JIS Z 2333:2005 アンモニア漏れ試験方法 | ページ 2

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備考 試験体の放置時間は,試験体に検知剤を塗布し,加圧又は減圧し,裏側にアンモニアガスを装
入した時点から,測定を開始するまでの時間をいう。

8.6 アンモニア濃度,放置時間及び漏れ量の関係

 検知剤上に,漏れによる直径1 mmの変色が生じる
までに要した時間(放置時間)は,実験データに基づき,式(1)で表される。
4
.995 10
T ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
Q A
ここに, T : 放置時間(s)
Q : 漏れ量(Pa・m3/s)
A : アンモニア濃度(体積分率%)
なお,試験体の漏れ部の形状が円筒状の孔と仮定した場合,Qの計算は式(2)による。
2
D4 p21 p22 D2
Q .123 10 .181 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
L L
ここに, Q : 漏れ量(Pa・m3/s)
D : 孔径(m)
L : 孔長さ(m)
p1 : 試験圧力(Pa)
p2 : 大気圧(Pa)
η : 使用アンモニアガスの粘性係数(Pa・s)(1)
注(1) アンモニア窒素混合ガスの場合,粘性係数は次の式で概算できる。
η=1.776×10−5−7.74×10−8×A
ここに, A : アンモニア濃度(体積分率%)
例えば,体積分率10 %アンモニアガスを用いて1×10−7Pa・m3/sの漏れを1 mmの漏れ指示として検出
したい場合には,式(1)から次のように試験放置時間を計算する。
T=9.95×10−4/(1×10−7×10)=995(秒)
すなわち,16分35秒後に直径1 mmの反応スポット径に成長する。
また,孔長さを2 mm,孔径を2 mとした場合,無加圧での漏れ量は式(2)から次のように計算する。
Q=0+1.81×(2×10−6)2/2×10−3=3.62×10−9(Pa・m3/s)

8.7 試験手順

8.7.1  加圧法の試験手順 加圧法の試験手順は,次による。
a) 準備 準備は,次による。
1) 検知剤,膜厚計,圧力計,加圧装置(ボンベ),真空ポンプ,酸素濃度計,アンモニアガス,アンモ
ニア漏れ試験片,アンモニア濃度計又は検知管,時計,温度計,湿度計,ウェス,ブラシ,真空掃
除機,洗浄液,記録紙,記録装置,マーカ,テープ,必要に応じてエアライン形又は吸収缶付き防
毒マスク,防塵マスク,防塵めがねなどを準備する。
2) 試験条件が規定されていない場合は,必要に応じて,アンモニア漏れ試験片を用いて試験条件を規
定する。

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3) 試験体の前処理及び開口部処理を行う。
4) 試験体に圧力計などの計器を取り付け,加圧装置を連結する。
5) 試験体内部に湿気がある場合には,アンモニアガスが水分に吸収され,ガス濃度が低下するおそれ
があるため,可能であれば試験前に試験体を約250 Paの圧力まで排気する。この時点で水分が沸騰
し,真空計の指針がいったん停止するとともに,再び圧力が下がり始める。いったん停止した時よ
り低い圧力を示した時点で,わずかな水分を残して試験体内部は乾燥された状態となる。
6) 試験体に検知剤を適用する。検知剤の反応スポットを観察できない複雑な接続部などの試験箇所に
は,検知剤を含浸させた布又は紙をあてがう。
7) 広範囲な変色が見られる場合は,アンモニア濃度計などで試験環境が汚染されていないか検査を行
い,汚染が確認された場合には,換気を行う。また,汚染物による変色の場合は,試験体表面を再
洗浄するなどの処置を行い,汚染源を取り除く。
b) 昇圧 規定のアンモニア濃度となるように,あらかじめ混合されたアンモニア・窒素混合ガスを使用す
るか,又は試験時に必要ガス濃度となるように,アンモニアと窒素ガスとを混合して,試験圧力の
50 %の圧力まで徐々に加圧し,この時点で漏れの有無を確認する。漏れのないことを確認した後,試
験圧力まで徐々に加圧し試験を行う。純アンモニアガスを使用する場合は,アンモニアの爆発限界を
避けるため,窒素置換を行い,酸素濃度を体積分率6 %以下にした後,試験体に規定量の純アンモニ
アガスを入れ,試験圧力まで加圧する。規定濃度のアンモニア・窒素混合ガスを作製する具体的方法
を次に示す。
1) 体積分率25 %アンモニア,体積分率75 %窒素混合ガスの場合,まず大気圧まで窒素を満たした後,
圧力指示96.5 kPaまでアンモニアガスを封入し,その後圧力指示289.6 kPaまで窒素ガスを充てんす
ると,体積分率25 %アンモニア,体積分率75 %窒素混合ガスが生成される。
2) 体積分率1 %アンモニア,体積分率99 %窒素混合ガスの場合,まず大気圧まで窒素を満たした後,
圧力指示4.14 kPaまでアンモニアガスを封入し,その後圧力指示289.6 kPaまで窒素ガスを充てんす
ると体積分率1 %アンモニア,体積分率99 %窒素混合ガスが生成される。
c) 放置 加圧した状態で,試験体を8.5(放置時間)によって求めた時間以上放置する。
d) 観察 検知剤の色の変化を目視又はその他の方法で検出する。漏れ箇所には印を付ける。漏れ量が大
きな場合,周囲への汚染,変色を防止するためテープなどを用いて漏れ箇所をふさぐ。
e) 降圧 試験体の圧力を下げる。このとき,大量のアンモニアガスを大気中へ放出する場合には,中和
剤を使用するなど適切な処理を行う。水にアンモニアガスを吸収処理させる場合,水1 Lで8002 000
Lのガス吸収が可能であるが,アンモニアガスを吸収した水は,アンモニア水として廃棄処分を行う。
f) 後処理 試験体に悪影響を及ぼさないように適切な後処理を行う。検知剤は,ブラシなどで掃き落し,
真空掃除機で吸い取る。
g) 記録 試験結果は,記録紙に記入し必要に応じスケッチ,写真,ビデオテープ,電子複写によって記
録する。
8.7.2 真空法の試験手順 真空法の試験手順は,次による。
a) 準備 準備は,次による。
1) 検知剤,膜厚計,圧力計,真空ポンプ,真空箱,酸素濃度計,アンモニアガス,アンモニア漏れ試
験片,アンモニア濃度計又は検知管,時計,温度計,湿度計,ウェス,ブラシ,真空掃除機,洗浄
液,記録紙,記録装置,マーカ,テープ,必要に応じてエアライン形又は吸収缶付き防毒マスク,
防塵マスク,防塵めがねなどを準備する。

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2) 試験条件が規定されていない場合は,必要に応じて,アンモニア漏れ試験片を用いて試験条件を規
定する。
3) 試験体の前処理及び開口部処理を行う。
4) 試験体に検知剤を適用する。検知剤の反応スポットを観察できない複雑な接続部などの試験箇所に
は,検知剤を含浸させた布又は紙をあてがう。
5) 広範囲な変色が見られる場合は,アンモニア濃度計などで試験環境が汚染されていないか検査を行
い,汚染が確認された場合には,換気を行う。また,汚染物による変色の場合は,試験体表面を再
洗浄するなどの処置を行い汚染源を取り除く。
6) 試験体に,真空箱及び圧力計を取り付ける。
7) 試験体内部に湿気がある場合には,アンモニアガスが水分に吸収され,ガス濃度が低下するおそれ
があるため,可能であれば試験前に試験体を約250 Paの圧力まで排気を行う。この時点で水は沸騰
し,真空計の指針がいったん停止するが,再び圧力が下がり始める。圧力計がいったん停止した時
より低い圧力を示した時点で,わずかな水分を残して試験体内部は乾燥された状態となる。
b) 試験用ガス(NH3-N2)の装入 規定のアンモニア濃度となるように,あらかじめ混合されたアンモニア・
窒素混合ガスを使用するか,又は試験時に必要ガス濃度となるように,アンモニアと窒素ガスとを混
合して装入する。純アンモニアガスを使用する場合は,アンモニアの爆発限界を避けるため,窒素置
換を行い,酸素濃度を体積分率6 %以下にした後,試験体に規定量の純アンモニアガス及び窒素ガス
を装入する。
c) 排気 真空箱内を規定圧力まで真空引きする。
d) 放置 試験体を真空引き状態で8.5(放置時間)によって求めた時間以上放置する。
e) 観察 検知剤の色の変化を観察する。
f) 開放
1) 真空箱内に空気を流入し,真空を開放する。
2) 真空箱を試験体から取り外し,漏れ箇所に印を付ける。漏れ量が大きい場合には,周囲への汚染,
変色を防止するため,テープなどを用いて漏れ箇所をふさぐ。
3) 試験体中の大量のアンモニアガスを大気中へ放出する場合には,中和剤を使用するなどの適切な処
理を行う。水にアンモニアガスを吸収処理させる場合,水1 Lで8002 000 Lのガス吸収が可能で
あるが,アンモニアガスを吸収した水は,アンモニア水として廃棄処分を行う。
g) 後処理 試験体に悪影響を及ぼさないように適切な後処理を行う。検知剤は,ブラシなどで掃き落し,
真空掃除機で吸い取る。
h) 記録 試験結果は記録紙に記入し,必要に応じスケッチ,写真,ビデオテープ又は電子複写によって
記録する。
8.7.3 アンモニア水,気化・拡散法の試験手順 アンモニア水,気化・拡散法の試験手順は,次による。
アンモニア水を試験体内で気化させ,このとき生じるアンモニアガスの拡散作用及び気化によって生じ
る微小圧力によって,試験体を加圧し漏れ試験を実施する方法で,試験容積が小さい場合(200 L以下)
又は漏れ位置を知りたい場合に有効な試験方法である。アンモニア水の場合,アンモニアの蒸気圧が温度
の影響を大きく受けるため,試験時の温度変化を小さくすることが必要である。
a) 準備 準備は,次による。
1) 検知剤,膜厚計,圧力計,酸素検知管,アンモニア水,アンモニア水計量注射器,アンモニア漏れ
試験片,アンモニア濃度計又は検知管,時計,温度計,湿度計,ウェス,ブラシ,真空掃除機,洗

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浄液,記録紙,記録装置,マーカ,テープ,必要に応じてエアライン形又は吸収缶付き防毒マスク,
防塵マスク,防塵めがねなどを準備する。
2) 試験条件が規定されていない場合は,必要に応じて,アンモニア漏れ試験片を用いて試験条件を規
定する。
3) 試験体の前処理及び開口部処理を行う。
4) 試験体に検知剤を適用する。検知剤の反応スポットを観察できない複雑な接続部などの試験箇所に
は,検知剤を含浸させた布又は紙をあてがう。
5) 広範囲な変色が見られる場合は,アンモニア濃度計などで試験環境が汚染されていないか検査を行
い,汚染が確認された場合には,換気を行う。また,汚染物による変色が確認された場合は,試験
体表面を再洗浄するなどの処置を行い,汚染源を取り除く。
6) 試験体に圧力計などを取り付ける。
b) アンモニア水の装入 図3を参考に,必要な体積相当量のアンモニア水を装入し,ガス濃度及びガス
圧力をあらかじめ測定する。
)
アンモニアガス発生濃度(体積分率%
20
( )
kPa
アンモニアガス分圧
10 非透明容器(20℃)
10
0 0
0 1 2 3 4
質量分率25% (g)
アンモニア水量
質量分率25%アンモニア水封入量に対するアンモニアガス発生濃度(実測値)
アンモニアガス分圧(実測値)
図 3 試験体容積1L当たりのアンモニア水(質量分率25 %)封入量に対するアンモニアガスの発生濃度及び分圧
c) 放置 試験体を8.5(放置時間)によって求めた時間以上放置する。
d) 観察 検知剤の色の変化を観察し,漏れ箇所には印を付けるとともに大きな漏れ指示の場合,周囲環
境を汚染しないようテープなどを用いて漏れ箇所をふさぐ。
e) 降圧 試験体の圧力を下げる。このとき,大量のアンモニアガスを大気中へ放出する場合には,中和
剤を使用するなど適切な処置を行う。水にアンモニアガスを吸収処理させる場合,水1 Lで8002 000

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Lのガス吸収が可能であるが,アンモニアガスを吸収した水は,アンモニア水として廃棄処分を行う。
アンモニアガス及びアンモニア水を吸収回収する場合には,試験体内部にゼオライトなどを投入する
などの適切な処理を行う。
f) 後処理 試験体に悪影響を及ぼさないように適切な後処理を行う。検知剤はブラシなどで掃き落し真
空掃除機で吸い取る。
g) 記録 試験結果は記録紙に記入し,必要に応じスケッチ,写真,ビデオテープ又は電子複写によって
記録する。

9. 再試験

 操作手順の誤りに気付いた場合又は補修を行った場合は,試験を初めからやり直す。また漏
れによるかどうか疑わしい場合は,再試験を実施するか他の方法によって,異常のないことを確認する。
ただし,放置時間を長く設定している場合には,変色径の観察を2回行い,その間に変色径が成長しない
ときは,擬似変色として処理する。

10. 結果の判定

 仕様書の指定に従って合否の判定を行う。指定のない場合には,8.5(放置時間)によっ
て求めた時間以上放置して,直径1 mm以上の漏れ指示がない場合,合格とする。

11. 記録

 試験記録には,次の事項を記載する。
a) 品名及び個数
b) 製品番号又は照合番号
c) 試験方法
1) 工程
2) アンモニア濃度又はアンモニア水の濃度,アンモニア水添加量,試験体の内容積,漏れ試験片使用
の有無
3) 試験圧力,温度,湿度,保持時間
4) 測定感度
5) 検知剤の種類
d) 試験実施年月日
e) 試験者氏名
f) 試験場所
g) 試験結果

12. 安全

 試験を行う場合,安全上,次の事項に注意する。
a) 空気中のアンモニアの爆発限界は,体積分率1528 %であるので,特に,ガス濃度に注意する。
b) 試験体に気体で圧力を加えるので,試験体の破損,爆発には十分注意し,特に,必要以上の圧力を加
えてはならない。また,加圧状態で試験体の温度を上げてはならない。
c) 大量にアンモニアガスを使用する場合には,悪臭による人体への影響に注意する。また,密閉容器内
で作業を行う場合には,作業者の酸素欠乏に注意する。アンモニアの許容濃度は,25 ppm以下となっ
ているので,漏れの生じるおそれのある場合は,防毒マスクなどを準備・使用する。
d) 試験終了後,アンモニアガスを大気中へ放出する場合には,中和剤を使用するなど適切な処理を行う。

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