JIS X 0015:2002 情報処理用語(プログラム言語) | ページ 2

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X 0015 : 2002
15.02 宣言
番号 用語 定義 対応英語
15.02.01 宣言 declaration
プログラムの中に識別子を導入し,その識別子の解釈方法を指定す
る明示的な言語構成要素。
例 データ型,記憶編成,パッケージ及びタスクの宣言。
備考 プログラム言語によっては,宣言が文とみなされるものもあ
る。
15.02.02 宣言部, 一つ以上の宣言で構成されるプログラムの部分。 declarative part,
データ部 data division
備考 COBOLでは,宣言部は“データ部”(data division)とよばれ
る。
15.02.03 省略時(の), default
明示的に何も指定しなかった場合に仮定される属性,データ値又は
既定(の) オプションに関する用語。
例 FORTRANでは,省略時の命名法によって,英字INのいずれ
か一つで始まる名前が整数型の変数を表すものと規定してい
る。
15.02.04 暗示(的)宣言 implicit declaration
対象を指す識別子の存在によって引き起こされる宣言であって,省
略時解釈によって識別子の特性が決まるもの。
例 PASCALにおける“output=text”
15.02.05 既定義(の), predefined,
プログラム言語の定義によって宣言されている言語構成要素に関す
組込み る用語。 built-in,
例 PL/1における既定義の関数SIN,FORTRANにおける既定義の intrinsic
データ型INTEGER。
15.02.06 有効範囲, 宣言が適用されるプログラムの部分。 scope,
宣言の有効範囲 scope of declaration
15.02.07 共用データ shared data
非同期又は並行に実行されることがある二つ以上のモジュールによ
ってアクセスされるデータ。
例 FORTRANにおけるCOMMON,ある種のプログラム言語にお
ける“compool”,EXTERNALが前に付いたPL/1の変数,Ada
におけるパッケージの一形式。
15.02.08 動的有効範囲 dynamic scope
モジュールの全体又は一部分の活性化によって作り出される有効範
囲であって,あるモジュールで使用している宣言を,別のモジュー
ルからでも使用するようにしたもの。
15.02.09 静的有効範囲 static scope
ある宣言の行われているモジュールを取り囲む最も内側のモジュー
ルを見つけることによって決まるような有効範囲。
備考 プログラムの机上検査は,静的有効範囲を見つけるという目
的を十分に満たす。
15.02.10 宣言区域 宣言を構成するプログラムの部分。 declarative region
15.02.11 局所(的) local
言語構成要素に関する用語であって,その言語構成要素の有効範囲
が宣言されている宣言区域の内側にだけ及んでいる場合に使用す
る。
15.02.12 大域(的) global
言語構成要素に関する用語であって,その言語構成要素の有効範囲
がプログラムの全モジュールに及んでいる場合に使用する。
15.02.13 外部(的) external
言語構成要素に関する用語であって,その言語構成要素を参照して
いるモジュールの外側で宣言されている場合に使用する。
備考 名前を用意し,全定義が外部にあることを示すためには,宣
言を必要とすることがある。
15.02.14 静的 static
対象に関する用語であって,その対象がプログラム全体の実行中ず
っと存在し,それがもつ値が保持されている場合に使用する。
例 ある実行から次回の実行までに値を保持するために静的に宣言
されている副プログラムの変数。

――――― [JIS X 0015 pdf 6] ―――――

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番号 用語 定義 対応英語
15.02.15 動的 dynamic
データ属性に関する用語であって,その値がプログラムの全体又は
一部分の実行中にだけ確立されている場合に使用する。
例 可変長の長さデータ対象の長さは動的である。
15.02.16 生存期間 lifetime
実行時間の一部分であって,ある言語構成要素が存在する期間。
15.02.17 可視性 visibility (1)
モジュール内の特定の場所にある特定の言語構成要素を参照できる
能力。
15.02.18 可視範囲 visibility (2)
プログラムの一部分であって,その内側で特定の言語構成要素を参
照できるもの。
15.03 データ対象
番号 用語 定義 対応英語
15.03.01 データ構造 データ単位とデータ自身との間の物理的又は論理的な関係。 data structure
15.03.02 データ対象(プ data object (プログ
ファイル,配列のようなデータ構造の要素,又はオペランドであっ
ログラム言語 て,プログラムの実行にとって必要とされるもの。 ラム言語におけ
における) 備考 データ対象は,定数であっても変数であってもよい。 る)
15.03.03 変数(プログラ variable (プログラ
宣言又は暗示的宣言によって確立される四つ組であって,識別子,
ム言語におけ ム言語におけ
データ属性の集合,一つ以上のアドレス及びデータ値で構成され,
る) アドレスとデータ値との間の関係が変化しうるもの。 る)
備考 プログラム言語によっては,アドレスの変化に従って関係す
るデータ値が変化したり,アドレスは変化しないが,通常,
関係するデータ値がプログラムの実行中に変化したりするも
のもある。
15.03.04 データ値 data value
宣言済みデータ対象の集合の要素であって,特定の文脈において,
変数,データ型などの言語構成要素と関連づけられるもの。
備考 原則的には,データ値は,数学における“関数値”と区別し,
数値表現における“数の値”及び“位置の値”とも区別する。
15.03.05 定数 constant
宣言又は暗示的宣言によって確立される四つ組であって,識別子,
属性の集合,一つ以上のアドレス,及び単一のデータ値で構成され
るもの。
15.03.06 集成, aggregate
構成要素の構造化された集まりであって,その要素は同種のデータ
集合体 構造であっても異種のデータ構造であってもよく,その集まりのデ
ータ構造自身は対応する合成型の構成部分であってもよいもの。
参考 用語“合成型”は,“構造型”と同義に使用することがある。
15.03.07 集成式の値 集成式に関連づけられたデータ値。 aggregate value
15.03.08 配列 array
配列型を実現値とする集成式であって,各要素又は要素の適切な集
まりが他とは無関係に,かつ,個別に参照されるもの。
15.03.09 部分配列 任意の次元に沿って連続したセルからなる配列の部分。 array slice,
備考 Adaでは,部分配列は基本操作でもある。 slice
15.03.10 可変部 variant part
データ対象で構成されるレコードの一部分であって,対応するデー
タ構造又は宣言済みのデータ型を変えることが可能なもの。
備考 データ対象の個数も構成も変えてもよい。
15.03.11 可変レコード 可変部をもつレコード。 variant record
備考 レコードは,可変部にデータ型を指示する判別子を含むこと
がある。
15.03.12 判別子 discriminant
パラメタに似た言語構成要素であって,与えられた可変レコード内
部で使用されるデータ構造を指定するもの。

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番号 用語 定義 対応英語
15.03.13 パラメタ(プロ parameter (プログ
モジュール間でデータ対象又はデータ値を授受するための言語構成
グラム言語に 要素。 ラム言語におけ
おける) る)
15.03.14 実パラメタ, actual parameter,
呼出し又ははん(汎)用体専用化において,データ対象とその対応す
実引き数 る宣言とを関連づけるために使用されるパラメタ。 actual argument
例 式,識別子などの言語構成要素。
備考 対応する宣言は,仮パラメタとよばれる。
15.03.15 仮パラメタ, formal parameter,
あるモジュールの宣言の中で定義され,呼出し又ははん(汎)用体専
仮引き数 用化の中の実パラメタと関連づけられるパラメタ。 dummy argument
15.03.16 パラメタ結合 parameter
仮パラメタと,呼出し又ははん(汎)用体専用化の中の対応する実パ
ラメタとの関連づけ。 association
15.03.17 データ属性 data attribute
データ型,データ対象,モジュールなどの言語構成要素に関する既
定義の特性。
例 実数型は,PRECISIONというデータ属性をもち,SINGLE又は
DOUBLEというデータ値を伴うことがある。タスクは,
TERMINATEDというデータ属性をもつことがあり,その属性
は,タスクが終了したときはTRUE,終了しなかったときには
FALSEになる。
15.03.18 名前の修飾, name qualification,
プログラムの一部分の有効範囲において言語構成要素を参照するた
修飾 qualification
めの仕組みであって,その部分への参照と,その部分の中の言語構
成要素に対して宣言された識別子とによって行われるもの。
例 レコード要素の参照(COBOLの B OF A),ライブラリのメン
バ,モジュールの中の言語構成要素。
15.03.19 別名 ある言語構成要素に代わる代替の識別子。 alias
15.03.20 ポインタ(プロ あるデータ対象のアドレスをデータ値とする別のデータ対象。pointer (プログラ
グラム言語に 備考 付図1参照。 ム言語におけ
おける) る)
15.03.21 空ポインタ データ対象を何も明示的に指していないポインタ。 null pointer
備考 プログラム言語によっては,空ポインタは,nil,nullなどと
書き表される。
15.04 データ型
番号 用語 定義 対応英語
15.04.01 データ型 data type,
指定されたデータ構造をもつデータ対象の既定義の集まり,及び許
datatype
容された操作の集まりであって,これらの操作の一つを実行すると
きにそのデータ対象がオペランドとしての役割を果たすもの。
例 整数型は,非常に単純な構造をもっている。その各実現値は,
通常,値とよばれるが,指定された範囲の整数の要素を表現し
たものである。許容される操作には,これらの整数の上での通
常の算術演算が含まれる。
備考1. 文脈上明らかな場合,“データ型”の代わりに“型”という
用語を使用してもよい。
2. 付図1参照。
3. 17.05.08と同一用語であるが,例及び備考を追加した。
15.04.02 抽象データ型, abstract data type,
データ構造体のクラスであって,そのデータ構造体において用意さ
ADT(省略 ADT(省略形)
れている操作又は機能の一覧,それらの操作に関する形式的な特性,
形) 及び内部的な実現方法とは無関係なインタフェースによって記述す
るもの。

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番号 用語 定義 対応英語
15.04.03 密閉型 encapsulated type
外部から参照できるように定義したインタフェース,並びに内部構
造及び関連した操作に関しては外部からは参照できないように定義
した実現方法をもつデータ型。
15.04.04 スカラ型, 個々の実現値がスカラを表現しているデータ型。 scalar type,
単純型 simple type
備考1. PASCALでは単純型といい,順序型又は実数型のいずれか
である。Adaではスカラ型といい,離散型又は実数型のい
ずれかである。
2. 付図1参照。
15.04.05 原子型 atomic type
個々のデータ対象が細分不可能な単一のデータ値で構成されるデー
タ型。
15.04.06 論理型, logical type,
データ対象は論理値(通常はTRUE又はFALSE)だけを想定し,ブー
ブール型 ル演算子だけで操作できるデータ型。 Boolean type
備考 文字型,列挙型,整数型,実数型も参照。
15.04.07 範囲(プログラスカラ型の連続したデータ値からなる集合。 range (プログラム
ム言語におけ 言語における),
る) span (この意味で
使用しないほう
がよい)
15.04.08 実数型 real type
個々のデータ対象が,おそらくは近似によって実数を表現している
データ型。
例 10進数0.1は,2進記数法に変換した場合は,無限のけた数を
もつ。
備考1. 実数型は固定小数点型又は浮動小数点型のいずれかであ
る。
2. 付図1参照。
15.04.09 固定小数点型 implied decimal
実数型の一種であって,個々のデータ対象が固定小数点表示法で表
現されているもの。 type,
備考 付図1参照。 fixed-point type
15.04.10 浮動小数点型 floating-point type
実数型の一種であって,個々のデータ対象が浮動小数点表示法で表
現されているもの。
備考 付図1参照。
15.04.11 順序型, ordinal type,
個々のデータ対象が可算順序集合の要素を表しているデータ型。
離散型 discrete type
備考1. PASCALでは順序型といい,列挙型,文字型,整数型及び
論理型がある。Adaでは離散型といい,整数型又は列挙型
のいずれかである。
2. 付図1参照。
15.04.12 添え字型 index type
順序型の一種であって,個々のデータ対象が元の配列の添え字を表
しているもの。
備考 付図1参照。
15.04.13 整数型 integer type
順序型の一種であって,個々のデータ対象が特定範囲内の整数を表
しているもの。
備考 付図1参照。
15.04.14 列挙型 enumeration type,
順序型の一種であって,個々のデータ対象がデータ型の宣言の中で
明示的に列挙されているもの。 enumerated type
備考 付図1参照。
15.04.15 数値型 numeric type
スカラ型の一種であって,個々のデータ対象が整数であるか,又は
実数の近似値を表現しているもの。
備考 付図1参照。

――――― [JIS X 0015 pdf 9] ―――――

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X 0015 : 2002
番号 用語 定義 対応英語
15.04.16 文字型 個々のデータ対象が文字を表現しているデータ型。 character type
備考 付図1参照。
15.04.17 文字列型 個々のデータ対象が文字列を表現しているデータ型。 string type
備考 付図1参照。
15.04.18 ポインタ型, ポインタを個々のデータ対象とするデータ型。 pointer type,
アクセス型 備考 付図1参照。 access type
15.04.19 配列型 array type
合成型であって,個々の成分がすべて同じデータ型であるもの。
備考1. 配列型は,対応する集成式の次元に従って,行,列などの
形で配置される。
2. 付図1参照。
参考 用語“合成型”は,“構造型”と同義に使用することがある。
15.04.20 レコード型 フィールド型又は他のレコード型を成分とする合成型。 record type
例 人事レコードは,同じ人事レコードの中にフィールド又はサブ
レコードとして配置された人事データによって構成されること
もある。
備考1. レコード型によって,値及び操作の集合が定義される。そ
のようなレコード型の実現値には,それ自身がレコードで
あるような値が含まれていてもよい。
2. 付図1参照。
3. 17.05.11と同一用語であるが,例及び備考を追加した。
参考 用語“合成型”は,“構造型”と同義に使用することがある。
variant record type
15.04.21 可変レコード型 レコード型であって,構成要素の選択候補を指定する可変部をもつ
もの。
15.04.22 部分型, subtype
あるデータ型に制約を課することによって,そこから導出される別
副型 のデータ型。
15.04.23 基底型 部分型の派生するデータ型。 base type,
host type,
underlying type
15.04.24 制約 あるデータ型に対してその範囲又は操作を限定すること。 constraint
15.04.25 密閉型 private type
データ型であって,その構造,値の集まり及び操作がプログラムの
中では定義されているが,そのプログラムの特権部分に限って使用
可能であるもの。
例 Adaでは,明示的にアクセス可能となっている操作以外は,代
入,一致判定及び不一致判定に限って利用者にとって使用可能
である。
15.04.26 限定型, limited type
密閉型であって,その型に対して明示的に宣言された操作又はデー
限定付き型 タ属性だけが,宣言の含まれるプログラムの外側で使用可能である
もの。
15.04.27 親の型 parent type
新しいデータ型を作成するためのひな(雛)形としての役割を果たす
データ型。
備考 基底型(15.04.23),派生型(15.04.28)を参照。
15.04.28 派生型 derived type
データ値及び操作が,既存の親の型のものの丸写しであるデータ型。
備考1. 強い型付けでは,明示的な型変換を使用しない限り,異な
る派生型のデータ値どうしの操作,又は派生型と親の型と
の間の操作を禁止している。
2. データ値の集合,又は派生型に関して適用可能な操作の集
合は,縮小又は拡大することができる。
3. 親の型(15.04.27)を参照。

――――― [JIS X 0015 pdf 10] ―――――

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JIS X 0015:2002の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 2382-15(MOD)

JIS X 0015:2002の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0015:2002の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称