JIST0993-1 : 2020 医療機器の生物学的評価-第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験

JIS T 0993-1:2020の規格概要

この規格 T0993-1は、次の[-医療機器のリスクマネジメントプロセスにおける生物学的評価を管理する一般原則;-身体との接触形態及び接触期間に基づく医療機器のカテゴリ;-適切な出典からの既存データの評価;-要求されるデータセットと既存データとのギャップの特定,その結果に基づくリスク分析;-医療機器の生物学的安全性の評価に必要な追加データの特定;-医療機器の生物学的安全性のリスクアセスメント]について規定。

JIST0993-1 規格全文情報

規格番号
JIS T0993-1 
規格名称
医療機器の生物学的評価-第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
制定年月日
2005/03/25
最新改正日
2020/01/01
JIS 閲覧
 
対応国際規格

ISO

ISO 10993-1:2018(IDT)
国際規格分類

ICS

11.100.20
主務大臣
厚生労働
JISハンドブック
改訂:履歴
  • 2005-03-25制定日
  • 2009-10-01確認日
  • 2012-03-01改正日
  • 2016-10-25確認日
  • 2020-01-01改正日

T 0993-1:2020 (ISO 10993-1:2018)

(1)

目 次

ページ

序文 P.1

1 適用範囲 P.2

2 引用規格 P.3

3 用語及び定義 P.4

4 医療機器の生物学的評価に適用される一般原則 P.7

5 医療機器のカテゴリ分類 P.12

5.1 一般 P.12

5.2 身体との接触形態によるカテゴリ分類 P.12

5.3 接触期間によるカテゴリ分類 P.13

6 生物学的評価のプロセス P.14

6.1 生物学的リスク分析のための物理学的及び化学的情報 P.14

6.2 ギャップ分析及び評価のための生物学的エンドポイントの選択 P.15

6.3 生物学的試験の実施 P.15

7 生物学的評価データの解釈及び総合的な生物学的リスクアセスメント P.21

附属書A(参考)生物学的リスクアセスメントで対処するエンドポイント P.23

附属書B(参考)リスクマネジメントプロセスにおける生物学的評価実施のガイダンス P.28

附属書C(参考)推奨する文献精査の手順 P.42

参考文献 44

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T 0993-1:2020 (ISO 10993-1:2018)

(2)

まえがき

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人

日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案

を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が

改正した日本産業規格である。これによって,JIS T 0993-1:2012は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,この規格の改正公示日から3年間までJIS T 0993-1:2012を適用することができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS T 0993の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS T 0993-1 第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験

JIS T 0993-7 第7部:エチレンオキサイド滅菌残留物

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日本産業規格 JIS

T 0993-1:2020

(ISO 10993-1:2018)

医療機器の生物学的評価−第1部: リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験

Biological evaluation of medical devices-Part 1: Evaluation and testing within a risk management process

序文

この規格は,2018年に第5版として発行されたISO 10993-1:2018を基に,技術的内容及び構成を変更す

ることなく作成した日本産業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

この規格の目的は,医療機器の使用によって生じる潜在的な生物学的リスクからヒトを保護することに

ある。この規格は,医療機器の生物学的評価に関する数多くの国際規格,国内規格及び指針をまとめて作

成した。この規格は,医療機器の開発及び評価のプロセスの一つであるリスクマネジメントプロセスにお

ける生物学的評価についての指針である。あらゆる情報源の調査及び既存データの評価,並びに必要に応

じて追加試験の実施を組み合わせる手法をとることで,個々の医療機器に対する生物学的反応と機器の臨

床使用における安全性とを網羅的に評価することが可能になる。“医療機器”という用語は広範囲に及ぶこ

とに注意する。単一の材料で構成される単純な機器もあれば,複数の材料から製造された部材を数多く含

む複雑な機器もある。

この規格は,特定の医療機器を対象にしたものではなく,広く一般的な立場から医療機器の生体組織に

対する影響評価を対象とする。したがって,生物学的評価を完遂するために,医療機器の使用目的から想

定される生体組織との接触形態及び期間によって医療機器をカテゴリに分類し,それぞれに適切と考えら

れる生物学的エンドポイントを定めた。医療機器の定義(3.14)における注記も参照する。

生物学的ハザードの範囲は,広く複雑である。医療機器は,構成材料と生体組織との相互作用だけを考

えて設計することはできない。生体適合性は,医療機器を設計する上で材料選定で考慮する特性の一つに

すぎない。生体適合性が最良となる材料を選択した結果が,機能性の低い医療機器をもたらす可能性もあ

る。生体組織と相互作用することによって機能を発揮する材料については,それも考慮して生物学的評価

を実施する。

材料によって引き起こされる生体反応が,ある局面では副作用と考えられても,異なる状況では副作用

とは考えられない場合もある。生物学的試験はインビトロ試験,エクスビボ試験及び動物モデルを用いた

試験に基づき実施されるので,その生体反応が,医療機器をヒトに使用したときにも想定される反応であ

るかは慎重に判断すべきである。生物学的試験で認められた組織反応が同様にヒトにも起こるとは限らな

いためである。既に医療用途として確立された材料であっても,ある種の患者には副作用をもたらす場合

があるように,同一材料に対する組織反応には個体差があることも認識しておく必要がある。

この規格の第一の役割は,生物学的評価を計画するための枠組みを提供することにある。第二の役割は,

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2

T 0993-1:2020 (ISO 10993-1:2018)

生物学的評価の基本原理に関する知識の科学進歩を活用し,インビボ試験と同等の毒性学的評価が可能な

方法が存在する場合には,インビトロモデル並びに化学的,物理学的,形態学的及び表面性状のキャラク

タリゼーション試験を優先することによって,実験動物へのばく露及び使用動物数を最小化することにあ

る。

この規格は,合否の判定基準を含む試験方法を厳格に規定するものではない。それらを厳密に規定した

場合,新しい医療機器の開発及び使用に不必要な制約をもたらし,また,医療機器の一般的な使用におい

ても誤った安全観に陥る可能性がある。医療機器の特性によって特殊な試験方法及び判定基準を定めるこ

とが妥当な場合には,当該製品に特有の個別規格の中で規定することが望ましい。

JIS T 0993規格群は,当該医療機器に関連する全ての因子(使用目的,科学文献の精査,臨床使用実績

などの新しい情報も含む。)を考慮しながら,その要求事項を理解し,当該医療機器に対する生物学的評価

結果を判断できる,十分な教育・経験を積んだ資格のある適切な専門家が用いることを想定して作られて

いる。

附属書Aには,生物学的リスクアセスメントで対処するのがよいエンドポイントを記載している。これ

は人体への接触形態及び接触期間のカテゴリ,並びにそのカテゴリに分類される医療機器の生体適合性を

評価する上で推奨される生物学的エンドポイントを確認するために広く役に立つ。附属書Bは,生物学的

評価を含んだリスクマネジメントプロセスを医療機器に適用するためのガイダンスである。

1

適用範囲

この規格は,次の事項について規定する。

− 医療機器のリスクマネジメントプロセスにおける生物学的評価を管理する一般原則

− 身体との接触形態及び接触期間に基づく医療機器のカテゴリ

− 適切な出典からの既存データの評価

− 要求されるデータセットと既存データとのギャップの特定,その結果に基づくリスク分析

− 医療機器の生物学的安全性の評価に必要な追加データの特定

− 医療機器の生物学的安全性のリスクアセスメント

この規格は,次が予測される材料及び医療機器の評価に適用する。

− 使用目的の対象となる患者の身体に直接又は間接的に接触する。

− 手術用手袋,マスクなど保護器具の場合には,使用者の身体に直接又は間接的に接触する。

この規格は,能動型,非能動型,植込み型及び非植込み型を含む全てのタイプの医療機器に適用可能で

ある。

この規格は,次に起因する生物学的ハザードの評価においても指針となる。

− 医療機器の経時的変化が生物学的安全性に影響するリスク

− 医療機器又は構成部品の破損によって生体組織が新規材料にばく露する場合

ISO 10993のその他の部は,生物学的評価及び関連する試験について規定している。機器に固有の規格

は力学的試験の実施についても記載している。

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JIS T 0993-1:2020の対応国際規格一覧

  • ISO 10993-1:2018(IDT)

JIS T 0993-1:2020の引用国際規格一覧

  • ISO 10993-10
  • ISO 10993-2:2006
  • ISO 10993-3
  • ISO 10993-4
  • ISO 10993-5
  • ISO 10993-6
  • ISO 10993-9
  • ISO/TS 10993-20

JIS T 0993-1:2020の国際規格分類一覧

  • 11.100.20

JIS T 0993-1:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
T0993-7
医療機器の生物学的評価-第7部:エチレンオキサイド滅菌残留物
T14971:2012
医療機器-リスクマネジメントの医療機器への適用