JIS T 0601-2-16:2014 医用電気機器―第2-16部:人工腎臓装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 6

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る。
− 血液の流速,試験チューブの体積及び測定されたエアの量からエアの流速を計算する。
適用装置がダイアライザの血液の流れ方向を上向き及び下向きの両方を容認している
場合は,それぞれの流れ方向での試験を行わなければならない。
リスク分析で,血液ポンプの後でのエアの注入経路(例えば,レベル調整ポンプによ
って)が明らかになった場合は,試験は体外循環回路の同ポイントへ指定された速さ
でエアを送ることによって繰り返されなければならない。
図201.101−空気連続注入試験の寸法例付き構成
・ ボーラス気泡混入
− 標準的な中空糸ダイアライザ(例えば表面積11.5 m2),推奨の体外循環回路及びカニ
ューレ(例えば16ゲージ)を適用装置にセットする。
− プライミング後に透析液回路を閉塞又は閉じる。
注記9 これは最悪条件である。脱気された透析液が流れると,ダイアライザで気体が除去されるで
あろう。
− ヘパリン化された血液(ヘマトクリット0.250.35,人血,牛血,豚血)又は適切な試
験液を用いて体外循環回路を作動する。
注記10 適切な試験液は,37 ℃で粘度3.5 mPa・s,かつ,気泡を破砕する界面活性剤を含むものであ
る。
− 試験液の貯蔵容器は,例えば100 cm(±20 cm)に置く。
− 試験液の回収容器は,例えば100 cm(±20 cm)に置く又は液を貯蔵容器へ再循環する。
− 返血(静脈側)カニューレを通して送り込まれるような,いかなるエアも集められるよ
うに目盛付き測定シリンダ又は前の試験と同じ試験チューブを置く。
− ルアーコネクタ付きのT管を血液回路と動脈側(脱血)カニューレとの間に挿入する。
− T管にルアーコネクタ付きのチューブ片(例えば長さ5 cm)を接続する。

――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 26] ―――――

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− 体外循環回路及び前述のチューブ片をプライミングし,チューブ片を閉塞する。
− ポンプ前の負圧が定められた値(例えば0−250 mmHg)になるように血液ポンプの速
度を調整し,かつ,クランプを開いても警報が発生しないこと。
− チューブ片のクランプを開き,かつ,気泡検出器によってアラーム信号が作動するまで
待つ。
− 目盛付き測定シリンダ又は試験チューブに集められたエアの量をチェックする。その量
は,指定されたボーラスの限界より少なければならない。
適用装置がダイアライザの血液の流れ方向を上向き及び下向きの両方を容認している
場合は,それぞれの流れ方向での試験を行わなければならない。
リスク分析で,血液ポンプの後でのエアの注入経路(例えば,レベル調整ポンプによ
って)が明らかになった場合は,体外循環回路の同ポイントへ最大の速さでエアを送
る試験も実施しなければならない。
*201.12.4.4.106 警報オーバライドモード
個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置に適用し,
次による。
a) 治療中は,全ての保護システムが作動しなければならない。
注記1 例外として,次の項目b)を参照。
注記2 この細分箇条の意味する範囲において,治療は患者の血液が体外循環回路から患者に初め
て戻る時に開始したとみなされ,静脈側せん(穿)刺針が外された時に終了したとみなさ
れる。
b) 透析液の組成及び温度の保護システムは,ダイアライザにおいて血液に透析液が最初に接する以前に
作動しなければならない。
c) アラーム状態の間,漏血監視(201.12.4.4.104.2参照)の保護システムには,個別に一時的オーバライ
ドモードを適用してもよい。
d) オーバライドモードの時間は3分を超えてはならない。しかしある臨床条件下では,期限を限定せず
に漏血検出器を完全に又は部分的に無効にしてもよい。
e) オーバライドモードの作動は,保護システムがオーバライドされているという視覚的表示を維持しな
ければならない。
f) 特定の保護システム[項目c)参照]のオーバライドは,次に起こるいかなるアラーム状態にも影響を
与えてはならない。次に起こるアラーム状態は,規定された安全な状態を達成しなければならない。
残留するアラーム状態は,オーバライド時間経過後には再び規定された安全な状態を達成しなければ
ならない。
注記3 この細分箇条の意味する範囲において,オーバライドとは,操作者が意図して保護システ
ムを一時的に無効にすることを選択する場合は,アラーム状態下においても適用装置が機
能できるようにする手段である。治療開始の遅れによる変更は,それによって危険状態を
起こさない場合は,適用装置のオーバライドとはみなされない。
(試験)
適合性は,附属文書の検査及び機能試験によって確認する。
201.12.4.4.107 保護システム
人工腎臓装置に適用し,次による。

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a) 201.12.4.4によって要求される保護システムの故障は,次の期限内に操作者に明らかにされなければな
らない。
b) 201.12.4.4.105(気泡混入)を除く全ての保護システム
− 少なくとも1日1回又はそれが不可能であれば,製造販売業者のリスクマネジメントプロセスでの
決定による。
注記 この要求事項に適合する許容可能な方法は,例えば,
操作者によって起動され,かつ,制御される保護システムの定期的な機能チェック。
操作者によって起動され,かつ,適用装置によって制御される保護システムの定期的
な機能チェック。
適用装置による自己診断のある保護システムの冗長性。
適用装置によって起動され,かつ,制御される保護システムの定期的な機能チェック。
ただし,保護システムの定期的な機能チェックは,単一故障によって保護システムと
同時に故障しないように設計されていなければならない。
c) 201.12.4.4.105(気泡混入)によって要求される保護システム
− 気泡検出器の(最初の)故障の結果として,危険状態を引き起こすような量のエアが患者に混入す
る可能性がある場合は,この故障の検出に要する最大時間が,故障耐容時間として計算される。
気泡検出器と静脈側カニューレの間の体外循環回路の容積を最大の血流量で除したもの。
− 他の場合は,全てb)が適用される。
(試験)
適合性は,機能試験及び故障模擬によって確認する。
201.12.4.4.108 薬品による汚染の防止
a) 個人用透析装置,透析用監視装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置が,洗
浄,滅菌又は消毒モードである間は,患者を治療できてはならない。通則の4.7及び11.8を適用する。
b) 薬品(例えば,水,透析液,消毒剤又は透析液原液)は,単一故障状態下でさえも人工腎臓装置から
いかなる供給ラインへも流れてはならない。
(試験)
適合性は,機能試験及び故障模擬によって確認する。
201.12.4.4.109 *血液ポンプ及び/又は補充液ポンプの逆転
危険状態を引き起こすような治療中の血液ポンプ及び/又は補充液ポンプの意図しない逆転を防ぐ手段
を組み込まなければならない。
適用される危険状態(例えば,動脈側血液回路を介しての気泡混入)は,製造販売業者のリスクマネジ
メントプロセスによって決定されなければならない。ヒューマンエラーも技術的故障と同様に考慮されな
ければならない。
(試験)
適合性は,検査及び機能試験によって確認する。
201.12.4.4.110 運転モードの選択及び変更
運転モードの故意でない選択及び変更は,回避されなければならない。そのとき,ヒューマンエラーも
技術的故障と同様に考慮されなければならない。
(試験)
適合性は,検査及び機能試験によって確認する。

――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 28] ―――――

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201.12.4.4.111 オンラインHDF及びオンラインHF
血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置が,オンライン血液ろ過(オンラインHF)
又はオンライン血液透析ろ過(オンラインHDF)を意図している場合は,製造販売業者の取扱説明書に従
ったときに,これらの装置がオンライン補充液の要求事項(例えば,微生物学的)に適合する補充液を作
り出すことができることを製造販売業者は確かにしなければならない。この要求事項は,単一故障状態下
においても適合しなければならない。
(試験)
適合性は,検査及び機能試験によって確認する。

201.13 危険状態及び故障状態

  次を除き,通則の箇条13を適用する。
201.13.2.6 *液体の漏れ
追加
人工腎臓装置の送液部分は,通常の動作圧力下で漏れた液体が,例えば,沿面距離の短絡などによって
患者を危険状態にさらすことのないように,電気部品に対して遮蔽されていなければならない。
(試験)
適合性は,次の試験によって確認する。
a) 可動部分は,動かしておくか,又は止めておくかいずれか好ましくない状態にしておき,継手,密閉
部分及び破裂する可能性がある配管にピペットを用いて水道水をかける。
かつ,試験a)で疑いがある場合には,
b) 可動部分は,動かしておくか,又は止めておくかいずれか好ましくない状態にしておき,継手,密閉
部分及び破裂する可能性がある配管からシリンジを用いて,人工腎臓装置のその部分に適切な液体を
噴射させる。
これらの処理の後,人工腎臓装置は,絶縁されていない電気部品又は水道水若しくは選択された液体に
よって悪影響を受けやすい絶縁物にぬ(濡)れた痕跡がないことを示さなければならない。疑わしい場合,
人工腎臓装置は,通則の8.8.3に規定される耐電圧試験を受けなければならない。
他の危険状態の決定は,人工腎臓装置の検査によって確認する。

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS)

  次を除き,通則の箇条14を適用する。

201.14.13 *ネットワーク・データ結合によるPEMSの他の機器への接続

追加
ネットワーク・データ結合と人工腎臓装置との間でのデータ転送は,単一故障状態で患者に危険状態を
引き起こしてはならない。

201.15 ME機器の構造

  次を除き,通則の箇条15を適用する。
201.15.4.1 コネクタの構造
追加

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201.15.4.1.101 *透析液原液のコネクタ
個人用透析装置,血液透析ろ過用装置,血液ろ過用装置及び多用途透析装置に適用し,次による。
a) 複数の透析液原液供給容器及び洗浄剤は,適用装置の透析液原液コネクタと機械的接続によって区別
されるか又は恒久的なカラーマークがされてもよい(ISO 13958参照)。
適用装置は,さらに,コネクタの機械的区別によって又はコネクタの色識別によって,患者に危険状態
を引き起こすような複数の透析液原液と洗浄剤の混合を防がなければならない。
注記1 複数の透析液原液を使用する場合,透析液原液ラインの誤接続によって患者に危険状態を引
き起こすような問題が,発生する可能性がある。コネクタの設計及び色識別は,このリスク
を最小限にする方法として認識されている。製造販売業者の取扱説明書に従わない操作によ
って,危険状態を引き起こす可能性があることは常に考えられる。
製造販売業者は,透析液原液の接続において,起こる可能性がある混乱を最小にする取り組みをするこ
とが望ましい。
次の色を透析液原液のコネクタに用いなければならない。
− アセテート用コネクタは,白色でなければならない。
− バイカーボネイト透析のA原液コネクタは,赤色でなければならない。
− バイカーボネイト透析のB原液コネクタは,青色でなければならない。
− 一つのコネクタを異なる透析液原液に使用する場合は,適用装置のコネクタにそれぞれの色表示を貼
らなければならない。例えば,アセテート及びA原液共通コネクタには,白及び赤の表示でなければ
ならない。
(試験)
適合性は,検査によって確認する。
注記2 ISO 13958は,透析液原液の容器の色識別に関する要求事項を提示している。
201.15.4.1.102 *血液圧力トランスデューサ用のコネクタ
JIS T 3248によって規定されるように,血液回路と血液圧力トランスデューサとの間の接続は,ISO
594-2と同等の安全性をもたなければならない。
気泡混入,交さ(叉)感染及び血液損失のような患者へのあらゆるハザードを製造販売業者のリスクマ
ネジメントプロセスにおいて考慮しなければならない。
(試験)
適合性は,機能試験及びリスクマネジメントファイルの検査によって確認する。

201.16 *MEシステム

  次を除き,通則の箇条16を適用する。

201.16.1 MEシステムに対する一般要求事項

追加
この個別規格において,MEシステムは透析の全領域に関して,いまだに包括的には試験されていない。
一つの透析施設において,ある特定の製造販売業者による完璧なMEシステムを明確に確認することは,
しばしば困難であるため,人工腎臓装置の製造販売業者には,MEシステムを考慮したリスクマネジメン
トの適用が推奨される(通則のA.4,4.2及び16.1参照)。

201.16.2 MEシステムの附属文書

d) 責任部門への次の助言

――――― [JIS T 0601-2-16 pdf 30] ―――――

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JIS T 0601-2-16:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-16:2012(MOD)

JIS T 0601-2-16:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0601-2-16:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISB9707:2002
機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST0307:2004
医療機器―医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
JIST0601-1-3:2012
医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
JIST3248:2012
透析用血液回路
JISZ8202:1985
量記号,単位記号及び化学記号
JISZ8203:1964
単位記号
JISZ8203:2000
国際単位系(SI)及びその使い方
JISZ8733:2000
音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―反射面上の準自由音場における実用測定方法
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定