JISP8220-3 : 2020 パルプ−離解方法−第3部:機械パルプの離解(85℃以上)

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ー漏斗及びろ紙を用いるろ過によって容易に濃縮できる。

実験室のこう(叩)解を含め,脱水特性を重視する試験では,パルプの離解には標準水(4.3)を使用す

る。いかなる場合も,離解後に行う試験方法に用いる水と同品質の水を,離解処理に使用する。

標準離解機(4.1)には,絶乾パルプとして質量50 g±5 g相当の試料を採取する。試料がシート状の場

合,シートは裁断せずに引き裂き,かつ,切り口を避ける。

絶乾率が20 %以上の試料は,20 ℃±5 ℃の1 L〜1.5 Lの水(標準水又は標準水以外の水)に少なくとも

表1に規定する時間浸せきする。パルプがシート状又はスラブ状(厚板状)の場合,浸せきの後に試料を

約25 mm×25 mmの大きさに引き裂く。規定した浸せき時間より長く,例えば,一晩中浸せきした場合で

も,結果には重大な影響は認められない。しかし,いかなる絶乾率のパルプでも,浸せき時間は24時間を

超えてはならない。

なお,フラッシュドライ機械パルプは,絶乾率にかかわらず最低10分の浸せきを必要とする。

表1−機械パルプで推奨する浸せき時間

パルプの絶乾率

質量%

最低浸せき時間

<20

0分

20〜60

30分

>60

4時間

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操作

6.1

離解及びレーテンシィの除去

機械パルプ(又は高いリグニン量をもつパルプ)でのレーテンシィの効果についての情報を,参考とし

て附属書Cに示す。

警告 熱離解法は,85 ℃を超える温度で試料を処理する方法を含むため,やけどを避けるよう注意す

る。

6.2

離解機による操作

箇条5に規定した方法で調製した試料を標準離解機(4.1)の容器に移す。

箇条5で使用したものと同品質の20 ℃±5 ℃の水を,試料全体の体積が2 500 mL±25 mLとなるように

加える。混合したものを85 ℃以上に加熱する。回転カウンターをゼロに設定する。モーターのスイッチを

入れ,プロペラが累積回転数30 000になるまで回転させる。プロペラを止めパルプが完全に離解できてい

るか,例えば,離解機から少量をガラスシリンダーに取り,水で希釈し,透過光の下で検査する。完全に

離解できていなかった場合は,繊維が完全に分散するまで並びに/又は繊維束及び破片が製造時のパルプ

の程度に分散するまで離解を続ける。離解終了時に,温度が85 ℃を下回ってはならない。何らかの理由で

異なるパルプ量又は異なる累積回転数によって行う場合は,その旨を報告書に記載する。

離解した後はすぐに,パルプ懸濁液を箇条5で使用したものと同品質の冷水を用いて希釈する。

ろ水度試験を行う場合,希釈は,規定された濃度以上までとし,冷却温度は,規定された温度とする。

規定濃度及び温度を表2に示す。

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表2−ろ水度試験方法で規定する希釈水,濃度及び温度

規格番号

JIS P 8121-1(参考文献[6])

JIS P 8121-2(参考文献[7])

規格名称

パルプ−ろ水度試験方法−第1部:ショッパー・

リーグラ法

パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ

水度法

希釈水

標準水(JIS P 8216)

標準水(JIS P 8216)

濃度

0.20 %±0.01 %

0.30 %±0.01 %

温度

20.0 ℃±0.5 ℃

20.0 ℃±0.5 ℃

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報告書

報告書には,次の事項を記載する。

a) この規格の名称又は番号

b) 試料を特定するために必要な全ての情報

c) 使用した水の種類(標準水,水道水など)

d) 浸せき時間

e) 試料の絶乾率

f)

試験中に観察した特記事項

g) この規格から逸脱した事項,又は結果に影響した可能性のある事項

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附属書A(規定)標準離解機の構成

A.1 材質

パルプ懸濁液と接する全ての部品は,水,希酸及びアルカリに対して耐腐食性がなければならない。通

常,ステンレス鋼を使用する。

A.2 標準離解機

図A.1の円筒形容器には,容器の底から32 mm及び容器の縁から57 mmの間に伸びるら旋状のじゃま

板が等間隔に4枚備わったもので,各々のじゃま板は,容器の内壁に沿って半周する。

じゃま板のら旋の方向は,下向きに時計回りとする。

容器底部の内周の回りは,半径13 mmの丸みがあるものとする。

3枚羽根のプロペラは,容器の中心にある垂直シャフトに容器の底から規定の間隔となるよう取り付け

る。

プロペラは,試料中を規定の回転速度で回転し,カウンターが累積回転数を正しく記録する。

カウンターは,指定の累積回転数に達した後に離解機のスイッチがオフとなるプリセットタイプが望ま

しい。

プロペラ羽根は,上から見て,時計回りに回転させる。

離解容器に適合する蓋を用意する。

容器は,離解機の稼働中には定位置にしっかり固定でき,取外し及び取付けは簡単で,かつ,素早くで

きなければならない。

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A.3 寸法

標準離解機の寸法は,表A.1による。

表A.1−装置の寸法

部品

寸法

規定値

許容差

容器

内部高さ

191 mm

±2 mm

内径

152 mm

±2 mm

底の角の丸み

13 mm

±2 mm

じゃま板

角棒の大きさ

6.5 mm

±1 mm

容器の底からの高さ

32 mm

±1 mm

容器の縁からの距離

57 mm

±1 mm

末端の丸み

3 mm

±0.5 mm

角の丸み

0.4 mm

±0.1 mm

じゃま板の間隔(中心間)

51 mm

±1 mm

プロペラ

回転直径

90 mm

±0.5 mm

ハブの直径

≧22 mm

プロペラと容器底との間隔(最

低点)

25 mm

±2 mm

プロペラ羽根

ハブとの接続部における幅

18.2 mm

±0.5 mm

最大幅

22.5 mm

±0.5 mm

厚さ

1.6 mm

±0.5 mm

横端の丸み

0.8 mm

±0.2 mm

先端の丸み

4 mm

±1 mm

ピッチ

±0.25°

プロペラ軸

直径

≦20 mm

末端のテーパー

いかなるプロペラのハブにも

適合するもの

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A.4 回転速度

プロペラ軸の回転速度は,49.0 s−1±1.5 s−1とする。

単位 mm

1 じゃま板の断面部

2 じゃま板末端の丸み

3 じゃま板の角の丸み

4 じゃま板4枚,各々は容器を半周する(図は3枚だけを示す。)。

図A.1−標準離解機の詳細

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JIS P 8220-3:2020の対応国際規格一覧

  • ISO 5263-3:2004(MOD)

JIS P 8220-3:2020の国際規格分類一覧

  • 85.040

JIS P 8220-3:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
P0001
紙・板紙及びパルプ用語
P8203
紙,板紙及びパルプ−絶乾率の測定方法−乾燥器による方法
P8216
パルプ−物理試験用標準水
P8225
パルプ−紙料の固形分濃度測定方法