JISY1001 : 2019 サービスロボットを活用したロボットサービスの安全マネジメントシステムに関する要求事項

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Y 1001:2019

・ 会議の議事録

・ 講習会の結果記録

7.4.2

内部コミュニケーション

組織は,次の事項を行わなければならない。

a) 必要に応じて,ロボットサービス安全マネジメントシステムの変更を含め,ロボットサービス安全マ

ネジメントシステムに関連する情報について,組織の種々の階層及び機能間で内部コミュニケーショ

ンを行う。ロボットサービス安全マネジメントシステムに関連する情報として,組織が6.2.3によって

規定した運用上の順守事項を考慮する。

b) コミュニケーションプロセスが,組織の管理下で働く人々の継続的改善への寄与を可能にすることを

実現する。

7.4.3

利害関係者とのコミュニケーション

組織は,コミュニケーションプロセスによって確立したとおりに,ロボットサービス安全マネジメント

システムに関連する情報について利害関係者とコミュニケーションを行わなければならない。

注記 利害関係者とのコミュニケーションの例として,次が考えられる。

− フィールド提供者から,ロボットサービスを実施する設備・環境の変化に関する情報を入

手する。

− フィールド提供者に対して,ロボットサービスに生じた変更について,情報を提供する。

7.5

文書化した情報

7.5.1

一般

組織のロボットサービス安全マネジメントシステムは,次の事項を含まなければならない。

a) この規格が要求する文書化した情報

b) ロボットサービス安全マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した,文書化

した情報

注記 ロボットサービス安全マネジメントシステムのための文書化した情報の程度は,次のような理

由によって,それぞれの組織で異なる場合がある。

− 組織の規模,活動,プロセス及びサービスの種類

− プロセス及びその相互作業の複雑さ

− 人々の力量

7.5.2

作成及び更新

文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にしなければならない。

− 適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付,作成者,参照番号)

− 適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図・表)及び媒体(例えば,紙,電子媒体)

− 適切性及び妥当性に関する,適切なレビュー及び承認

7.5.3

文書化した情報の管理

ロボットサービス安全マネジメントシステム及びこの規格で要求している文書化した情報は,次の事項

を確実にするために,管理しなければならない。

a) 文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能,かつ,利用に適した状態である。

b) 文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用,完全性の喪失から

の保護)。

文書化した情報の管理に当たって,組織は,該当する場合には,必ず,次の行動に取り組まなければな

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らない。

− 配布,アクセス,検索及び利用

− 読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存

− 変更の管理(例えば,版の管理)

− 保持及び廃棄

ロボットサービス安全マネジメントシステムの計画及び管理のために組織が必要と決定した外部からの

文書化した情報は,必要に応じて識別し,管理しなければならない。

注記 アクセスとは,文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定,又は文書化した情報の閲覧及

び変更の許可及び権限に関する決定を意味する場合がある。

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運用

8.1

運用の計画及び管理

組織は,次に示す事項の実施によって,要求事項を満たすため,並びに6.1及び6.2で決定した取組みを

実施するために,ライフサイクルの各段階を考慮して,必要なプロセスを計画し,実施し,管理しなけれ

ばならない。

− プロセスに関する基準の決定

− その基準に従った,プロセスの管理の実施

− プロセスが計画どおりに実施されたという確信をもつために必要な程度の,文書化した情報の保持

組織は,計画した変更を管理し,意図しない変更によって生じた結果をレビューし,必要に応じて,有

害な影響を軽減する処置をとらなければならない。

組織は,外部委託したプロセスが管理されていることを確実にしなければならない。

組織は,必要に応じて,外部委託したプロセスに責任を負う者又は組織に対して,関連する安全上の要

求事項を伝達しなければならない。

注記 外部委託先に伝達する情報に,受益者のプライバシー情報が含まれる場合には,委託先に対し

て個人情報保護上の配慮を要求する必要が生じる場合がある。

8.2

受益者とのコミュニケーション

組織は,6.1.2.3に規定する受益者制限に基づいて,次に示すa)〜c)を含む受益者とのコミュニケーショ

ンを行わなければならない。

a) 必要に応じて,受益者制限を,サービス開始前に受益者に知らせる。

b) 必要に応じて,サービス開始前に,受益者が受益者制限を満たしていることを判断するために必要な

情報を確認する。

c) b)の結果,その受益者が受益者制限を満たしていない場合は,サービスの提供を停止する。

受益者とのコミュニケーションを行う場合は,多様性を考慮に入れなければならない。

注記1 考慮すべき多様性として次が考えられる。

− 年齢

− 性別

− 言語

− 文化

− 識字

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− 障害

組織は,必要に応じて,ロボットサービス実施中の安全を確保するために必要な技能を受益者が獲得す

るための教育を規定し,文書化し,維持し,実施しなければならない。組織は,教育を規定する際,必要

に応じて,製造業者が使用上の情報で要求する技能を受益者が獲得するために必要な教育を考慮しなけれ

ばならない。

注記2 教育の内容として,次の場合がある。

− 受益者が守るべき注意点の伝達

− 発生する可能性のある事象に対しての対応方法の伝達

教育の結果は,必要に応じて,文書化し,保持しなければならない。

注記3 組織が,教育の手段として,不特定多数の受益者に対して口頭又は掲示での伝達を選択した

場合,教育の結果を文書化することは困難と考えられる。そのような場合には,口頭又は掲

示での伝達を実施した事実だけを記録することが考えられる。

組織は,必要に応じて,受益者の行動制限及びそれを守らないことによるリスクを文書化し,保持しな

ければならない。

組織は,サービス開始前に受益者に対して,受益者の行動制限及びそれを守らないことによるリスクを

知らさなければならない。

組織は,苦情を含め,ロボットサービスの安全性に関する受益者からのフィードバックを取得するよう

努めなければならない。

8.3

ロボットサービスにおける第三者への配慮

組織は,必要に応じて,ロボットサービスにおける第三者に対して,ロボットサービスの安全に関連す

る情報を広報しなければならない。

注記 広報の方法として次が考えられる。

− 視覚的方法

・ チラシの配布

・ 看板の設置

・ デジタルサイネージの設置

− 聴覚的方法

・ アナウンス

・ アラーム

組織は,必要に応じて,ロボットサービスにおける第三者の生命,身体,財産,及びプライバシー権を

含む権利侵害に対して配慮しなければならない。

8.4

緊急事態への準備及び対応

組織は,潜在的な緊急事態への準備及び対応のために必要なプロセスを確立し,実施し,維持しなけれ

ばならない。

組織は,次の事項を行わなければならない。

a) 組織として取り組む必要のある緊急事態を規定する。

b) 緊急時対応計画として緊急事態からの安全性の低下影響を防止又は緩和するための処置を計画するこ

とによって,対応を準備する。

c) 顕在化した緊急事態に対応する。

d) 緊急事態及びその潜在的な影響の大きさに応じて,緊急事態による結果を防止又は緩和するための処

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置をとる。

e) 緊急事態が顕在化した場合,少なくともc)の結果を速やかにトップマネジメントに伝達する。

f)

実行可能な場合には,計画した対応処置を定期的に訓練する。

g) 定期的に,特に緊急事態の発生後又は訓練の後には,プロセス及び計画した対応処置をレビューし,

必要に応じて改訂する。

h) 必要に応じて,緊急事態への準備及び対応についての関連する情報及び教育訓練を,組織の管理下で

働く人々及び関連する利害関係者に提供する。

i)

事故が発生した場合の賠償責任に対する補償手段を整えておく。

注記1 ロボットサービスにおける考慮すべき緊急事態の例として次が考えられる。

− サービスロボット及びロボットサービスシステムの,許容できないリスクを生じる可

能性のある故障

− ロボットサービス実施中の事故

− 地震,台風などの外部事象

− 火災,停電などの内部事象

注記2 事故が発生した場合の賠償責任に対する補償手段としては,賠償責任保険への加入が一般

的である。

組織は,必要に応じて,可能な場合,サービス開始前に,緊急時対応に必要となる受益者及びロボット

サービスにおける第三者の情報を収集しなければならない。情報の収集が不要又は不可能と判断した場合

には,その根拠を文書化しなければならない。

注記3 緊急時対応に必要となる情報の例として,氏名,緊急時連絡先,特別な補助の必要性,持病

などが考えられる。

注記4 ロボットサービスの特性によって,受益者及びロボットサービスにおける第三者からの情報

の収集ができない場合がある。そのような場合には,緊急事態発生後に速やかに必要な情報

を得られるよう,情報の入手,伝達の経路などについて利害関係者間で調整しておくことが

必要な場合がある。

組織は,受益者及びロボットサービスにおける第三者の情報の収集,保管及び使用を,法規及びその他

の要求事項にのっとり適切に執り行わなければならない。

組織は,受益者に対して,サービス開始前に緊急時対応計画を広報しなければならない。

組織は,プロセスが計画どおりに実施できるという確信をもつために必要な程度の文書化した情報を維

持しなければならない。

8.5

危険事象の取扱い

危険事象の取扱いは,次による。

a) 組織は,発生した危険事象を文書化し,担当当局へ報告するためのプロセスを確立し,維持しなけれ

ばならない。危険事象として文書化する内容は,法的要求事項及び利害関係者からの要求事項を考慮

に入れなければならず,かつ,次の1)〜10)を含まなければならない。

1) ロボットサービスの運用内容

2) 日時

3) 場所

4) 参加者(受益者,スタッフ)

5) 何が起こったか

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6) 想定原因

注記1 想定原因には,例えば,新たに発見された,サービスロボット及びロボットサービスシ

ステムの安全上のぜい(脆)弱性に関する情報を含む場合がある。このような情報の機

密性の喪失及び不適切な使用は,ロボットサービス安全パフォーマンスを低下させる可

能性があるため,文書化した情報の管理(7.5.3)が特に重要である。

注記2 想定原因が特定できない場合は,その旨を記載することが重要である。

7) 対応内容(医療的処置を含む。)

8) 結果(最終的な被害状況など)

9) 修正対応

10) 情報元

組織は,担当当局へ危険事象を報告する必要性を判断するための基準を設定し,その基準に基づい

て担当当局へ危険事象を報告しなければならない。基準は,法的要求事項及び利害関係者からの要求

を考慮に入れなければならず,かつ,文書化し,維持しなければならない。

b) 組織は,製造業者へ危険事象を報告する必要性を判断するための基準を設定し,その基準に基づいて

製造業者へ危険事象を報告しなければならない。基準を設定する際は,サービスロボットに起因する

危険事象を全て報告することが望ましい。製造業者へ報告する内容は,a)の1)〜10)に加えて,可能な

場合,次の1)〜6)を含まなければならない。

1) サービスロボットの型番

2) サービスロボットのシリアルNo.

3) ソフトウェアのバージョン

4) 保守履歴

5) サービスロボット内に保存された,事故発生時の動作状況の推移を記録したデータ

6) 該当する場合,製造業者の意図した使用の限定範囲の超過の有無とその内容

注記3 危険事象の報告に基づいて製造業者がサービスロボットの改良を行うことで,サービスロ

ボット及びそれらを使用するロボットサービスの将来的な安全性の向上が期待できる場合

がある。

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パフォーマンス評価

9.1

監視,測定,分析及び評価

9.1.1

一般

組織は,次の事項を決定しなければならない。

− 監視及び測定が必要な対象

− 該当する場合には,必ず,妥当な結果を確実にするための,監視,測定,分析及び評価の方法

− 監視及び測定の実施時期

− 監視及び測定の結果の,分析及び評価の時期

組織は,この結果の証拠として,適切な文書化した情報を保持しなければならない。

組織は,ロボットサービス安全パフォーマンス及びロボットサービス安全マネジメントシステムの有効

性を評価しなければならない。

9.1.2

順守評価

組織は,運用上の順守事項を満たしていることを評価するために必要なプロセスを確立し,実施し,維

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JIS Y 1001:2019の国際規格分類一覧

  • 13.110
  • 25.040.30

JIS Y 1001:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
B0134
ロボット及びロボティックデバイス-用語
B8445
ロボット及びロボティックデバイス-生活支援ロボットの安全要求事項
B8446-1
生活支援ロボットの安全要求事項-第1部:マニピュレータを備えない静的安定移動作業型ロボット
B9700
機械類の安全性-設計のための一般原則-リスクアセスメント及びリスク低減
Q9000
品質マネジメントシステム-基本及び用語
Q9001
品質マネジメントシステム-要求事項
Z8051
安全側面-規格への導入指針