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5 リスクマネジメントによる設計
リスクマネジメントによる設計は,次の事項について実施し,製造業者又は輸入業者などは実施手順及
び実施結果を,文書化し,維持しなければならない。
なお,福祉用具全般に想定されるハザード及び関連する要因にも配慮することが望ましい。それらを附
属書Aに例示する。
a) 固定形手すりにおけるリスクマネジメントによる設計を,次の事項について実施しなければならない。
1) 製品上に存在する隙間について,10.7の試験で評価されない箇所のリスク。
2) 固定形手すりと支持構造体及び周辺の固定構造体との間に身体の一部が挟まって抜けなくなるリス
ク。
3) 固定形手すりの突起などで衣服などが絡みつくリスク,及び固定形手すりの端部などが袖口に入り
込むリスク。
4) 固定形手すりを構成する部品の材料(表面の塗装,皮膜,その他の表面処理を含む。)が人体に対し
て化学的危害(アレルギー,毒性など)及び表面温度変化などによる危害(やけどなど)を及ぼす
リスク。
5) 固定形手すりを取り付ける支持構造体を破壊・破損するリスク。
b) 個別製品の設計においては,a) 以外に想定されるリスクはないか考慮し,あればリスクマネジメント
を実施する項目として付け加えなければならない。
c) リスクマネジメントによってリスクを低減させた後にも残るリスクは,残留リスクとして説明書に示
さなければならない。
6 性能
性能は,表2による。
表2−性能
項目 性能 設置場所 試験項目
室内・屋内 屋外
静的強度 鉛直方向 右欄に示す試験によって製品を試験した結果,締 ○ ○ 10.4.1
水平方向 結部品を含む固定形手すりを構成する各部に使 ○ ○ 10.4.2
耐久性 鉛直方向 用上支障となる変形があってはならない。 ○ ○ 10.5.2
水平方向 ○ ○ 10.5.3
耐候性 右欄に示す条件に適合しなければならない。 − ○ 10.6
“○”は適用すること,“−”は適用しないことを示す。
7 形状・寸法
7.1 握り部の形状・寸法
固定形手すりの握り部が円形である場合,ノギスで太さを測定したとき,その径は25 mm45 mmを推
奨寸法とする。それ以外の形状である場合は,人間工学的に握りやすい形状であることが望ましい。
7.2 固定形手すりの握り部と支持構造体との間の寸法
固定形手すりの握り部と支持構造体との間の寸法は,30 mm以上とする。ただし,点手すりは対象外と
する。また,折りたたみなどの方法で収納可能な固定形手すりは,収納時の手すりと支持構造体との間の
寸法は対象外とする。
――――― [JIS T 9282 pdf 6] ―――――
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7.3 固定形手すりの製品上の隙間
使用者の頭部又はけい(頸)部が固定形手すりの隙間に挟み込まれるリスクが想定される場合には,10.7
に規定する試験を実施し,これに適合しなければならない。ただし,試験に適合できるように設計し直す
ことによって,製品の用途・使用方法が著しく阻害される場合には,設計変更はせずにリスクマネジメン
トで対応するものとする。
8 外観
外観は,目視及び触感によって製品を調べたとき,次の事項を満足しなければならない。
a) 仕上げは良好で,各部に変形,亀裂,ばり,鋭い突起,さび及び表面処理のがれがあってはならな
い。
b) 各部の端部に角がある場合は,角に丸みを付けるか,又は面取りを行わなければならない。
9 材料
材料は,過度にたわ(撓)むものを使用してはならない。また,材料には締結部品(ねじなど)も含め,
想定される使用環境に耐え得る素材を選定するか,又は必要な防せい(錆)処理を施さなければならない。
10 試験方法
10.1 試験条件
試験条件は,次による。
a) 試験は,JIS Z 8703に規定する標準状態の温度(20±15)℃で行う。また,試験実施時の相対湿度デ
ータを記録として残す。
b) 試験は,供試体を試験荷重に耐えられる試験用の支持構造体に,製造業者が指定又は推奨する締結部
品(ねじ,接着剤など)で固定し,実施する。
c) 各試験の実施順序は規定しない。また,別の供試体を試験ごとに準備してもよい。
d) 特に規定のない限り,力の許容差は±5 %,質量の許容差は±0.5 %,寸法の許容差は±0.5 mmとする。
10.2 試験用具
10.2.1 荷重負荷用ジグ
荷重のかけ方は,荷重位置を押す方法と引っ張る方法とがあり,そのいずれによってもよい。荷重をか
ける幅は50 mm以下の範囲とし,押すジグには金属,硬い木材,プラッスチックなどの材料の当て板を使
用する。引っ張るジグに使うベルトの材料には金属,樹脂,布材などで可とう(撓)性があり伸びないも
のを使用する。
10.2.2 製品上の隙間への挟み込み回避確認試験用ジグ
製品上の隙間への挟み込み回避確認試験用ジグは,次による。
a) 頭部の閉じ込め回避に関する隙間の確認試験用ジグは,図2に示す形状の剛体とする。
b) けい(頸)部の引き込まれ回避に関する隙間の確認試験用ジグは,図3に示す形状の剛体とする。
――――― [JIS T 9282 pdf 7] ―――――
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単位 mm
記号
1 質量 5.13 kg±0.05 kg
2 中央線
注記 Raは算術平均粗さであり,図示記号は表面性状の要求事項を示す。Raが1.6 μm以下であることを示して
いる(JIS B 0031参照)。
図2−頭部の閉じ込め隙間確認試験用ジグ
単位 mm
記号
1 質量 3.34 kg±0.05 kg
2 中央線
注記 Raは算術平均粗さであり,図示記号は表面性状の要求事項を示す。Raが1.6 μm以下であることを示して
いる(JIS B 0031参照)。
図3−けい(頸)部の引き込まれ隙間確認試験用ジグ
10.3 試験荷重
静的強度試験及び耐久性試験で用いる荷重値は,最大使用者体重が80 kg以下の場合,表3による。た
だし,製造業者が設定する最大使用者体重が80 kgを超える場合は,製造業者が設定する最大使用者体重
を用いて表4の計算方式によって算出した値とする。
表3−試験荷重値(最大使用者体重が80 kg以下の場合)
試験項目 試験荷重値 (N)
静的強度試験(鉛直方向) 1 200
静的強度試験(水平方向) 600
耐久性試験(鉛直方向) 320
耐久性試験(水平方向) 160
――――― [JIS T 9282 pdf 8] ―――――
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表4−試験荷重値計算方式(最大使用者体重が80 kgを超える場合)
試験項目 試験荷重値(N)
静的強度試験(鉛直方向) F=m×g×S
静的強度試験(水平方向) F=m×g×S×0.5
耐久性試験(鉛直方向) F=m×g×0.4
耐久性試験(水平方向) F=m×g×0.4×0.5
ここに,F : 試験荷重値(N)
m : 製造業者が設定する最大使用者体重(kg)
g : 重力加速度 9.807 (m/s2)
S : 安全係数 1.5
10.4 静的強度試験
10.4.1 鉛直方向の静的強度試験
鉛直方向の静的強度試験は,次による。固定形手すりにおける鉛直方向の荷重負荷位置の例を図4に示
す。
a) 固定形手すりを試験用支持構造体に取り付け,固定形手すりの使用にあたり最も強度的に不利な位置
に,10.2.1に示す荷重負荷用ジグを用いて,表3の試験荷重値又は表4の計算式によって算出した試
験荷重値を鉛直方向に60秒間加える。これを1回行う。
b) 負荷後,負荷を外した後に目視及び触感によって使用上支障のある変形がないことを確認する。
a) 水平歩行支援手すり d) 形(横折りたたみ)
b) 水平形手すり c) 段差昇降動作支援手すり e) 形(縦設置)
図4−鉛直方向の静的強度試験の荷重負荷位置の例
10.4.2 水平方向の静的強度試験
水平方向の静的強度試験は,次による。固定形手すりにおける水平方向の荷重負荷位置の例を図5に示
す。
a) 固定形手すりの使用にあたり最も強度的に不利な位置に,10.2.1に示す荷重負荷用ジグを用いて,表3
の試験荷重値又は表4の計算式によって算出した試験荷重値を水平方向に60秒間加える。これを1
回行う。
――――― [JIS T 9282 pdf 9] ―――――
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b) 負荷後,目視及び触感によって使用上支障のある変形がないことを確認する。
a) 水平歩行支援手すり d) 形(横折りたたみ)
b) 水平形手すり c) 段差昇降動作支援手すり e) 形(縦設置)
図5−水平方向の静的強度試験の荷重負荷位置の例
10.5 耐久性試験
10.5.1 耐久試験回数
耐久試験回数は,次に基づき,式(1)によって求める。
a) 1回の動作による使用回数は,立ち座り,出入り,握り直しなどからいずれのタイプも2回とする。
b) 設置場所による1日の標準使用回数は,個人住宅では5回,公共施設では10回とする。
c) 想定耐用年数は,製造業者が製品ごとに設定する耐用年数とする。ただし,最短で3年とする。
耐久試験回数=(1動作での使用回数)×(設置場所による1日の使用回数)×365(日)×(想定耐用年
数) (1)
10.5.2 鉛直方向の耐久性試験
鉛直方向の耐久性試験は,次による。固定形手すりにおける鉛直方向の荷重負荷位置は,図4の例を参
照する。
a) 固定形手すりの最も強度的に不利な位置に,10.2.1に示す荷重負荷用ジグを用いて,表3の試験荷重
値又は表4の計算式によって算出した試験荷重値を,毎分40サイクルを超えない速度で10.5.1によっ
て求めた耐久試験回数,鉛直方向に加える。
b) 負荷後,目視及び触感によって使用上支障のある変形がないことを確認する。
10.5.3 水平方向の耐久性試験
水平方向の耐久性試験は,次による。固定形手すりにおける水平方向の荷重負荷位置は,図5の例を参
照する。
a) 固定形手すりの最も強度的に不利な位置に,10.2.1に示す荷重負荷用ジグを用いて,表3の試験荷重
値又は表4の計算式によって算出した試験荷重値を,毎分40サイクルを超えない速度で10.5.1によっ
て求めた耐久試験回数,水平方向に加える。
b) 負荷後,目視及び触感によって使用上支障のある変形がないことを確認する。
――――― [JIS T 9282 pdf 10] ―――――
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JIS T 9282:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具
JIS T 9282:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1415:2013
- 高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法
- JISH8602:2010
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態