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附属書B
(参考)
精度
B.1 一般
この規格の対応国際規格ISO 534の旧版[第2版(1988年)]が作成されたとき,この試験方法の精度
を考慮して,厚さを測定する二つの方法の繰返し精度及び再現性の研究が行われた。ISO 534:1988の精度
データをB.2に示す。
この規格では,厚さに関する2010年の新たな精度データを追加した。精度データは,CEPI-CTS
(Confederation of European Paper IndustriesのComparative Testing Service)から得た。CEPI-CTSのデータをB.3
に示す。
B.2 旧対応国際規格(ISO 534:1988)の精度データ
B.2.1 厚さ
B.2.1.1 繰返し精度
通常の実験室条件の下で,繰返し精度は,平均値1.3 μmで,0.8 μm2.2 μmまで変動した(又は1.1 %
から2.6 %まで変動,平均値2.0 %)。
同一と見なせる試験材料で,同じマイクロメータを使い,一人の測定者が短い時間間隔で試験を行って
得られた二つの測定結果の差が繰返し精度を超えるのは,規定の操作を間違いなく行えば,平均して20
回に1回以下になる。
上記の数値は,規定したマイクロメータの性能要件からJIS Z 8402-2[2]に従って計算した数値,約1.5 μm
と同等である。差は,紙自体の変動による。
B.2.1.2 再現性
通常の実験室条件の下で,再現性は,平均値5.9 μmで,4.2 μm8.6 μmまで変動した(又は4.7 %から
10.9 %まで変動,平均値7.9 %)。
同一と見なせる試験材料で,二つの実験室で得られた測定結果の差が再現性を超えるのは,規定の操作
を間違いなく行えば,平均して20回に1回以下になる。
上記の数値は,規定したマイクロメータの性能要件からJIS Z 8402-2[2]に従って計算した数値,約3.2 μm
と同等である。差は,紙自体の変動だけでなく,環境及び測定者の違いによる。
B.2.2 バルク厚さ
B.2.2.1 繰返し精度
通常の実験室条件の下で,繰返し精度は,平均値0.31 μmで,0.1 μm0.5 μmまで変動した(又は0.1 %
から0.9 %まで変動,平均値0.5 %)。
同一と見なせる試験材料で,同じマイクロメータを使って,一人の測定者が短い時間間隔で試験して得
られた二つの測定結果の差が繰返し精度を超えるのは,規定の操作を間違いなく行えば,平均して20回に
1回以下になる。
上記の数値は,規定したマイクロメータの性能要件からJIS Z 8402-2[2]に従って計算した数値,約0.3 μm
と同等である。差は,紙自体の変動による。
B.2.2.2 再現性
――――― [JIS P 8118 pdf 11] ―――――
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通常の実験室条件の下で,再現性は,平均値2.7 μmで,1.7 μm3.4 μmまで変動した(又は2.4 %から
6.2 %まで変動,平均値3.7 %)。
同一と見なせる試験材料で,二つの試験所で得られた測定結果の差が再現性を超えるのは,規定の操作
を間違いなく行えば,平均して20回に1回以下になる。
上記の数値は,規定したマイクロメータの性能要件からJIS Z 8402-2[2]に従って計算した数値,約0.65 μm
と同等である。差は,紙自体の変動だけでなく,環境及び測定者の違いによる。
B.2.3 密度及び比容積値の精度
厚さ及び坪量の測定値の精度から密度及び比容積値の精度を算出することができるが,計算が個々の試
験片のデータではなく,平均値に基づいているため,真の精度は測定できない。
B.3 CEPI-CTSの精度データ
2010年に,欧州14か国の18の試験所で,4個の試料について,ISO 534に従って,試験が行われた。
厚さのデータは,CEPI-CTS[欧州製紙連合会試験サービス(Comparative Testing Service of Confederation of
European Paper Industries)]から入手した。データを表B.1及び表B.2に示す。
計算は,ISO/TR 24498[3]及びTAPPI T 1200[4]に従って,行われた。
表B.1で報告した繰返し精度の標準偏差は“プールした”繰返し精度の標準偏差,すなわち,標準偏差
を参加した試験所の標準偏差の二乗平均平方根(root-mean-square)として計算する。これは,JIS Z 8402-1 [5]
における従来の繰返し精度の定義と異なる。
報告されている繰返し精度及び再現性の許容差は,類似の試験条件の下,類似の材料で行った二つの試
験結果を比較するとき,20回のうち19回で期待される差の最大値を評価したものである。材料及び試験
条件が異なる場合には,これらの数値は,有効でない。
繰返し精度及び再現性の許容差は,繰返し精度及び再現性の標準偏差に2.77を乗じて計算する。
注記1 繰返し精度の標準偏差と試験室内の標準偏差とは同一である。しかし,再現性の標準偏差は,
試験室間の標準偏差と同じではない。再現性の標準偏差は,試験室間の標準偏差及び試験室
内の標準偏差の両方を含んでいる。
2 2 2
すなわち, sr sw , sRsw2 sL2
ここで, sr : 繰返し精度の標準偏差
sW : 試験室内の標準偏差
sR : 再現性の標準偏差
sL : 試験室間の標準偏差
注記2 2.77=1.962,この式は測定値が正規分布しており,標準偏差sが多数の試験に基づくこと
による。
表B.1−繰返し精度
試料 試験所数 平均厚さ 繰返し精度 変動係数 繰返し精度
標準偏差sr CV,r 許容差r
μm μm % μm
水準1 a) 18 62.5 1.72 2.75 4.77
水準2 a) 18 76.1 1.64 2.16 4.55
水準3 a) 18 211 1.6 0.8 4.4
水準4 a) 18 592 4.9 0.8 13.6
注a) 水準14は,欧州製紙連合会(CEPI)が行った分類による。
――――― [JIS P 8118 pdf 12] ―――――
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P 8118 : 2014
表B.2−再現性
試料 実験室数 平均厚さ 再現性 変動係数 再現性
標準偏差sR CV,R 許容差R
μm μm % μm
水準1 a) 18 62.5 1.62 2.59 4.49
水準2 a) 18 76.1 1.40 1.84 3.88
水準3 a) 18 211 2.0 0.9 5.5
水準4 a) 18 592 3.3 0.9 9.15
注a) 水準14は,欧州製紙連合会(CEPI)が行った分類による。
参考文献 [1] ISO 12625-3,Tissue paper and tissue products−Part 3: Determination of thickness,bulking
thickness and apparent bulk density
[2] JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部 : 標準測定方法の
併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
注記 対応国際規格 : ISO 5725-2,Accuracy (trueness and precision) f measurement methods
and results−Part 2: Basic method for the determination of repeatability and
reproducibility of a standard measurement method(IDT)
[3] ISO/TR 24498:2006,Paper,board and pulps−Estimation of uncertainty for test methods
[4] TAPPI Test Method T 1200 sp-07 Interlaboratory evaluation of test method to determination
TAPPI repeatability and reproducibility
[5] JIS Z 8402-1 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第1部 : 一般的な原理及
び定義
注記 対応国際規格 : ISO 5725-1,Accuracy (trueness and precision) f measurement methods
and results−Part 1: General principles and definitions(IDT)
――――― [JIS P 8118 pdf 13] ―――――
12
P 8118 : 2014
P8
2
附属書JA
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(参考)
8 : 2
JISと対応国際規格との対比表
014
JIS P 8118:2014 紙及び板紙−厚さ,密度及び比容積の試験方法 ISO 534:2011,Paper and board−Determination of thickness, density and specific
volume
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
5 装置 5.1 マイクロメー 5.1 JISとほぼ同じ 選択 圧力面に加える圧力及び小さ 国内の運用事情による。ただし,
タ い方の加圧面直径として,ISO適用は,2017年3月31日までと
規格にはない50 kPa±5 kPa する。
及び14.3 mm±0.5 mmの適用
を本文に記載。
10 計算 10.1 厚さ 10.1 厚さ,バルク厚さをμm 変更 JISは厚さ及びバルク厚さを 国内の運用事情による。実質的な
及び結果 10.2 バルク厚さ 10.2 単位,有効数字3桁で表 mm単位,小数点以下3桁で表 技術的差異はない。
の表し方 10.3 密度及びバル 10.3 す。 す。
ク密度 10.4
10.4 比容積及び比
バルク容積
11 報告 c) 試験年月日及び 11 追加 技術的差異はない
書 試験場所
e) 使用した加圧面 試験した加圧面間の圧力及び 国内の運用事情による。2017年3
間の圧力 面積を記載することを追加し 月31日をもって廃止する。
た。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 534:2011,MOD
――――― [JIS P 8118 pdf 14] ―――――
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P 8118 : 2014
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択·················· 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··············· 国際規格を修正している。
P8 118 : 2
014
2
JIS P 8118:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 534:2011(MOD)
JIS P 8118:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS P 8118:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISP0001:1998
- 紙・板紙及びパルプ用語
- JISP8110:2006
- 紙及び板紙―平均品質を測定するためのサンプリング方法
- JISP8111:1998
- 紙,板紙及びパルプ―調湿及び試験のための標準状態
- JISP8124:2011
- 紙及び板紙―坪量の測定方法