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Q 14971-1 : 2001 (ISO 14971-1 : 1998)
B.2.3 使用前歴 各材料又は意図的に添加されたものの使用前歴及び経験した有害な作用に関して利用で
きる情報は調べることが望ましい。しかし,ある成分又は材料が以前に使われたからといって類似の用途
に使われる場合に,適切性を保証できるとは限らない。意図される用途・成分の濃度・最新の毒性学的情
報を考慮することが望ましい。
B.2.4 生物学的安全性試験データ ISO 10993-1は,どの試験をどの用途に適用するかの指針である。試験
の必要性は,存在するデータに照らしてケースバイケースで検討することが望ましい。その結果として,
不必要な試験は,省略することができる。
――――― [JIS Q 14971-1 pdf 11] ―――――
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Q 14971-1 : 2001 (ISO 14971-1 : 1998)
附属書C(参考)
医療用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例
序文
この附属書(参考)は,医療用具に関連して起こる可能性があるハザードと関連する要因の例につ
いて記述するものであり,規定の一部ではない。
C.1 一般 C.2C.6に,種々の医療用具に関連して起こる可能性があるハザードと関連する要因に関して
のリストを示す。ただし,すべてを網羅しているわけではない。リストは,リスク分析手順の3.3におい
て起こる可能性があるハザードの明確化への手助けを目的とする(図1の3.3参照)。
C.2 エネルギーのハザード
− 電気
−熱
− 機械的な力
− 電離放射線
− 非電離放射線
− 電磁場
− 可動部分
− 懸垂物体
− 患者を支える装置の故障
− 圧力(容器の破裂)
− 音圧
− 振動
− 磁場(例えば,MRI)
C.3 生物学的なハザード
− 生物的汚染
− 生物不適合性
− 不正確な産出物(物質/エネルギー)
− 間違った成分組成(化学組成)
− 毒性
− アレルギー性
− 変異原性
− 催奇形性
− 発がん性
− (交差)感染
− 発熱性
− 衛生上の安全を維持できない
――――― [JIS Q 14971-1 pdf 12] ―――――
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Q 14971-1 : 2001 (ISO 14971-1 : 1998)
− 退化
C.4 環境的なハザード
− 電磁干渉
− 電力又は冷却材の不適切な供給
− 冷却の制限
− 規定された環境条件を外れて操作する可能性
− その他の機器との不適合性
− 偶発的な機械的損害
− 廃棄物及び/又は医療用具の廃棄による汚染
C.5 医療用具の使用に関連するハザード
− 不適切なラベリング
− 不適切な取扱説明書
− 不適切な附属品の仕様書
− 不適切な使用事前点検の仕様書
− 複雑すぎる取扱説明書
− 使いにくい,まとまりのない取扱説明書
− 未熟練な要員による使用と未訓練者による使用
− 合理的に予見できる誤使用
− 副作用に関する不十分な警告
− 使い捨て医療用具の再使用しがちなハザードに関する不適切な警告
− 不正確な計測及びその他の計量状態
− 不正確な診断
− 間違ったデータ転送
− 結果の誤表示
− 消耗品,附属品,その他の機器との不適合性
C.6 機能的故障,保守及び老朽化によってもたらされるハザード
− 意図した用途に対して性能特性が不適切
− 保守後の機能点検を含めた保守仕様の欠如又は不適切さ
− 不適切な保守
− 医療用具の寿命が適切に決められていない
− 機械的完全性(気密性,剛性など)の喪失
− 不適切なこん(梱)包(医療用具の汚染及び/又は劣化)
− 不適切な再使用
――――― [JIS Q 14971-1 pdf 13] ―――――
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Q 14971-1 : 2001 (ISO 14971-1 : 1998)
附属書D(参考)
リスク分析手法に関する情報
序文
この附属書(参考)は,リスク分析手法に関する情報について記述するものであり,規定の一部で
はない。
D.1 一般 この附属書は,3.4のリスク分析に利用できる手法についての指針を与える。これらの手法は補
足的なもので,一つ以上を使用する必要があるかもしれない。想定された事象の結果を一つ一つ分析する
ということが基本原理である。
D.2 FMEA(故障モード影響解析) FMEAは,本来定性的な手法であり,これによって個々の構成要素
の故障モードの結果を体系的に特定し評価する。これは“もし······ならば,出力はどうなるだろうか?”
という問いを用いた帰納的手法である。構成要素は,一度に一つずつ分析され,一般的に単一故障状態ま
で検討される。これは,“ボトムアップ”方式で行われる。つまり,プロセスを進めることで一段ずつ高い
機能システムレベルに上がっていく。
結果の重大性の程度の調査,それぞれの影響の発生確率及びその検出可能性を統合することでFMEAは
拡大され,これによって,いわゆる故障モード影響重大度解析 (FMCEA) となる。このような分析を行う
には,医療用具の構造をある程度詳細に知らなければならない。
FMEAは,ヒューマンエラーを取り扱うのにも有用な手法である。また,ハザードを特定するためにも
使用できるので,FTAへの入力を与える。
この手法の弱点は,冗長性の取扱いが困難なこと,修理又は予防的保守活動の取込みが困難なこと及び
単一故障状態に限定されることである。
D.3 FTA(故障の木解析) FTAは,主として,他の諸手法で特定されたハザードを分析する手段であり,
想定された好ましくない結果(トップイベントとも呼ばれる。)から出発する。トップイベントから始まる
演えき的手法によって,可能性のある原因,又は好ましくない結果を引き起こす一段ずつ低い機能システ
ムレベルでの故障モードが特定される。好ましくないシステム動作を段階的に順次低いシステムレベルま
で特定することによって,コンポーネント故障モードと通常呼ばれる目的とするシステムレベルに導かれ
る。これによって想定された結果に導くことができる適切なシーケンスが明らかとなる。
FTAは,法廷弁論の目的には有益であることが立証されている。結果は,図式的に事象の木の形で表現
される。木の中で特定された故障は,ハードウェアの故障及びソフトウェアの間違い,ヒューマンエラー
又は好ましくない事象に導かれるその他の関連事象である。FTAの有利な点は,単一故障状態には限定さ
れないことである。
FTAは,体系的アプローチを可能とし,同時に十分に柔軟性があるので人的相互作用を含む様々な要因
の分析ができる。FTAは,主としてリスク分析において,故障の確率を推定するためのツールとして用い
られる。図式的表現は,システムの動作と関連する要因を容易に理解できるが,木が大きくなるとともに
その処理は高度な数学的方法の使用が必要になるかもしれない。このような特徴が,故障の木の検証を困
難にしている。
――――― [JIS Q 14971-1 pdf 14] ―――――
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Q 14971-1 : 2001 (ISO 14971-1 : 1998)
D.4 HAZOP (Hazard and operability study) HAZOPは,FMEAの一つの形式であると考えることができ
る。
HAZOPは,ハザードと動作性の諸問題を特定するための体系的手法であり,当初,化学プロセス産業
で使うために開発された。HAZOPの原理は,プロセス・プラントの運用状態又は設計の各種段階に適用
できる。設計の初期段階で実施されるHAZOPは,更に安全な詳細設計の指針を提供できる場合が多い。
当該手法の目的は,次による。
a) プラント及びその意図する設計状態を含むプロセスの全体的な記述の作成
b) 正常な動作状態とその意図する設計からの逸脱がどのようにして生じるかを突き止めるためにプロセ
スのあらゆる部分の体系的な審査
c) そのような逸脱がプロセス及びその出力に対してどのような結果をもたらすかを特定し,これらの逸
脱がハザード又は運用性の諸問題に導けるかどうかの決定
医療用具の特質が製造プロセス,又はその他の化学的プロセスに依存する場合には,HAZOPは,医療
用具のリスク分析に特に有益であるという特徴がある。
――――― [JIS Q 14971-1 pdf 15] ―――――
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JIS Q 14971-1:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14971-1:1998(IDT)
JIS Q 14971-1:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.100 : 経営組織及び管理 > 03.100.01 : 経営組織及び管理一般