JIS Z 2305:2013 非破壊試験技術者の資格及び認証 | ページ 5

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9 認証

9.1 運営

  全ての条件を満たす申請者は,認証されなければならず,認証機関は認証に関わる証拠を利用可能なも
のにしなければならない。証拠は,ハードコピーの資格証明書及び/又は携帯用カードの発行(9.2参照),
及び/又は認証機関のウェブサイトへの関連する情報のアップロード及び掲載によってなし得る。

9.2 資格証明書及び/又は携帯用カード

  資格証明書及び/又はそれに相当する携帯用カードには,少なくとも次の事項が含まれていなければな
らない。
a) 認証を受けた個人の氏名
b) 認証の発効年月日
c) 認証が失効する年月日
d) この規格に対する準拠(JIS Z 2305:2013/ISO 9712:2012)
e) 認証のレベル
f) 認証機関の名称
g) DT方法
h) 適用分野
i) 必要なら,認証及び/又は特別な適用に対する制限範囲
j) 固有の個人識別番号
k) 認証を受けた個人の署名
l) カードの場合には,認証を受けた個人の写真
m) カードの場合には,認証を受けた個人の写真カードの偽造を防止する工夫。例えば,コールドシール
の使用又は溶着によるプラスチックケースへの封入
n) 認証機関が指名した代表者の署名
資格証明書若しくは携帯用カードのいずれか又は両方に,資格証明書保持者に作業実施許可(3.21参照)
を与える雇用主の署名及び押印のため特別の余白を設けてもよい。これによって,雇用主は,NDT結果に
対する責任を負うことを明示する。

9.3 デジタル資格証明書

9.3.1  デジタル資格証明書は,物的(ハードコピー)な資格証明書の代わりに又はそれと併せて発行して
もよい。この場合,国内規制に従い,関係者は,要求なしに次のデータを認証機関のウェブサイトで確認
することができる。
− 認証機関の法人名,連絡先又は必要な場合はその認定状況
− 認証を受けた個人の氏名
− 認証を受けた個人の唯一の個人識別番号
− 認証を受けた個人の写真(10年以内撮影)
− 認証の発行年月日及び有効期限
− レベル,NDT方法及び適用分野を含めた認証の範囲
− 必要なら,認証に関する制限
9.3.2 9.3.1に規定するデータは認証機関のウェブサイトから直接印刷することができるようにする。印
刷されたデータは,印刷の日付及び現在の認証の状態が関連するウェブサイトで検証可能であることの記
載を含んでいなければならない。

――――― [JIS Z 2305 pdf 21] ―――――

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9.4 有効性

9.4.1  一般
資格証明書の有効期間は最大5年間とする。有効期間は,認証の要求事項(訓練,経験,満足する視力
検査,試験の合格)の全てが満たされたとき(資格証明書の発行日)に開始される。
認証は,次の場合に有効でなくなる。
a) 認証機関が判断した場合。例えば,認証手順と適合しないか又は倫理規定に反する行為に関する証拠
を確認した場合。
b) 個人が,雇用主の責任の下に毎年行われている視力検査に合格しなかったことによって,業務の遂行
が身体的に不可能な場合。
c) 個人が認証を受けたNDT方法に関して大幅な中断(3.27参照)が生じた場合。
d) 個人が再認証に合格しなかった場合(その無効期間は,再認証又は新規の認証の要求事項を満たすま
でとする。)。
9.4.2 妥当性の再実証
認証機関は,9.4.1 a)及びb)の場合の妥当性の再実証の条件を明示しなければならない。
大幅な中断が生じた後の妥当性の再実証の場合,個人は再認証試験に合格しなければならない。認証は
妥当性の再実証を受けた日から5年間の新たな有効期間の妥当性が再実証される。

10 更新

10.1 最初の有効期間の満了前及びそれから10年ごとに,次の文書の作成をもって認証機関は,5年間の
認証を更新してもよい。
a) 更新に先立つ12か月の期間内に,視力検査を満足したことの証拠文書。
b) 認証の更新が求める方法及び分野において大幅な中断(3.27参照)がなく,満足な業務活動を継続し
ていることを証明する証拠文書。
もし,10.1 b)の更新条件を満たさない場合には,再認証の規定に従わなければならない(箇条11参照)。
10.2 資格証明書保持者は,更新に要求された手順を開始する責任がある。更新書類は,認証の失効日前6
か月以内に提出されなければならない。例外として,認証機関の決定に基づき,失効日後12か月以内に提
出された書類は,考慮してもよい。この期間を過ぎた場合,例外は認められず,申請者は,再認証試験を
受けることが許されなければならない。

11 再認証

11.1 一般

  各2回目の有効期間の満了前(10年ごと)に,認証を受けた個人は,10.1 a)に規定された更新条件及び
次の11.2及び11.3に規定する条件を満たすならば,認証機関から新たに5年間又はそれ未満の期間,再認
証を受けてもよい。
資格証明書保持者は,再認証を得るため要求された手順を開始する責任がある。もし有効期間を過ぎて
から12か月以上経た後に再認証が申請された場合には,レベル1及びレベル2に対する全ての試験(一般,
専門,実技)並びに,レベル3に対する主要方法試験に再度合格しなければならない。

11.2 レベル1及びレベル2

11.2.1 再認証を求めるレベル1及びレベル2の資格証明書保持者は,10.1 b)に規定された更新条件を満た
し,11.2.2に合致しなければならない。

――――― [JIS Z 2305 pdf 22] ―――――

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11.2.2 個人は,資格証明書に明示された範囲の業務を継続して遂行する能力を実証する実技試験に合格し
なければならない。これには,妥当性が再実証される認証の範囲に適した試験体(複数)を試験すること
が含まれていなければならない(表B.1参照)。さらに,レベル2に関しては,レベル1技術者用のNDT
指示書作成試験も含まれなければならない(8.2.3.9参照)。もし個人が各試験体の試験において,更にレ
ベル2に関しては指示書作成試験においても,少なくとも70 %(表5のガイダンスに従って配分される。)
を達しなかった場合,1回目の再認証試験の7日後から6か月以内に,全ての再認証試験の再試験を2回
受けることが許可される。
2回の再試験に不合格となった場合,資格証明書は妥当性が再実証されなく,同じレベル,分野及びNDT
方法についての認証を再び受けるためには,新規に申請をしなければならない。この場合,ほかの有効な
認証があっても試験の免除は認められない。

11.3 レベル3

11.3.1 再認証を求めるレベル3資格証明書保持者は,次のいずれかの条件を満たす再認証に関わる資格が
維持されていることの証拠を提出しなければならない。
a) 11.3.2のレベル3の筆記試験の要求事項を満たす。
b) 附属書Cにあるクレジットシステムに関する要求事項に合致する。
個人は,再認証試験又はクレジットシステムのいずれかを選択してもよい。クレジットシステムを選択
し,雇用主の文書の提出又は雇用主の敷地への立入りが要求された場合には,雇用主の承認書を認証機関
に提出しなければならない。
いずれの場合(筆記試験又はクレジットシステム)においても,個人は,NDT方法について継続した実
技能力に関して,認証機関によって受け入れられる適切な証拠文書を提出するか又は指示書の作成を除く
11.2.2に規定されたレベル2実技試験に合格しなければならない。
11.3.2 個人は,関連する分野でのNDT方法の適用に関する20問以上の問題を含む試験に合格しなければ
ならなく,現行のNDT技法,規格,コード又は仕様書及び適用される技術の理解を実証する。また,認
証機関の選択によって,認証スキームの要求事項に関する追加の5問に合格しなければならない。
11.3.3 個人は,再認証試験で最小限70 %に達しなかった場合には,再認証試験での2回の再試験を受け
る機会が与えられる。認証機関によって期間が延長されない限り,全ての試験の実施期間は,12か月以内
とする。
2回の再試験に不合格となった場合,資格証明書は,妥当性が再実証されなく,同じ分野及びNDT方法
についての認証を再び受けるためには,申請者は,該当する主要方法試験に合格しなければならない。
11.3.4 クレジットシステムによる再認証を申請したが,その要求事項を満たしていない申請者は,11.3.2
に従って再認証を受けなければならない。試験による再認証において,1回目の試験に不合格となった場
合には,クレジットシステムによる再認証を申請した日付から12か月以内に,1回に限り,再認証試験の
再試験を受ける機会が与えられる。

12 ファイル

  認証機関又は資格試験機関は,次のものを保管しなければならない。
a) レベル,NDT方法及び分野に従って分類されている認証を受けた全ての個人の実際のリスト又はデー
タベース。
b) 申請の日付から少なくとも5年間,認証されなかった各申請者についての個人のファイル。
c) 認証を受けた個人及び認証を失効した個人についての個人のファイルで,次のものを含む。

――――― [JIS Z 2305 pdf 23] ―――――

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1) 10年以内に撮影した写真又はデジタル画像
2) 申請書
3) 試験における問題,解答,試験体の詳細,記録,試験結果,NDT手順書,採点用紙などの文書
4) 更新及び再認証の文書。これには,視力及び業務継続の証拠を含む。
5) 認証の取消しの理由
個人のファイルは,資格証明書又は携帯用カードが有効である間及び認証の失効後少なくとも1回の全
認証サイクルの間,安全及び機密保持に適した状態で保管されなければならない。

13 移行期間

13.1 この箇条の目的は,認証機関がその認証スキームで扱っていないNDT方法の認証スキームを始める
か又は新しい分野を創設する場合に,そのシステムの開始を許可することである。認証機関は,資格試験
を実施,監督及び採点する目的で,その新しいNDT方法又は分野の施行日から5年を超えない期間,適
切に資格付けされた技術者(3.9参照)を試験員として一時的に任命してもよい。この5年の施行期間につ
いて,認証機関は,資格及び認証に関するこの規格における要求事項を完全には満足しない申請者を認証
する手段として使用してはならない。
13.2 適切に資格付けされる技術者は,次のような技術者である。
a) DT方法の原理の知識及び分野に関する専門知識がある。
b) DT方法の適用の工業経験がある。
c) 資格試験を実施する能力がある。
d) 試験問題及び資格試験の結果を解釈することができる。
13.3 これらの試験員は,任命の日付から2年以内に,11.3.1に規定されている再認証の要求事項を満たす
ことで,認証を受けなければならない。

――――― [JIS Z 2305 pdf 24] ―――――

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附属書A
(規定)
分野
A.1 一般
分野を創設する場合,認証機関は,A.2及びA.3の分野の参考リストに従って規格化してもよい。これ
は,各国の要求を満足させるため,追加の分野の開発を妨げるものではない。
A.2 製品分野
製品分野には,次が含まれる。
a) 鋳造(c) (鉄鋼材料及び非鉄材料)
b) 鍛造(f) (全ての種類の鍛造 : 鉄鋼材料及び非鉄材料)
c) 溶接(w) (鉄鋼材料及び非鉄材料の全ての種類の溶接で,これにはろう接も含む。)
d) 管(t) (継ぎ目なし,溶接,鉄鋼材料及び非鉄材料。これには溶接管の製造用の平板製品を含む。)
e) 鍛造を除く圧延製品(wp)など (例 板,棒,条)
f) 複合材料(p)
A.3 工業分野
全ての製品若しくは一部の製品又は規定した材料(例 鉄鋼及び非鉄金属,又はセラミック,プラスチ
ック及び複合材料のような非金属材料)を含む,数多くの製品分野を組み合わせた分野。
a) 製造
b) 供用前・供用期間中試験(製造を含む。)
c) 鉄道保守
d) 航空宇宙
工業分野を創設する場合,認証機関は,その発行文書で,製品,対象又は項目について関連する新しい
分野の適用範囲を明確に定義しなければならない。
ある工業分野について認証を受けた個人は,その工業分野を構成している個別の分野についての認証も
保持しているとみなされなければならない。
分野の認証は,全NDT方法において力量の三つの資格レベルの全てに適用するか,特定のNDT方法又
は資格レベルに限定してもよい。どのような組合せであっても,認証の適用範囲を,資格証明書に明記し
なければならない。
認証機関は,複合材料について資格試験の要求事項を規定しなければならない。

――――― [JIS Z 2305 pdf 25] ―――――

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JIS Z 2300:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2305:2013の関連規格と引用規格一覧