JIS K 7160:1996 プラスチック―引張衝撃強さの試験方法 | ページ 2

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K 7160-1996 (ISO 8256 : 1990)
0.2mmが望ましい。試験片の強度測定部分の厚さの変動は,5%以内でなければならない。この試験方法は
4mm以上の厚さの試験片には適用できない。その場合にはISO 179(シャルピー衝撃試験)及びISO 180
(アイゾット衝撃試験)の試験を行う。
参考 1形試験片は,ISO 3167の多目的試験片から作製できる。
6.2 試験片の作製方法
6.2.1 型成形及び押出成形用材料 試験片は,その材料規格に従って作製する。その規格がない場合,又
は別に規定されている場合は,ISO 293,ISO 294,ISO 295,ISO 2557-1及びISO 2557-2によって,押出
成形,圧縮成形又は射出成形の適切な方法で直接成形,圧縮成形又は射出成形によって板を成形し,それ
をISO 2818によって切削加工して試験片を作製する。
6.2.2 シート シートからの試験片は,ISO 2818の規定によって切削加工する。
6.2.3 繊維強化プラスチック 板は,ISO 1268によって成形材料から作る。試験片は,ISO 2818によっ
て切削加工する。
6.2.4 薄いフィルム 薄いフィルムの試験には,重ね合せ試験片を推奨する。重ね合せ試験片は,試験片
の形に打ち抜く前に,必要枚数のフィルムを正確にそろえ,例えば両末端から30mmの距離に接着テープ
をはり付けて固定した後,打ち抜いて作製する。フィルム試験片の末端を固定するには接着テープを使用
する。両面接着テープもフィルム間の接着に使用できる。フィルム試験片は,すりきずやフィルム相互間
の引張り又はたるみがないようにする。
表2 試験片の形状,寸法及びつかみ具間の距離(図3参照)
単位mm
試験片 長さ 幅 望ましい 望ましい つかみ具間 肩の半径
の形状 l b xの寸法l l0の値 の距離le r
1形(3) 80±2 10±0.2 6±0.2 − 30±2 −
2形 60±1 10±0.2 3±0.05 10±0.2 25±2 10±1
3形 80±2 15±0.5 10±0.2 10±0.2 30±2 20±1
4形 60±1 10±0.2 3±0.1 − 25±2 15±1
5形(4) 80±2 15±0.5 5±0.5 10±0.2 50±0.5 20±1
注(3) ノッチ角度は45゜±1°,ノッチ先端半径1.0mm±0.02mm
(4) 5形試験片 : b'=23mm±2mm,r'=6mm±0.5mm,l'=11mm±1mm
6.3 1形試験片のノッチ加工
6.3.1 ノッチは,6.2で作製したノッチなし試験片に,ISO 2818に基づいて切削加工する。
6.3.2 ノッチ先端半径は1mm±0.02mm,角度は45゜±1°とする(図3参照)。試験片にノッチを付ける
切削工具の刃の形状は,図3に示す形状及び深さのノッチを試験片の主軸に対して直角に切削できるもの
でなければならない。
両側のノッチの先端の,試験片の長さ方向のずれは0.02mm以下とする。試験片寸法xの精度には特に
注意する(表2参照)。
備考 試験片のノッチの形状及びノッチ先端半径の寸法許容差は,多くの材料ではノッチの先端に生
じる応力集中の影響が大きいので,小さくしなければならない。切削工具は,鋭利で刃こぼれ
のない状態に保つことを特に重要とする。
参考 ノッチ先端部分のわずかなきずが,試験結果に大きなばらつきを起こす原因になる。
6.3.3 試験材料の規格で規定されている場合は,ノッチを試験片成形時に同時成形した(成形ノッチ)試
験片を使用してもよい。
備考 一般に成形ノッチ試験片と切削加工ノッチ試験片では,同一の試験結果は得られない。試験結

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果を解釈する場合,ノッチの作製方法の違いを考慮しなければならない。スキン層の影響や局
所の異方性の問題が極めて少ないため,一般には切削加工ノッチ試験片が望ましい。
6.3.4 打抜機で切断して作製する試験片でも,ノッチ部分は打抜きをしてはならない。別の工程で切削加
工を行う。

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図3 試験片の形状,寸法

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6.4 試験片の数
6.4.1 特に試験する材料規格に規定がなければ,少なくとも10個の試験片で試験する。
6.4.2 板材料は衝撃特性が,その測定方向によって異なる場合,通常板の主な軸方向(5)に平行及び垂直の
二つの方向の試験片を作製する。板の成形方向は,目視や板の製造方法に関する知見から判断する。
注(5) 主な軸方向とは,通常板の成形方向又は材料の流れ方向を意味する。
6.5 状態調節 試験する材料規格に特に規定がなければ,あらかじめ試験片をISO 291に規定する状態
調節を行う。
7. 手順
7.1 振り子式試験機が適正なエネルギー範囲にあるか,また,規定の衝撃速度をもっているかを検査す
る(表1参照)。
振り子は,試験片の破断に要するエネルギーが,振り子のもつ初期の位置エネルギーの2080%になる
ようなものを選ぶ。もし,表1の条件に適合する振り子が二つ以上ある場合には,エネルギーの大きい方
の振り子を選ぶ。
7.2 振り子が振り下ろし開始位置にあるとき,エネルギー指示針は,駆動ピンと接触するように調整す
る。空振り試験(例えば,試験片なしでクロスヘッドを所定の位置に置く。)を3回行い,平均摩擦損失を
計算し,それが表1に示す値を超えていないことを確認する。
7.3 エネルギー補正の測定
7.3.1 A法のエネルギー補正 クロスヘッドの塑性変形及び運動エネルギーに伴うエネルギー補正Eqの
測定(附属書C参照)
このエネルギー補正Eqは,次の式によって算出する。
Emax 3
Eq
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2/3・Emax
ここに, Eq : クロスヘッドの塑性変形及びその運動エネルギーによるエ
ネルギー補正(附属書B及び附属書C参照)
Emax : 振り子の最大衝撃エネルギー
クロスヘッドの質量 (mcr) を振り子の換算質量 (mp) で除
した値 (mcr/mp)
振り子の換算質量は,次の式によって算出する。

max
mp
1 cos
ここに, g : 重力の加速度 (m/s2)
L : 振り子の換算長さ (m)
懿 振り子の最低位置と最高位置との角度 (゜)
振り子の換算長さLは次の式によって算出する。
gT 2
L
2
4
ここに, T : 振り子の周期
mp,Emax,Lのそれぞれの単位を,kg,J,mで表し,その関係は次による。
2Emax
mp 3.5 10
L

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7.3.2 B法−クロスヘッド−の跳ね返りエネルギーEb クロスヘッドの跳ね返りエネルギーEbは,それぞ
れの試験片及び振り子について,クロスヘッドの跳ね返りエネルギー曲線によって求める。この曲線はク
ロスヘッドと振り子の組合せごとに一度だけ求めておく(附属書A参照)。
7.4 試験片の中央の平行部の厚さd及び幅xは0.02mmの精度で測定する。ノッチ付き試験片の場合,例
えば,幅が23mmで,ノッチの形状に合った断面のアンビルを備えたマイクロメータを用いて,寸法x
を注意深く測定する。
7.5 振り子を持ち上げて固定する。7.2に基づいて指示針を調整する。
7.6 試験片をつかみ具に挿入し,しっかり固定する。
7.7 注意深く振り子を放す。試験片に吸収される衝撃エネルギーEsを目盛上で読みとる。必要に応じ摩
擦損失を補正する(7.3参照)。
7.8 得られた補正後の引張衝撃エネルギーが,2Jの振り子(表1参照)の容量の20%以下の場合,6.2.4
に基づいて作製した重ね合せ試験片を使用する。
7.9 種々の材料の衝撃特性を比較する場合には,同一衝撃速度をもつ振り子を使用しなければならない。
試験結果によって疑義が生じる場合は,同じ公称エネルギーの振り子及び同一形状の試験片を使用した結
果についてだけ比較することが望ましい。
7.10 試験完了後直ちに,試験片が確実につかまれていたか,又はつかみ具で滑りがなかったか,試験片
が幅の狭い部分で破壊したかを調べる。この要件に合致しない場合は,その試験結果は採用しないで,別
の試験片で再試験をする。
8. 結果の表示 引張衝撃強さを計算するためには,最初に試験片の破壊エネルギーEsのトスエネルギー
Eg又は跳ね返りエネルギーEbの補正をしなければならない。
8.1 エネルギー補正計算
8.1.1 A法におけるエネルギー補正 補正後の引張衝撃エネルギーEc (J) は,次の式によって算出する。
Ec=Es−Eq
ここに, Es : 試験片に吸収された衝撃エネルギー(未補正) (J)
Eq : クロスヘッドの弾性トスエネルギー (J) ,7.3.1によって算出
する。
8.1.2 B法におけるエネルギー補正 補正後の引張衝撃エネルギーEc (J) は,次の式によって算出する。
Ec=Es+Eb
ここに, Es : 試験片に吸収された衝撃エネルギー(未補正) (J)
Eb : クロスヘッドの跳ね返りエネルギー (J) ,測定値Es,並びに
7.3.2及び附属書Aに基づき,衝撃試験機ごとに作られたグラ
フから求める。
8.2 引張衝撃強さの計算法 ノッチなし試験片の引張衝撃強さE (kJ/m2) 及びノッチ付き試験片の引張
衝撃強さEn (kJ/m2) は,次の式によって算出する。
Ec
E及びEn 10 3
ここに, Ec : 8.1による補正済みの引張衝撃エネルギー (J)
x : 試験片の平行部の最小幅 (mm) 又はノッチの先端間距離(図
3参照)
d : 1形及び4形試験片は幅の狭い部分の厚さ,2形,3形及び5
形試験片は幅の狭い平行部の厚さ,重ね合せフィルムの場合
は合計の厚さ (mm) 10個の結果の平均値,標準偏差及び変動

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