JIS K 6911:1995 熱硬化性プラスチック一般試験方法 | ページ 6

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(4) 方法
(4.1) 試験片の肉厚を厚さ測定器を用いて0.01mmまで測る。内径200mm未満の積層管の場合は,図10
に示すように試験片の内外両面に金属はくをワセリンその他ではりつけて電極とし,リード線で高
電圧破壊装置に接続し,温度20±10℃の絶縁油中につるし,なるべく速やかに電圧を0から試験電
圧まで一様に上昇させ,1分間耐えるかどうかを調べる。この場合試験電圧とは,規定の電位傾度
(kV/mm) に試験片の厚さ (mm) を乗じた電圧をいう。内面に金属はくをはりつける代わりに,導電
性ペイントを用いることができる。
(4.2) 内径200mm以上の積層管の試験片の場合は,内径面を球状電極側とし,図11(b)の試験片で外径面
切削平面の幅が25mm未満となる場合を含め,その中央部に投影面で直径25mmの大きさに金属は
くをワセリンその他ではりつけて円板電極(図9)側とし,5.8.4と同様の方法で貫層耐電圧を測る。
ただし,肉厚2mm未満の積層管については試験を行わない。

5.11 沿層耐電圧

5.11.1 積層板 次によって行う。
(1) 装置
(1.1) 平板電極 長さ及び幅がそれぞれ約100mm,厚さ56mmの黄銅製平板電極。
(1.2) 棒電極 直径5mm,長さ75mmで先端に2.5mmの丸みをもった黄銅製棒電極。
(1.3) 油槽 JIS C 2320に規定する絶縁油を入れ,90±2℃の恒温を保持できる油槽。
(1.4) 高電圧破壊装置及び交流電圧計 5.8.1(3)及び(4)に規定するもの。
(1.5) 寸法測定器 JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの及び
デプスマイクロメータ(0.01mm目盛)。
(2) 試験片 積層板から原厚のまま切り取り,切断面を平滑になるように機械加工して,長さ75mm,幅
50mmとしたものを用いる。図12に示すように試験片の長さ方向の切断面の中央に,層に沿って電極
間距離が6±0.3mmになるように直径6mmの穴をあけ,直径6mmのエンドミルで穴の底を平らに仕
上げる。加工中,層割れなどの生じないように注意する。
(3) 前処理 90±2℃の恒温に保った油槽中に30分間保つ。
(4) 方法 試験片の穴底の厚さを外側マイクロメータ及びデプスマイクロメータを用いて0.01mmまで測
る。次に試験片を図12に示すように平板電極上に置き,棒電極を穴に差し込んで電極にリード線を接
続し,90±2℃の恒温に保った油槽中に30分間放置することによって,試験片に(3)の前処理を行った
後,同温度の油中で,なるべく速やかに電圧を0から規定の試験電圧まで一様に上昇させて,1分間
耐えるかどうかを調べる。ただし,異常な破壊現象が見られた場合には,再試験を行う。
また,厚さ10mm未満又は厚さ30mm以上の積層板については試験を行わない。

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図12 積層板の沿層耐電圧試験方法
5.11.2 積層管 次によって行う。
(1) 装置
(1.1) 電極 JIS B 1352に規定するB種で表面にきずのない,よく磨いた黄銅製の直径5mmのテーパピ
ン2本又は直径2mmのもの2本。
(1.2) 油槽,高電圧破壊装置及び交流電圧計 5.8.1の(2),(3)及び(4)に規定するもの。
(1.3) IS B 4410に規定するテーパピンリーマ。
(2) 試験片 積層管から図13に示す形状・寸法に切り取り,層に垂直に2個の穴をあけ,機械用テーパピ
ンリーマで加工したものを用いる。ただし,穴の直径は,内径10mm以上の積層管で5mm,内径10mm
未満の積層管では2mmとする。
なお,積層管から幅約20mmの試験片を切り取ることができない場合,その幅は縁端放電しないよ
うな寸法とすることができる。
図13 積層管の沿層耐電圧試験片
+42
(3) 前処理 試験片の前処理は,C−90 −h/20±2℃/ (65±5) %RHで行う。
(4) 方法 前処理を行った後の試験片の2個の穴にテーパピンを押し込んで電極とし,これらの電極にリ
ード線をつなぎ,これを高電圧破壊装置に接続し,油槽の中でなるべく速やかに電圧を0から試験電
圧まで一様に上昇させて,1分間耐えるかどうかを調べる。
なお,使用する縁絶油の温度は,20±10℃とする。
5.11.3 絶縁破壊の強さ 次によって行う。
(1) 装置
(1.1) 高電圧破壊装置

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(1.1.1) 試験用変圧器 5.8.1(4)による。
(1.1.2) 自動回路遮断器 試験片の破壊時に流れる過電流を瞬間(5サイクル以内)に断つように設計され
たもの。試験用変圧器の一次側回路に備える。
(1.1.3) 電圧制御装置 可変比単巻変圧器,抵抗分圧器,誘導電圧調整器又は交流発電機の界磁調整などに
よる。手動による電圧上昇速度は,誤差内で一様に保つことは難しいため,電動式の可変速度制御
が望ましい。
(1.1.4) 電圧計 5.8.1の(4)による。
(1.2) 電極 5.8.1の(1)による。
(1.3) 油槽 JIS C 2320に規定する電気絶縁油を入れた適当な油槽(水分50ppm以下のもの)。
試験片周囲の温度を均一に保てるように油循環方式を備えることが望ましい。
測定時の温度は20±10℃とする。ただし,別に定める規定温度90±2℃で行う場合は,その旨を
測定結果に付記する。
(1.4) 厚さ測定器 5.8.1の(5)による。
(2) 試験片 直径80100mm,厚さ2±0.15mmのもの,又は長さ及び幅がそれぞれ約100mm,厚さ0.8
3.0mmのものを用いる。厚さが2mm以外の場合は測定結果に付記する。
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(3) 前処理 試験片の前処理はC−90 −h/20±2℃/ (65±5) %RHで行う。浸せき処理はD−48±2h/50±3℃
で行った後,直ちに乾燥した清潔なアセテート布,ガーゼなどでよくふく。
(4) 方法 方法は,短時間法と段階法とする。
(4.1) 電圧印加準備 試験片の中央部の厚さを0.01mmまで5か所測る。次に前処理を行った後,試験片
を絶縁油を入れた油槽中に置いてそのほぼ中央部を上下電極間にはさみ,両電極の中心線が上下一
致するように固定する。電極にリード線をつなぎ,試験回路を形成する。
絶縁油中の泡を除いた後,試験片中央近くの温度を試験の前及び後に測り記録する。
空試験を行い,油の耐電圧をチェックする。
(4.2) 短時間法 電圧の印加は0から平均1020秒でその試料の絶縁破壊が起こるような一定の速度で上
昇させる。そして試験片が破壊したときの破壊電圧を測る。その破壊電圧kVを試験片の実測平均
厚さで除して,短時間法絶縁破壊強さをMV/m単位で表し,小数点以下1けたまで求める。
(4.3) 段階法 短時間法によって破壊電圧を求め,その40%の値に最も近い電圧を表5から選び,この電
圧を20秒間加えても試験片が絶縁破壊しなければ,表5に従って順次次の段階の高い電圧を20秒
間ずつ加えて,絶縁破壊するまで試験を行う。
各段階から次の段階への電圧の上昇は,できるだけ速やかに行う。この場合,これに要した時間
は,次の段階の20秒間に含める。
20秒間加えても絶縁破壊しなかった最も高い段階電圧を絶縁破壊電圧とみなす。この値を試験片
の実測平均厚さで割って段階法絶縁破壊の強さをMV/m単位で表し,小数点以下1位まで求める。
この試験は3枚の試験片について行い,その平均値をもって示すが,平均値から15%以上はずれ
ている試験値があれば,その数だけ追加試験を行い,加算して平均値を求める。

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表5 段階電圧(実効値MV×10−3)
5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48
50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100
110 120 130 140 150 160 170 180 190 200

5.12 絶縁抵抗

5.12.1 成形材料 次によって行う。
(1) 装置
(1.1) 絶縁抵抗測定装置 図15に例示するような電極,電源,検流計,万能分流器,スイッチなどをもつ
もの。
(1.1.1) 電極 JIS B 1352に規定するB種の直径5mmで,表面にきずのない黄銅製のテーパピン。
(1.1.2) 電源 直流電圧500Vの乾電池又は蓄電池。ただし,交流を整流した電源も,一定の直流電圧を保
っていることが確認できれば用いてもよい。
(1.1.3) 絶縁抵抗測定器
(1.1.3.1) 絶縁抵抗値1M 坎 上106M 満を測定する場合(比較法) 標準抵抗は,1M 地 ンガニン又は
それと同等以上の精度をもつ標準抵抗とし,万能分流器は,検流器の振れ及び測定範囲を調節する
ための精密なものとする。
また,検流計は,0点が安定した高感度のものであって,10−10Aの電流によって1mの距離で1mm
の振れがあれば,106M 満の抵抗を±10%の確度で測定することができる。
(1.1.3.2) 絶縁抵抗値5M 坎 下を測定する場合 JIS C 1302に規定する絶縁抵抗計を用いる。
(1.1.3.3) 絶縁抵抗値1M 坎 上108M 満を測定する場合 確度±10%に校正された直流増幅器を有する
ものを用いる。
(1.1.4) スイッチ 適当に絶縁保護されたもの。
(1.2) テーパピンリーマ JIS B 4410に規定するテーパピンリーマ。
(1.3) 試験片煮沸用の適当な装置。
(2) 試験片 図14(a)に示す形状・寸法に成形したもの。

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図14 絶縁抵抗試験片
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(3) 前処理 試験片の前処理は,C−90 −h/20±2℃/ (65±5) %RHで行う。
(4) 方法 試験片の2個のあなにテーパピンを押し込んで電極とし,電源及び絶縁抵抗測定器を用い,測
定電源として直流電圧500Vで絶縁抵抗を測定する。
絶縁抵抗(常態)を測定する場合には,処理後の試験片について5.1(1)に規定する条件[温度20±2℃,
相対湿度 (65±5) %]で試験片を1分間充電した後,これを行う。
絶縁抵抗(煮沸後)を測定する場合には,処理後の試験片を沸騰蒸留水中に入れて2時間煮沸し,
20±10℃の温度に保った流れる清水中で30分間冷却した後,これを取り出し,乾燥した清浄なガーゼ
などで表面の水分をふき取り,2分間放置してから5.1(1)に規定する条件[温度20±2℃,相対湿度 (65
±5) %]で,試験片を1分間充電した後これを行う。使用する絶縁抵抗測定器は,絶縁抵抗値が1M
以上106M 坎
満の場合には(1.1.3.1)の標準抵抗,万能分流器及び検流計とし,絶縁抵抗値が5M 下
の場合には,(1.1.3.2)の絶縁抵抗計とする。ただし,絶縁抵抗値が1M 坎 上108M 満の場合には,
(1.1.3.3)の直流増幅器を有する絶縁抵抗測定器を用いてもよく,特に106M 坎 上の場合はこれを用い
る。
なお,比較法により測定する場合は,図15に示すとおりに接続し,次の方法によりこれを行う。
(4.1) 標準校正 図15に示すK1を短絡しK2を開き,希望する極性に電源極性切換スイッチを閉じる。
万能分流器の適当な倍率S1を用いて標準抵抗Rsが検流計と直列になったときの振れ む。
(4.2) 測定図 図15に示すとおりリード線をつなぎ,K1を開きK2を短絡し,検流計の最低感度の位置で
万能分流器を調節する。希望する極性に電源の切換スイッチを閉じる。
次に検流極性切換スイッチを閉じて検流計の振れ めるまで万能分流器の倍率S2を調節し,

――――― [JIS K 6911 pdf 30] ―――――

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JIS K 6911:1995の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6911:1995の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB1352:1988
テーパピン
JISB4410:1998
テーパピンリーマ
JISB7502:2016
マイクロメータ
JISB7503:2017
ダイヤルゲージ
JISB7507:2016
ノギス
JISB7512:2018
鋼製巻尺
JISB7513:1992
精密定盤
JISB7514:1977
直定規
JISB7516:2005
金属製直尺
JISB7601:1983
上皿天びん
JISB7726:2017
ロックウェル硬さ試験―試験機及び圧子の検証及び校正
JISC1102:1981
指示電気計器
JISC1301:1977
絶縁抵抗計(発電機式)
JISC2320:1999
電気絶縁油
JISG4051:2016
機械構造用炭素鋼鋼材
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR6252:2006
研磨紙
JISZ8101:1981
品質管理用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8801:1994
試験用ふるい