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S 2010 : 2013
加熱コイルに流れる電流による電磁誘導によって天板上に置いた調理器具の底面に渦電流を発生させ,
調理器具素材のもつ抵抗で発熱させる電気ヒータ。
3.23
IHクッキングヒータ標準検査器
IHクッキングヒータを熱源とする試験に使用するIHクッキングヒータで,附属書Eに示す仕様による
標準検査器。
3.24
沸騰
この規格では,水温95 ℃以上。
4 種類
4.1 用途による区分
用途による区分は,表1による。
表1−用途による区分
区分 品名
鍋類 鍋,蒸器
いため容器類 フライパン,玉子焼器,いため鍋,天ぷら鍋
湯沸し類 湯沸し(やかん),笛吹きケトル
4.2 表面処理による区分
表面処理による区分は,調理器具本体内面の表面処理によって,次による。
a) 陽極酸化処理1) を施したもの。
b) ふっ素樹脂塗膜を施したもの。
c) 表面処理を施していないもの。
注1) 一般的には“アルマイト”と呼称される。
4.3 使用熱源による区分
使用熱源による区分は,使用熱源によって,次による。
なお,IHクッキングヒータで使用できるものは,鍋類及びいため容器類とし,湯沸し類は除く。
a) Hクッキングヒータで使用できるもの。
b) Hクッキングヒータで使用できないもの。
5 品質
5.1 外観
調理器具の外観は,8.3.1に規定する試験を行い,次の規定に適合しなければならない。
a) しわ及びきずが目立ってはならない。
b) 仕上げが良好でなければならない。
c) 変形があってはならない。
5.2 構造
調理器具の構造は,8.3.2に規定する試験を行い,次の規定に適合しなければならない。
a) すわりが良好でなければならない。
――――― [JIS S 2010 pdf 6] ―――――
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S 2010 : 2013
b) 安定性をもたなければならない。
c) 水漏れがあってはならない。また,いため容器類(玉子焼器を除く。)にあっては,油漏れがあっては
ならない。
d) 接合及び組立は,確実でなければならない。
e) 部品及び附属品は,良質で堅固でなければならない。
f) 湯沸し類のつぎ口は,水切りが良好で裏漏れがあってはならない。
g) 笛吹きケトルは,水位線の表示がなければならない。
5.3 衛生性
食品に接触又はそのおそれのある部分(蓋及び附属品を含む。)は,食品衛生法(昭和22年法律第233
号)に基づく食品,添加物などの規格基準に適合しなければならない。
5.4 性能
5.4.1 表面処理の性能
表面処理の性能は,表2による。
表2−表面処理の性能
表面処理の区分 性能
陽極酸化処理を施したもの 8.3.3に規定する試験において,JIS H 8601のAA6−A・KS−WRF以上又はAA6−
AA・KC−WRF以上。
ふっ素樹脂塗膜を施したもの8.3.4に規定する試験において,外観にがれ,膨れなど異状がなく,膜厚15 μm
60 μm,硬さHB以上,付着力25/25,耐摩耗性(いため容器類),耐熱油性[い
ため容器類(玉子焼器を除く。)],耐食性(鍋類)において異状があってはならな
い。
表面処理を施していないもの7.1.1で規定する材料とする。ただし,アルミニウム合金ダイカストは除く。
5.4.2 使用熱源に応じた性能
調理器具の性能は,使用熱源の区分によって,次による。
なお,区分ごとに必要な性能(実施する試験)を,参考として附属書Aに示す。
a) Hクッキングヒータで使用できる調理器具の性能 IHクッキングヒータで使用できる調理器具の性
能は,箇条8によって試験したとき,表3に適合しなければならない。
――――― [JIS S 2010 pdf 7] ―――――
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S 2010 : 2013
表3−IHクッキングヒータで使用できる調理器具の性能
項目 性能 試験方法
底面の有磁性材料の有効直径 120 mm以上260 mm未満で,呼び径に対する割合が55 %以上で8.3.5
なければならない。
入力電力a) 底面の有磁性材料の有効直径によって,次のとおりとする。8.3.6
120 mm以上140 mm未満 : 1.1 kW以上
140 mm以上160 mm未満 : 1.3 kW以上
160 mm以上260 mm未満 : 1.5 kW以上
ただし,玉子焼器は1.1 kW以上とする。
底の平面性 がたつき及び外側への反りがあってはならない。 8.3.7
内側への反りは底面の有磁性材料の有効直径によって,次のとお
りとする。
120 mm以上160 mm未満 :
冷めた状態で0.5 mm以下,加熱した状態で2.0 mm以下
160 mm以上260 mm未満 :
冷めた状態で1.0 mm以下,加熱した状態で3.0 mm以下
耐熱衝撃性 8.3.8
本体に使用上支障のある変形がなく,合成樹脂製及び木製の取っ
手,つまみb) に欠け及びひび割れがあってはならない。冷めた
状態での底の平面性を満たさなければならない。
取っ手の強度 8.3.9
亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,2 %以下でなければならない。
取っ手の繰返し強度 8.3.10
亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,3 %以下でなければならない。
取っ手c) 及びつまみd) の温度上昇 取っ手及びつまみの温度は,75 ℃以下でなければならない。
8.3.11
注a) Hクッキングヒータ標準検査器における入力電力とする。
b) つまみは蓋が附属する鍋類に適用する。
c) 金属製の取っ手は除く。
d) 蓋が附属する鍋類に適用し,金属製のつまみは除く。
b) Hクッキングヒータで使用できない調理器具の性能 IHクッキングヒータ以外を熱源とする調理器
具の性能は,箇条8によって試験したとき,表4に適合しなければならない。
表4−IHクッキングヒータで使用できない調理器具の性能
項目 性能 試験方法
耐熱衝撃性 8.3.12
本体に使用上支障のある変形がなく,合成樹脂製及び木製の取っ
手,つまみa) に欠け及びひび割れがあってはならない。
取っ手の強度 8.3.9
亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,2 %以下でなければならない。
取っ手の繰返し強度 8.3.10
亀裂,破損,変形,がたつき,漏れなどがなく,本体と取っ手と
の残留たわみは,3 %以下でなければならない。
可倒式取っ手の耐久性b) 8.3.13
リベットの破損,はずれ並びに使用上支障のある変形及び磨耗が
あってはならない。
取っ手c) 及びつまみd) の温度上昇 取っ手及びつまみの温度は,75 ℃以下でなければならない。
8.3.11
笛吹きケトル 音量 55 dB以上でなければならない。 8.3.14
笛蓋の耐久性 8.3.15
破損,はずれ,使用上支障のある変形,がたつきなどがあっては
ならない。試験後の音量は,55 dB以上でなければならない。
注a) つまみは湯沸し類及び蓋が附属する鍋類に適用する。
b) 可倒式取っ手の湯沸し類に適用する。
c) 金属製の取っ手は除く。
d) 湯沸し類及び蓋が附属する鍋類に適用し,金属製のつまみは除く。
――――― [JIS S 2010 pdf 8] ―――――
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S 2010 : 2013
6 呼び径又は呼び容量,寸法又は満水容量及び最低底厚
6.1 鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚
鍋類の呼び径,寸法及び最低底厚は,附属書Bによる。
6.2 いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚
いため容器類の呼び径,寸法及び最低底厚は,附属書Cによる。
6.3 湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚
湯沸し類の呼び容量,満水容量及び最低底厚は,附属書Dによる。
7 材料
7.1 主要部の材料
7.1.1 調理器具本体の材料
調理器具本体の材料は,表5による。
表5−調理器具本体の材料
区分 材料 品質
鍋類及びい アルミニウム及びアルミニウJIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
ため容器類 ム合金の板 及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。
アルミニウム合金鋳物 JIS H 5202に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ鋳物
アルミニウム合金ダイカストJIS H 5302に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつダイ
カスト
湯沸し類 アルミニウム及びアルミニウJIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
ム合金の板 及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。
7.1.2 蓋の材料
蓋の材料は,表6による。
――――― [JIS S 2010 pdf 9] ―――――
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S 2010 : 2013
表6−蓋の材料
区分 材料 品質
鍋類及びい アルミニウム及びアルミニウJIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
ため容器類 ム合金の板 及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。
アルミニウム合金鋳物 JIS H 5202に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ鋳物
アルミニウム合金ダイカストJIS H 5302に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつダイ
カスト
ステンレス鋼 JIS G 4304又はJIS G 4305に規定する種類又はこれらと同等以上の
機械的性質をもつステンレス鋼板
ガラス 耐熱ガラス,又は金属製リングで補強している強化ガラスとし,
8.3.16に規定する耐熱衝撃性試験においてひび割れ及び破損があっ
てはならない。強化ガラスの場合は,8.3.17に規定する耐衝撃性試
験においてひび割れ及び破損があってはならない。
湯沸し類 アルミニウム及びアルミニウJIS H 4000に規定する種類又はこれらと同等以上の性能をもつ板,
ム合金の板 及びこれらの組合せの合わせ板とする。ただし,表面処理を施さな
い場合は,JIS H 4000に規定する合金番号が1 000番台又は3 000
番台とする。
ステンレス鋼 JIS G 4304又はJIS G 4305に規定する種類又はこれらと同等以上の
機械的性質をもつステンレス鋼板
ガラス 耐熱ガラス,又は金属製リングで補強している強化ガラスとし,
8.3.16に規定する耐熱衝撃性試験においてひび割れ及び破損があっ
てはならない。強化ガラスの場合は,8.3.17に規定する耐衝撃性試
験においてひび割れ及び破損があってはならない。
7.2 附属部品の材料
附属部品の材料は,表7による。
表7−附属部品の材料
部品 材料 種類及び品質水準
取っ手 金属 アルミニウム合金鋳物,アルミニウム合金ダイカスト,ステンレス鋼など
木 8.3.18に規定する耐燃焼性試験において欠け及びひび割れがあってはならない。
合成樹脂 8.3.19に規定する試験において,耐熱性試験においてひび割れ,膨れ及び破損がなく,
耐燃焼性試験において燃焼時間が180秒以下でなければならない。
蓋のつまみ 金属 アルミニウム合金鋳物,アルミニウム合金ダイカスト,ステンレス鋼など
木 8.3.18に規定する耐燃焼性試験において欠け及びひび割れがあってはならない。
合成樹脂 8.3.19に規定する試験において,臭気性試験において刺激臭がなく,耐熱性試験にお
いてひび割れ,膨れ及び破損がなく,有害成分を含んではならない。
8 試験
8.1 一般条件
試験は,調理器具を23 ℃±5 ℃の温度に2時間以上放置した後,同じ温度条件で行う。ただし,8.3.1,
8.3.2,8.3.4.1,8.3.4.58.3.4.7,8.3.58.3.8,8.3.11,8.3.12,8.3.14,8.3.168.3.19及び引用規格に温度の
規定がある場合の試験はこの限りではない。
8.2 数値の丸め方
試験の結果は,規定の数値から1桁下の位まで求めて,JIS Z 8401によって丸める。
――――― [JIS S 2010 pdf 10] ―――――
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JIS S 2010:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS S 2010:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC7601:2010
- 蛍光ランプ(一般照明用)
- JISG4304:2012
- 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4304:2021
- 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISH4000:2014
- アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
- JISH5202:2010
- アルミニウム合金鋳物
- JISH5302:2006
- アルミニウム合金ダイカスト
- JISH8601:1999
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜
- JISH8680-1:1998
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法―第1部:顕微鏡断面測定法
- JISH8680-2:1998
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法―第2部:渦電流式測定法
- JISH8681-1:1999
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法―第1部:耐アルカリ試験
- JISH8682-3:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法―第3部:砂落し摩耗試験
- JISK6911:1995
- 熱硬化性プラスチック一般試験方法
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISR6252:2006
- 研磨紙
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JISS6006:2020
- 鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いる芯
- JISZ1522:2009
- セロハン粘着テープ
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8730:2009
- 色の表示方法―物体色の色差