JIS T 6517:2011 歯冠用硬質レジン | ページ 3

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図5−三点曲げ試験の原理(参考)
7.6.2 試験片の作製
7.6.2.1 第1種(加熱重合型)及び第2種(化学重合型)
試験片は,次によって5個作製する。
a) 透明ガラス板又は金属板にポリエステルフィルムを載せ,その上に分割型を置く。
b) 製造販売業者が指定する方法によって試料を調製し,直ちに分割型の中にやや過剰に入する。その
上にポリエステルフィルムを置いて,更に透明ガラス板又は金属板を載せる。加圧器具で加圧し,余
分な試料を押し出す。
c) 製造販売業者が指定する方法によって硬質レジンを重合する。
d) 重合終了から15分後に試験片を取り出し,研磨紙を用いて,ばりを除去する。このとき,ばり以外の
面に研磨紙が触れないようにする。
e) 試験の開始まで37±1 ℃に設定した水中に試験片を保存する。
7.6.2.2 第3種(光重合型)及び第4種(デュアルキュア型)
試験片は,次によって5個作製する。
a) 透明ガラス板に白色ろ紙を載せ,その上にポリエステルフィルムを載せ,更にその上に分割型を置く。
b) 製造販売業者が指定する方法によって試料を調製し,直ちに分割型の中にやや過剰に入する。その
上にポリエステルフィルムを置いて,更に透明ガラス板を載せる。加圧器具で加圧し,余分な試料を
押し出す。
c) 製造販売業者が指定する方法によって,上側の透明ガラス板を通して光照射し硬質レジンを重合する。
d) 両方の透明ガラス板及び白色ろ紙を取り除き,反対側から試験片に光照射する。
e) 重合終了から15分後に試験片を取り出し,研磨紙を用いて,ばりを除去する。このとき,ばり以外の
面に研磨紙が触れないようにする。
f) 試験の開始まで37±1 ℃に設定した水中に試験片を保存する。
7.6.3 手順
試験片作製開始から24時間後に試験片を水中から取り出し,幅及び厚さを0.01 mmの精度まで測定す
る。曲げ装置で,クロスヘッドスピード1.0±0.3 mm/min又は荷重速度50±16 N/minで破折するまで荷重
を加える。第3種及び第4種では,最初に光照射した試験片面が荷重プランジャ側になるようにして荷重
を加える(図5参照)。
曲げ強さは,次の式によって求める。
B 3FL
2
2bh
ここに, σB : 曲げ強さ (MPa)
F : 最大荷重 (N)
L : 支点間距離 (mm)

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b : 試験片の幅 (mm)
h : 試験片の厚さ (mm)
7.6.4 評価
曲げ強さの評価は,次による。
a) 試験片の4個以上が5.7に適合したときに,合格とする。
b) 試験片の2個以下が5.7に適合したときは,不合格とする。
c) 試験片の3個だけが5.7に適合したときは,試験全体(試験片5個)を繰り返し,5個が5.7に適合し
たときに,合格とする(表3参照)。
表3−評価の一覧
適合試験片の数 合格・不合格
第1回試験
45 合格
3 試験全体を繰り返す
02 不合格
第2回試験
5 合格
04 不合格

7.7 接着強さ

7.7.1  器具,材料及び装置
7.7.1.1 ステンレス鋼製の型 厚さ2.5±0.05 mmの平板に円形の孔をもつもの。孔は,片側開口部の直径
が5±0.1 mm,反対側の開口部の直径が4.9±0.1 mmの僅かに円すい(錐)状とし,開口部の周縁が鋭角
のもの。
なお,硬化後の硬質レジンが型に固着するのを防止するためには,離型材(例えば,ポリビニルステア
リルエーテルワックスの3 %ヘキサン溶液)を型に塗布してもよい。
7.7.1.2 金属板 クラウン及びブリッジの製作に適した金属を用いて,寸法が9 mm以上×9 mm以上×(2
±0.5) mの平板を鋳造又は加工によって作製したものを5個用意する。用いる金属は,製造販売業者の
指定による。製造販売業者が指定しない場合には,JIS T 6106又はJIS T 6116に規定された金属に適合す
るものを用いる。金属板の試験面は,平面とし,金属の製造販売業者が指定する方法によって仕上げを行
う。
7.7.1.3 重合装置 製造販売業者が指定するもの。
7.7.1.4 サーマルサイクリング装置 サーマルサイクリング装置は,次のa) 又はb) のいずれかを用いる。
また,水槽に用いる水は,水道水でもよい。
a) 試験片を,5±1 ℃の水槽中に3035秒間,次いで55±1 ℃の水槽中に3035秒間の繰返浸せき(漬)
を5 000回行えるもの。
b) 試験片を,4±1 ℃の水槽中に6065秒間,次いで55±1 ℃又は60±1 ℃の水槽中に6065秒間の
繰返浸せきを5 000回行えるもの。
7.7.1.5 せん断試験装置 金属板の表面から0.5±0.02 mmの距離に荷重できるもの(例えば,図6に示す
装置)。
7.7.1.6 圧縮試験装置 1.0±0.3 mm/minの一定クロスヘッドスピード又は一定荷重速度50±16 N/minを

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もち,荷重を精度±2 %で記録するシステムが附属したもの。
7.7.1.7 ポリエステルフィルム 厚さ50±30 μmの酸素不透過性で,無色透明なもの。
単位 mm
1 固定ねじ
2 固定板
3 プランジャ
4 ストップピン
図6−せん断試験装置の例
7.7.2 試験片の作製
試験片は,次によって5個作製する。
a) 接着システムの製造販売業者が指定する方法によって,金属板の表面を処理する。
b) 硬質レジンの製造販売業者が指定する方法によって,金属板の接着領域にオペークレジンを塗布し,
硬化させる。
c) ステンレス鋼製の型を,直径の大きい方の開口部をオペーク層の方へ向けて,オペーク層の上に置く。
d) この型の中に硬質レジンをやや過剰に入し,ポリエステルフィルムを載せ,圧接する。
注記 硬質レジンを入するときに,型が動かないように,クランプを用いて,この型を金属板上
に固定するとよい。
e) 製造販売業者が指定する方法によって,硬質レジンを硬化させる。
7.7.3 手順
手順は,次による。
a) 硬質レジンを硬化させた後,型を取り除いて,試験片を23±2 ℃で24±2 時間保存する。
b) サーマルサイクリング装置を用いて,次の1) 又は2) のいずれかによって,繰返浸せきを5 000回行
う。
1) 試験片を,5±1 ℃の水槽中に3035秒間,次いで 55±1 ℃の水槽中に3035秒間
2) 試験片を,4±1 ℃の水槽中に6065秒間,次いで 55±1 ℃又は60±1 ℃の水槽中に6065秒間
c) 試験片を水から取り出し,硬質レジンの接着部の直径を,互いに直角な2方向で測定する。その平均
直径を用いて,接着面積(A)を求める。
d) 試験片を乾燥させないで,せん断試験装置(図6)に取り付ける。金属板をせん断試験装置の基板に
接触させる。

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e) これを圧縮試験装置に取り付け,1.0±0.3 mm/minの一定クロスヘッドスピード又は50±16 N/minの
荷重速度で試験片に荷重を加え,破断時の荷重(F)を記録する。
f) 接着強さは,次の式によって求める。
B F
A
ここに, B : 接着強さ(MPa)
F : 破断時の荷重(N)
A : 接着面積(mm2)
7.7.4 評価
接着強さの評価は,次による。
a) 試験片の4個以上が5.8に適合したときに,合格とする。
b) 試験片の2個以下が5.8に適合したときは,不合格とする。
c) 試験片の3個だけが5.8に適合したときは,試験全体(試験片5個)を繰り返し,5個が5.8に適合し
たときに,合格とする(表3参照)。

7.8 吸水量及び溶解量

7.8.1  器具,材料及び装置
7.8.1.1 スプリットリング 厚さ1±0.1 mmのもの(図2参照)。
7.8.1.2 透明ガラス板又は金属板 寸法がおよそ20 mm×20 mm×5 mmのもの。
7.8.1.3 加圧器具 小形スクリュークランプ又は同等の機能をもつもの(図4参照)。
7.8.1.4 重合装置 製造販売業者が指定するもの。
7.8.1.5 ピンセット プラスチック製のもの。
7.8.1.6 恒温器 37±1 ℃に設定できるもの。
7.8.1.7 デシケータ 130 ℃以上で3時間以上乾燥させたシリカゲルを入れたもの2個。
7.8.1.8 天びん 感量0.05 mgのもの。
7.8.1.9 白色ろ紙
7.8.1.10 ポリエステルフィルム 厚さ50±30 μmの酸素不透過性で,無色透明のもの。
7.8.1.11 アルミナ研磨粉末 粒径約0.3 μmのもの。
7.8.1.12 水 精製水又は蒸留水
7.8.2 試験片の作製
試験片は,次によって5個作製する。
a) 第3種及び第4種は,白色ろ紙を透明ガラス板の上に載せ,その上にポリエステルフィルムを置き,
その他の種類では,直接透明ガラス板の上にポリエステルフィルムを置く。
b) その上にスプリットリングを載せ,製造販売業者が指定する方法によって調製した試料を気泡が入ら
ないようにやや過剰に入する。
c) 試料に,まずポリエステルフィルム,次いでもう1枚の透明ガラス板を載せ,加圧器具で余分な試料
をゆっくりと押し出す。
d) 製造販売業者が指定する方法によって重合する。第3種及び第4種については,最初に上側の透明ガ
ラス板を通して光照射した後,両方の透明ガラス板及び白色ろ紙を取り除いて,反対側から試料に光
照射する。
e) スプリットリングから試験片を分離した後,試験片の両面を水に懸濁させたアルミナ研磨粉末とフェ

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ルトとを用いて,1.0±0.2 mmの厚さに光沢研磨する。試験片の汚染を避けるために,研磨後は常に
ピンセットを用いて試験片を取り扱う。
f) 試験片の直径を,直交する2か所で0.01 mmの単位で測定し,平均直径を求める。試験片の厚さを,
中心及び円周上の等間隔な4点において0.01 mmの単位で測定し,平均厚さを求める。平均直径及び
平均厚さから体積(V)を求める。
7.8.3 手順
手順は,次による。
a) 研磨した試験片を37±1 ℃に設定したデシケータ中に保存する。
b) 22時間後に試験片を取り出し,23±2 ℃に保った別のデシケータに2時間保存する。その後,0.1 mg
の単位でひょう(秤)量する。試験片の質量減が24時間内に0.1 mgより少なくなるまで,乾燥手順
を続け,測定を繰り返す。最終質量をm1とする。
c) 試験片を37±1 ℃に設定した20 mLの水中に7日間保存した後,取り出し,水で洗い,白色ろ紙を用
いて表面の水滴を除去する。その後,空気中で15秒間振り,水中から取り出したときから1分後にひ
ょう量する。この質量をm2とする。
d) ひょう量後,a) 及びb) の手順によって再び乾燥した試験片の最終質量をm3とする。
e) 各試験片の吸水量及び溶解量は,次の式によって求める。
m2 m3
ws
V
m1 m3
s1
V
ここに, ρws : 吸水量 (μg/mm3)
ρsl : 溶解量 (μg/mm3)
m1 : 水中保存前の乾燥試験片の質量 (μg)
m2 : 7日間水中保存後の試験片の質量 (μg)
m3 : 水中保存後再び乾燥した試験片の質量 (μg)
V : 試験片の体積 (mm3)
7.8.4 評価
7.8.4.1 吸水量
吸水量の評価は,次による。
a) 試験片の4個以上が5.9に適合したときに,合格とする。
b) 試験片の2個以下が5.9に適合したときは,不合格とする。
c) 試験片の3個だけが5.9に適合したときは,試験全体(試験片5個)を繰り返し,5個が5.9に適合し
たときに,合格とする(表3参照)。
7.8.4.2 溶解量
溶解量の評価は,次による。
a) 試験片の4個以上が5.10に適合したときに,合格とする。
b) 試験片の2個以下が5.10に適合したときは,不合格とする。
c) 試験片の3個だけが5.10に適合したときは,試験全体(試験片5個)を繰り返し,4個以上が5.10に
適合したときに,合格とする(表4参照)。
注記 溶解量に関する試験は,技術的熟練を要するものであるため,2回目の試験後の要求を,この

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JIS T 6517:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10477:2004(MOD)

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