JIS Q 10012:2011 計測マネジメントシステム―測定プロセス及び測定機器に関する要求事項 | ページ 2

4
Q 10012 : 2011 (ISO 10012 : 2003)
た用途に関する計量要求事項との比較,並びに必要な一切の封印及びラベル表示を含む。
注記2 計量確認は,測定機器が意図した用途に適していることが立証されて文書化されるまで,又
は立証されて文書化されない限り,達成されない。
注記3 意図した用途に関する要求事項は,測定範囲,分解能,最大許容誤差などの考慮事項を含む。
注記4 計量要求事項は,製品要求事項とは別のものであり,通常製品要求事項には規定されない。
注記5 計量確認に関与するプロセス例を,図2に示す。
3.6
計量機能(metrological function)
計測マネジメントシステムを定め実施するための執行及び技術に責任をもつ組織機能。

4 一般要求事項

  計測マネジメントシステムは,規定した計量要求事項を満たすことを確実にしなければならない。
手引
規定された計量要求事項は,製品に関する要求事項から導き出される。この要求事項は,測
定機器及び測定プロセスの両方にとって必要となる。この要求事項は,最大許容誤差,許容不
確かさ,測定範囲,安定性,分解能,環境条件,操作者の技能などによって表す。
組織は,この規格の条項の対象となる測定プロセス及び測定機器を特定しなければならない。計測マネ
ジメントシステムの範囲及び限度を決めるに当たっては,計量要求事項に適合できないリスク及びその結
果を考慮しなければならない。
計測マネジメントシステムは,指定された測定プロセスの管理及び測定機器の計量確認(図2参照)並
びに必要な支援プロセスで構成する。計測マネジメントシステム内の測定プロセスは,管理しなければな
らない(7.2参照)。計測マネジメントシステム内の全ての測定機器は,計量確認をしなければならない(7.1
参照)。
計測マネジメントシステムの変更は,組織の手順に従わなければならない。

5 経営者の責任

5.1 計量機能

  組織のトップマネジメントは,計量機能を確立し,かつ,維持するのに必要な資源が使用可能であるこ
とを確実にしなければならない。
手引
計量機能は,単独の部門であってもよいし,又は組織全体に分散してもよい。
計量機能の管理者は,計測マネジメントシステムを確立し,文書化し,維持し,かつ,その有効性を継
続的に改善しなければならない。

5.2 顧客重視

  計量機能の管理者は,次の事項を確実にしなければならない。
a) 顧客測定要求事項を定め,かつ,計量要求事項に変換する。

――――― [JIS Q 10012 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
Q 10012 : 2011 (ISO 10012 : 2003)
b) 計測マネジメントシステムがその顧客の計量要求事項を満たすことができる。
c) 顧客が指定した要求事項への適合を示すことができる。

5.3 品質目標

  計量機能の管理者は,計測マネジメントシステムのための定量的な品質目標を定め,それを確立しなけ
ればならない。測定プロセスの客観的な達成基準及び手順,並びにその管理方法を,決定しなければなら
ない。
手引
様々な組織レベルにおける品質目標の例を,次に示す。
− 不正確な測定によって,不適合製品が合格,又は適合製品が不合格となることがない。
− 測定プロセスが,2日間以上管理されない状態で,かつ,そのことが検出されないような
ことがない。
− 全ての計量確認を,受渡当事者間が合意した期限までに完了する。
− 判読できない計量確認記録がない。
− 全ての技術教育・訓練プログラムを,所定のスケジュールで完了する。
− 測定機器のダウンタイムを,明示した割合だけ減じる。

5.4 マネジメントレビュー

  組織のトップマネジメントは,計測マネジメントシステムの継続的な妥当性,実効性及び適切性を確実
にするために,計画した間隔で体系的レビューを確実に実施しなければならない。トップマネジメントは,
計測マネジメントシステムのレビューを行うために必要な資源を利用できることを確実にしなければなら
ない。
計量機能の管理者は,マネジメントレビューの結果を受けて,必要に応じて,測定プロセスの改善(箇
条8参照)及び品質目標のレビューを含め,必要に応じて,システムを修正しなければならない。全ての
レビューの結果及び講じた全ての処置は,記録しなければならない。

6 資源マネジメント

6.1 人的資源

6.1.1  要員の責任
計量機能の管理者は,計測マネジメントシステムに任命した全ての要員の責任を定め,これを文書化し
なければならない。
手引
上記の責任は,組織図,職務内容記述書,作業指示書又は作業手順書のいずれかで規定して
もよい。
この規格は,計量機能以外からの専門職の登用を排除するものではない。
6.1.2 力量及び教育・訓練
計量機能の管理者は,計測マネジメントシステムに関与する要員が,割り当てられた職務を実行する能
力を実証したことを確実にしなければならない。特殊な技能が必要な場合は,それらを規定しなければな

――――― [JIS Q 10012 pdf 7] ―――――

6
Q 10012 : 2011 (ISO 10012 : 2003)
らない。計量機能の管理者は,明確にされたニーズに対処するための教育・訓練を適切に実施し,教育・
訓練活動の記録を維持し,教育・訓練の有効性について評価を行い記録することを確実にしなければなら
ない。要員は,その職責及び説明責任の範囲,並びに計測マネジメントシステムの有効性及び製品品質に
対する自らの行為の影響力を認識しなければならない。
手引
力量は,教育・訓練及び経験によって得られるものであり,実務試験又は観察された成果に
よって実証してもよい。
教育・訓練の途上にある要員を使用する場合は,適切に監督しなければならない。

6.2 情報資源

6.2.1  手順
計測マネジメントシステムの手順は,必要な範囲で文書化し,適正に実施し,適用上の一貫性及び測定
結果の妥当性を確実にするために,その妥当性を確認しなければならない。
新しい手順又は文書化された手順の変更は,承認を受け,管理しなければならない。手順書は最新のも
のとし,入手可能で,かつ,要求があれば提供しなければならない。
手引
技術的手順書は,公表されている標準測定法に基づいてもよいし,顧客又は機器製造業者の
指示書に基づいてもよい。
6.2.2 ソフトウェア
測定プロセス及び結果の計算に使用するソフトウェアは,継続的利用の適正さを確実にするために文書
化し,識別し,管理しなければならない。ソフトウェア及びその改正版は,最初に利用する前に試験及び
/又は妥当性確認を行い,使用の承認を受けて,記録保存しなければならない。試験は,有効な測定結果
を得ることを確実にするために必要な範囲までしなければならない。
手引
ソフトウェアには,内蔵形,プログラム可能なもの,市販パッケージなど,様々な形態のも
のがある。
市販のソフトウェアは,試験を必要としないことがある。
試験は,要求された測定結果を得るために必要なものとして,ウィルスチェック,ユーザー
がプログラミングしたアルゴリズムのチェック又はその組合せを含むことがある。
ソフトウェアの構成管理(configuration management)は,ソフトウェアを用いた測定プロセ
スの完全性及び妥当性の維持に役立つ。記録保存は,バックアップコピーの作成,敷地外保管,
又はプログラムを保護し,アクセスを確実にし,必要なトレーサビリティレベルを維持するた
めの手段によって達成してもよい。
6.2.3 記録

――――― [JIS Q 10012 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
Q 10012 : 2011 (ISO 10012 : 2003)
計測マネジメントシステムの運用に必要な情報を含む記録は,維持しなければならない。手順書は,記
録の識別,保管,保護,検索,保存期間及び処分方法を確実にしなければならない。
手引
記録の例には,確認結果,測定結果,購入/運用データ,不適合データ,顧客の苦情,教育・
訓練データ,資格データ,その他の測定プロセスを補助する履歴データなどがある。
6.2.4 識別
計測マネジメントシステムで使用する測定機器及び技術的手順は,個別に又は集合的に,明確に識別し
なければならない。機器の計量確認の状態の識別がなければならない。特定の一つ又は複数の測定プロセ
スだけに使用するために計量確認がされた機器は,明確に識別するか,又は不正使用を防止するためにそ
れ以外の方法で管理しなければならない。計測マネジメントシステムに使用する機器は,他の機器から識
別できなければならない。

6.3 物的資源

6.3.1  測定機器
規定した計量要求事項を満たすために必要な全ての測定機器は,計測マネジメントシステムの中で識別
し,かつ,利用可能でなければならない。測定機器は計量確認の完了までには有効な校正状態でなければ
ならない。測定機器は,管理されている環境又は有効な測定結果を保証できる環境で使用しなければなら
ない。計測マネジメントシステムには,影響を与える量の監視及び記録に使用する測定機器を含めなけれ
ばならない。
手引
測定機器は,特定の測定プロセスに対して計量確認できても,計量要求事項が異なると,そ
れ以外の測定プロセスでは計量確認できない場合がある。測定機器の計量要求事項は,製品要
求事項,又は校正し,検証し,かつ,確認すべき機器に対する規定の要求事項から導き出され
る。
最大許容誤差は,測定機器製造業者が発行する仕様書を引用しても,又は計量機能が指定し
てもよい。
測定機器は,計量確認を実施する計量機能以外の組織が校正してもよい。
標準物資のキャラクタリゼーションは,校正に関する要求事項を満たす場合がある。
計量機能の管理者は,測定機器の誤用,悪用,損傷及びその計量特性の変化を防止するために,機器の
受取,取扱い,輸送,保管及び発送に関する手順書を作成し,維持し,使用しなければならない。計測マ
ネジメントシステムに導入された測定機器又は除外された測定機器の処理方法について手順が定められて
いなければならない。
6.3.2 環境
計測マネジメントシステムで扱う測定プロセスの効果的運用に必要な環境条件は,文書化しなければな
らない。
測定に影響を及ぼす環境条件は,監視及び記録しなければならない。環境条件に基づく補正は,記録し,

――――― [JIS Q 10012 pdf 9] ―――――

8
Q 10012 : 2011 (ISO 10012 : 2003)
測定結果に反映しなければならない。
手引
測定結果に影響を及ぼす環境条件には,温度,温度変化率,湿度,照明,振動,防じん(塵),
清浄度,電磁干渉,その他の要素が含まれる。機器の製造業者は,通常,機器の正しい使用法
に関して,測定範囲及び最大負荷,並びに環境条件の制限事項を示した仕様書を提供する。

6.4 外部供給者

  計量機能の管理者は,計測マネジメントシステムへ外部供給者から提供される製品及びサービスの要求
事項を規定して,文書化しなければならない。文書化された要求事項を満たすその能力に基づき,外部供
給者を,評価し,かつ,選定しなければならない。選定,監視及び評価基準を定め,文書化しなければな
らない。また,評価結果を記録しなければならない。外部供給者の提供する製品又はサービスに関する記
録は,維持しなければならない。
手引
試験又は校正を外部供給者に委託する場合,供給者は,JIS Q 17025のような試験所規格を
基にした技術的力量を実証できることが望ましい。外部供給者から提供される製品及びサービ
スには,規定の要求事項に対する検証が必要になる場合がある。

7 計量確認及び測定プロセスの実現

7.1 計量確認

7.1.1  一般
計量確認(図2及び附属書A参照)は,測定機器の計量特性が測定プロセスの計量要求事項を確実に満
たすように設計し,実施しなければならない。計量確認には,測定機器の校正及び検証を含む。
手引
測定機器が既に有効な校正状況にある場合,測定機器の再校正は必要がない。計量確認手順
には,測定の不確かさ及び/又は測定機器の誤差が,計量要求事項で規定した許容限界範囲内
にあることを検証するための方法を含めることが望ましい。
測定機器の計量確認状況に関する情報は,制限事項又は特殊要求事項を含めて,操作者が容易に利用で
きるようにしなければならない。
測定機器の計量特性は,その意図した用途に適切なものでなければならない。

――――― [JIS Q 10012 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Q 10012:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10012:2003(IDT)

JIS Q 10012:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Q 10012:2011の関連規格と引用規格一覧