29
Z 2615 : 2015
a 酸素ボンベ g 金属製集じん管 m 流量調整器
b 圧力計 h 酸化管 n 熱伝導度検出器
c 二酸化炭素吸収管 i 三酸化硫黄吸収管 o 流量計
d1,d2 脱水管 j 二酸化硫黄吸収管 p 圧力調整器
e 高周波誘導加熱炉 k 流路切換器
f 燃焼管 l 二酸化炭素捕集管
図13−熱伝導度法の装置構成の例
図14−熱伝導度検出器の例
9.6.4 予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。
a) 電源を入れ,各部が十分に安定した後,酸素を送入して装置の気密性を確認する。燃焼管(f),酸化
管(h)及び恒温槽を指定の温度に保つ。
b) 指示計のゼロ点の調節などを行う。
c) 分析試料と同程度の炭素の含有率の標準物質を用い,9.6.5のa) d) の手順に従って操作し,次のい
ずれかの式によって換算係数を求める2)[注2) は,9.4.4の注2) を参照]。
――――― [JIS Z 2615 pdf 31] ―――――
30
Z 2615 : 2015
1) 9.6.6で標準物質を用いて操作した場合
W0C0 W00C00
K3
A0 B3
ここに, K3 : 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0 : c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0 : c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
W00 : 9.6.6で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00 : 9.6.6で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0 : c) で用いた標準物質で得た指示値
B3 : 9.6.6で用いた標準物質で得た指示値
2) 9.6.6で助燃剤を用いて操作した場合
W0C0
K3
A0 B3
ここに, K3 : 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0 : c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0 : c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0 : c) で用いた標準物質で得た指示値
B3 : 9.6.6で得た指示値(空試験値)
9.6.5 定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次の手順によって行う。
a) 試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼るつぼを受台に置き,燃焼管(f)を気密に閉
じる。装置指定の圧力及び流量で酸素を送入して管内の空気を置換した後8),高周波誘導加熱炉(e)
を作動させ,試料を燃焼させる。
b) 発生した燃焼ガスは,燃焼ガス精製部を経て二酸化炭素捕集管(l)に送り,二酸化炭素を吸着剤に吸
着させる。
c) 試料の燃焼が終了した後,酸素流路を切り替え,二酸化炭素捕集管(l)を加熱して二酸化炭素を脱着
放出させ9),酸素とともに熱伝導度検出器(n)に送る。
d) 指示計が一定値を示したとき高周波加熱を止め10),指示値を読み取る。
注8) 市販の装置では,燃焼時には,パージ用酸素は,燃焼管,燃焼ガス精製部,二酸化炭素捕集
管を経て大気中に放出し,キャリヤー用酸素は,熱伝導度検出器を経て大気中に放出する。
9) 市販の装置では,測定時には,パージ用酸素は,燃焼管,燃焼ガス精製部を経て大気中に放
出する。キャリヤー用酸素は,二酸化炭素捕集管,熱伝導度検出器を経て大気中に放出する。
10) 市販の装置では,燃焼時間タイマの設定によって,加熱開始,加熱停止などの動作を自動的
に行うものがある。
9.6.6 空試験
助燃剤を使用しない場合,空の燃焼るつぼだけでは高周波が誘導されないので,試料の代わりに,炭素
の含有率が低く,かつ,その含有率が既知の標準物質を試料と同量はかりとった燃焼るつぼを用いて,9.6.5
のa) d) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行って得た指示値から,標準物質の既知の炭
素の含有率から次の式によって換算した指示値を差し引いて空試験値とする。
助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼るつぼを用いて,
9.6.5のa) d) の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行う。
――――― [JIS Z 2615 pdf 32] ―――――
31
Z 2615 : 2015
W00 C00
B00
3 100
ここに, B00 : 標準物質の炭素の含有率から換算した指示値
W00 : 空試験で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00 : 空試験で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
K3 : 9.6.4で求めた換算係数
9.6.7 計算
試料中の炭素の含有率を,次の式によって算出する。
A3 B3 K3
C6 100
W6
ここに, C6 : 試料中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A3 : 9.6.5 d) で得た指示値
B3 : 9.6.6で得た指示値
K3 : 9.6.4で求めた換算係数
W6 : 試料はかりとり量(g)
9.7 赤外線吸収法
9.7.1 概要
試料を酸素気流中で燃焼させ,炭素を酸化して炭素酸化物とし,これを酸素とともに赤外線吸収検出器
に導き,二酸化炭素又は二酸化炭素と一酸化炭素とによる赤外線吸収量を連続測定して積分することによ
って炭素量を求める。
なお,この方法は,高濃度から微量濃度域の炭素定量に幅広く適用できる利点がある。市販の装置の多
くは,JIS Z 2616の9.5(赤外線吸収法)の機能を併置したもので炭素及び硫黄を同時に定量できる。
9.7.2 装置の組立て
装置の組立ては,7.1に基づき,次による。赤外線吸収法の装置構成の例を,図15に示す。
a 酸素ボンベ f 圧力調整器及びバルブ j 集じん管
b 流量計 g 高周波誘導加熱炉 k 酸化管
c 圧力計 h 燃焼管 l 三酸化硫黄吸収管
d 二酸化炭素吸収管 i 金属製集じん管 m 赤外線吸収検出器
e1,e2 脱水管
図15−赤外線吸収法(高周波誘導加熱炉)の装置構成の例
――――― [JIS Z 2615 pdf 33] ―――――
32
Z 2615 : 2015
9.7.2.1 酸素精製部 二酸化炭素吸収管(d)にはシリカゲル,雲母などの無機質の支持体に水酸化ナト
リウムを含浸させたもの,粒状の水酸化ナトリウム,ソーダ石灰などを,脱水管(e1)には過塩素酸マグ
ネシウムを詰める。圧力調整器及びバルブ(f)によって一定の圧力に保ち,燃焼管(h)を通り,赤外線
吸収検出器(m)11) の試料セルに送る。燃焼管の酸素は,流路切換器によって加熱前には流路外にパージ
し,測定開始(加熱)時には赤外線吸収検出器(m)側に流路を切り換える。
注11) 市販の赤外線吸収検出器の装置には,対照セルを用いるものがある。
9.7.2.2 試料燃焼部 8.6の燃焼管及び加熱炉を用いる。
9.7.2.3 燃焼ガス精製部 脱水管(e2)には過塩素酸マグネシウムを,集じん管(j)には石英ガラスウー
ルを詰める。酸化管(k)には白金触媒を詰め,約350 ℃に加熱する。三酸化硫黄吸収管(l)には細いセ
ルロースウールを詰める。
9.7.2.4 炭素酸化物測定部 赤外線吸収検出器は,赤外線発生源(IRソース),試料セル,検出部などか
ら構成され,炭素酸化物の赤外線吸収量を測定できるものを用いる。その測定回路は,直線化回路,演算
回路などから構成する。赤外線吸収検出器から取り出した電気信号を,炭素酸化物に変換・加算して,炭
素の量に比例した電圧を指示計に供給する。指示計は,試料はかりとり量を指定する場合には,炭素の含
有率を直読できることが望ましい。赤外線吸収検出器(m)の例を,図16に示す。
注記 市販の装置には,二酸化硫黄の検出器及び硫黄用の指示器をもち,硫黄との同時定量ができる
ものがある。
図16−赤外線吸収検出器の例
9.7.3 予備操作
予備操作は,次の手順によって行う。
a) 電源を入れ,各部が十分に安定した後,酸素を送入して装置の気密性を確認する。
b) 装置で指定する圧力及び流量で酸素を通気し,指示計のゼロ点などの調節を行う。
c) 試料と同程度の炭素の含有率の標準物質を用い,9.7.4の手順に従って操作し,次のいずれかの式によ
って換算係数を求める2)[注2) は,9.4.4の注2) を参照]。
1) 9.7.5で標準物質を用いて操作した場合
――――― [JIS Z 2615 pdf 34] ―――――
33
Z 2615 : 2015
W0C0 W00C00
K4
A0 B4
ここに, K4 : 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0 : c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0 : c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
W00 : 9.7.5で用いた標準物質はかりとり量(g)
C00 : 9.7.5で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0 : c) で用いた標準物質で得た指示値
B4 : 9.7.5で用いた標準物質で得た指示値
2) 9.7.5で助燃剤を用いて操作した場合
W0C0
K4
A0 B4
ここに, K4 : 指示値を炭素の量(g)に換算するための係数
W0 : c) で用いた標準物質はかりとり量(g)
C0 : c) で用いた標準物質中の炭素の含有率[%(質量分率)]
A0 : c) で用いた標準物質で得た指示値
B4 : 9.7.5で得た指示値(空試験値)
9.7.4 定量操作
定量操作は,予備操作を行った後,次のいずれかの手順によって行う。
a) 高周波誘導加熱炉の場合
1) はかりとった試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼るつぼを受台に置き,燃焼管(h)
内に挿入し,気密になるように燃焼管(h)を閉じる。
2) 高周波誘導加熱炉(g)を作動させ,試料を燃焼させる。
3) 発生した燃焼ガスは,燃焼ガス精製部を経て赤外線吸収検出器(m)の試料セルに送る。
4) 指示値が徐々に増加し,指示計が一定値を示したとき測定を終了し,指示値を読み取る。
b) 管状電気抵抗加熱炉の場合
1) はかりとった試料(必要に応じて助燃剤を添加する。)を入れた燃焼ボートを,燃焼管の中央部に挿
入し,気密になるように燃焼管を閉じる。
2) 管状電気抵抗加熱炉での加熱によって試料を燃焼させる。
3) 発生した燃焼ガスは,燃焼ガス精製部を経て赤外線吸収検出器(m)の試料セルに送る。
4) 指示値が徐々に増加し,指示計が一定値を示したとき測定を終了し,指示値を読み取る。
9.7.5 空試験
助燃剤を使用する場合には,試料に添加するのと同じ助燃剤を同量はかりとった燃焼るつぼ又は燃焼ボ
ートを用いて,9.7.4 a)の1)4)又は9.7.4 b)の1)4)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行
う。
助燃剤を用いない場合には,空の燃焼るつぼだけでは高周波が誘導されないので,試料の代わりに,炭
素の含有率が低く,かつ,その含有率が既知の標準物質を試料と同量はかりとった燃焼るつぼを用いて,
9.7.4 a)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行って得た指示値から,標準物質の既知の炭素
の含有率から次の式によって換算した指示値を差し引いて空試験値とする。
管状電気抵抗加熱炉の場合も同様であり,この場合は燃焼ボートを使用する。
W00 C00
B00
4 100
ここに, B00 : 標準物質の炭素の含有率から換算した指示値
――――― [JIS Z 2615 pdf 35] ―――――
次のページ PDF 36
JIS Z 2615:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2615:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0130:2008
- 電気伝導率測定方法通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0212:2016
- 分析化学用語(光学部門)
- JISK0213:2014
- 分析化学用語(電気化学部門)
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISR1306:1987
- 化学分析用磁器燃焼ボート
- JISR1307:1995
- 化学分析用磁器燃焼管
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
- JISZ8402-2:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
- JISZ8402-3:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第3部:標準測定方法の中間精度
- JISZ8402-4:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第4部:標準測定方法の真度を求めるための基本的方法
- JISZ8402-5:2002
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第5部:標準測定方法の精度を求めるための代替法
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい