9
K 8544 : 2021
1) 試料溶液の調製は,試料5.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,塩酸(2+1)1 mL及び水25 mL
を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料5.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,塩酸(2+1)1 mL及び水25 mL
を加えて溶かし,鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)10 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) 空試験溶液の調製は,塩酸(2+1)1 mLを全量フラスコ100 mLにとり,水を標線まで加えて混合
する(Z液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表4に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれアセチレン−空
気フレーム中に噴霧し,鉄の吸光度を測定し,X液の指示値,Y液の指示値及びZ液の指示値を読
み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いた値とY液の指示値からX液の指示値を引いた
値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値からZ液の指示値を引いた値が,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値より
大きくないとき,“鉄(Fe) : 質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。
注記 鉄の含有率(質量分率 %)は,次の式によって,おおよその値を求めることが可能である。
n n8
Hn6
7 n6
G 100
m4 1000
ここに, G : 鉄の含有率(質量分率 %)
H : 用いた標準液中の鉄の質量(mg)
m4 : はかりとった試料の質量(g)
n6 : X液の指示値
n7 : Y液の指示値
n8 : Z液の指示値
6.10 アンモニウム(NH4)
アンモニウム(NH4)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液(インドフェノール青法用)[EDTA2Na溶液(イ
ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gを水60 mLに溶かす。これ
にJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物5 gを加えて溶かし,
水で100 mLにしたもの。
2) 吸収液 図1に示す受器Hに,硫酸(1+15)2 mLを入れ,水18 mLを加えたもの(吸収液を入れ
た受器Hは,試験に必要な数を準備する。)。
なお,硫酸(1+15)の調製は,水の体積15を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する
硫酸の体積1を徐々に加える。
3) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質
量分率5 %12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水でう
すめたもの。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。
なお,有効塩素の定量は,次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %12 %)10 gを
0.1 mgの桁まではかりとり,全量フラスコ200 mLに移し,水を標線まで加えて混合する。その20 mL
を共通すり合わせ三角フラスコ300 mLに正確にとり,水100 mL及びJIS K 8913に規定するよう化
――――― [JIS K 8544 pdf 11] ―――――
10
K 8544 : 2021
カリウム2 gを加えて溶かした後,速やかに酢酸(1+1)6 mLを加えて栓をして振り混ぜる。約5
分間暗所に放置後,指示薬としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定す
る。
この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。終
点は,液の青が消える点とする。別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度は,次の式によって算出する。
0.0035453 V3 V4 f2
I 100
20
m5
200
ここに, I : 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %
12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %)
V3 : 滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(mL)
V4 : 空試験に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(mL)
f2 : 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m5 : はかりとった試料の質量(g)
0.003 545 3 : 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当する塩
素の質量を示す換算係数(g/mL)
また,酢酸(1+1),でんぷん溶液及び0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,次による。
· 酢酸(1+1)の調製は,JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
· でんぷん溶液の調製は,JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gをはかりと
り,水10 mLを加えてかき混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した
後に冷却する。冷所に保存し,10日以内に使用する。
· 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和
物,防腐剤としてJIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチル-1-
ブタノールを用い,JIS K 8001のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)に従って,調
製,標定及び計算する。
4) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30.9 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
5) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)[4)参照]18 mLをビーカー200 mL
にとり,冷水中で冷却しながらJIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更に
JIS K 8034に規定するアセトン4 mLを加え,水で100 mLにしたもの。使用時に調製する。
6) アンモニウム標準液(NH4 : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。
2) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
3) 沸騰石 ふっ素樹脂製,ガラス製又は磁製で,大きさが2 mm10 mmのもの。
4) 恒温水槽 20 ℃25 ℃に調節できるもの。
5) 蒸留装置 例を図1に示す。
6) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。
c) 操作 操作は,次による。
――――― [JIS K 8544 pdf 12] ―――――
11
K 8544 : 2021
1) 試料溶液の調製は,蒸留フラスコAに試料1.0 gをとり,水約140 mLを加える。
2) 比較溶液の調製は,蒸留フラスコAにアンモニウム標準液(NH4 : 0.01 mg/mL)5.0 mLをとり,水
約140 mLを加える。
3) 空試験溶液の調製は,蒸留フラスコAに水約140 mLを加える。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に沸騰石2,3個を入れる。吸収液を入れた受器Hに,逆流止
めGの先端を浸し,蒸留装置に連結する。これに水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)10 mLを注入漏
斗Dから加える。注入漏斗Dを水10 mLで洗い,すり合わせコックCを閉じる。加熱蒸留して初
留約75 mLをとり,水を加えて100 mLにする(試料溶液から得られた液をX液,比較溶液から得
られた液をY液及び空試験溶液から得られた液をZ液とする。)。
5) 液10 mL,Y液10 mL及びZ液10 mLをそれぞれ共通すり合わせ平底試験管にとり,EDTA2Na
溶液(インドフェノール青法用)1 mL及びナトリウムフェノキシド溶液4 mLを加えてよく振り混
ぜる。これらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %)2.5 mLを加え,更に水を加
えて25 mLにし,20 ℃25 ℃の恒温水槽で15分間放置する。
6) 及びY液から得られた液は,Z液から得られた液を対照とし,吸収セルを用いて,分光光度計で
波長630 nmにおける吸光度を,JIS K 0115の箇条6(特定波長における吸収の測定)によって測定
し,比較する。
d) 判定 X液から得られた液の吸光度が,Y液から得られた液の吸光度より大きくないとき,“アンモニ
ウム(NH4) : 質量分率0.005 %以下(規格値)”とする。
――――― [JIS K 8544 pdf 13] ―――――
12
K 8544 : 2021
A : 蒸留フラスコ(300 mL500 mL)
B : 連結導入管
C : すり合わせコック
D : 注入漏斗
E : ケルダール形トラップ球(E' : 小孔)
F : 球管冷却器300 mm
G : 逆流止め(約50 mL)
H : 受器(メスシリンダー100 mL)
I : 共通すり合わせ
J : 共通テーパー球面すり合わせ
K : 押さえばね
L : ヒーター
図1−蒸留装置の例
7 容器
容器は,気密容器とする。
8 表示
容器には,次の事項を表示する。
a) この規格の番号
b) 名称“硝酸アルミニウム九水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f) 内容量
g) 製造番号
h) 製造年月又はその略号
i) 製造業者名又はその略号
JIS K 8544:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 8544:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8051:2010
- 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8107:2017
- エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8284:2011
- くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
- JISK8284:2021
- くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8356:2018
- 酢酸亜鉛二水和物(試薬)
- JISK8359:2006
- 酢酸アンモニウム(試薬)
- JISK8377:2014
- 酢酸ブチル(試薬)
- JISK8454:1994
- N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(試薬)
- JISK8490:2019
- ジチゾン(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8637:2006
- チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
- JISK8798:2012
- フェノール(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8802:2011
- pH測定方法