JIS R 5202:2010 セメントの化学分析方法 | ページ 2

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JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8102 エタノール (95)(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS R 5204 セメントの蛍光X線分析方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部 : 金属製網ふるい

3 試験の一般的要求事項

3.1 試験回数

  試験は,同一試料について2回の繰返しで行う。ただし,品質管理を目的とする場合は1回でもよい。

3.2 許容差

  2回の試験結果の差が,許容差より大きい場合,更に1回,再試験を行い,最も近い二つの試験結果を
平均し,分析結果(3.3参照)とする。

3.3 質量,体積,ファクター及び結果の表し方

  質量は0.000 1 gまで量る。ビュレットを用いる場合,体積は0.01 mLまで読む。
溶液のファクターは3回の測定値を平均し,決定する。
個々の試験結果は,JIS Z 8401の2. b) によって,塩素 (Cl) を除く分析項目は百分率で小数点以下2け
たに丸める。塩素 (Cl) については百分率で小数点以下3けたに丸める。
分析結果は,2回の試験結果の平均とし,JIS Z 8401の2. c) 規則Aによって,塩素 (Cl) を除く分析項
目は百分率で小数点以下2けたに丸める。塩素 (Cl) については百分率で小数点以下3けたに丸める。

3.4 強熱

  強熱は,次のように行う。
あらかじめ空焼きし,風袋を量ったるつぼにろ紙と沈殿(残留物)を入れて乾燥し,酸化雰囲気で炎が
出ないように徐々に加熱してろ紙を灰化した後,規定の温度で強熱する。強熱後,るつぼと内容物をデシ
ケータ中で室温まで放冷した後,質量を量る。

3.5 ガラス器具

  分析に使用するガラス器具は,JIS R 3503及びJIS R 3505による。

3.6 その他の一般事項

  その他の一般事項は,通常,JIS K 0050,JIS K 0113,JIS K 0115及びJIS K 0121による。

4 セメント試料の調製

  試料は,検査単位について平均品質を表すように,セメントを採取し,縮分して約5 kgの代表試料とす
る。その採取方法及び縮分方法は,受渡当事者間の協議によって定める。代表試料を更に縮分器又は四分
法で縮分して,約100 gを採り,JIS Z 8801-1に規定する150 μm又は125 μmのふるいで,ふるう。ふる
い残分中の金属鉄を磁石を使って取り除き,金属鉄を除いた残分をすりつぶして完全に150 μm又は125
μmのふるいを通過させる。試料を気密性のあるきれいな乾いた容器に移し替え,十分に試料が混ざるよ

――――― [JIS R 5202 pdf 6] ―――――

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うに強く振る。
上記の操作は,試料が周囲の空気にさらされる時間をできるだけ短くするために,手早く行わなければ
ならない。

5 強熱減量の定量方法

5.1 要旨

  試料を酸化雰囲気(空気中)で950±25 ℃で恒量になるまで強熱したときの減量を量る。950±25 ℃の
空気中で強熱すると,二酸化炭素と水分とは脱離し,酸化されうる元素は酸化される。金属鉄,酸化鉄 (II)
及び酸化マンガン (II) の酸化による誤差は通常,無視できるので,硫化物の酸化による酸素の増加分を補
正する。

5.2 高炉セメント及び高炉スラグ以外の場合

5.2.1  操作
a) 空焼きをして風袋を量った白金又は磁器るつぼに試料約1 g 2) を0.000 1 gまで正しく量り採る。
b) るつぼに少しすきまを開けてふたをして950±25 ℃に調節した電気炉中に置き,15分間強熱する。
c) るつぼをデシケータの中で放冷し,質量を量る。
d) 15分間ずつ強熱を繰り返し,恒量を求める。強熱前後の質量差が0.000 5 g未満になったときを恒量と
する。
なお,恒量を求めるとき質量が増加した場合は,増加前の質量を採用する。最初の15分間の強熱で
質量が増加した場合は,単に“+”と記す。
注2) 対応国際規格では,量り採り範囲を1.00±0.05 gと規定している。
5.2.2 計算
試料の強熱減量は,次の式によって算出する。
m m'
ig.loss 100
m
ここに, ig.loss : 強熱減量 (%)
m : 試料の質量 (g)
m' : 強熱後の試料の質量 (g)

5.3 高炉セメント及び高炉スラグの場合

5.3.1  操作
a) 5.2.1のa) d)と同様に操作して,5.2.2の式によって見掛けの強熱減量[ig.loss (ap)]を求める。
b) 強熱前の試料の三酸化硫黄含有率[SO3 (B)]を箇条12によって求める。
c) 強熱後の試料の三酸化硫黄含有率[SO3 (A)]を次の手順に従って求める。
試料23 gをるつぼに量り採り,5.2.1のb) d)によって強熱する。ただし,恒量の確認は,強熱前
後の質量差が0.05 %未満になったときとする。この強熱後の試料3) を用いて三酸化硫黄含有率を箇条
12によって求める。
なお,強熱後の三酸化硫黄含有率は,JIS R 5204によって求めたガラスビードの三酸化硫黄の定量
値を用いてもよい。
注3) 強熱後の試料の量り採りに際しては,塊を崩して均一にした後,所定の量を素早く量り採る
とよい。

――――― [JIS R 5202 pdf 7] ―――――

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5.3.2 計算
試料の強熱減量は,次の式によって算出する。
ig.loss 0.8
ig.loss(ap) [SO3 (A)−SO3 (B) ]
ここに, ig.loss : 強熱減量 (%)
ig.loss (ap) : 見掛けの強熱減量 (%)
SO3 (A) : 強熱後の試料の三酸化硫黄含有率 (%)
SO3 (B) : 強熱前の試料の三酸化硫黄含有率 (%)

5.4 許容差

  許容差は0.10 %とする。

6 塩酸-炭酸ナトリウム方法による不溶残分の定量方法

6.1 要旨

  この定量方法は,試料を希塩酸で溶解することによって,二酸化けい素の沈殿をできるだけ生成しない
ようにして,セメント中の不溶残分を定量する一般的な方法である。希塩酸溶解の残分は加熱した炭酸ナ
トリウム溶液で処理し,沈殿した二酸化けい素を溶解する。残分は強熱した後,質量を量る。

6.2 試薬

  試薬は,次のものを用いる。
a) 塩酸 (1+1)
b) 炭酸ナトリウム溶液 (50 g/L)
c) メチルレッド指示薬 (2 g/L) メチルレッド0.2 gを,JIS K 8102に規定するエタノール100 mLに溶か
す。

6.3 試料の量り採り量

  試料は,約1 g 4) を0.000 1 gまで量り採る。
注4) 対応国際規格では,量り採り範囲を1.00±0.05 gと規定している。

6.4 操作

  定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料を乾燥したビーカー200 mLに入れ,水約20 mLを加え,ガラス棒でかき混ぜて試料を分散させ
ながら,塩酸 (1+1) 10 mLを加えて溶かす。このとき,必要ならば溶液を少し温め,未溶解の塊は,
ガラス棒の先でよくつぶし,可溶分を完全に溶かす。
b) 温水を加えて50 mLとし,時計皿でふたをして水浴上で10分間加熱する。
c) IS P 3801に適合したろ紙(5種B,110 mm)を用いてろ過し 5),温水で8回洗浄する。ろ液及び洗
液はビーカー500 mLに受け,室温まで冷却する。その後,全量フラスコ250 mLに洗い移し,標線ま
で水を加えて振り混ぜる。この溶液を試料溶液 (F) とし,三酸化硫黄及び酸化チタン (IV) の定量に
用いる。
なお,酸化チタン (IV) の定量を行わない場合には,ビーカーに受けたろ液及び洗液をそのまま保
存して三酸化硫黄の定量に用いる。
d) ろ紙を漏斗から取り出して元のビーカー200 mLに入れ,炭酸ナトリウム溶液 (50 g/L) 50 mLを加え,
かき混ぜてろ紙をよくほぐし,時計皿でふたをして水浴上で15分間加熱する。
e) メチルレッド指示薬1,2滴を加え,塩酸 (1+1) を少しずつ加えて中和し,溶液の色が黄から赤に変
わってから,更に,2,3滴加える。
f) JIS P 3801に適合したろ紙(5種B,110 mm)を用いてろ過し,温水で10回洗浄する。

――――― [JIS R 5202 pdf 8] ―――――

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g) 残留物をるつぼに入れて乾燥し,徐々に加熱してろ紙を灰化した後,950±25 ℃に調節した電気炉で
30分間強熱し,デシケータ中で放冷した後,質量を量る。
注5) 不溶分が漏れるおそれがある場合には,適量のろ紙粉末を漏斗に入れてろ過するとよい。

6.5 計算

  試料中の不溶残分は,次の式によって算出する。
m'
insol. 100
ここに, insol. : 不溶残分 (%)
m : 試料の質量 (g)
m' : 残留物の質量 (g)

6.6 許容差

  許容差は,0.10 %とする。

7 二酸化けい素の定量方法

7.1 要旨

  試料を過塩素酸で溶解し,砂浴上で加熱して二酸化けい素を脱水して不溶性とした後,塩酸を加え,可
溶性塩類を溶かしてろ過する。沈殿は強熱して質量を量り,二酸化けい素量を求める。

7.2 試薬

  試薬は,次のものを用いる。
a) 過塩素酸 (60 %)
b) 塩酸 (1+1)

7.3 試料の量り採り量

  試料は,約1 gを0.000 1 gまで量り採る。

7.4 操作

  定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料を乾燥したビーカー100 mLに入れ,過塩素酸 (60 %) 10 mLを加え,ガラス棒でかき混ぜて溶解
する。
b) 砂浴上6) で加熱し,内容物がはね飛ばないように注意して水分を蒸発させ,過塩素酸の白煙が出始め
たら時計皿でふたをして7),ビーカーの底を少し砂にうずめるようにして,更に,5分間加熱を続け
る。
c) ビーカーを砂浴から降ろして放冷した後,時計皿を水で洗って取り除き,塩酸 (1+1) 5 mL及び温水
約20 mLを加えてかき混ぜ,ゼリー状の大きな塊をガラス棒でよくつぶす。
d) IS P 3801に適合したろ紙(5種B,110 mm)を用いてろ過し,温水で1012回洗浄する。ろ液はビ
ーカー500 mLに受け,室温まで冷却した後,全量フラスコ250 mLに洗い移し,標線まで水を加えて
振り混ぜる。この溶液を試料溶液 (A) とし,酸化アルミニウムなどの定量に用いる。
e) 沈殿をるつぼに入れて乾燥し,徐々に加熱して炎の出ないように注意しながらろ紙を灰化した後,
1 175±25 ℃8) に調節した電気炉で1時間強熱し,デシケータ中で放冷した後,質量を量る。
注6) 砂浴の温度は,砂の中ほどに温度計を差し込んで,約180 ℃に調節すればよい。
7) 最初からふたをして水分を蒸発させると,時計皿に凝集した水滴が落下し,内容物が飛散す
る場合がある。

――――― [JIS R 5202 pdf 9] ―――――

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8) 強熱は1 050±25 ℃で行ってもよい。

7.5 計算

  試料中の二酸化けい素の含有率は,次の式によって算出する。
m'
SiO2 100 insol.
m
ここに, SiO2 : 二酸化けい素の含有率 (%)
m' : 沈殿の質量 (g)
m : 試料の質量 (g)
insol. : 箇条6で求めた不溶残分 (%)

7.6 許容差

  許容差は,0.20 %とする。

8 酸化アルミニウムの定量方法

8.1 要旨

  7.4のd)で保存した試料溶液 (A) の一部を分取し,過量のEDTAを加えた後,pHを約3に調節し,煮
沸してEDTA錯化合物を完成させる。冷却した後,pHを5.5に調節し,キシレノールオレンジを指示薬と
して亜鉛標準液で逆滴定する。

8.2 試薬

  試薬は,次のものを用いる。
a) DTA溶液 (0.01 mol/L) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物3.73 gを水に溶かし
て全量フラスコ1 000 mLに入れ,標線まで水を加えて振り混ぜ,ポリエチレン製の瓶に保存する。
b) 酢酸ナトリウム溶液 (pH 5.5) 酢酸ナトリウム三水和物250 gを水約1 Lに溶かし,酢酸を加えてpH
メーターを用いてpHを5.5に調節する。
c) 酢酸アンモニウム溶液 (200 g/L)
d) キシレノールオレンジ溶液 (1 g/L) 3,3'-ビス[N,N-ジ(カルボキシメチル)-アミノメチル]-o-クレ
ゾールスルホフタレイン0.1 gを水100 mLに溶かし,褐色瓶に入れて冷暗所に保存する。2か月ごと
に新しく調製する。
e) 亜鉛標準液 (0.01 mol/L) IS K 8005に規定する容量分析用標準物質の亜鉛約0.65 gを0.000 1 gまで
量り採ってビーカー300 mLに入れ,水約10 mL及び塩酸 (1+1) 20 mLを加え,時計皿でふたをして
水浴上で加熱し溶解する。時計皿を水で洗って取り除き,水約100 mL及び酢酸アンモニウム溶液 (200
g/L) を加え,pHメーターを用いてpHを5.5に調節した後,全量フラスコ1 000 mLに移し入れ,標
線まで水を加えて振り混ぜる。この標準液の酸化アルミニウム相当量は,次の式によって算出し,小
数点以下7けたに丸める。
m (a/ 100) 1 101.96
E
65.39 1 000 2
ここに, E : 亜鉛標準液 (0.01 mol/L) 1 mLの酸化アルミニウム相当量 (g)
m : 亜鉛の質量 (g)
a : 亜鉛の純度 (%)
又は,国家計量標準にトレーサブルな市販の亜鉛標準液V1 mLを分取し,V2 mLの全量フラスコに
移し入れ,標線まで水を加え振り混ぜて,亜鉛として約0.01 mol/Lとなるように調製する。
この標準液の酸化アルミニウム相当量は,次の式によって算出し,小数点以下7けたに丸める。

――――― [JIS R 5202 pdf 10] ―――――

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JIS R 5202:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 29581-1:2009(MOD)

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