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T 0601-2-16 : 2014
的に符合させるような,適切な運転モードをもたらす色識別に同等な適切な対策を着手することが望まれ
る。
208.4† 一般要求事項
JIS T 60601-1-8は,集中治療又は手術といった環境での観点から記載されており,かつ,まさに患者中
心の観点からのアラーム状態の原因への対処の失敗から起こりそうな結果を6.1.2アラーム状態の優先度
に追加した。個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装
置は,主に慢性患者の通院という形で使用される。患者は,通常,生命を脅かされるような状況にはなく,
アラーム状態はほとんどが技術的な原因で起こり,かつ,大部分の問題において安全な状態へ移行するこ
とができる。これは,患者及び操作者にとっては時間のロスとなるだけであるが,次に続く治療シフトが
時間的に厳密に計画されている場合は,非常に重大な問題の一つとなる。通常,患者環境で個人用透析装
置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置以外のME機器が継続的
に使用されることはない。
この外来通院という環境においては,アラーム分類は,患者が生命を脅かされ,かつ,治療が生命を維
持しているという環境とは,全く異なる優先度を必要とする。6.1.2アラーム状態の優先度の表1は,外来
通院環境で要求される優先度を反映していない。
個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置は,救命
救急治療環境でさえ,生命維持としての目的ではなく,ほとんどの警報状況は,患者及び操作者への危険
状態となっていない。したがって,その警報優先度は低い。場合によって,慢性血液透析の操作者が,集
中治療環境にある個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透
析装置を運転する。
集中治療環境で使用されない個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置
及び多用途透析装置において,実際に使用され,かつ,長年にわたって操作性が最適化されたアラームシ
ステムが,JIS T 60601-1-8適用によって改悪されないことが望ましい。
この理由から,この規格では,集中治療環境での使用が意図する使用である個人用透析装置,透析用監
視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置の場合にだけ,JIS T 60601-1-8の完全
な実施を要求する。この環境に関して,JIS T 60601-1-8に従うアラーム状態の優先度をいかに個人用透析
装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置のニーズに適用できる
かを表AA.1に示す。個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用
途透析装置が,両方の環境での使用を意図する場合は,JIS T 60601-1-8に従うアラームシステムを実施し,
かつ,責任部門によって選択可能になっていることが望ましいが,6.1.2アラーム状態の優先度,6.3.2.2視
覚アラーム信号の特性及び6.3.3.1聴覚アラーム信号の特性,とは異なるアラームシステムを追加対応する
ことは差し支えない。
この個別規格は,画面から独立した表示灯で視覚アラームを表示する画面を備えた個人用透析装置,透
析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置では,要件ではない。これは,
画面上にアラームを表示するかどうかを定めたアプリケーションがあると考えられるためである。大規模
な血液透析室では,表示灯を上方の位置に設置して,かつ,遠い場所からも見えるようにして,個人用透
析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置にアラーム信号を作
動させたほうがよい場合がある。
――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 51] ―――――
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表AA.1−個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置の
ニーズに適用されるJIS T 60601-1-8:2012に従う可能なアラーム状態優先度
アラーム状態 アラーム状態の優先度
様々な理由(例 圧力,技術的故障)
血液システムを停止に導く理由 低優先度,黄色
体外循環システムでの凝固による血液損失
上記警報の拡大としての血液ポンプ停止警報(201.12.4.4.104.3) 中優先度,黄色の点滅
商用電源の停止−電池運転システム,電池機能低下前
偶発的なせん(穿)刺針又はカテーテルの外れに伴う,せん(穿)刺針又はカテーテルで起こる可能性がある血液
損失
低い静脈圧で検出可能 高優先度,赤の点滅
他の規格で規定していない場合は,生体アラーム状態
生体警報,例えば,非侵襲血圧限界警報 高優先度,赤の点滅
二つの異なる限界点による段階化可
治療からの逸脱,処方への影響
例えば,バランス警報,透析液の長時間バイパス 低優先度,黄色
技術情報
情報信号として,例えば,緑の点滅
血液が流れている状態(血液の送液システムは作動中)での技術
的な故障。例えば,透析液の短時間のバイパス 代替えとして,低優先度,黄色
体外循環血液の周囲への損失があった場合に発せられるアラーム信号(201.12.4.4.104.1を参照)は,操
作者の即座の応対を必要とする高優先度のアラーム信号の一例である。血流が長時間停止する場合
(201.12.4.4.104.3),これは中優先度のアラーム信号の一例である。それ以外のほとんどのアラーム状態で
は,少なくとも一時的には保護システムが個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液
ろ過用装置及び多用途透析装置を患者にとって安全な状態にし,かつ,そのようなアラーム信号は低優先
度のアラーム信号として示される。その他のアラーム信号は,製造販売業者のリスクマネジメントプロセ
スで決めることが望ましい。
208.6.3.1† 一般
操作者が画面の内容を設定することを許されている場合は,製造販売業者は警報があらゆる状況でも表
示できるような構成方法(かつ取扱説明書には注記しない)とする必要がある。
208.6.3.3.2† 聴覚的なアラーム信号及び情報信号の音量
この種の消音機能は自動的には終了しないので,操作者が警報を止めようとして音量調節機能の誤った
使用をしないようにということを意図している。それでも,責任部門は警報音を現場の騒音レベルに見合
う適正な値に調整できることが望まれる。
208.6.3.3.101† 血液透析装置に関する聴覚アラーム信号の特性
警報が3分以上中断しても危険状態とはならないような場合に,警報の原因の排除に3分以上かかる場
合がある。それは,例えば,透析液原液容器が空になった場合の濃度警報などである。この場合,警報の
アラーム音中断であってもバイパスモードで運転中であれば,患者の状態をそれ以上悪化させることはな
い。
――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 52] ―――――
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211† ホームヘルスケア環境で使用する医用電気機器及び医用電気システムに対する要求事項
電源(商用)への永久設置形接続に加えて,通常のホームヘルスケア環境では使用されない固有の電源
プラグのような非接地コンセントへの接続を防ぐ他の手段を使用することができる。このことは,患者操
作者に,不適切な保護接地接続をもつ他の電源(商用)ソケットに接続してしまうという問題を起こすこ
となく,装置を取り外すことを可能にする。固有の電源(商用)ソケットが使用される場合は,電源(商
用)ソケットは,責任部門によって設置され,かつ,テストする必要がある。
――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 53] ―――――
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附属書BB
(参考)
人工腎臓装置におけるハザード,予想される一連の事象及び危険状態の例
表BB.1は完全なリスク分析であることを意図しておらず,かつ,部分的及び単なる例として提示している。挙げられている危害のレベルは全ての
患者群に適用されるものではない。リスクアセスメントは各製造販売業者の責任である。
表BB.1−JIS T 14971:2012,附属書Eによるハザード状況リスト
ハザード 予想される一連の事象 危険状態 危害 参照規格
多数のハ 静脈側せん(穿)刺針がバスキュラーアクセ 血腫
体外循環血液が静脈側せん(穿)
ザードの スに穴をあける。 刺針を通じて組織内に入る。
可能性 − JIS T 0601-2-16(この規格): 201.11.8
ヘパリンの注入速度又は注入量が多すぎる。 血液のヘパリン濃度が高すぎる。 過剰な出血
血流が長時間にわたって停止 体外循環血液の凝固 血液の損失 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.5,201.7.9.3.1,201.11.8,
201.12.4.4.104.3
− JIS T 0601-1:2012,7.9.2.4
電源の中断が長すぎる。 − JIS T 0601-2-16: 201.11.8,201.7.9.3.1,
201.12.4.4.104.3
血流に比して限外ろ過速度が高すぎる。 ヘマットクリットの上昇でダイ − JIS T 0601-2-16: 201.12.4.4.104.3
アライザの中空糸が詰まる可能
性あり。
静脈側せん(穿)刺針が抜ける。 体外循環血液が周囲に流れ出す。 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.2の7番目の“−”,
201.7.9.3.1の2番目の“・”の6番目の“−”,
201.12.4.4.104.1
動脈側血液ポンプ後の消耗品のコネクタが開 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.2の3番目の“−”,
放する又は漏れる。 201.12.4.4.104.1
破裂を導くような消耗品の耐圧以上の圧力 − JIS T 0601-2-16: 201.12.4.4.104.1
血液ポンプ後のヘパリンポンプシリンジプラ − JIS T 0601-2-16: 201.12.4.4.104.1
T0
ンジャーが抜け落ちる。
601
ダイアライザの膜又は中空糸の破れ 血液が透析液中に漏れる。 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.3.1の2番目の“・”の7
-
2-
番目の“−”,201.12.4.4.104.2
16 : 2014
2
――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 54] ―――――
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T 0601-2-16 : 2014
T0
2
表BB.1−JIS T 14971:2012,附属書Eによるハザード状況リスト(続き)
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ハザード 予想される一連の事象 危険状態 危害 参照規格
1-
2
多数のハ 意図しない血液の逆流及びシステム内のエア 動脈側分岐からの気泡混入 気泡混入 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.3.1の2番目の“・”の2
-16
ザードの 番目の“−”,201.12.4.4.109
: 2
可能性 レベル(液面)調整ポンプが動脈側血液ポン − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.3.1の2番目の“・”の2
014
プ前の動脈圧モニタへエアを送り込む。 番目の“−”,201.12.4.4.109
静脈側分岐からの空気混入
血液ポンプ前で血液側にエアを吸い込む(部 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.2の8番目の“−”,
材損傷又は注入口の不慮の開口)。 201.7.9.3.1の2番目の“・”の2番目の“−”,
201.12.4.4.105,201.12.4.4.106,201.12.4.4.107
レベル(液面)調整ポンプが動脈側血液ポン − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.3.1の2番目の“・”の2
プ後の動脈及び/又は静脈圧力モニタへエア 番目の“−”,201.12.4.4.105,201.12.4.4.106,
を送り込む。 201.12.4.4.107
補充液ポンプが静脈側分岐にエアを送り込 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.3.1の2番目の“・”の2
む。 番目の“−”,201.12.4.4.105,201.12.4.4.106,
201.12.4.4.107
凝血又は超音波ゲルによる超音波気泡検出器 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.2の10番目の“−”
の機能不全
シングルニードル治療での再循環経路へのエ − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.2の11番目の“−”
ア進入
溶血
血液回路のねじれ(特にダイアライザの入口) 赤血球への高せん(剪)断力の印 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.2の9番目の“−”
加
透析効率の低下
ポンプ前の動脈圧の強い陰圧による血流量低 処方透析量の − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.2.2の13番目の“−”
下 未達
透析液の脱気不足
新鮮透析液の流量不足 − JIS T 0601-2-16: 201.7.9.3.1の2番目の“・”の4
番目の“−”
技術上の問題による血流量の過度の低下 − JIS T 0601-2-16: 201.4.3.101
透析液がダイアライザをバイパス − JIS T 0601-2-16: 201.4.3.101
技術上の問題による有効透析(運転)時間の − JIS T 0601-2-16: 201.4.3.101
過度の不足
技術上の問題による補充液流量の過度の低下 − JIS T 0601-2-16: 201.4.3.101
――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 55] ―――――
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JIS T 0601-2-16:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-2-16:2012(MOD)
JIS T 0601-2-16:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.040 : 医療設備 > 11.040.20 : 輸血,輸液及び注入設備
JIS T 0601-2-16:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7761-3:2007
- 手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
- JISB9707:2002
- 機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
- JISB9711:2002
- 機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
- JISC0445:1999
- 文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
- JISC0447:1997
- マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1509-2:2018
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISC60079-0:2010
- 爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
- JISC60079-2:2008
- 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
- JISC60079-6:2004
- 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC6965:2007
- ブラウン管の機械的安全性
- JISC8282-1:2019
- 家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
- JISC8303:2007
- 配線用差込接続器
- JIST0307:2004
- 医療機器―医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
- JIST0601-1-3:2012
- 医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
- JIST3248:2012
- 透析用血液回路
- JISZ8202:1985
- 量記号,単位記号及び化学記号
- JISZ8203:1964
- 単位記号
- JISZ8203:2000
- 国際単位系(SI)及びその使い方
- JISZ8733:2000
- 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―反射面上の準自由音場における実用測定方法
- JISZ8736-1:1999
- 音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定