JISW0110 : 1987 航空用語(航空機の環境制御)

JIS W 0110:1987の規格概要

この規格 W0110は、航空機の環境制御に用いる用語について規定。

JISW0110 規格全文情報

規格番号
W0110 
制定年月日
1987/02/01
最新改正日
規格名称
航空用語(航空機の環境制御)
主務大臣
経済産業
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.49,49.020
JISハンドブック
改訂:履歴
  • 1987-02-01制定日
  • 1992-02-01確認日
  • 2000-11-20確認日
  • 2005-09-20確認日
  • 2010-10-01確認日
  • 2015-10-20確認日

日本産業規格 JIS

W 0110-1987

航空用語(航空機の環境制御)

Glossary of Terms for Aircraft Environmental Control

1. 適用範囲 この規格は,航空機の環境制御に用いる主な用語について規定する。

引用規格:

JIS W 0106 航空用語(航空機一般)

JIS W 2017 航空機環境制御,環境保護及びエンジン抽気系統通則

2. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。

(1) 環境制御に関する用語

(2) 与圧(加圧)に関する用語

(3) 空気調和に関する用語

(4) エンジン抽気に関する用語

(5) 環境保護に関する用語

3. 用語・意味 用語及び意味は,次のとおりとする。

なお,参考のために対応英語を示す。

備考1. 用語欄で二つの用語を並べてある場合は,その順位に従って優先的に使用する。

2. 用語欄で( )を付けて示してある用語は,( )内を省略してもよい。

3. 意味欄で用語の後に( )を付けて示してある数字は,この規格における用語の番号を示す。

(1) 環境制御に関する用語

番号

用語

意味

対応英語(参考)

101

環境制御

居住室 (359) ・機器室 (360) などの与圧,温度,湿度,換気量

及び汚染度を適正値に維持すること。

environmental control

102

環境制御系統

居住室,機器室などの環境を適正値に維持する系統及び機器。 environmental control

system

103

気候極限

航空機が遭遇する気候(1年を周期として繰り返される大気の状

態)の極限値。

climatic extremes

104

気象条件

航空機が遭遇する気圧・気温・湿度などの大気の物理的状態。 meteorological conditions

105

周囲圧力

航空機の周囲の大気の圧力。

ambient pressure

106

周囲温度

航空機の周囲の大気の温度。

ambient temperature

107

大気条件

航空機が飛行する大気の圧力・温度・湿度などの状態。

atomospheric conditions

108

太陽放射の強さ

太陽からの放射エネルギーの単位立体角当たりの強さ。

solar radiation intensity

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2

W 0110-1987

(2) 与圧(加圧)に関する用語

番号

用語

意味

対応英語(参考)

201

与圧

居住室・機器室などを圧縮空気源などを用いて大気圧より高い値

に制御維持すること。

pressurization

202

与圧系統

圧縮空気源などを用いて,居住室・機器室などの与圧制御を行う

系統。

pressurization system

203

加圧

機器などに周囲の圧力以上の圧力をかけること。

pressurization

204

加圧系統

加圧を行う系統。

pressurization system

205

圧力源

区画室の与圧,及び機器の加圧を行うのに必要な空気源。

pressure source

206

機室圧力制御系統 機室 (361) の空気圧力を制御する系統。

cabin pressure control

system

207

与圧区画室

与圧制御される操縦室・客室・機器室などの区画。

pressurized compartment

208

与圧機室

圧縮空気源などによって与圧される機室。

pressurized cabin

209

膨張式圧力シール ゴム製などのたわみ管内に加圧空気などのガスを供給し,膨張を

利用して行うシール。

inflatable pressure seal

210

圧力スケジュール 航空機の運用高度の変化に対応して,居住室の圧力を規定範囲内

に維持する計画。

pressure schedule

211

等差圧スケジュー

居住室圧力と周囲圧力との差圧を一定値に制御維持する飛行高

度範囲と差圧の大きさに関する計画。

differential pressure

schedule

212

等圧高度

居住室の高度(ある高度の標準大気に相当する圧力)が飛行高度

に関係なく一定値であること。

isobaric pressure altitude

213

正差圧

大気圧力に対し区画室や機器内の圧力が高い状態。

positive differential

pressure

214

負差圧

大気圧力に対し区画室や機器内の圧力が低い状態。

negative differential

pressure

215

機室高度

与圧された機室内圧力を標準大気圧に換算した高度。

cabin altitude

216

機室差圧

機室圧力と大気圧力との差圧。

cabin pressure differential

ential

217

機室圧力

与圧された機室内の空気圧力。

cabin pressure

218

圧力変化率

居住室内の圧力が変化する場合の単位時間当たりの圧力変化量。 rate of pressure change

219

圧力減少率

居住室内の圧力が減少する場合の単位時間当たりの圧力変化量。 rate of pressure decrease

220

圧力解放

与圧区画室などの圧力が最大許容圧力値以上に上昇することを

防ぐため,安全弁によって自動的に圧力を設定値まで下げるよう

空気を放出すること。

pressure release

221

除圧

与圧区画室内の空気を安全弁などによって大気中に放出し圧力

差をなくすること。

depressurization

222

ダンプ

通常の流出弁又は非常用排出弁を開いて,最短時間内に区画室内

圧力を周囲圧力と等しくすること。

damping

223

圧力調整

区画室内の圧力を設定範囲に維持すること。

pressure regulation

224

圧力調整器

圧力調整を行う機器。

pressure regulator

225

安全弁

区画室や機器の過剰な正差圧又は負差圧を解放する機能をもつ

バルブ。

safety valve

226

流出弁

区画室の与圧又は機器の加圧に用いた気体を大気に排出させる

バルブ。

outflow valve

227

正圧リリーフ弁

区画室内の圧力が周囲圧力に対して一定限界を超えて上昇した

ときに,区画室内の空気を大気に放出するバルブ。

positive pressure relief

valve

228

負圧リリーフ弁

区画室内の圧力が周囲圧力より一定値以上に低下したときに,外

気を導入するバルブ。

negative pressure relief

valve

229

生産時最大許容漏

れ率

使用者側へ引渡し直前の領収飛行完了時の与圧区画室からの空

気漏れ量の許容最大値。

maximum allowable

production leakage rate

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3

W 0110-1987

番号

用語

意味

対応英語(参考)

230

運用時最大許容漏

れ率

運用中の航空機の与圧区画室からの空気漏れを,現地整備などで

測定するときの単位時間当たりの漏れ量の許容最大値。

maximum allowable

inservice leakage rate

(3) 空気調和に関する用語

番号

用語

意味

対応英語(参考)

301

空気調和

居住室・機器室などの区画室の温度,湿度,圧力,換気量などを

希望する状態に調節すること。

air conditioning

302

空気調和系統

空気調和を行う系統。

air conditioning system

303

エアサイクル式空

気調和(部分)系

エアサイクルと熱交換器 (314) によって冷房空気を得る方式の

空気調和(部分)系統。シンプル方式 (308),ブートストラップ

方式 (309),シンプルブートストラップ方式 (310) 及びシュース

トリング方式 (311) がある。

air cycle air conditioning

(sub) system

304

空気調和ユニット 空気調和系統機器の一部又は全体を集めて一体化したもの。

air conditioning unit

305

冷却ユニット

区画室又は機器を冷却するために冷たい空気を発生するための

装置であって,比較的小形でコンパクトにまとめたもの。

refrigeration unit

306

冷却パッケージ

区画室又は機器を冷却するための冷たい空気を発生する装置で

あって,小形にし,一体化したもの。

refrigeration package

307

エアサイクルマシ

空気の断熱膨張を利用して,冷房空気を作る回転機械。タービン

−ファン組立品,タービン−圧縮機組立品及びタービン−ファン

−圧縮機組立品がある。このほか複数個のタービンを備えている

ものもある。

air cycle machine

308

シンプル方式

エアサイクルマシンのタービンの動力を同軸に設けたファンで

吸収し,ファンを熱交換器のヒートシンク (352) とする方式。ベ

ーシック方式ともいう。

simple system

309

ブートストラップ

方式

エアサイクルマシンのタービンの動力を同軸に設けた圧縮器で

吸収し,低抽気圧のときでもタービンの膨張比を大きくとり,冷

却能力を確保できる方式。

bootstrap system

310

シンプルブートス

トラップ方式

タービンの動力を同軸に設けた圧縮機及びファンで吸収する方

式。駐機中に補助動力装置 (320) の抽気 (401) など比較的低圧

の空気源で冷房能力が得られ,熱交換器のヒートシンクも自力で

まかなえる。スリーホイール方式ともいう。

simple-bootstrap system

311

シューストリング

方式

ブートストラップ方式やシンプルブートストラップ方式の圧縮

機で区画室空気を再循環させ,換気量を増大させることができる

方式。抽気可能量の小さいヘリコプタなどに用いる。

shoestring system

312

再循環系統

区画室に供給された空気全量又はその一部をファンなどを用い

て区画室に再循環させる系統。

recirculation system

313

再生式

冷却タービンなどで冷却された空気の全量又はその一部を用い

て,熱交換器の冷却源とする方式。

regenerative system

314

熱交換器

区画室に送る空気を,ラム空気 (322),冷却タービン空気などを

ヒートシンクとして利用して冷却する機器。

heat exchanger

315

冷却タービン

断熱膨張を利用して空気を冷却する回転機器。

cooling turbine

316

コンテインメント 翼車などの回転体が破壊したとき,飛散物が他の機器や人間に損

傷及び危害を与えないように防護すること。

containment

317

水分離器

空気中に含まれた水分を分離し,区画室などへの供給空気中の水

分を一定限界内に維持する機器。

water separator

318

コアレッサ,

集滴具

水分離器の内部構成品で,通過する含有液状水分 (319) を捕集し

て大きい水滴にするために,空気通路内に置いた網状の障害物。

coalescer

319

含有液状水分

遊離水の状態で空気中を運ばれる水分。[JIS W 2017(航空機環

境制御,環境保護及びエンジン抽気系統通則)参照。]

entrained moisture

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4

W 0110-1987

番号

用語

意味

対応英語(参考)

320

補助動力装置

エンジンなどの主動力装置を使わない場合のために準備した動

力装置。電源,油圧源,空気源などを供給するために用いる。

auxiliary power unit,

(APU)

321

ラムエアスクープ 航空機の飛行中に,必要な系統・機器にラム空気を積極的に取り

入れるための装置。

ram air scoop

322

ラム空気

航空機の飛行中に機速から生じるラム圧力によって取り入れた

空気。空気調和などに用いる。

ram air

323

ラム空気換気

ラム空気による区画室の換気。

ram air ventilation

324

調和空気

温度・湿度・換気量を調節した空気。

conditioned air

325

分配

居住室・機器室・機器にそれぞれ目的に応じて調和空気を分ける

こと。

distribution

326

排気

区画室から排出される空気。

discharge air

327

換気

区画室空気の汚染を防ぐため適量の新鮮な空気を取り入れて汚

れた空気を入れ換えること。

ventilation

328

汚染

調和空気に,人体や機器に有害な物質が混入していること。

contamination

329

汚染制御

調和空気中に混入する汚染要因物 (331) を規定以内に維持する

こと。

contamination control

330

機室空気汚染要因

機室の空気を汚染させる物質。有害ガス,潤滑油,航空機燃料,

作動油などをいう。

cabin air contaminant

331

汚染要因物

汚染の原因となる物質。

contaminant

332

新鮮空気

換気などのために機外から取り入れた空気。

fresh air

333

平均区画室空気温

操縦室内での乗員の移動が可能な航空機では,与圧室全体,そう

でない航空機では,乗員乗客を直接取り巻く容積の全域にわたっ

て同時刻における幾つかの乾球温度測定値の平均をとって得ら

れる乾球温度(JIS W 2017参照)。

average compartment air

temperature

334

温度制御装置

温度制御を行う装置。

temperature controls

335

温度制御

区画室や機器の温度を検出し,調整弁を制御して所定の温度に調

節すること。

temperature control

336

温度検出器

温度に応じた電気信号又は空気圧力信号などの出力を発生する

機器。

temperature sensor

337

温度セレクタ

区画室の温度を所定の値に設定する機器。

temperature selector

338

温度調整器

設定温度と温度検出器の受感温度との差を補正する信号を温度

制御弁などに出力する機器。

temperature regulator,

temperature controller

339

燃焼式ヒータ

燃焼熱を利用した加熱器。

combustion heater

340

湿度制御

区画室や機器へ供給する調和空気の湿度を所定の値に調節する

こと。

moisture control

341

除湿器

空気中の遊離水分を除去するために用いる機器。

dehumidifier

342

絶対湿度

湿り空気の中の水蒸気の質量と,その水蒸気を除いた空気(乾き

空気)の質量との比。

absolute humidity

343

相対湿度

ある温度における湿り空気中の水蒸気の分圧と,その温度におけ

る水蒸気の飽和圧との比。

relative humidity

344

比湿

単位質量の湿り空気中に含まれる水蒸気の量。通常1kgの空気中

の水蒸気の量をg単位で表す。

specific humidity

345

暖房

低温日に機室に高温の空気を供給し,区画室内の温度を調節する

こと。

heating

346

冷房

高温日に機室に低温の空気を供給し,区画室内の温度を調節する

こと。

cooling

347

容量

空気調和装置がもつ冷房及び暖房能力。

capacity

348

快適

温度,湿度,圧力などの状態が人体に快く感じること。

comfort

349

冷房装置

冷房を行う装置。

cooling equipment

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JIS W 0110:1987の国際規格分類一覧

  • 01.040.49
  • 49.020

JIS W 0110:1987の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
W0106
航空用語(航空機一般)
W2017
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