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件を満たさない場合は,5.4の性能の再確認,8.18.3の試験実施前の準備の再確認,8.48.5の測定手順
及び条件の再調整を行う。なお,試験片のサイズを変更した場合は,変更後のサイズの添付白布による試
験を実施しなければならない。
a) JIS L 0803の呼び番号8-1のポリエステル添付白布を用いた吸湿率(吸湿過程終了時と事前調湿終了
時との水分率の差)が1.00 %を超えないことを確認する。
b) JIS L 0803の呼び番号3-1の綿添付白布及び呼び番号5のキュプラ添付白布の吸放湿性が表1を満た
していることを確認する。
表1−綿及びキュプラの吸放湿性
添付白布の種類 吸湿率(%) 吸湿速度(%/min) 放湿率(%) 放湿速度(%/min)
綿 5.026.76 0.851.08 4.565.79 0.981.36
キュプラ 9.6311.96 1.361.73 7.8410.59 1.602.15
8 試験
8.1 試験装置の準備
試験装置は,a)又はb)のいずれかの方法を選択し,準備する。
注記1 参考に試験装置の構成例を附属書Aに示す。
a) 湿度発生装置(5.5)を用いる場合(A.1参照)
1) 恒温恒湿槽(5.4)内に温度計(5.2)及び湿度計(5.3)を設置し,恒温恒湿槽(5.4)内の温度及び
相対湿度を,表2のいずれかの条件に設定し一定に保つ。恒温恒湿槽(5.4)を恒温室に設置するこ
とで,温度を調節してもよい。なお,その他の温湿度条件で測定した場合は,変更した温度及び相
対湿度の設定を試験報告書に記載する。
表2−吸放湿試験の温度及び相対湿度
温度条件 事前調湿 吸湿過程 放湿過程
(℃) (相対湿度 %) (相対湿度 %) (相対湿度 %)
20.0±1.0 33±2 85±2 33±2
23.0±1.0 33±2 85±2 33±2
2) 恒温恒湿槽(5.4)内の気流速度の設定は,試験片表面の気流速度が試験片の位置で0.1 m/s以下と
なるよう調整する。ただし,メッシュなどを用いた風防で試験片の囲いを設置してもよい。
b) 塩飽和水溶液による湿度調節装置(5.6)を用いる場合(A.2参照)
1) 恒温恒湿槽(5.4)内に温度計(5.2)及び湿度計(5.3)を設置し,恒温恒湿槽(5.4)内の相対湿度
を,塩飽和水溶液による湿度調節装置(5.6)によって,使用する塩類ごとに表3のとおり設定し一
定に保つ。恒温恒湿槽(5.4)を恒温室に設置することで,温度を調節してもよい。試薬は,JIS K
8121に規定される塩化カリウム,JIS K 8159に規定される塩化マグネシウムを用いる。
塩飽和水溶液は,結晶共存状態で深さ20 mm30 mm程度となるように容器に入れ,恒温恒湿槽
(5.4)内に静置する。
――――― [JIS L 1954 pdf 6] ―――――
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表3−使用する塩類及び相対湿度
塩類a) 相対湿度(%)b)
塩化マグネシウム(MgCl2·6H2O) 33±2
塩化カリウム(KCl) 85±2
注a) その他の湿度条件に用いる塩類を,参考に附属書Bに示す。
注b) 相対湿度の値は,20.0 ℃±1.0 ℃又は23.0 ℃±1.0 ℃における値である。
注記2 各種塩飽和水溶液の準備の手順は,附属書Cを参照。
2) 恒温恒湿槽(5.4)内の気流速度の設定は,試験片表面の気流速度が試験片の位置で0.1 m/s以下と
なるよう調整する。ただし,メッシュなどを用いた風防で試験片の囲いを設置してもよい。
8.2 試験片の絶乾
試験片は,吸放湿性試験(8.3,8.4及び8.5)を行う前に,a)を行い,絶乾質量を測定する。ただし,熱
の影響を受けるおそれがある試験片の場合は,a)に代えて,b)の後に吸放湿性試験(8.3,8.4及び8.5)を
行ってもよい。なお,試験前にa)を行わなかった場合は,吸放湿性試験(8.3,8.4及び8.5)後に,a)を行
い,絶乾質量を測定する。
a) 絶乾処理 試験片を温度105 ℃±2 ℃の熱風乾燥機中に2時間以上放置した上で,ひょう(秤)量瓶
に入れた後,デシケーター内で60分間70分間放冷し,絶乾質量(m0)を電子天びん(5.1)によっ
て,0.000 1 g単位で測定する。なお,熱風乾燥機によるほか,赤外線乾燥機,高周波乾燥機,減圧乾
燥機などを用いてもよい。その場合は,乾燥機の種類,温度及び乾燥時間を試験報告書に記載する。
b) 予備乾燥 試験片を温度80 ℃±2 ℃の熱風乾燥機中に2時間以上放置する。なお,熱風乾燥機によ
るほか,赤外線乾燥機,高周波乾燥機,減圧乾燥機などを用いてもよい。その場合は,乾燥機の種類,
温度及び乾燥時間を試験報告書に記載する。
8.3 事前調湿
事前調湿の手順は,次による。
a) 33 %RH1)に設定した恒温恒湿槽(5.4)内に,8.2の絶乾後試験片を,試験片ホルダ(図A.7を参照)
などを用いてつり下げた状態にして設置し,2時間以上放置する。
b) 試験片の質量を,つり下げた状態のままで,0.000 1 g単位で測定する。
c) 事前調湿終了時の試験片の質量をmとする。
注1) RHは相対湿度を表す。
8.4 吸湿過程の測定
吸湿過程の測定手順は,次による。試験片質量の変化例を図1に示す。
a) 8.3の事前調湿終了後,恒温恒湿槽(5.4)内の相対湿度が設定湿度85 %RHに至るように,おおむね3
秒以内に速やかに湿度発生装置(5.5)又は塩飽和水溶液による湿度調節装置(5.6)によって調湿又は
試験片を85 %の槽に移動させる。
なお,恒温恒湿槽(5.4)内の設定湿度33 %RHから85 %RHへ変化させた場合の,試験時の恒温恒
湿槽(5.4)内の相対湿度の許容は,槽内湿度を85 %に変化後又は試験片を移動後1分程度の間は,設
定相対湿度に対して−5 %+2 %(85 %RH設定の場合は,80 %RH87 %RH)とする。
b) 試験片をつり下げた状態のまま,吸湿開始時から3時間経過するまで質量を連続して測定する。測定
の間隔は10秒を標準とし,0.000 1 g単位で測定する。10秒間隔で行う測定は,吸湿開始から180秒
後までとし,それ以後は3時間後まで測定を行わなくてもよい。この場合の測定間隔は任意とし,少
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なくとも3時間後は測定する。ただし,この場合の測定は同一の試験片で行う。
c) 吸湿過程終了時の質量をmsとする。
吸湿過程 放湿過程
ms
量( g )
試験片質
md
m
0 3 6
時間(h)
図1−吸湿過程及び放湿過程における試験片質量の変化の例
8.5 放湿過程の測定
放湿過程の測定手順は,次による。試験片質量の変化例を図1に示す。
a) 8.4の測定後,恒温恒湿槽(5.4)内の相対湿度が設定湿度33 %RHに至るように,おおむね3秒以内
に速やかに湿度発生装置(5.5)又は塩飽和水溶液による湿度調節装置(5.6)によって調湿又は試験片
を33 %の槽に移動させる。
なお,恒温恒湿槽(5.4)内の設定湿度85 %RHから33 %RHへ変化させた場合の,試験時の恒温恒
湿槽(5.4)内の相対湿度の許容は,槽内湿度を33 %に変化後又は試験片を移動後1分程度の間は,設
定相対湿度に対して+5 %−2 %(33 %RH設定の場合は,38 %RH31 %RH)とする。
b) 試験片をつり下げた状態のまま,放湿開始時から3時間経過するまで質量を連続して測定する。測定
の間隔は10秒を標準とし,0.000 1 g単位で測定する。10秒間隔で行う測定は,放湿開始から180秒
後までとし,それ以後は3時間後まで測定を行わない方法を用いてもよい。この場合の測定間隔は任
意とし,少なくとも3時間後は測定する。ただし,この場合の測定は同一の試験片で行う。
c) 放湿過程終了時の質量をmdとする。
9 試験結果の求め方
9.1 吸湿率及び放湿率
吸湿率は式(1)によって求め,放湿率は式(2)によって求める。吸湿率及び放湿率は,測定した試験片枚数
の平均値をJIS Z 8401の規則Bによって小数第2位に丸めた値とする。
Wsp= m
×100=Ms−M (1)
m0
Wds= md
×100=Ms−Md (2)
m0
――――― [JIS L 1954 pdf 8] ―――――
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ここで, Wsp : 吸湿率(%)
Wds : 放湿率(%)
Ms : 吸湿過程終了時の水分率(%)=[(ms−m0)/m0]×100
M : 事前調湿終了時の水分率(%)=[(m−m0)/m0]×100
Md : 放湿過程終了時の水分率(%)=[(md−m0)/m0]×100
ms : 吸湿過程終了時の質量(g)
m : 事前調湿終了時の質量(g)
m0 : 絶乾質量(g)
md : 放湿過程終了時の質量(g)
9.2 吸湿速度
a) 吸湿過程開始から180秒後までの,10秒ごと(吸湿過程開始から10秒後及び20秒後は除く。)の水
分率データについて,x値に吸湿開始からの時間(min)をとり,y値にその時間に対応する試験片の
水分率をとり,図2のように吸湿曲線を描く。
水分率(%)
y=ax+b
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5
時間(min)
図2−吸湿曲線の例
b) 最小二乗差回帰(最小二乗法)を用いて,式(3)を求め,吸湿曲線の傾き(%/min)を決定する(附属書
D参照)。
c) 吸湿速度は,式(4)によって求め,測定した試験片枚数の平均値をJIS Z 8401の規則Bによって小数第
2位に丸めた値とする。
y=ax+b (3)
ここで, y : 水分率(%)
a : 傾き(%/min)
x : 吸湿時間(min)
b : 定数
ただし,傾きaはマイナスの数値とならないようにする。マイナスの数値を示す場合は,試験実施
上の不具合があるとみなし,試験をやり直す必要がある。
Isp=a (4)
ここで, Isp : 吸湿速度(%/min)
9.3 放湿速度
a) 放湿過程開始から180秒後までの,10秒ごと(放湿過程開始から10秒後及び20秒後は除く。)の水
分率データについて,x値に放湿開始からの時間(min)をとり,y値にその時間に対応する試験片の
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水分率をとる。
b) 9.2 b)と同様に最小二乗差回帰(最小二乗法)を用いて,式(5)を求め,放湿曲線の傾き(%/min)を決
定する(附属書E参照)。
c) 放湿速度は式(6)によって求め,測定した試験片枚数の平均値をJIS Z 8401の規則Bによって小数第2
位に丸めた値とする。
y=ax+b (5)
ここで, y : 水分率(%)
a : 傾き(%/min)
x : 放湿時間(min)
b : 定数
ただし,傾きaはプラスの数値とならないようにする。プラスの数値を示す場合は,試験実施上の
不具合があるとみなし,試験をやり直す必要がある。
Ids=·a· (6)
ここで, Ids : 放湿速度(%/min)
10 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
0
a) 試験年月日
b) この規格の番号
c) 試験結果[吸湿率及び放湿率(9.1),吸湿速度(9.2)及び放湿速度(9.3)]
d) 用いた恒温恒湿槽(5.4)の種類(恒温恒湿槽又は恒温恒湿室)
e) 湿度調節の方式[湿度発生装置(5.5)又は塩飽和水溶液による湿度調節装置(5.6)]
f) 熱風乾燥機以外の装置で絶乾処理及び/又は予備乾燥を行った場合の乾燥機の種類,温度及び乾燥時
間
g) 変更した試験片サイズ及び/又は試験片枚数
h) その他,この規定の内容から変更した事項
試験結果の例を附属書Fに示す。
――――― [JIS L 1954 pdf 10] ―――――
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JIS L 1954:2022の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1954:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK8121:2007
- 塩化カリウム(試薬)
- JISK8159:2017
- 塩化マグネシウム六水和物(試薬)
- JISL0105:2020
- 繊維製品の物理試験方法通則
- JISL0208:2006
- 繊維用語―試験部門
- JISL0803:2011
- 染色堅ろう度試験用添付白布
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8704:1993
- 温度測定方法―電気的方法
- JISZ8806:2001
- 湿度―測定方法