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K 8253 : 2020
6.3 水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合したもの。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水
を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“ほとんど澄明”を用いる。
“ほとんど澄明”の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL)0.5 mLを共通すり合わせ平底
試験管[c)参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,更に水を
加えて20 mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次による。
・ 共通すり合わせ平底試験管 容量50 mL,直径約24 mmで目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて加熱して溶か
し,更に水を加えて20 mLにする。
2) 試料を溶かした直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の
有無を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。
e) 判定 次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状 : 試験適合(規格値)”とする。
1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。
2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。
6.4 塩素化合物(Clとして)
塩素化合物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定する特級のもの。
2) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。
3) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。
4) 塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL) 6.3 a) 3)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 白金皿 JIS H 6202に規定するもの。
2) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
3) 電気炉 650 ℃±50 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料1.0 gを白金皿にはかりとり,炭酸ナトリウム1 gを加えてかき混ぜ,徐々に加熱して,電気炉
中で650 ℃で炭酸ナトリウムが溶融するまで強熱する。冷却後,硝酸(1+2)で中和した後,硝酸
(1+2)10 mLを加え,沸騰するまで加熱する。冷却後,共通すり合わせ平底試験管に移し,水を
加えて40 mLにする(A液)。
2) 試料溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管にA液20 mL(試料量0.5 g)をとる。
3) 比較溶液の調製は,炭酸ナトリウム0.5 gを白金皿にとり,塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL)1.5 mL
――――― [JIS K 8253 pdf 6] ―――――
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を加え,硝酸(1+2)で中和した後,硝酸(1+2)5 mLを加え,沸騰するまで加熱する。冷却後,
共通すり合わせ平底試験管に移し,水を加えて20 mLにする。
4) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え振り混ぜた後,15分間放置する。
5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩素化
合物(Clとして) : 質量分率0.003 %以下(規格値)”とする。
6.5 窒素化合物(Nとして)
6.5.1 一般
窒素化合物(Nとして)の試験方法は,特級は6.5.2,窒素・りん測定用は6.5.3による。
6.5.2 蒸留−インドフェノール青法
蒸留−インドフェノール青法の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) デバルダ合金 JIS K 8653に規定するもの。
2) 吸収液 水150 mLを冷却し,かき混ぜながら,これにJIS K 8951に規定する硫酸10 mLを徐々に
加える。この液2 mLに,水18 mLを加えたもの。
3) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)[EDTA2Na溶液(イ
ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gをはかりとり,水60 mLを
加えて溶かす。これにJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物
5 gを加えて溶かし,水で100 mLにしたもの。
4) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質
量分率5 %12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水でう
すめたもの。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。
なお,有効塩素の定量は,次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %12 %)10 gを
0.1 mgの桁まではかりとり,全量フラスコ200 mLに移し,水を標線まで加えて混合する。その20 mL
を共通すり合わせ三角フラスコ300 mLに正確にとり,水100 mL及びJIS K 8913に規定するよう化
カリウム2 gを加えて溶かした後,速やかに酢酸(1+1)6 mLを加えて栓をして振り混ぜる。約5
分間暗所に放置後,指示薬としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定す
る。
この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。終
点は,液の青が消える点とする。別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度は,次の式によって算出する。
.0003 545 3V1 V2 f
A 100
20
m
200
ここに, A : 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %
12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %)
V1 : 滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(mL)
V2 : 空試験に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(mL)
――――― [JIS K 8253 pdf 7] ―――――
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f : 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m : はかりとった試料の質量(g)
0.003 545 3 : 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当する塩
素の質量を示す換算係数(g/mL)
また,酢酸(1+1),でんぷん溶液及び0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,次による。
・ 酢酸(1+1)の調製は,JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
・ でんぷん溶液の調製は,JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gをはかり
とり,水10 mLを加えてかき混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸
した後に冷却する。冷所に保存し,10日以内に使用する。
・ 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和
物及びJIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチル-1-ブタノー
ルを用い,JIS K 8001のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)に従って,調製,標
定及び計算する。
5) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30.9 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
6) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)18 mLをビーカー200 mLにとり,
冷水中で冷却しながらJIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更にJIS K
8034に規定するアセトン4 mLを加え,水で100 mLにしたもの。使用時に調製する。
7) 窒素標準液(N : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。
2) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
3) 沸騰石 ふっ素樹脂製,ガラス製又は磁製で,大きさが2 mm10 mmのもの。
4) 恒温水槽 20 ℃25 ℃に調節できるもの。
5) 蒸留装置 例を図1に示す。
6) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。
――――― [JIS K 8253 pdf 8] ―――――
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A : 蒸留フラスコ
B : 連結導入管
C : すり合わせコックK-16
D : 注入漏斗
E : ケルダール形トラップ球(E' : 小孔)
F : 球管冷却器
G : 逆流止め(約50 mL)
H : 受器(有栓形メスシリンダー100 mL)
I : 共通すり合わせ
J : 共通テーパー球面すり合わせ
K : 押さえばね
L : ヒーター
図1−蒸留装置の例
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,蒸留フラスコAに試料1.0 gをはかりとり,水を加えて約140 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,蒸留フラスコAに窒素標準液(N : 0.01 mg/mL)1.0 mLをとり,水を加えて約
140 mLにする。
3) 空試験溶液の調製は,蒸留フラスコAに水を加えて約140 mLにする。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液のそれぞれに沸騰石2,3個を入れる。受器Hに吸収液20 mL
を入れ,逆流止めGの先端を浸し,蒸留フラスコAにデバルダ合金1 gを加え,蒸留装置に連結す
る。これに水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)10 mLを注入漏斗Dから加える。注入漏斗Dを水10 mL
で洗い,すり合わせコックCを閉じる。加熱して蒸留し,初留約75 mLをとり,水を加えて100 mL
にする(試料溶液から得られた液をX液,比較溶液から得られた液をY液及び空試験溶液から得ら
れた液をZ液とする。)。
5) 液10 mL,Y液10 mL及びZ液10 mLをそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,EDTA2Na
溶液(インドフェノール青法用)1 mL及びナトリウムフェノキシド溶液4 mLを加えてよく振り混
ぜる。これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %)2.5 mLを加え,水を加えて
25 mLにし,20 ℃25 ℃の恒温水槽で15分間放置する。
6) 液及びY液から得られた液は,Z液から得られた液を対照液として,吸収セルを用いて,分光光
度計で波長630 nmにおける吸光度をJIS K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によって測
――――― [JIS K 8253 pdf 9] ―――――
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定し,比較する。
d) 判定 X液から得られた液の吸光度が,Y液から得られた液の吸光度より大きくないとき,“窒素化合
物(Nとして) : 質量分率0.001 %以下(規格値)”とする。
6.5.3 硫酸ヒドラジニウム還元法
硫酸ヒドラジニウム還元法の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 水 JIS K 0557に規定するA3以上の品質のもの。
2) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/L) JIS K 8826に規定する水酸化ナトリウム10.3 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
3) スルファニルアミド(4-アミノベンゼンスルホンアミド)溶液(10 g/L) JIS K 9066に規定する
スルファニルアミド(4-アミノベンゼンスルホンアミド)2 gをはかりとり,JIS K 8180に規定する
塩酸60 mL及び水80 mLを加えて溶かし,更に水を加えて200 mLとしたもの。
4) 銅・亜鉛溶液 JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物0.08 g及びJIS K 8953に規定する硫酸
亜鉛七水和物1.76 gをはかりとり,水に溶かして200 mLとし,その2 mLをとり,水を加えて100
mLとしたもの。
5) -1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(二塩化N-1-ナフチルエチレンジアンモニウム)溶液 (1
g/L) JIS K 8197に規定するN-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(二塩化N-1-ナフチルエチ
レンジアンモニウム)0.2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を加えて200 mLにしたもの。
着色ガラス瓶に入れて保存し,1週間以上経過したものは使用しない。
6) 硫酸(1+9) 水の体積9を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加えたもの。
7) 硫酸ヒドラジニウム溶液(0.7 g/L) JIS K 8992に規定する硫酸ヒドラジニウム0.7 gをはかりとり,
水を加えて溶かし,更に水を加えて100 mLにする。使用時にこの液10 mLをとり,水を加えて100
mLにしたもの。
8) 窒素標準液(N : 0.001 mg/mL) 6.5.2 a) 7)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 吸収セル 6.5.2 b) 1)による。
2) 分解瓶 耐圧の四ふっ化エチレン樹脂瓶又は耐熱・耐圧のガラス瓶(容量約100 mL)で,高圧蒸気
滅菌器中(約120 ℃)で使用できるもの。
3) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
4) 恒温水槽 35 ℃±1 ℃に調節できるもの。
5) ブロックヒーター 35 ℃±1 ℃に調節できるもの。
6) 分光光度計 6.5.2 b) 6)による。
7) 高圧蒸気滅菌器 約120 ℃に加熱できるもの。
8) H計 JIS Z 8802に規定する形式II以上の性能のもの。
9) 超音波洗浄機 20 kHz50 kHzの超音波の照射ができるもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料9.2 gを全量フラスコ200 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を標線まで加えて混合
する(B液)。
2) 試料溶液の調製は,B液50 mL(試料量2.3 g)を分解瓶にとり,水20 mLを加える。
――――― [JIS K 8253 pdf 10] ―――――
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JIS K 8253:2020の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 8253:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH6202:1986
- 化学分析用白金皿
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8051:2010
- 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
- JISK8107:2017
- エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8197:1996
- N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(試薬)
- JISK8247:2015
- 過マンガン酸カリウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8533:2012
- ビス[(+)-タルトラト]二アンチモン(III)酸二カリウム三水和物(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8637:2006
- チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
- JISK8653:2018
- デバルダ合金(試薬)
- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
- JISK8798:2012
- フェノール(試薬)
- JISK8826:2020
- 水酸化ナトリウム(窒素測定用)(試薬)
- JISK8905:2019
- モリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8953:2008
- 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
- JISK8979:2008
- 硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK8992:2012
- 硫酸ヒドラジニウム(試薬)
- JISK9005:2006
- りん酸(試薬)
- JISK9007:2008
- りん酸二水素カリウム(試薬)
- JISK9066:2019
- スルファニルアミド(試薬)
- JISK9502:2020
- L(+)-アスコルビン酸(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8802:2011
- pH測定方法