JIS T 61331-1:2016 診断用X線に対する防護用具―第1部:材料の減弱特性の決定方法 | ページ 3

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4.5.4 試験品の質量減弱係数の検証
4.5.1で使用する試験品の質量減弱係数は,附属書JAで検証を行うのがよい。
表1−X線ビームの標準線質
X線管電圧a) 総ろ過厚さb) ) : 公称値 第一半価層d) 空気カーマ率d) )
kV mmAl mmCu mmAl mmCu : 近似値
mGy
30 2.5 − 0.99 − 0.1
40 2.5 − 1.44 − 0.2
50 2.5 − 1.81 − 0.3
60 2.5 − 2.14 − 0.4
70 2.5 − 2.44 − 0.5
80 2.5 − 2.77 − 0.6
90 2.5 − 3.10 − 0.8
100 2.5 − 3.44 − 0.9
110 2.5 − 3.79 − 1.0
120 2.5 − 4.13 − 1.2
130 2.5 − 4.48 − 1.4
140 2.5 − 4.82 − 1.6
150 2.5 − 5.17 − 2
200 − 1.2 14.6 1.63 1
250 − 1.8 16.8 2.53 1.5
300 − 2.5 18.6 3.37 2
400 − 3.5 20.8 4.51 3
注a) 線管電圧の出力変動率は,2 %以内及び2 kV以下とする。ただし,X線管電圧の測定が困難な場合,管電圧
150 kV以上では線量率の測定に置き換えてもよい。また,この場合において線量変動率は,2 %以下とする。
b) アルミニウムろ過板は,純度99.9 %を満たすものを用いる。銅ろ過板は,純度99.9 %を満たすものを用いる。
この場合,アルミニウムは2.70 gcm−3,銅は8.90 gcm−3程度である。
c) アルミニウム及び銅のろ過板の厚さの許容差は,公称値から0.1 mm以下とする。
d) 表中のAl及びCuの第一半価層及び空気カーマ率(近似値)は,参考である。
e) 空気カーマ率(近似値)は,管電流10 mAのとき,X線管から1 m地点で測定した場合の参考である。
表2−標準ガンマ線線質
ガンマ線源 線源コード 放射線エネルギー 半減期 線源の空気カーマ率定数
核種名 (ISO 4037-1参照) keV 日 μGyh−1 m2 MBq−1
Cs-137 S-Cs 661.6 11 050 0.079
Co-60 S-Co 1 173.3,1 332.5 1 925.5 0.31

5 減弱特性の決定方法

5.1 減弱比

5.1.1  決定方法
減弱比 F,
N F,
B F,及び
IB FN,R は,それぞれナロービーム条件による測定(4.2),ブロードビーム条件
による測定(4.3),逆ブロードビーム条件による測定(4.4)及び計算による方法(4.5)によって求める。
5.1.2 表示
減弱比を適合宣言書に記載する場合には,次も併せて記載する(箇条6参照)。

――――― [JIS T 61331-1 pdf 11] ―――――

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− 決定方法(ナロービーム,ブロードビーム,逆ブロードビーム,又は計算)
− 線質(X線管電圧及び半価層,又は核種の名称若しくは記号)

5.2 ビルドアップ係数

5.2.1  決定方法
ビルドアップ係数Bは,ナロービーム条件及びブロードビーム条件又は逆ブロードビーム条件による減
弱比を用いて次の式によって求める。
FN FN
B 又は B
FB FIB
ここに, F :
N ナロービーム条件(4.2)によって測定する減弱比
F :
B ブロードビーム条件(4.3)によって測定する減弱比
F :
IB逆ブロードビーム条件(4.4)によって測定する減弱比
これらの減弱比は,それぞれ同じX線設備のビームで測定したものを用いる。
5.2.2 表示
ビルドアップ係数を適合宣言書に記載する場合には,線質(X線管電圧及び半価層,又は核種の名称若
しくは記号)も併せて記載する(箇条6参照)。

5.3 減弱当量

5.3.1  決定方法
減弱当量 試験品と減弱とが同じになる参照物質の厚さとして求める。
減弱当量 N
B IB びN,R は,試験品及び参照物質に対する減弱比 F,
N F,
B F及び
IB FN,R を,そ
れぞれ,ナロービーム条件(4.2),ブロードビーム条件(4.3)及び逆ブロードビーム条件(4.4)による測
定,又は4.5によって計算して求め,それらの比較から求める。試験品及び参照物質の測定は,同じX線
設備の同じビームで行う。
注記 試験品及び参照物質に対する減弱比の比較から,減弱当量を次の手順で求めることができる。
a) 参照物質は,厚さが既知であり寸法が測定に用いるビーム径より大きく,純度が99.9 %以
上のものを用いることが望ましい。
b) 厚さの異なる3枚以上の参照物質を用いて,参照物質の減弱比及び厚さから減弱率曲線を
作成する。このとき,参照物質の厚さは,試験品の減弱比が減弱率曲線の範囲に収まるよ
うに選ぶことが望ましい。
c) 減弱率曲線から,補間法で試験品の減弱比と同じ減弱比を示す参照物質の厚さを求め,試
験品の減弱当量とすることが望ましい。
5.3.2 表示
減弱当量を適合宣言書に記載する場合には,mm単位で表示し,次も併せて記載する(箇条6参照)。
− 参照物質を示す元素記号,その他の表示
− 測定方法(ナロービーム,ブロードビーム,逆ブロードビーム,又は計算)
− 線質(X線管電圧及び半価層,又は核種の名称若しくは記号)

5.4 鉛当量

5.4.1  決定方法
鉛当量は,板状の鉛を参照物質とした場合の減弱当量として求める。
注記 試験品及び鉛に対する減弱比の比較から,鉛当量を次の手順で求めることができる。
a) 鉛は,厚さが既知であり寸法が測定に用いるビーム径より大きく,純度が99.9 %以上のも

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のを用いることが望ましい。
b) 厚さの異なる3枚以上の鉛を用いて,鉛の減弱比及び厚さから減弱率曲線を作成する。こ
のとき,鉛の厚さは,試験品の減弱比が減弱率曲線の範囲に収まるように選ぶことが望ま
しい。
c) 減弱率曲線から,補間法で試験品の減弱比と同じ減弱比を示す鉛厚さを求め,試験品の鉛
当量とすることが望ましい。
5.4.2 表示
鉛当量を適合宣言書に記載する場合には,mm単位で表示し,次も併せて記載する(箇条6参照)。
− 鉛を示す元素記号
− 測定方法(ナロービーム,ブロードビーム,逆ブロードビーム,又は計算)
− 線質(X線管電圧及び半価層,又は核種の名称若しくは記号)

5.5 指定した範囲の線質に対する鉛当量

5.5.1  材料
X線診断における防護衣及び患者用の防護用具の材料(JIS T 61331-3)に対して,指定した範囲の線質
に対する鉛当量値を定義して用いる。この鉛当量値の割当てに関する条件は,5.5.25.5.4のとおりとする。
5.5.2 標準厚さ
範囲で指定した線質に対する防護材料の鉛当量は,次に示す鉛厚さの等級のうちいずれかに割り当てて,
鉛標準厚さとする。鉛標準厚さの等級として,次の四つを用いる。
鉛標準厚さ : 0.25 mm,0.35 mm,0.5 mm,1 mm
5.5.3 鉛当量等級への割当ての条件
表1に規定されたエネルギー範囲(30 kV150 kV)の中から選択した範囲における指定の線質に対して,
防護材料が次の条件を満たす場合,該当する等級の鉛標準厚さを,鉛当量として割り当てる。
逆ブロードビーム条件(4.4)による方法で測定した鉛当量が,5.5.2から指定した鉛標準厚さ以上とな
る場合,このとき,測定した鉛当量値が鉛標準厚さに適合する場合に許容される相対標準不確さは,7 %
とする。
注記 相対標準不確かさが7 %許容されるため,鉛標準厚さPb
tと試験品の鉛当量値
IB
係が,IB
tとなる可能性がある。
≧0.93Pb
5.5.4 表示
指定した範囲の線質に対する鉛当量を適合宣言書に記載する場合には,鉛標準厚さの等級の値をmm単
位で表示し,次も併せて記載する(箇条6参照)。
− 鉛を示す元素記号
− 測定方法(ナロービーム,ブロードビーム,逆ブロードビーム,又は計算)
− 線質の範囲(X線管電圧及び半価層,又は核種の名称若しくは記号)

5.6 均一性

5.6.1  決定方法
防護材料の均一性は,ナロービーム条件(4.2)によって測定した減弱比 F及び,それに対応する減弱
N
当量
N,i
殊問 する。
− 減弱当量
N,i
次のi個の測定点又は方向で測定する。
・ 試験品の面上における510か所の代表的な点,又は
・ 代表的な連続する幾つかの方向

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− 求めたi個の減弱当量を用いて,次のように平均減弱当量 N
び均一性からの偏差Vを求める。
n
1
N N,i
2 i1
V N
N,i
max
5.6.2 表示
不均一性を適合宣言書に記載する場合には,許容差として減弱当量と併せて同じ単位で記載する(箇条
6参照)。
例 3 mm±0.2 mmPb,ナロービーム,100 kV,HVL=3.44 mmAl

6 適合宣言

  減弱特性について,材料がこの規格の全ての要求事項に適合したことを適合宣言書に記載する場合には,
次のように表示する。
例えば,
− 減弱比 2×102 : ナロービーム 200 kV HVL=1.64 mmCu JIS T 61331-1:2016
− 減弱比 20 : ナロービーム Cs-137 JIS T 61331-1:2016
− 減弱比 15 : 計算 Ir-192 JIS T 61331-1:2016
− ビルドアップ係数 1.4 : 150 kV HVL=5.17 mmAl JIS T 61331-1:2016
− 減弱当量 2 mmFe : ナロービーム 100 kV HVL=3.44 mmAl JIS T 61331-1:2016
− 減弱当量 2 mm±0.1 mmFe : ナロービーム 100 kV HVL=3.44 mmAl JIS T 61331-1:2016
− 鉛当量 1 mmPb : ナロービーム 300 kV HVL=3.37 mmCu JIS T 61331-1:2016
− 鉛当量 1 mmPb : ブロードビーム 300 kV HVL=3.37 mmCu JIS T 61331-1:2016
− 鉛当量 0.25 mmPb : 逆ブロードビーム 60−120 kV JIS T 61331-1:2016

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附属書A
(参考)
減弱比表,ビルドアップ係数表,及び第一半価層表
表A.1表A.5では,表1の線質に幾つかの厚さの鉛板を加えた場合の減弱比,ビルドアップ係数,及
び第一半価層についての計算値を示している。この計算は,ドイツ連邦物理技術研究所
(Physikalisch-Technische Bundesanstalt: PTB,Braunschweig,Germany)で計測された一次光子フルエンス
スペクトルに基づいて行われている。これらの値は実験結果を確認するための指針として有用である。実
測値とこれらの計算値との間には,光子フルエンススペクトル及び放射線検出器の違いに起因して,数%
の違いが生じる可能性がある。

――――― [JIS T 61331-1 pdf 15] ―――――

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JIS T 61331-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61331-1:2014(MOD)

JIS T 61331-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 61331-1:2016の関連規格と引用規格一覧

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