JIS K 7161-1:2014 プラスチック―引張特性の求め方―第1部:通則 | ページ 2

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K 7161-1 : 2014 (ISO 527-1 : 2012)
3.5
試験速度,v(test speed)
二つのつかみ具が,互いに離れていく速度。
注記 単位は,mm/minで表す。
3.6
引張応力, tensile stress)
引張力を標線間内における初めの断面積で除した値。
注記1 単位は,MPaで表す。
注記2 測定中の試験片の実際の断面積にかかる真応力と区別するために,引張応力は,工学応力と
いう場合がある。
3.6.1
引張降伏応力, tensile stress at yield)
降伏ひずみにおける応力。
注記1 単位は,MPaで表す。
注記2 最大応力より小さい場合もある(図1の曲線b参照)。
3.6.2
引張強さ, tensile strength)
試験中に観察される最初の最大応力。
注記1 単位は,MPaで表す。
注記2 降伏応力又は破壊応力と同じ場合もある(図1参照)。
3.6.3
x %ひずみ引張応力, tensile stress at x % strain)
ひずみが規定の値(x %)に達したときの応力。
注記1 単位は,MPaで表す。
注記2 応力/ひずみ曲線が降伏点を示さないときに役に立つ(図1の曲線d参照)。
3.6.4
引張破壊応力, 拿 tensile stress at break)
試験片破壊時の応力。
注記1 単位は,MPaで表す。
注記2 試験片が破壊する直前,例えば,クラックの発生で力が急降下する直前の,応力/ひずみ曲
線における応力の最大値である。
3.7
引張ひずみ, tensile strain)
標線間距離の増加量を標線間距離で除した値。
注記 単位は,無次元の比又は%で表す。
3.7.1
引張降伏ひずみ, 攀 tensile strain at yield,yield strain)
試験中に,応力の増加を伴わずにひずみの増加が生じる最初の地点(降伏点)に対応する引張ひずみ。
注記1 単位は,無次元の比又は%で表す。
注記2 図1の曲線b及び曲線cを参照する。

――――― [JIS K 7161-1 pdf 6] ―――――

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K 7161-1 : 2014 (ISO 527-1 : 2012)
注記3 コンピュータによる降伏ひずみの求め方は,附属書Aを参照する。
3.7.2
引張破壊ひずみ, 攀拿 tensile strain at break)
降伏がなく破壊する場合において,応力が引張強さの10 %以下にまで減少する直前の引張ひずみ。
注記1 単位は,無次元の比又は%で表す。
注記2 図1の曲線a及び曲線dを参照する。
3.7.3
引張強さひずみ, 攀 tensile strain at strength)
引張強さに対応するひずみ。
注記 単位は,無次元の比又は%で表す。
3.8
引張呼びひずみ, 攀 nominal tensile strain)
クロスヘッドの変位量を初めのつかみ具間距離で除した値。
注記1 単位は,無次元の比又は%で表す。
注記2 降伏ひずみ(3.7.1参照)を超えたひずみ又は伸び計を用いない場合に用いる。
注記3 クロスヘッドの変位量は,試験の最初からの値で計算する場合,又は,降伏点以降の値で計
算する場合がある。後者は,多目的試験片を用いるのが望ましく,降伏ひずみまでは,伸び
計でひずみを求める。
3.8.1
引張破壊呼びひずみ, 攀拿 nominal tensile strain at break)
降伏後に破壊する場合において,応力が引張強さの10 %以下にまで減少する直前の呼びひずみ。
注記1 単位は,無次元の比又は%で表す。
注記2 図1の曲線b及び曲線cを参照する。
3.9
引張弾性率,Et(tensile modulus)
攀 0.05 %及び 攀 0.25 %のひずみ2点間に対応する応力/ひずみ曲線の傾き。
注記1 単位は,MPaで表す。
注記2 2点間又は最小二乗法による傾きとして弾性率を計算する場合がある(図1の曲線d参照)。
注記3 この定義は,フィルムには適さない。
3.10
ポアソン比, Poisson's ratio)
長さと直交面(幅又は厚さ)とのひずみ曲線の直線部分において,引張方向(長さ)のひずみ変化量Δ攀
と,直交方向(幅又は厚さ)のひずみ変化量Δ 攀 溌 の比率。
注記 単位は,無次元の比で表す。
3.11
つかみ具間距離,L(gripping distance)
つかみ具間にある試験片の初めの長さ。
注記 単位は,mmで表す。
3.12
硬質プラスチック(rigid plastic)

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K 7161-1 : 2014 (ISO 527-1 : 2012)
曲げ弾性率(又は適用できない場合は,引張弾性率)が,700 MPaを超えるプラスチック。
3.13
半硬質プラスチック(semi-rigid plastic)
曲げ弾性率(又は適用できない場合は,引張弾性率)が,70 MPa700 MPaの間にあるプラスチック。
注記 曲線aは,降伏がなく,低ひずみ域で破壊するぜい性材料を示している。曲線dは,
大きなひずみ(50 %超)域で破壊する柔らかいゴム状の材料を示している。
図1−代表的な応力/ひずみ曲線

4 原理及び方法

4.1 原理

  試験片が破壊に至るまで,又は応力若しくはひずみ(伸び)があらかじめ定めた値に達するまで,試験
片を主軸(長さ方向)に沿って一定速度で引っ張ったときに,試験片にかかる力及び伸びを測定する。

4.2 方法

4.2.1  この方法は,規定の寸法に型成形した試験片か,型成形品,積層品,フィルム,押出成形板,注型
板のような完成品又は半完成品を,切削又は打抜きによって機械加工した試験片を用いる。試験片の種類
及び作製は,試験する材料によって,JIS K 7161の規格群の第1部に続く他の部に従う。また,場合によ
っては,JIS K 7139に規定する多目的試験片及び小形試験片を用いてもよい。

――――― [JIS K 7161-1 pdf 8] ―――――

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4.2.2 この方法は,試験片の推奨寸法を規定する。異なる寸法の試験片又は異なる条件で作製した試験片
の試験結果は,一般に比較することができない。その他の因子,例えば,試験速度,試験片の状態調節な
どの因子も結果に影響を及ぼす。したがって,比較可能なデータを要求するときは,これらの因子を注意
深く制御し,記録する。

5 装置

5.1 試験機

5.1.1  一般 試験機は,JIS B 7721及びISO 9513並びに5.1.25.1.6に適合するものとする。
5.1.2 試験速度 試験機は,表1に示す試験速度を維持できるものとする。
表1−推奨試験速度
速度v 許容範囲
mm/min %
0.125 ±20
0.25
0.5
1
2
5
10
20 ±10
50
100
200
300
500
5.1.3 つかみ具 試験片つかみ具は,試験片の主軸がつかみ具の中心線を通り,引張方向と一致するよう
に,試験機に取り付け,試験片が滑らないように保持できるものとする。また,つかみ部分及びつかみ具
の中で,試験片が破壊してはならない。弾性率を求めるとき,ひずみ速度は,一定にする必要があり,つ
かみ具の動きが原因で,ひずみ速度が変化してはならない。特に,くさび形のつかみ具では,注意する。
注記 正確な位置合わせ(9.3参照)及び試験片の装着具合のため,並びに,応力/ひずみ曲線の初期
のトー現象の範囲(緩やかな立ち上がり)を回避するために,予備力が必要になる場合がある
(9.4参照)。
5.1.4 力計測計 力計測計は,JIS B 7721の1級とする。
5.1.5 ひずみ計
5.1.5.1 伸び計 接触式伸び計は,ISO 9513の1級とする。同等の精確さをもつ非接触式伸び計を用いて
もよい。
伸び計は,試験中,規定の速度において慣性の遅れがないものとする。自動記録が望ましいが,必須で
はない。
伸び計は,弾性率Etを精確に求めるために,1 %の精確さで標線間距離の変化を測定できるものとする。
これは,1A形の試験片で,標線間距離75 mmの場合,精確さの絶対値±1.5
標線間距離では,図2に示すように,異なる精確さとなる(附属書C参照)。
注記 1 %の精確さは,標線間距離に依存して,絶対値としては変化する。小形試験片では,適切な

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K 7161-1 : 2014 (ISO 527-1 : 2012)
伸び計がないため,精確にはならない(図2参照)。
光学式伸び計は,通常,片側の表面の変形を記録している。ひずみを試験片の片側だけで記録する場合
は,試験片の僅かな位置ずれ及び反りのために,低ひずみ域の値が,曲げの影響を受けていないかを確認
する必要がある。そのときには,試験片の反対側の表面では,ひずみの値は,異なっている。その場合は,
反対側の二つの面のひずみを平均化することが望ましい。弾性率を求める場合には関係するが,より大き
いひずみの測定では影響しない。
5.1.5.2 ひずみゲージ 試験片の長さ方向に,ひずみゲージを用いて測定してもよい。精確さは,1 %又
は同等以上とする。これは,弾性率測定の場合,20×10−6(20マイクロストレイン)のひずみ精確さに相
当する。ひずみゲージ,表面処理及び接着剤は,試験材料に対して適切なものを選ぶ。
5.1.6 データの記録
5.1.6.1 一般 データ(力,ひずみ又は伸び)の読込頻度は,要求される精確さを十分,満足しなければ
ならない。
5.1.6.2 ひずみデータの記録 ひずみデータの読込頻度は,次に依存する。
− 試験速度v, mm/min,
− 標線間距離と初めのつかみ具間距離との比,L0/L,
− 正確なデータを得るために必要なひずみ信号の最小分解能r,mm。一般的に,精確さの絶対値の半分
以下となる。
最小のデータの読込頻度fmin(Hz)は,式(1)で求める。
v L0
fmin (1)
60 L r
試験機のデータの読込頻度は,fmin以上とする。
5.1.6.3 力データの記録 力データの読込頻度(記録する力の増加率)は,試験速度,ひずみ範囲,精確
さ及びつかみ具間距離に依存する。弾性率,試験速度及びつかみ具間距離は,力の増加率に影響を及ぼす。
要求される精確さに対する力の増加率の比によって,データの読込頻度を決定する。具体的には,式(2)
式(5)による。
力の増加率F.は,式(2)で求める。
E A v
F (2)
60L
F. : 力の増加率(N/s)
ここに,
E : 弾性率(MPa)
A : 試験片の断面積(mm2)
ν : 試験速度(mm/min)
L : つかみ具間距離(mm)
力が1 %以内で求めることができると仮定して,伸び計と同じ方法で精確さを求めると,弾性率範囲で
の力の差を用いて,データの読込頻度は,式(3)式(5)のようになる。
弾性率範囲での力の差ΔFは,
F E A 2 1 E A (3)
その地点の力の分解能r(1 %の半分)は,
3 3
r 5 10 F 5 10 E A (4)
データの読込頻度fforceは,

――――― [JIS K 7161-1 pdf 10] ―――――

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JIS K 7161-1:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 527-1:2012(IDT)

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