JIS K 7206:2016 プラスチック―熱可塑性プラスチック―ビカット軟化温度(VST)の求め方 | ページ 2

4
K 7206 : 2016 (ISO 306 : 2013)
1
2
9
3
4
1 マイクロメータダイヤルゲージ 5
2 交換可能なおもり
3 おもり支持板
4 押込み圧子付き荷重棒
5 液面又は流動床面
6 押込み圧子
6
7 試験片
8 試験片支持台 7
9 フレーム 8
図1−液体加熱槽又は流動床でVSTを求める負荷装置例
1 おもり
2 変位計
3 ヒータ
4 加熱ブロック
5 押込み圧子付荷重棒
6 温度測定ユニット
7 試験片
図2−直接接触加熱ユニットでVSTを求める負荷装置例
5.2.2 押込み圧子 押込み圧子は,焼入れ鋼で作製することが望ましく,長さ1.53 mmの円柱状であり,
かつ,その断面積は,(1.000±0.015) m2[押込み圧子の直径 (1.128±0.008) mに対応]とし,荷重棒(5.2.1
参照)の下端に固定する。試験片に接触する押込み圧子の表面は,平滑であり,荷重棒の軸に直角で,ば
りがあってはならない。

――――― [JIS K 7206 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
K 7206 : 2016 (ISO 306 : 2013)
5.2.3 おもり おもりは,試験片にかかる総荷重が,A50法及びA120法では,(10±0.2) ,B50法及び
B120法では,(50±1) になるように,荷重棒(5.2.1参照)の中心にかけられるものとする。
5.2.4 侵入深さ測定器 侵入深さ測定器は,侵入深さを,±0.01 mmまでの精確さで測定するため,校正
されたマイクロメータダイヤルゲージ,線形差動トランス又はその他の適切な測定装置を使用する。
5.2.5 温度測定装置
5.2.5.1 液体加熱槽及び流動床の場合 温度測定装置は,適正な温度測定範囲及び±0.5 ℃の精確さをも
つものを使用する。温度計は,5.1.1と5.1.3とで要求している浸せき(漬)深さで校正しなければならな
い。温度測定は,押込み圧子及び試験片の両方にできるだけ近い位置とし,センサーと試験片とが直接接
触してはならない。
5.2.5.2 直接接触加熱ユニットの場合 温度測定装置は,適正な温度測定範囲及び±0.5 ℃の精確さをも
つものを使用する。温度測定は,押込み圧子及び試験片の両方にできるだけ近い位置とし,センサーと試
験片とが直接接触してはならない。

6 負荷装置の校正

6.1   アナログ式のダイヤルゲージを使用する場合,ダイヤルゲージのスラスト力(試験片を押し付ける
力に相当する。)を記録する。ダイヤルゲージのばねの力は,上向きで,荷重から差し引く。その他のタイ
プの場合,この力は,下向きに作用し,荷重に追加する。ダイヤルゲージの押込み位置によってばねの力
が変わる場合には,この力を,押込み圧子が試験片に1 mm侵入した位置で測定する。下向きのスラスト
力(荷重棒,押込み圧子によるもの及び測定範囲内でのダイヤルゲージのばねの上向き又は下向きの力の
組み合わさった力)は,1 Nを超えてはならない。
6.2 荷重棒が,剛直な金属フレームと同じ線膨張係数の材料でない場合,これらの長さの変化の差によ
って,測定値に誤差が生じる。したがって,校正は,個々の負荷装置ごとに行い,低線膨張率の剛直な材
料(例えば,石英又はほうけい酸ガラス)で,作製した試験片を使用しなければならない。測定は,材料
の代表的な試験温度範囲で行う。補正は,荷重棒及び負荷装置ごとに,少なくとも10 ℃刻みで行う。補
正値が,その材料のVST近辺で0.02 mm以上の場合,その符号と値とを記録し,その値を見掛けの侵入の
読取値に加算する。

7 試験片

7.1   試験片数は,各試験材料ごとに,少なくとも2個とする。試験片の寸法は,厚さが36.5 mmで,
一辺が10 mm以上の正方板,又は直径が10 mm以上の円板でなければならない。試験片の上下両面は,
平滑かつ平行であり,ばりのないものでなければならない。試験片は,試験材料に関する規定がある場合
は,その方法に従って作製する。規定がない場合には,受渡当事者間で合意があれば,適切な方法で試験
片を作製してもよい。
7.2 成形材料(例えば,粉末状,粒状など)で提出された場合,材料に関する規定によって,又は材料
に関する規定がない場合は,JIS K 7151,JIS K 7152-1,JIS K 7152-2,JIS K 7152-3若しくはJIS K 7139
によって,36.5 mmの厚さの試験片に成形しなければならない。これらが適用できない場合には,受渡
当事者間の合意があれば,他の手順に従ってもよい。
7.3 シートの場合,試験片の厚さは,そのシートの厚さでなければならない。ただし,次の場合はその
限りではない。
a) シートの厚さが6.5 mmを超えるときは,JIS K 7144に従ってシートの片面を機械加工によって削り,

――――― [JIS K 7206 pdf 7] ―――――

6
K 7206 : 2016 (ISO 306 : 2013)
その厚さを36.5 mmとし,もう一方の面は,そのままにする。試験面は,機械加工面を使用しない。
b) シートの厚さが3 mmより薄い場合は,3枚を超えない範囲でそのまま重ね合わせ,合計の厚さを3
6.5 mmとしなければならない。この場合,一番上の(測定する)シート厚さは,1.5 mm以上とす
る。薄い材料を重ね合わせた場合は,必ずしも同じ測定結果を得ることにはならない。
7.4 試験結果は,試験片の成形条件に依存する場合がある。試験結果が成形条件に強く依存する場合に
は,受渡当事者間の同意があれば,特別なアニーリング又は前処理を行ってもよい。

8 状態調節

  ISO 291又は適切な材料規格に従って,試験片の状態調節を行う。

9 手順

9.1   液体加熱槽(5.1.1参照)又は流動床(5.1.3参照)を使用する場合,おもりを載せない荷重棒(5.2.1
参照)の押込み圧子の先端(5.2.2参照)を下にして,押込み圧子に対して垂直になるように,試験片を水
平に置く。直接接触加熱ユニット(5.1.2参照)を使用する場合,試験片の上に押込み圧子を置かないで,
押込み圧子の動く方向に対して垂直になるように,試験片を水平に置く。
押込み圧子の先端は,試験片の端から3 mm以上離れた位置にしなければならない。試験片支持台に接
触している試験片の表面は,平滑でなければならない。
9.2 液体加熱槽又は流動床を使用する場合,負荷装置を加熱装置に入れる。直接接触加熱ユニットを使
用する場合,試験片は,二つのブロックの間に置き,押込み圧子を試験片の上に接触するまで下げる。個々
の試験を開始する前の加熱装置の温度は,25 ℃以下でなければならない。ただし,以前の試験で,25 ℃
を超える温度で試験を開始しても誤差が生じないことが分かっている場合は,この限りではない。液体加
熱槽又は流動床を使用する場合,温度計の球状部又は温度測定装置のセンサー(5.2.5.1参照)は,試験片
と同じ高さで,かつ,できる限り近くに置く。直接接触加熱ユニットの場合,センサーは,5.2.5.2のよう
に試験片にできるだけ近い位置の加熱ブロックに入れる。
9.3 試験片にかかる総荷重が,A50及びA120の場合には,(10±0.2) ,B50及びB120の場合には,(50
±1) になるように,押込み圧子をそのままにして,おもり支持板におもりを置く(又はその他の適切な
方法で押込み圧子に荷重をかける。)。荷重をかけて5分後,侵入深さ測定器(5.2.4参照)の読みを記録す
るか又は読みをゼロにする。
9.4 温度を,(50±5) ℃/h又は (120±10) ℃/hの一定速度で上昇させる。液体加熱槽又は流動床の場合
は,伝熱媒体を十分にかくはんする。基準試験を行う場合は,50 ℃/hの昇温速度で行う(附属書A及び
附属書B参照)。
注記 材料によっては,速い昇温速度(120 ℃/h)で試験した場合,ビカット軟化温度(VST)が,
50 ℃/hで測定した温度より,最大で10 ℃程度高めになることがある。
9.5 圧子の先端が,9.3で規定した試験開始時の位置から,試験片中に (1±0.01) m侵入したときの熱
媒体の温度(5.2.5.1参照),又は加熱ブロック(5.2.5.2参照)の温度を記録する。この温度を試験片のビ
カット軟化温度(VST)として記録する。
9.6 個々の測定値の差が2 ℃を超えない場合は,算術平均値をその試験材料のビカット軟化温度(VST)
とする。個々の測定値の差が2 ℃を超えた場合は,全ての結果を記録し[箇条11 h)],さらに,少なくと
も2個以上の試験片を用いて2回目の試験を行う(7.1参照)。繰返し試験を行った場合は,1回目及び2
回目の全てのビカット軟化温度(VST)の値を,試験報告書に記載する。ビカット軟化温度(VST)は,

――――― [JIS K 7206 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
K 7206 : 2016 (ISO 306 : 2013)
有効数字3桁で報告する。

10 精度

  精度は,附属書Cを参照する。

11 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号(JIS K 7206)
b) 使用した材料の詳細事項
c) 試験方法(A50,A120,B50又はB120)
d) 試験片の厚さ及び2枚以上重ね合わせた場合は,その枚数
e) 試験片の作製方法
f) 加熱装置の種類
g) 状態調節及びアニーリングを行った場合は,それらの手順
h) 測定した材料のビカット軟化温度(VST)(単位 : ℃)(個々の測定値の差が,2 ℃を超えた場合,全
てのデータを報告する。)
i) 試験中又は装置から取り出した後に,試験片に,認められた異常な事柄
j) 測定年月日

――――― [JIS K 7206 pdf 9] ―――――

8
K 7206 : 2016 (ISO 306 : 2013)
附属書A
(参考)
液体加熱槽及び直接接触加熱ユニットで得られたVST結果の比較
シリコーン油の液体加熱槽及び金属表面に直接接触させて試験片に熱を伝達する直接接触加熱技術を使
用して,10種の材料のビカット軟化温度(VST)(A50法及びB50法)を,測定した。結果は,表A.1及
び図A.1に示すとおり,全ての値が±2 %の範囲内に収まっている。回帰曲線の勾配は,1.008で,二つの
加熱方法の間の差は1 %以下である。このことは,この二つの方法は,同じ値を得ることができることを
示している。
表A.1−比較試験の結果(加熱速度 50 ℃/h),VST(℃)
試験材料 材料の種類 液体加熱槽を使用したときのVST 直接接触加熱ユニットを使用
したときのVST
10 N 荷重 50 N 荷重 10 N 荷重 50 N 荷重
PE 4261 A ポリエチレン 125.6 − 125.9 −
PE 1 ポリエチレン 91.4 − 91.7 −
PE 2 ポリエチレン 97.4 − 97.7 −
Terluran GP-22ABS 105.8 99.6 105.0 98.5
Terluran GP-35ABS 103.7 96.4 102.3 96.2
Terluran HI-10ABS 104.9 98.5 105.1 97.0
Terluran EGP-7 ABS 108.2 100.1 107.1 100.5
Terluran HH-12 ABS 119.3 111.8 119.7 110.3
Terluran 967K ABS 103.0 94.9 102.8 93.5
PS 143E ポリスチレン − 84.0 − 83.7
X 液体加熱槽を使用した場合のVST
(℃)
Y 直接接触加熱ユニットを使用した場
合のVST(℃)
線形回帰
y = − 1.291 23 + 1.007 94x
R2 = 0.994 65
図A.1−表A.1のデータ(A50法及びB50法)のプロット

――――― [JIS K 7206 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS K 7206:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 306:2013(IDT)

JIS K 7206:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7206:2016の関連規格と引用規格一覧