JIS T 8150:2006 呼吸用保護具の選択,使用及び保守管理方法

JIS T 8150:2006 規格概要

この規格 T8150は、工場,鉱山などの事業場,火災現場,船舶,トンネル[ずい(隧)道],その他の場所において,酸素欠乏空気,粒子状物質,ガス,蒸気などを吸入することによって,人体に有害のおそれがあるときに使用する呼吸用保護具の選択,使用及び保守管理方法について規定。

JIST8150 規格全文情報

規格番号
JIS T8150 
規格名称
呼吸用保護具の選択,使用及び保守管理方法
規格名称英語訳
Guidance for selection, use and maintenance of respiratory protective devices
制定年月日
1985年7月15日
最新改正日
2015年10月26日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

13.340.30
主務大臣
経済産業,厚生労働
JISハンドブック
溶接 II(製品) 2021, 労働安全・衛生 2019
改訂:履歴
1985-07-15 制定日, 1990-11-15 確認日, 1992-07-15 改正日, 2002-03-25 確認日, 2006-04-25 改正日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-26 確認
ページ
JIS T 8150:2006 PDF [25]
                                                                                   T 8150 : 2006

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本保安
用品協会(JSAA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)
である。これによって,JIS T 8150:1992は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本
工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願
公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS T 8150 には,次に示す附属書がある。
附属書(規定)大気じんを用いた呼吸用保護具の防護係数決定の手順

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS T 8150 pdf 1] ―――――

T 8150 : 2006

pdf 目 次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 選択・・・・[2]
  •  4.1 環境空気の有害の程度による選択・・・・[2]
  •  4.2 使用条件による選択・・・・[3]
  •  4.3 着用者の条件・・・・[5]
  •  4.4 呼吸用保護具の防護性能による選択・・・・[5]
  •  4.5 環境条件によるろ過式呼吸用保護具の選択・・・・[7]
  •  4.6 法令による呼吸用保護具の選択・・・・[7]
  •  4.7 呼吸用保護具使用の計画・・・・[7]
  •  5. 使用方法・・・・[7]
  •  5.1 呼吸用保護具の機能,特徴及び使用上の注意事項・・・・[7]
  •  5.2 使用前点検・・・・[7]
  •  5.3 面体と顔面とのフィットネスの検討・・・・[7]
  •  5.4 呼吸用保護具使用の計画に関する注意事項・・・・[9]
  •  5.5 IDLH環境での使用・・・・[9]
  •  5.6 換気が不十分な場所での使用・・・・[9]
  •  5.7 給気式呼吸用保護具に使用する酸素及び空気の品質・・・・[9]
  •  5.8 高気圧下での使用・・・・[9]
  •  5.9 低温下及び高温下での使用・・・・[10]
  •  5.10 めがねなどの使用・・・・[11]
  •  5.11 会話装置・・・・[11]
  •  5.12 危険区域からの脱出・・・・[11]
  •  6. 管理責任者の責務・・・・[11]
  •  7. 着用者の教育及び訓練・・・・[11]
  •  7.1 着用者の教育・・・・[11]
  •  7.2 着用者の訓練・・・・[12]
  •  8. 保守管理・・・・[12]
  •  8.1 清浄化及び消毒・・・・[12]
  •  8.2 保守管理上の注意事項・・・・[12]
  •  8.3 部品交換の場合の注意事項・・・・[13]
  •  8.4 保管上の注意事項・・・・[13]
  •  8.5 廃棄基準・・・・[13]
  •  附属書(規定)大気じんを用いた呼吸用保護具の防護係数決定の手順・・・・[21]

――――― [JIS T 8150 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
T 8150 : 2006

呼吸用保護具の選択,使用及び保守管理方法

Guidance for selection, use and maintenance of respiratory protective devices

1. 適用範囲

 この規格は,工場,鉱山などの事業場,火災現場,船舶,トンネル[ずい(隧)道],その
他の場所(以下,作業場などという。)において,酸素欠乏空気,粒子状物質,ガス,蒸気などを吸入する
ことによって,人体に有害のおそれがあるときに使用する呼吸用保護具の選択,使用及び保守管理方法に
ついて規定する。
備考 対象の呼吸用保護具を,付図1に示す。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 1101 酸素
JIS M 7601 圧縮酸素形循環式呼吸器
JIS M 7611 一酸化炭素用自己救命器(COマスク)
JIS M 7651 閉鎖循環式酸素自己救命器
JIS T 8001 呼吸用保護具用語
JIS T 8151 防じんマスク
JIS T 8152 防毒マスク
JIS T 8153 送気マスク
JIS T 8155 空気呼吸器
JIS T 8156 酸素発生形循環式呼吸器
JIS T 8157 電動ファン付き呼吸用保護具
JIS T 8159 呼吸用保護具面体の漏れ率試験方法

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 8001によるほか,次による。
a) DLH 生命及び健康に直ちに危険を及ぼす環境空気の状態(Immediately dangerous to life or health の
省略語)。
b) ばく(曝)露限界濃度 週40時間程度,有害物質にばく(曝)露される場合に,ほとんどすべての労
働者に健康上の悪い影響が見られないと判断されるばく(曝)露濃度範囲の最高値。
参考 学会などの専門家団体が物質ごとに公表しているばく(曝)露限界濃度勧告値を参照すること
ができる。
c) 濃度倍率 呼吸用保護具を使用する環境の空気中に存在する有害物質の濃度の,ばく(曝)露限界濃
度に対する倍率。次の式によって算出する。

――――― [JIS T 8150 pdf 3] ―――――

2
T 8150 : 2006
濃度倍率=環境中の有害物質濃度/有害物質のばく(曝)露限界濃度
d) 指定防護係数 実験室内で測定された多数の防護係数値の代表値。訓練された着用者が,正常に機能
する呼吸用保護具を正しく着用した場合に,少なくとも得られるであろうと期待される防護係数。

4. 選択

 呼吸用保護具は,次の諸条件によって,適切なものを選択しなければならない。ただし,法令
などに定めがある場合は,それによる。

4.1 環境空気の有害の程度による選択

 作業場などの環境空気の有害の程度によって呼吸用保護具を選
択する場合は,4.1.1に規定する酸素濃度による選択をした後,4.1.2に規定する有害物質の濃度による選
択を行う(付表1参照)。両者によって選択される呼吸用保護具の種類が異なる場合は,次による。
a) 4.1.1 a)又はb)に該当する場合は,それぞれで必要とされる防護係数を4.1.2で必要とされる防護係数
と比較し,数値が異なる場合は高い方の防護係数をもつ給気式呼吸用保護具を選択する。
b) 4.1.1 c)に該当する場合は,4.1.2によって呼吸用保護具を選択する。
この場合,選択の基準とする防護係数は,通常,着用者が実際に呼吸用保護具を装着して測定した値を
用いる。着用者が実際に呼吸用保護具を装着して防護係数を測定することができない場合は,付表2の指
定防護係数を用いることができる。詳細は,4.1.1及び4.1.2による。
4.1.1 酸素濃度による選択 空気中の酸素濃度による呼吸用保護具の選択は,次による。
規定された酸素濃度の数値は,大気圧下の数値であるので,気圧の低い場所では,濃度換算をする必要
がある。
a) 酸素濃度が14 %未満又は不明の場合
1) ろ過式呼吸用保護具は使用してはならない。
2) 全面形面体で防護係数が30以上の給気式呼吸用保護具で,かつ,面体の脱落のおそれのないものを
選択する。
なお,送気マスクを使用する場合は,次のいずれかを選択する。
− 全面形面体をもつ複合式エアラインマスク
− 全面形面体をもつ緊急時給気切替警報装置付きエアラインマスク
b) 酸素濃度が14 %以上,かつ,18 %未満の場合
1) ろ過式呼吸用保護具は使用してはならない。
2) 防護係数 10以上の給気式呼吸用保護具を選択する。
c) 酸素濃度が18 %以上の場合 有害物質が存在する場合は,ろ過式又は給気式呼吸用保護具を使用す
る。ただし,ろ過式の場合は,対象とする有害物質を除去することができるものでなければならない
(4.5参照)。
4.1.2 有害物質の濃度による選択 対象とする有害物質の濃度が,次のa) c) に示す範囲にあるとき,
それぞれの範囲に適した呼吸用保護具の種類の中から選ぶことができる。ただし,酸素濃度が18 %未満
の場合は4.1.1のa) 及び b) によって,給気式呼吸用保護具を選択しなければならない。また,空気中の
有害物質が目に障害を与える物質である場合には,使用可能な呼吸用保護具の中から,目を保護すること
ができる全面形面体,フード,フェイスシールドなどが取り付けられているものを選択することが必要で
ある。
a) 有害物質の濃度がIDLH環境の場合,濃度倍率が1 000を超える場合及び有害物質の種類又は濃度が
不明な場合
1) 次のいずれかの呼吸用保護具を選択しなければならない。

――――― [JIS T 8150 pdf 4] ―――――

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T 8150 : 2006
− 全面形面体をもつプレッシャデマンド形空気呼吸器
− 全面形面体をもつ陽圧形の圧縮酸素形循環式呼吸器
− 全面形面体をもつプレッシャデマンド形複合式エアラインマスク
− 全面形面体をもつ緊急時給気切替警報装置付きプレッシャデマンド形エアラインマスク
2) 対象とする有害物質の濃度範囲の上限がIDLH濃度になる可能性があるときは,IDLH環境とみなす。
b) 有害物質の濃度が,IDLH環境よりは低いが,ばく(曝)露限界濃度を超える場合 空気中の有害物
質の濃度変動を考慮し,変動範囲の最高濃度に相当する濃度倍率によって,次の1)3)で規定する呼
吸用保護具の中から,防護係数が濃度倍率より高い種類を選択する。ただし,ろ過式呼吸用保護具の
場合は,対象物質を除去することができるものでなければならない(4.5参照)。
1) 濃度倍率が100を超え,1 000以下の場合 次の呼吸用保護具を,防護係数が濃度倍率以上であるこ
とを確認した後,使用することができる。
− 全面形面体をもつプレッシャデマンド形空気呼吸器
− 全面形面体をもつ陽圧形の圧縮酸素形循環式呼吸器
− 全面形面体をもつプレッシャデマンド形エアラインマスク
2) 濃度倍率が50を超え,100以下の場合 次の呼吸用保護具を,防護係数が濃度倍率以上であること
を確認した後,使用することができる。
− 全面形面体をもつプレッシャデマンド形空気呼吸器
− 全面形面体をもつ陽圧形の圧縮酸素形循環式呼吸器
− 全面形面体をもつプレッシャデマンド形エアラインマスク
− 全面形面体をもつ一定流量形エアラインマスク
− 全面形面体をもつ送風機形ホースマスク
− 全面形面体をもつ動力付き及び動力なしろ過式呼吸用保護具(1)
注(1) 動力付きろ過式呼吸用保護具は面体内部を常に陽圧に保つことのできる送風量があるものでな
ければならない。全面形面体をもつ動力付き及び動力なしろ過式呼吸用保護具は,濃度倍率が
50を超え100以下の場所では,防護係数の実測値が50を超える場合だけ,防護係数に対応す
る濃度倍率までの場所で使用することができる。対象とする有害物質が粒子状物質の場合は,
99%以上を除去できるフィルタをもつものでなければならない。
3) 濃度倍率がばく(曝)露限界濃度を超え,50以下の場合 防護係数が濃度倍率以上のすべての呼吸
用保護具を使用することができる。
c) 有害物質の濃度がばく(曝)露限界濃度以下の場合 臭気又は刺激を感じる場合は,対象物質を除去
することのできるろ過式呼吸用保護具又は給気式呼吸用保護具を使用する。

4.2 使用条件による選択

 使用条件によって呼吸用保護具を選択する場合は,次の項目について考慮す
る必要がある。
4.2.1 定常作業における作業の特徴及び留意点 定常作業における作業の特徴及び留意点は,次による。
a) 作業強度が大きい作業では,呼吸量が大きくなることから,着用者の呼吸の負担が過剰にならない呼
吸用保護具を選択する必要がある。
b) 呼吸用保護具を着用しなければならない作業の時間は,可能な限り短くすることが望ましい。そのた
めに,汚染空気の排出,ろ過及び汚染物質の低有害物質への代替などの工学的対策を基本とし,これ
らの対策によっても除去できない有害物質へのばく(曝)露から作業者を保護する手段として,呼吸
用保護具使用の計画を立てることが必要である。

――――― [JIS T 8150 pdf 5] ―――――

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JIS T 8150:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 8150:2006の関連規格と引用規格一覧

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