.2 試料の状態調節及び試験片の打抜き

  試験片を打ち抜く試料は,打ち抜く前に3時間以上,JIS K 6250の6.1(試験室の標準温度)に規定する
試験室の標準温度で静置する。打抜きは,図1,図2又は図3の打抜き型で試験片を1回の操作で打ち抜
く。試料は,水又は石けん(鹸)水でぬらし,表面が硬くて平たん(坦)な台の上に刃をきずつけないよ
うに柔らかいシート(例えば,皮,ゴムベルト,厚紙)を置いて打ち抜く。

7.3 試験片の列理

  試験片は,互いに90度の2方向(列理の方向に対し直角及び平行)で測定できるように採取することが
望ましい。引裂強さは,特に列理(グレーン)の方向に影響を受けるので,採取した試験片の列理に対す
る方向を表示しなければならない。
引裂きが成長・伝ぱ(播)する方向は,トラウザ形試験片では,長辺方向と平行であり,アングル形試
験片及びクレセント形試験片では,長辺方向に対して垂直である(図5参照)。
1 トラウザ形試験片
2 アングル形試験片又はクレセント形試験片
3 引裂きが成長・伝ぱ(播)する方向
図5−引裂きの成長・伝ぱ(播)する方向

7.4 試験片の切込み

  試験片には,5.2で示す切込み装置などで切込みを入れる。
試験片の切込みは,次による。
a) 試験方法A : トラウザ形試験片を用いる方法
図1に示すように試験片の短辺の中央に,長辺と平行に (40±5) mの切込みを入れる。引裂きの
起点となる切込みの端部1 mm付近は,かみそり刃又は鋭利な刃先を用いる必要がある。
b) 試験方法B−手順(b) : 切込みありアングル形試験片を用いる方法
図2に示すように試験片の内側のアングルの頂点に (1.0±0.2) mの切込みを入れる。
c) 試験方法C : クレセント形試験片を用いる方法
図3に示すように試験片の凹部の中央に (1.0±0.2) mの切込みを入れる。
切込みを入れた試験片は,速やかに切込み長さの測定と引裂試験とを行う。直ちに引裂試験が行えない
場合は,試験まで試験温度で保管する。試験片に切込みを入れてから,試験を行うまでの時間は,24時間
を超えてはならない。
なお,老化後に試験を行う場合,試験片の切込みは,老化後に入れる。

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8 試験片の数

  試験片の数は,同一列理方向で5個以上,望ましくは,7.3に規定するように方向を変え5個ずつとする。

9 試験温度

  試験温度は,JIS K 6250の11.2(試験温度及び試験湿度)に規定する標準試験温度とする。標準試験温
度以外の温度で試験を行う場合には,JIS K 6250の11.2.2(その他の試験温度)から選択する。
標準試験温度以外で試験をする場合,直ちに試験を行わず,試験片が試験温度になるまで試験温度での
状態調節を十分に行う必要がある。ただし,試験片の劣化を避けるため,必要最小限の時間にすることが
重要である[JIS K 6250の9.(試験片の状態調節)参照。]。
一連の試験の場合又は比較評価を行う場合には,同じ温度で試験をしなければならない。

10 試験方法

10.1 試験片の厚さの測定

  JIS K 6250の10.(寸法測定方法)に規定する方法によって試験片の引裂き付近の少なくとも3か所以上
の厚さを測定する。試験片の厚さが,その試験片の厚さの中央値の±2 %から外れた場合,試験に用いて
はならない。
複数の試験片間で比較を行うときは,それぞれの試験片の厚さの中央値は,全ての試験片の厚さの中央
値から±7.5 %でなければならない。

10.2 操作方法

  箇条9に従って状態調節を行った後,直ちに5.4のつかみ具を用いて5.3の試験装置に取り付ける。アン
グル形試験片及びクレセント形試験片の場合は,(500±50) m/minの速度で試験片が破断するまで引っ張
り,トラウザ形試験片の場合は,(100±10) m/minの速度で試験片が破断するまで引っ張る。アングル形
試験片及びクレセント形試験片の場合は,最大の力を記録する。トラウザ形試験片の場合は,試験中の力
を自動記録計で記録する。

11 計算

  引裂強さは,次の式によって求め,JIS Z 8401によって丸めの幅0.1で表し,範囲値も求める。
F
TS
d
ここに, TS : 引裂強さ(kN/m)
F : 試験方法B又は試験方法Cの場合は,引き裂く力の最大値(N),
試験方法Aの場合は,JIS K 6274によって求めた引き裂く力の
中央値(N)
d : 試験片の厚さの中央値(mm)
それぞれの試験方向に対して,引裂強さの中央値及び範囲値を求める。

11A 精度

  試験精度は,附属書Aを参照する。

――――― [JIS K 6252-1 pdf 9] ―――――

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12 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記録する。
a) 試料の詳細
1) 試料の由来(製品,試験用配合物など)
2) 試験片の作製方法(金型成形,切出しなど)
b) 試験方法
1) この規格の番号
2) 用いた試験方法
3) 試験片の種類
c) 試験の詳細
1) 試験室の標準温度
2) 状態調節の時間及び温度
3) 標準温度以外の場合は,試験温度(及び必要な場合は,湿度)
4) 列理の方向
5) 試験方法Bの場合,切込みの有無
6) 標準の操作方法と異なる場合の操作方法
d) 試験結果
1) 試験片の数
2) 個々の試験片の厚さの中央値
3) 個々の試験結果
4) それぞれの試験方向の引裂強さの中央値及び範囲
5) その他必要事項
e) 試験年月日

――――― [JIS K 6252-1 pdf 10] ―――――

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JIS K 6252-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 34-1:2010(MOD)

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