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注記1 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,ディスプレイ内に表示される文字,ボ
タン,アイコンなどが見にくい場合がある。
注記2 見やすく,読み取りやすく,快適に使えるようにするオフィス用視覚表示装置に対する要
求事項は,ISO 9241-303:2011に規定されている。
b) 操作に必要な情報は,利用者の色覚特性に依存しない方法で提示しなければならない。
例1 色の違いによって表現している情報に,テキストを付記している。
例2 文字色と背景色との間に,十分なコントラストを与えている。
注記1 視覚障害,色覚障害,加齢などによる視力低下,水晶体の黄変,混濁などのために,ディ
スプレイ内に表示される文字,ボタン,アイコンなどが配色によっては見にくい場合があ
る。
注記2 一般的な配色に関する要求事項は,ISO 9241-303:2011に規定している。その規格を用いる
と,一般の利用者の最低限の要求事項を満足できるとともに,色覚障害がある場合にも参
考になる。
c) 画面が見にくくなる画面反射は,可能な限り避けなければならない。
注記1 画面反射に関する一般的な要求事項は,ISO 9241-303:2011に規定している。
注記2 視覚障害,加齢などによる視力低下,水晶体の黄変,混濁などのために,利用者の見えや
すさは多様であり,ディスプレイ内に表示される情報の配色又はコントラストによっては
見にくい場合がある。特に低照度の環境では顕著である。
d) 輝度及びコントラストは,可能な限り調整できなければならない。
注記1 視覚障害,加齢などによる視力低下,水晶体の黄変,混濁などのために,輝度又はコント
ラストによって,ディスプレイ内に表示される背景,文字,ボタン,アイコンなどが見に
くい場合がある。
注記2 一般的な輝度及びコントラストに関する要求事項は,ISO 9241-303:2011に規定している。
注記3 バックライト機能があると,低照度の環境下で若年者よりも見にくくなる高齢者にとって
効果的である。
e) 文字(記号を含む。)のサイズ,フォント,行間隔,文字間隔,配色などは,利用者が変更できること
が望ましい。
注記 弱視,加齢などによる視力低下などのために,ディスプレイ内に表示される文字,ボタン,
アイコンなどが小さくて見にくい場合がある。
f) 視覚的に表現されている情報は,視覚以外の感覚によってもその情報を取得できることが望ましい。
例1 テキスト情報を合成音声で読み上げる。
例2 相手先番号通知が利用できる場合に,相手先番号又は電話帳登録名を合成音声で読み上げた
り,通常の着信時とは異なる着信音が鳴動したりする。
g) 基点(標準位置)は,視覚とともに聴覚でも確認できることが望ましい。
例 操作ボタンによってメニューを操作する場合に,基点となる位置が報知音で確認できる。
注記 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために画面表示が見にくい場合,ボタンを押すた
びにその状態が替わる機能は,現在の状態を確認することが難しいときがある。
7.1.4 着信音
着信音に関する共通要件は,次による。
a) 着信音の音量及び周波数特性は,可能な限り,聴力が低下した利用者にも配慮して聞き取りやすくし
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なければならない。
例 単純な倍音構造ではなく,非整数次の倍音を含むような複雑な構造の音色を使用している。
注記 聴覚障害,加齢などによる高音域の聴力低下によって,基本周波数が高すぎると聞き取りに
くくなり,また,低すぎると周囲の騒音に埋もれ聞き取りにくくなる。
b) 音量の調節及びミュート(消音)ができなければならない。また,それらの設定のときには,音量レ
ベルが視覚などでも確認できなければならない。
注記1 聴覚障害,加齢などによる聴力低下などのために通常の音量では聞き取れないときには,
音量を大きくしなければならない場合がある。
注記2 ミュート(消音)できる機能があると,公共空間などで周囲に迷惑をかけない。
注記3 聴覚障害,加齢などによる聴力低下で着信音が聞き取れないと,電気通信機器からの大音
量が周囲に迷惑を与えていることに気が付かない場合がある。
c) 音色,パターン,メロディなどが選択できることが望ましい。
注記 聴覚障害,加齢などによる聴力低下の程度は,多様であり,聞き取りやすい音色などには個
人差がある。
d) 着信音が伝える情報は,聴覚以外の感覚によっても,その情報を取得できなければならない。
例 着信音出力時にLEDを発光したり又は振動したりする。
7.1.5 報知音及び音声ガイダンス
報知音及び音声ガイダンスに関する共通要件は,次による。
a) 報知音には,可能な限り一貫性のあるパターン,聞き取りやすい音量及び周波数特性を用いなければ
ならない。
注記1 JIS S 0013:2011の箇条4には,通常それが用いられる様々な使用環境における利用者にと
って聞き取りやすく,目的及び意味が理解及び判別しやすいようにするための配慮事項を
規定している。
注記2 JIS S 0014:2013には,報知音の音圧レベルの測定方法,及び様々な環境下における適切な
報知音の音圧レベルの推奨値を規定している。
注記3 聴覚障害,加齢などによる高音域の聴力低下によって,基本周波数が高すぎると聞き取り
にくくなり,また,低すぎると周囲の騒音に埋もれ聞き取りにくくなる。
b) 音声ガイダンスは,分かりやすい言葉,聞き取りやすい話し方,及び利用者の思考に沿った順序で提
示しなければならない。
例1 一つの文章が短く,専門用語を用いていない。
例2 話速がゆっくりで,適度なところで間を取っている。
c) 音量の調節及びミュート(消音)ができなければならない。また,その設定のときには,音量レベル
を視覚などでも確認できなければならない。
注記1 聴覚障害,加齢などによる聴力低下などのために,通常の音量では聞き取れないときには,
音量を大きくしなければならない場合がある。
注記2 ミュート(消音)できる機能があると,公共空間などで周囲に迷惑をかけない。
注記3 聴覚障害,加齢などによる聴力低下で報知音が聞き取れないと,電気通信機器からの大音
量が周囲に迷惑を与えていることに気が付かない場合がある。
d) 報知音の基本周波数及び周波数特性は,調節できることが望ましい。
注記 聴覚障害,加齢などによる聴力低下などのために,高音域が聞きにくい場合がある。
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e) 音声ガイダンスの再生速度は,調節できることが望ましい。
注記 加齢などによって聴力及び認知機能が低下している場合,音声の再生速度を遅くする,一時
的に再生を中断する,などの操作が行えると,内容が理解しやすくなる。一方,視覚障害な
どのため画面読上げソフトウェアを使用している利用者には,効率的に内容を理解するため
に速い音声再生が好まれる場合がある。
f) 音声ガイダンスは,聞き直せることが望ましい。
注記 聴力及び/又は認知機能が,加齢などによって低下している場合,聞き直せると内容が理解
しやすくなる。
g) 報知音が伝える情報は,聴覚以外の感覚によってもその情報を可能な限り取得できなければならない。
例 報知音出力時に画面表示したり又は振動したりする。
h) 音声ガイダンスが提示する情報は,視覚でも取得できなければならない。
注記 情報が音声でしか提示されていないと,聴覚障害,加齢などによって聴力が低下した利用者
は,その内容を把握できない場合がある。視覚的にも情報が提示されていると,記憶力など
の認知機能が低下した利用者にとっても有効である。
7.1.6 音声入出力装置
音声入出力装置に関する共通要件は,次による。
a) 受話音は,聴力が低下した利用者にも配慮して,可能な限り聞き取りやすくしなければならない。
例1 受話音量が通常よりも大きくなっている。
例2 大型の受話スピーカを使用している。
例3 高音域を強調している。
例4 受話音が自動的に最適な音量になる。
注記 聴覚障害,加齢などによって聴力が低下した利用者に対して,通常レベルよりも少し大きく
したり,高音域を強調したりすることで聞き取りやすくなることがある。過度にすれば,一
般の利用者に不快になることもあるが,適度の強調は気にならず,騒音が大きい場所などで
は一般の利用者にも有効である。
b) 受話音の音量は,可能な限り通話中に調整できなければならない。
例 通話中に,音量調節ボタンなどによって音量を調節できる。
c) 電気通信機器が複数の利用者によって利用されることを想定している場合,受話音の音量は,通話終
了時に通常レベルに戻らなければならない。
注記1 固定電話機は,複数の利用者が使用する場合があり,前の利用者が設定した大きな受話音
量が継続されると,次の利用者に不適切な場合がある。
注記2 個人で使用する携帯電話機においても,騒音が大きい場所などでは,一時的に通常の音量
よりも大きくする場合がある。自動的に通常使用時の音量に戻っていると,騒音のない環
境で通話を開始したときに,音量調節をする必要がない。
d) 受話音を大きくできる場合は,音漏れを最小限にすることが望ましい。
例 受話部の密着性が高い。
注記1 受話音を大きくすると音漏れが大きくなり,周囲に迷惑をかける,及び/又はプライバシ
ーが保てない場合がある。
注記2 補聴器用誘導コイル又は外部出力端子を備えることも有効である。
e) 聴覚特性に応じた調節機能を提供することが望ましい。
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例1 音質(周波数特性)を調整できる。
例2 話速を遅くできる。
例3 骨導受話器が利用できる。
例4 周囲の雑音を低減できる。
注記 骨導方式は,伝音性及び混合性難聴に有効であるとともに,周囲がうるさい場合にも有効で
ある。
f) 受話音に適切な側音(送話部で話した音声が,受話部を通して自分の耳で聞き取れる。)が入らなけれ
ばならない。
注記 Tモードにした補聴器(マイクロホン入力をオフにする。)を装着した利用者にとって,側音
が挿入されていると,自分の声を受話部の誘導コイルを通じて聞くことができ,発話しやす
くなる。
g) 可能な限り,音声出力装置は,受話音を補聴器が内蔵する誘導コイルを通じて受聴できるように,適
度な磁界を発生しなければならない。
注記1 補聴器には,マイクロホン入力のほかに,音声電流による磁界からの誘導を受けて起電力
を発生する誘導コイルが内蔵されているものがある。
注記2 JIS C 5512:2015の8.8.2には,補聴器の誘導コイル入力の周波数レスポンス及び最大感度
について規定している。
h) 可能な限り,音声出力装置は,補聴器及び人工内耳の外部入力インタフェースに接続できなければな
らない。
例1 人工内耳スピーチプロセッサ用の電話機アダプタを電話機との間に挿入するために,電話機
の送受話器端子に,着脱式端子を使用している。
例2 オーディオ出力端子を装備している。
例3 Bluetoothで接続できる補聴器に対応する。
i) 補聴器,人工内耳などに可能な限り雑音を発生させないように配慮しなければならない。
注記 携帯電話機を補聴器に近づけると,携帯電話機の発する電波の影響で,補聴器に雑音が生じ
て,通話が聞こえなくなる場合がある(6.3.2参照)。
j) 送受話器を保持しなくても通話ができなければならない。
例1 スピーカホンで通話ができる。
例2 イヤホンマイク又はヘッドセットマイクで通話ができる。
注記1 上肢障害などによって,送受話器を適切な位置に保持することが困難な場合がある。
注記2 発信,応答などを音声認識でできると,上肢障害などによって,ボタン操作ができない利
用者などにも利用できるようになる。
7.2 機器本体の形状及び構造
機器本体の形状及び構造に関する共通要件は,次による。
a) 保持しながら操作する機器本体又はその一部は,持ちやすい形状,材質,構造及び重量バランスでな
ければならない。
例 手に握る部分が,凹凸によって滑りにくくなっている。
b) 据置き形の機器は,多様な設置方法に対応できるような,形状,構造及び重量バランスであることが
望ましい。
例 機器が壁などに固定できる。
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c) 左右いずれかの手だけで操作できる形状及び構造でなければならない。
d) 操作部の向き及び位置は,視覚とともに触覚によっても分かりやすくなければならない。
例1 送受話器の送話部及び受話部は,区別しやすい形状になっている。
例2 カメラ機能をもつ機器のレンズの位置が分かりやすい。
e) 可動部の開閉方法は,分かりやすくなければならない。また,開閉できたことを視覚及び触覚で確認
できることが望ましい。
例 適切に開閉できたときに操作感がある。
f) 可動部は,過度な力を必要とせずに操作できなければならない。ただし,不用意に動いてはならない。
例 加齢などによって筋力が低下すると,力をかけられない場合がある。
7.3 外部接続部
外部接続部に関する共通要件は,次による。
a) 外部接続部の位置は,分かりやすくなければならない。
例1 頻繁に着脱する外部接続部が,操作面上又は手前に付いている。
例2 外部接続部を,機能別に分けて配置している。
注記1 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,外部接続部の位置が分かりにくい場合
がある。
注記2 外部接続の対応する位置に図記号を併記したり,突起を付けたりすると,外部接続部の位
置が分かりやすくなる。
b) 複数ある外部接続部は,互いに識別しやすくなければならない。
例1 外部接続部を,機能別に色分けしている。
例2 類似した形状の外部接続部に,触覚によっても識別できるように突起が付いている。
注記 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,外部接続部の位置が分かりにくい場合が
ある。
c) 外部接続部は,正しい方向で差し込みやすく,不用意に抜けることのないようにしなければならない。
例1 端子に表裏がある場合に,外部接続部に表裏を表す図記号が付いている。
例2 ケーブル側の端子を差し込みやすくするために,機器側の端子の周囲をすり鉢状にしている。
例3 端子を抜けにくくするために,着脱用の爪が付いている。
注記 筋力低下,麻ひ(痺),手の震え,不随意運動などのために,端子の着脱などが難しい場合が
ある。視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,端子の着脱の向きが分かりにくい
場合がある。
7.4 無線による外部接続
無線による周辺機器との外部接続に関する共通要件は,次による。
a) 複数の感覚によって次の内容が確認できるようにしなければならない。
・ 接続する機器に関する情報
・ 機器と接続又は切断した情報
例1 無線によってヘッドホン及び補聴器を接続するときは,対象のヘッドホンから音声による
ガイダンスを聞くことができる。
例2 無線によるヘッドホン及び補聴器の接続を解除する前に,報知音などで解除の警告が出る。
例3 無線によるキーボードの接続を解除する前に,報知音などで解除の警告が出る。
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JIS X 8341-4:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.80 : ヘルスケア技術へのITの応用
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.99 : 身体障害者用介護用具に関するその他の規格
JIS X 8341-4:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称