JIS X 0161:2008 ソフトウェア技術―ソフトウェアライフサイクルプロセス―保守 | ページ 7

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X 0161 : 2008 (ISO/IEC 14764 : 2006)
− ソースコード及びオブジェクトコードについて構築時構成情報の引継ぎ(未解決又は延期された問題
報告及び新規要求事項,保守期間に更新する可能性がある媒体の原本の数量及び保管場所を含む。)。

6.10 文書化

  保守者は,文書がわずかしかないか,全くないソフトウェア製品の保守を行うことにしばしば直面する。
このような状況に直面した場合は,計画から最終移行までの期間に,保守者が,必要な文書を作成するこ
とが望ましい。保守者は,保守の準備をするために,次のタスクを実行する間に必要な文書を作成するこ
とが望ましい。
a) 問題の領域(アプリケーションの種類)を理解する。(入手できれば)文書をすべて読み,(可能なら
ば)開発者とソフトウェア製品について議論し,ソフトウェア製品を操作する。
b) ソフトウェア製品の構造及び構成(例えば,制御フロー,データフロー,データ構造,呼出し図)を
学ぶ。ソフトウェア製品の棚卸しを実施し,ソフトウェア製品を構成管理の下におき,構成管理ライ
ブラリからソフトウェア製品を再構築し,呼出し木構造を作成し,ソフトウェアの構造を分析する。
c) ソフトウェア製品が何をしているのか判定する。(利用できれば)仕様書をレビューし,全体の構造を
レビューし,呼出し木構造を分析し,コードを読み,他の保守者に口頭で説明し,コードにコメント
を付ける。
d) ソフトウェアの安定性を維持するために,低リスクな修正に取り組み,そして次第にリスクが高く,
かつ,複雑な修正に取り組むことによって,徐々に信頼を築く。
保守者は,上の手引を実行しながらソフトウェア製品の文書を作成することが望ましい。仕様書,プロ
グラマの保守マニュアル,利用者マニュアル及び導入手引のような文書は,必要に応じて更新又は作成す
ることが望ましい。
保守環境では,様々な要素が文書作成及び更新に影響を与える。幾つかの要素には,ソースコードへの
アクセス,コードを分析するツールの利用可能性,性能を決定するためにソフトウェア製品を操作する能
力及びソフトウェアテスト環境(STE)の利用可能性が含まれる。

7 ソフトウェア保守の戦略

7.1 はじめに

  ここでは,ソフトウェア保守戦略の策定について定める。この戦略は,ソフトウェア製品の保守をする
のに必要な人的資源及び物的資源の準備のためにある。保守者は,保守性のために開発作業を監視するの
が望ましい。保守性分析の結果は,保守計画立案を支援する目的で利用することが望ましい。この分析は,
保守戦略の策定への入力として提供されることが望ましい。ソフトウェア保守戦略は,次の要素から構成
されることが望ましい。
− 保守概念
− 保守計画
− 資源分析

7.2 保守概念

  保守概念の決定は,ソフトウェア保守戦略策定の最初の段階で行うことが望ましい。最適なソフトウェ
ア保守計画作成のために, 保守概念は,ソフトウェア製品に対する初期のニーズが最初に表明された後,
直ちに作成することが望ましい。
保守概念は,次を取り扱うことが望ましい。
− ソフトウェア保守の適用範囲

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X 0161 : 2008 (ISO/IEC 14764 : 2006)
− 保守プロセス全体の定義
− 保守者の指名
− 保守費用の見積り
注記 保守概念は,当該保守計画の中に文書化する。
7.2.1 適用範囲
保守の適用範囲は,保守者がどのように対応するかに関係する。保守者がどのくらいの支援を行うかを
決定しておくことが望ましい。予算的制約は,しばしば保守の適用範囲に影響する。保守の適用範囲は,
次を取り扱うことが望ましい。
− 実施する保守の型
− 維持すべき文書化の水準
− 対応度
− 提供する教育訓練の水準
− 引渡しのときの支援
− ヘルプデスクの支援
7.2.2 プロセスの定義
保守概念は,引渡し後のソフトウェア保守で使用されるプロセスの全体像を含むことが望ましい。その
プロセスの全体像は,上位のタスクを特定することが望ましい。早い段階で,各ソフトウェア保守のタス
クに関係する種々の組織を特定することが望ましい。
7.2.3 保守者の指名
保守者の指名は,重要な課題の一つであり,早い段階で取り扱い,保守概念に文書化しておくことが望
ましい。このことは,組織内での作業についても同様に当てはまる。外部委託した第三者との合意に基づ
く保守活動に関しては,保守概念の中に保守を外部委託するということを,指摘しておくことが望ましい。
JIS X 0160の取得及び供給の主プロセスは,ソフトウェアサービスの取得及び供給について詳細を示す。
保守者の指名は,次のものを含んだ幾つかの要素を基に行うことが望ましい。
− 要求されたサービス水準
− ソフトウェア製品の寿命
− 長期的費用
− 業務開始時費用
− 作業スペースの利用可能性
− 資格
− 稼働可能性
− スケジュール
− 対象分野の知識
7.2.4 保守費用の見積り
保守費用の見積りを準備することが望ましい。その見積り費用は,保守の適用範囲に依存したある種の
関数であることが望ましい。次の追加的な要因を含むことが望ましい。
− 利用者の所在地までの移動
− 保守者と同様に利用者への教育訓練
− ソフトウェアエンジニアリング環境及びソフトウェアテスト環境の費用及び年間保守費
− 給料及び手当のような人件費

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X 0161 : 2008 (ISO/IEC 14764 : 2006)
保守概念策定時,システムダウン時間の費用を含む,利用可能な限られたデータで費用を見積るとよい。
開発が進めば,再見積りを行うことが望ましい。過去の計測データは,保守費用を見積る場合の入力とし
て使うことが望ましい。

7.3 保守計画立案

7.3.1  はじめに
保守計画立案の目的は,保守アクティビティの計画を立てること,及びソフトウェア製品の保守への引
継ぎと同時に資源が利用可能となるように,十分に早い段階で必要な資源を取得することである。計画立
案作業は,保守概念を定義したら着手し,ソフトウェアのサービス開始と同時に保守者の手引として使用
する保守計画として完結する。IEEE Std 1058を保守計画の手引に利用してもよい。
7.3.2 保守計画
保守のアクティビティ及びタスクの計画立案は,上記でも示したように保守概念が定義されると同時に
始めることが望ましい。保守計画の提出で計画立案作業は完結する。保守計画は,ソフトウェア開発期間
中に保守者によって準備され,かつ,利用者がどのようにソフトウェア製品への修正を要求するかを記述
することが望ましい。
保守計画には,次のことを盛り込むことが望ましい。
− なぜ保守が必要か。
− だれがどの作業をするか。
− 参画している全員の役割及び責任は何か。
− どのように作業を実施するか。
− 保守のためにどのような資源が利用できるか。
− どこで保守を実施するか。
− いつ保守を開始するか。
− システム記述
− 合意のための手続き
− 教育訓練
− 制御
− 記録及び報告
7.3.3 保守計画の題目
ここでは,保守計画を策定するための指針を示す。保守計画に含める題目について提案する。作業量に
基づいて,含めた方がよい題目を決めることが望ましい。
幾つかの情報については,別の文書を参照することで記述できる。
a) はじめに
1) 保守支援されるべきシステムの記述
2) ソフトウェアの初期状態の特定
3) なぜ支援が必要かの記述
4) 保守者及び支援組織の特定
5) 保守作業で扱う個別のソフトウェアプロセスの特定
6) 顧客と供給者との間の合意のための規約の記述
7) 保守を行う場所の特定
8) 保守を始める時期の特定

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9) 保守を提供するための費用の特定
10) スケジュールの特定
b) 計画の制御及び確認
1) 発行日の特定
2) 計画の状態の特定
3) 発行組織の特定
4) 承認権限の特定
5) 計画修正手続の記述
6) 修正履歴の準備
7) 用語解説の準備
c) 参照(上位の方針,手続及び文書への参照,並びに下位の計画及び追加情報提供の手続への参照)
1) 保守作業の制限事項に関する文書の特定
2) 保守計画で参照される文書の特定
3) 保守計画の補完又は実施を支援する文書の特定
d) 定義
1) 保守計画を理解するために要求されるすべての用語の定義又は参照
2) 使用されたすべての略語及び記法の記述
e) 保守概念
1) システムに対する支援水準の記述を含む概念の記述。例えば,是正保守だけの実施。
2) 支援期間の特定
f) 組織及び保守のアクティビティ
1) 引渡し前の保守者の役割及び責任
1.1) プロセス実装
1.2) 環境整備の確立
1.3) 人材育成プロセスの確立
1.4) ソフトウェア保守プロセスの確立
1.5) 保守性計画の策定
1.6) 保守性についての開発実施の監視
1.7) 移行計画の策定
1.8) 開発アクティビティへの保守者の参加
1.9) 他組織とのインタフェース
2) 引渡し後の保守者の役割及び責任
2.1) プロセス実装
2.2) 問題分析及び修正の分析
2.3) 修正実施
2.4) 保守のレビュー及び受入れ
2.5) 移行
2.6) 廃棄
2.7) 問題解決策(ヘルプデスクを含む。)
2.8) 該当する場合,人員(保守者及び利用者)に対する必要な訓練

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X 0161 : 2008 (ISO/IEC 14764 : 2006)
2.9) プロセスの改善
2.10) 組織の保守優先度を決定するための要素
2.11) 作業パッケージへの優先順位割当てのプロセス
2.12) 優先付けされた作業パッケージへの資源の割当て法
2.13) 計画見積り手法
2.14) 他組織とのインタフェース
3) 運用者の役割
3.1) 受入れテスト
3.2) 他組織とのインタフェース
g) 資源
1) 人員
1.1) プロジェクトの要員数
2) ソフトウェア
2.1) 支援システムに必要なソフトウェアの特定(システムに加え,SEE/STE/ツールの要求事項を含む。)
3) ハードウェア
3.1) 支援システムに必要なハードウェアの特定(システムに加え,SEE/STEの要求事項を含む。)
4) 施設
4.1) 施設についての要求事項の特定
5) 特別な手続についての要求事項(例えば,セキュリティ,アクセス権限及び文書管理)
6) 費用見積り
6.1) 費用見積り手法の記述
7) 文書化
7.1) ソフトウェア品質計画書
7.2) プロジェクト管理計画書
7.3) 構成管理計画書
7.4) 測定計画書
7.5) 開発文書
7.6) 保守マニュアル
7.7) 検証計画書
7.8) 妥当性確認計画書
7.9) テスト計画書,テスト手順書及びテスト報告書
7.10) 教育訓練計画書
7.11) 利用者マニュアル
8) データ管理
8.1) リポジトリーの特定
9) その他の必要な資源についての要求事項
h) プロセス(どのように作業を実施するか。)
1) 保守者のプロセス(プロセスの全体像は示すが,保守計画の中にすべてのプロセスを詳細記述する
ことはしない。)
2) 定義されたプロセス(プロセスの各アクティビティを実施するための行為の特定)

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JIS X 0161:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 14764:2006(IDT)

JIS X 0161:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0161:2008の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称