JIS Z 2316-3:2014 非破壊試験―渦電流試験―第3部:プローブの特性及び検証 | ページ 2

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g) 幾何学的特性
h) 正規化インピーダンス軌跡(周波数を変化)
与えられた適用方法及び与えられた試験システムにおけるプローブの性能(例えば,分解能,検出でき
る最も小さな不連続部,その他)は,これらの機能的特性だけで明確にすることはできない。
プローブの機能的特性に接続要素が影響する場合には,接続要素の影響を測定しなければならない。

5 検証

5.1 一般

  確実で有効な渦電流試験を実施するために,プローブ(接続要素を含む。)の性能が許容範囲内に維持さ
れていることを検証することが必要である。この検証のために各種点検及び必要であれば,その是正処置
を行う。このための検証の手順書を作成する。その中には是正処置の手順を含む。
対比試験片の物理的状態(材質,表面状況,形状,きずなど)は,渦電流試験システムの構成要素の検
証に用いる前に,許容範囲内にあることを確認しなければならない。また,検証に用いる測定機器は,校
正されていなければならない。

5.2 点検のレベル

  点検は,次の三つのレベルとする。各レベルでは,点検の内容によって適切な点検の周期を定める。
なお,初期の試験は,あらかじめ製造業者又はその管理下で実施していなければならない。
a) レベル1 : 日常点検 プローブの性能が指定した範囲内にあることを確認するために,対比試験片を
用いて,定められた周期で実施する。この点検は,試験現場で日常的に実施する。この周期及び対比
試験片は,点検手順書に明記する。
b) レベル2 : 定期点検 一定の継続期間後の点検は,プローブの特性の安定性を保証するために実施す
る。
c) レベル3 : 特性点検 この点検は,製造業者による出荷時の特性と同じであることを保証するために,
プローブについて実施する。
点検を必要とする組織は,確認すべき特性を指定しなければならない。点検レベルに関連する内容を,
表1に示す。
表1−点検レベルに関連する内容
点検レベル 目的 点検周期 点検に用いる機器 実施者a)
レベル1 : 日常点検 プローブの性能の安定 周期的に(例えば,毎
対比試験片 使用者
性の確認 時間,毎日)
レベル2 : 定期点検 プローブの選択した特 校正した測定器及び
定期的に,少なくとも
使用者
性の安定性の確認 毎年,又は修理の後 対比試験片
レベル3 : 特性点検 プローブの全ての特性 出荷時の一度,又は必校正した測定器及び
製造業者,使用者
の確認 要とするとき 対比試験片
注a) 実施者は,点検について責任をもつ者を指し,実際に機器を点検する者と異なってもよい。

5.3 点検手順

  適用する試験の内容によって,点検の対象となる特性は異なる。必須の特性及び点検レベルは,検証の
手順書に詳細に示さなければならない。

――――― [JIS Z 2316-3 pdf 6] ―――――

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渦電流試験の手順は,点検の手順書と関連付けなければならない。限定的な適用に対しては,点検する
特性の数を限定することができる。
点検がこの規格の適用範囲内で実行できるように,プローブの重要な特性を示す十分なデータが提供さ
れなければならない。

5.4 是正処置

  是正処置のレベルは,次による。
a) レベル1 : プローブの性能が,指定した範囲内にないとき,前の正常な点検以降に試験した製品に対
して是正処置の決定を下し,プローブの性能が許容限度内になるように処置しなければならない。
b) レベル2 : 特性の偏差が,製造業者又は検証の手順書で指定した許容限度より大きいとき,プローブ
に対して是正処置の決定を下さなければならない。
c) レベル3 : 特性が,製造業者が指定する範囲又は検証の手順書で指定する受入れ範囲を外れていると
き,プローブに対して是正処置の決定を下さなければならない。

6 プローブの電気的及び機能的諸特性の測定

6.0A 一般

  プローブの電気的及び機能的諸特性の測定では,特性測定の手順書をあらかじめ作成しておかなければ
ならない。プローブの特性は,電気的特性及び機能的特性を明らかにして,初めて明確になる。

6.1 電気的特性

6.1.1  一般
6.1.26.1.5に与えられる方法及び測定器は,測定のための一例であり,測定にはほかの同等な方法及び
機器を使用してもよい。
6.1.2 測定条件
測定は,システムの接続要素を用いないで,プローブ単体で行う。プローブは,その周囲のほかの導電
体又は磁性体から離して置く。測定は,プローブコネクタにおいて,プローブの各コイルに対して行われ,
ほかのコイルは開放して行う。
プローブが特定の条件,例えば,ある温度又は圧力下で用いるように設計されているとき,必要とする
追加の測定は,検証の手順書中に記載する。
6.1.3 励磁コイルの共振周波数
6.1.3.1 単一コイルのプローブ
インピーダンスメータを用いて単一コイルの共振周波数(fres)を測定する。
6.1.3.2 複数コイルのプローブ
複数のコイルをもつプローブは,複数の共振周波数をもつが,測定による最も低い周波数を報告する。
6.1.4 励磁コイルのインピーダンス
マルチメータを用いて抵抗(R0)を測定し,また,インピーダンスメータを用いてインダクタンス(L0)
及び静電容量(C0)を測定する。インダクタンスについては,プローブに対して推奨する試験周波数の範
囲の中で最も低い周波数による測定値を報告する。
もし静電容量(C0)の値が,直接測定するには小さ過ぎる場合,次の式(1)によってできる限り正確な結
果を出すことが望ましい。
1
C0 2 2 (1)
4πfresL0

――――― [JIS Z 2316-3 pdf 7] ―――――

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励磁コイルのインピーダンスの等価回路を,図1に示す。
R0
L0 C0
図1−励磁コイルのインピーダンスの等価回路
6.1.5 検出コイルのインピーダンス
マルチメータを用いて抵抗を測定し,また,インピーダンスメータを用いてインダクタンス及び静電容
量を測定する。インピーダンスの測定値は,周波数に対する曲線として表せる。

6.2 機能的特性

6.2.1  一般
ここでは,一般的に用いられるプローブの特性を明らかにする。特殊な用途のために設計したプローブ
は,検証の手順書によってそのプローブの固有な特性を明らかにしなければならない。ここで記載する特
性は,それらのプローブについての有益な情報を与えることができる。
機能的特性は,上置プローブ及び同軸プローブの2種類について定義する。
6.2.2 測定条件
6.2.2.1 一般
JIS Z 2316-2による特性を示す汎用の渦電流試験器が,要求した精度をもっているとき,それを測定に
用いることができる。
汎用の渦電流試験器の代わりとして,十分な性能をもっている電圧・電流発生器,ロックインアンプ,
及び電圧測定器又はオシロスコープを用いてもよい。
専用の接続ケーブルを用いないで測定するとき,測定に使用するケーブルの特性は,検証の手順書で示
しておかなければならない。
プローブの特性は,スリット及び穴のような既知の形状のきずをもつ特性測定用対比試験片を用いて,
プローブの製造業者が指定する周波数範囲内で測定する。
特性測定用対比試験片は,検証の手順書中で指定した材質,金属的特性及び表面仕上げによって作る。
その幾何学的形状は,6.2.3.1及び6.2.4.2に示す要求事項に従わなければならない。強磁性体によって作ら
れた特性測定用対比試験片は,用いる前に消磁する。また,特性測定用対比試験片は,特性を測定する上
で等価とするその他の方法(代替の特性測定用対比試験片,電気回路,コイル,金属球など)で置き換え
てもよい。
プローブの特性は,その影響範囲における電磁界又は強磁性体による外乱要因の影響を受ける。特に
6.2.2.2及び6.2.2.3における測定をするときは,これらの影響を受けないように注意する。
各特性に対する測定条件,例えば,励磁周波数,電圧・電流,特性測定用対比試験片の詳細などを記録
する。
測定値は,信号の振幅及び測定が可能なときの位相とする。

――――― [JIS Z 2316-3 pdf 8] ―――――

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6.2.2.2 信号の振幅の測定
各測定法における信号の振幅は,次による。
a) 絶対値測定 信号の振幅は,検証の手順書の中で指定がない限り,ブリッジバランス点から信号の最
大の移動点をつないだベクトルの長さとする[図2 a) 参照]。
b) 差動測定 信号の振幅は,検証の手順書の中で指定がない限り,信号の二つの端点,すなわち,ベク
トルのピークからピークまでの点をつなぐ線の長さとする[図2 b) 参照]。
c) 他の測定 測定法は,検証の手順書で明確にしなければならない。
A
A
a) 絶対値信号の振幅 b) 差動信号の振幅
A : ベクトルの長さ(振幅)
図2−信号の振幅
6.2.2.3 信号の位相角の測定
位相角の測定のための基準は,正方向のX軸とする。位相角は,基準線と6.2.2.2において決定した信号
振幅のベクトルとの間の角度である。位相角の範囲は,0°360°又は0°±180°のいずれかによって
表示する。
6.2.3 上置プローブ
6.2.3.0A 一般
特に指定がない限り,測定は,検証の手順書中に指定する一定のリフトオフによって実施しなければな
らない。
6.2.3.1 特性測定用対比試験片
特性測定用対比試験片(A1A5)の概要を,図3に示す。各試験片の詳細な要求事項は,検証の手順書
で明確にしなければならない。
これらの特性測定用対比試験片の長さ及び幅は,プローブの仕様書で定義しているスリット応答長さの
少なくとも10倍でなければならない。スリット応答長さが分からないときは,走査平面におけるプローブ
の最大寸法を用いる。特性測定用対比試験片の長さ及び幅の確認は,6.2.3.8で規定しているスリット応答
長さを測定した後で行ってもよい。
特性測定用対比試験片の厚さは,プローブの仕様書で指定している最小周波数による表皮深さの少なく
とも2倍でなければならない。
上置プローブの測定に用いる特性測定用対比試験片は,次による。
a) 特性測定用対比試験片A1 次に示す寸法のスリットが試験片中央に加工してある。
1) 長さは,6.2.3.10において決定される最小スリット長さより長くする。

――――― [JIS Z 2316-3 pdf 9] ―――――

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2) 深さは,6.2.3.11において決定される最小スリット深さより深くする。
3) スリット幅は,検証の手順書において明記する。
b) 特性測定用対比試験片A2 試験片中央に穴を加工したものであり,穴の直径は,検証の手順書の中で
明確にする。穴の深さは,特性測定用対比試験片A1のスリットと同じにすることが望ましい。
c) 特性測定用対比試験片A3 特性測定用対比試験片A1と同じ幅及び奥行きで,スリットは加工されて
いない。試験片の厚さは,最小周波数による表皮深さの3倍又はプローブ最大寸法の2倍を上限とし,
厚さを変えたものとする。
d) 特性測定用対比試験片A4 特性測定用対比試験片A1と同じ外形で,n個の平行スリットがある。
これらのスリットの加工は,次による。
1) 全てのスリットは,特性測定用対比試験片A1のスリットと同じ長さ及び幅とする。
2) スリット深さは,スリット1からnまで,検証の手順書で指定する一定の間隔で深さを増大させる。
3) 平行に並んで隣接するスリットの間隔は,スリット応答長さ(6.2.3.8参照)の少なくとも5倍にす
る。
4) 1番目のスリット及び最後のスリットがそれぞれ隣接する試験片端部までの距離は,端末効果距離
(6.2.3.5参照)の少なくとも2.5倍とする。
スリットの数及び深さは,検証の手順書において明確にする。
e) 特性測定用対比試験片A5 特性測定用対比試験片A1と同じ外形で,n個の平行なスリットがある。
これらのスリットの加工は,次による。
1) 全てのスリットは,特性測定用対比試験片A1のスリットと同じ深さ及び幅をもっている。
2) スリット長さは,スリット1からnまで,検証の手順書で指定する一定の間隔で長さを増大させる。
最も長いスリットの端部から試験片端部までの距離は,端末効果距離(6.2.3.5参照)の2.5倍以上
とする。
3) 平行に並んで隣接するスリットの間隔は,スリット応答長さ(6.2.3.8参照)の少なくとも5倍にす
る。
4) 1番目のスリット及び最後のスリットがそれぞれ隣接する試験片端部までの距離は,端末効果距離
の少なくとも2.5倍とする。
5) 全てのスリットは,試験片の中央に配置する。
6) スリットの数及び長さは,検証の手順書において明記する。

――――― [JIS Z 2316-3 pdf 10] ―――――

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JIS Z 2316-3:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 15548-2:2008(MOD)

JIS Z 2316-3:2014の国際規格 ICS 分類一覧

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